「私が作った。」
「・・・え?」
暫くの間静寂が流れた。
ここはどこかの国にある闘技場。
そこはかつてのコロッセオと同じような建築物であった。
その中にある待機場では1人の少女がいた。
腰まで伸ばした黒い髪、裾に大きな切れ目が入った異国風の意匠をした美少女がいたが今彼女の周りにはどす黒い悲しみがあった。
「何でこうなった?」
「(仕方ないだろう?あの女との約束なんだから。」
「だからってこういう衣装、しかもこんな大会でか?」
「≪うふふ似合うわよ。レン・アッシュベル。≫」
「茶化すなよレティシア。」
「(そろそろ出番だぞカミト。)」
「≪いつも通りやりなさい。≫」
「じゃ行ってくる。」
そうこの少女こそ我らが主役カミカゼ・カミト(男(笑))
何故彼がまだ女装してるのかと言うとそれは前話の後に遡る。
「・・・ん。」
目覚めるとカミトはまたベッドにいた。
「(またか。これで2度目だ。)」
自分はまだ成長してないのだなと思いながら起きると
「やっと目覚めたか。坊や。」
すぐ近くでグレイワースが微笑みながら言った。
「グレイワースあんたに聞きたいことが2つある。」
「いいぞ。答えろ。」
「先ず1つ目はさっきの攻撃は僕に足りないものを思い出させるためか?」
「そうだ。忘れているなら思い出させる。そういうときに便利なのは危機に陥った時が効果的だがあの時シラヌイのあの大型の武器を囮としたときはヒヤッとしたがな。」
グレイワースは悪びることなくそして楽しんでいるように答えた。
確かにあの時自分はあの本〈魔王の鍵の本(キー・オブ・スライマン)〉を守ることがレスティアを守ることと同意義であったこともあり
あの本を死守することにしたのだ。
確かに書斎の机の上には資料があったが物がなければ何もできないのだ。
「それにあの時咄嗟に私の絶剣技をあの小さな手でよけきった時には驚いたぞ。」
「見切れなきゃ死んでたぞ。」
「まあ、そうだな。」
カミトは彼女の言動に対しため息しか出なかったのでもう一つを聞いた。
「2つ目にあんたのああの姿は何だ。俺よりちょっと歳が上程度だったが。」
「それは昔〈精霊剣舞祭(ブレイドダンス)〉の優勝時の願いで手に入れたのだがこの体は1定の周期で若返るんだが万能ではない。さてと約束だ。指輪を出せ。」
「あ、ああ・・・」
カミトは懐から指輪を取り出すとグレイワースは慣れた手つきで儀式道具を並べほんの解読で得た解放の詠唱を唱えた。
すると指輪の表面に刻まれた精霊語の文字が光り輝きその後嵐のように風が吹いた。
「うわっ。」
「(これは!!)」
シラヌイとカミトが驚いた瞬間黒い霧のような羽が辺りを舞った。
「--これはまた。坊やはとんでもない精霊を持っていたね。」
グレイワースが驚くのも無理はない。
それは少女の形をした精霊だからだ。
「レスティア・・・だよな?」
「ただいまカミト。それとシラヌイ。」
「(俺はついでかよ。・・・まあ、おかえりレスティア。)」
カミトにとってそれはミュアとリリィが欠けているがどちらかと言えば家族の再会のようなものなのだから。
「ああそれとカミト。悪いがお前今度の〈精霊剣舞祭〉でないか?」
「・・・・・はあっ!!!???」
まだまだ終わらなかった。
「カミト何で女装してるの?」
「あの女に着せられた。」
「それじゃ同じもの着る?」
「何でさ!!!」