「グウゥウウウウ・・・ウおおおおお!!」
カミトがジオ・インザーギだった者の胸を貫いた瞬間右腕から・・・
ジオ・インザーギが這い出てきたのだ。
然しその時のジオ・インザーギの状態は酷かった。
髪は白く染まり肌は未だ黒く、瞳孔が元に戻り始めていた。
然し体をよく見ると酷い物であった。
右腕は未だジオ・インザーギだった者とくっ付いており左腕は鉄のようになっていて体中もまるで化け物のように色々な精霊が出たり入ったりと蠢いていた。
「(おいおいこれって人間かよ。)」
『シラヌイ』がジオ・インザーギの状態を見てそう言った途端ジオ・インザーギが
何かつぶやき始めた。
「畜生、畜生、畜生。あの野郎ぶっ殺してやりてえなおい!!」
最後に大声を上げるとジオ・インザーギがカミトを見た瞬間こう怒鳴り散らした。
「手前だって俺のこの姿を見ていい気味だとか精霊ともまともに交信できないって思ってるんだろう・・・ゴホゴホ!!」
ジオ・インザーギは最後に咳き込むと今度はレオノーラ達を見てこう怒鳴り
散らした。
「見るな・・・ミルナ・・・俺を見てんじゃねえぞ弱者共が!!」
するとジオ・インザーギは怒鳴り散らしながらこう喚き散らした。
「手前らみてえに精霊を道具としても使いこなせねえ連中が魔王に歯向かったことを必ず後悔させてやる!!手前ら全員八つ裂きに・・・!!」
ジオ・インザーギはそう怒鳴り終わる前に自分の腕を見て固まった。
鉄と化した左腕が・・・なくなっていたのだ。
そして足元を見ると鉄となっていた左腕が・・・灰になって消えてしまったのだ。
「な・・・何だよごれはああああ!!」
ジオ・インザーギが喚くとエリスがある事に気づいた。
「き、貴様体が!」
ジオ・インザーギは自分の体を見ると・・・少しずつであるが灰色の粒子が
漂い始め、体が薄くなり始めたのだ。
「な、何だよこれ、一体!!」
「それは精霊がアストラル・ゼロに帰還する時の光よ」
「レスティア!!」
カミトは精霊魔装になっていたレスティアを見てそう言った。
そしてレスティアが人型に戻るとレスティアはジオ・インザーギに向けて
こう言った。
「貴方はあの時フギルによって精霊と一時的に融合して力を得たけどどんなものにも代償が存在するわ」
「そして貴方の体は今や精霊と同じようになってしまった以上アストラル・ゼロに
帰還することも当然の帰結よ」
そう言っている間にも体の左半身が灰となり、右半身は粒子となっていた。
それを証拠に体がどんどんと薄く透明になり始めていたのだ。
「イヤだ・・・嫌だ!俺はこんな所で死にたくねえよ!!」
「誰か俺を助けろ!魔王を助けた奴は俺の右腕にしてやるからよお!!」
ジオ・インザーギはそう言いながらエリス達に助けを求めるも誰も相手にしてもらえなかった。
「哀れじゃのお。まさに道化じゃな。」
それを見ていたマギアルカはまるでじわじわと死んでいく家畜を見るような眼で
ジオ・インザーギを見ていた。
そして誰も相手にしてもらえずカミトの方を見るとこう言った。
「おい助けてくれよ!あんたなら俺をさ!な!?」
ジオ・インザーギはまるで縋るような顔でそう聞くも流石のカミトも首を横に振った瞬間ジオ・インザーギは脇目も降らず泣き崩れながらこう言った。
「おい、助けてくれよ!俺は死にたくねえよ!!助けてくれ!タスケテ!!」
そしてカミトに向かってなくなった方の左手を向けてこう言った。
「タスケテ!レン」
そしてジオ・インザーギは何かを言いかけた瞬間灰となって消え去った。
灰色の粒子は空にへと舞い上がって・・・。
「哀れじゃのお。魔王にもなれず、精霊使いにもなれず、何者にもなれずに
死んでいく半端ものほど涙が出ない死に方はないわい。」
マギアルカはそう言いながら空を見上げた。
天井は光り輝いているの全員の心は・・・沈んでいた。
その後アストラル・ゼロにおいてある精霊が目撃された。
右腕は赤く、左腕は鉄色。
足は虫のようなもので背中には突起物のような物が生えた精霊がそこにいた。
そして時折こう言うそうだ。
「タチュキェテ・・・タチュキェテ・・・。」
そう言いながらアストラル・ゼロの森を彷徨っているそうだ。