精霊使いの装甲機竜   作:caose

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 クレアが怒る理由です。


火は魔に落とされる。

「納得出来ません!!」

 クレアが〈聖セラエル医療院〉で大声を出してそう言った。

 彼女達の怪我がラッカ達よりも酷い(当人たちは学校の医療施設にいる)為学園長が彼女達をここにいれたのだが何故かクレアが怒り心頭であった。

 その理由は・・・。

 「ブレイドダンスに出場出来ないなんてそんなの有り得ないわよ!」

 これが理由である。

 クレアは腹部の肋骨骨折と脳震盪に伴う一時的な体の不調。

 リンスレットは右手と左足の使用厳禁と洞窟内での治療における体の不調がないかの検査の為ブレイドダンスの出場はしないようにと言うヒーラーからの忠告を聞いて

クレアは怒り狂ったのだ。

 然もリンスレットも言葉に出してないが同じ思いであった。

 するとクレアがベッドから出ようとした。

 「私には叶えたい事が・・・痛ゥ!」

 「ほら言わないことですよ!!ベッドから戻って下さい!」

 ヒーラーの一人がそう言ってクレアに近寄るもクレアは差し出された手を叩き落してこう言った。

 「私は・・・こんな所で・・・立ち止まる訳には・・・!!」

 クレアはベッドの柵を使って歩こうとすると部屋の外から誰かが来た。

 そして目の前の扉が開かれてその一団を見た。

 「困るな、クレア・ルージュ。お前は怪我人なのだからそれらしくしなければいかんだろう?」

 「「学園長!!」」

 クレアとリンスレットはグレイワースを見て身形を正そうとするとグレイワースは

手を前に差してこう言った。

 「構わん。お前達は怪我人だしクレア・ルージュ。貴様は当分ここに入院せざる

をえないのだ。」

 そう言いながらグレイワースはクレア・ルージュをひょいっと摘み上げてこう

言った。

 「さっさとベッドに入ってろ。」

 そう言いながらポイっと放るかのようにベッド目掛けて投げた。

 「!!!!!!~~~~~!!!!!」

 クレアはあまりの痛さに悶絶しながらこう反論した。

 「で・・・ですが学園長!その為に三週間入院の後は一か月の様子観察なんてして

いたらブレイドダンスが終わってしまいます!!」

 クレアはもうじき始まるブレイドダンスについてを言うとグレイワースはクレア・ルージュに対してこう返した。

 「駄目だ。確かにブレイドダンスは精霊使いからすれば名誉ある大会であるがそれは同時に他国に対して自国の軍事力をアピールするためのものだ。」

 「「「「「?」」」」」

 その言葉に全員が何故と思うとそこにいいたマギアルカが代弁した。

 「成程のお~。つまりは自国の精霊使いを見せつけて他国に対して圧力をかけて

優位性を確保したいといった所じゃなあ?」

 その言葉にグレイワースは頷くとこう続けた。

 「そのためには万全のメンバーで出陣させなければならない。だが怪我した

メンバーを入れれば他国からどのような目で見られるかは・・・分かるな?」

 グレイワースはカミトに目を向けて聞くとカミトはこう答えた。

 「人材不足・・・ってことか?」

 「そうだ。そうなれば好戦的な国から攻められる機会を与えることとなる。

国の威信を掛けた試合に個人の意思を尊重するなどあってはならないからだ。」

 グレイワースは全員に向けてそう言った。

 世界規模の大会なら万全でかつベストメンバーでやっても勝てるかどうか

分からないが1%の可能性があるならそれを高めようと考えるのが性である。

 だがクレアはグレイワースに向けてある提案をした。

 それは・・・。

 「・・・呪装刻印。」

 「!!」

 グレイワースはその言葉を聞いて目を大きく開かせた。

 「あれなら精霊使いの神威を増幅させて回復を早めさせることが出来ます!!」

 呪装刻印とは人工的に付与された刻印であり精霊の封印や契約精霊の力の底上げ、

新たな属性の付与等ランパール戦争の際には精霊使いのこれを与えていたが

適合できたのはほんの一割で殆どが暴走を起こしたり精神に異常をきたして病院送りと様々な副作用を起こしたため国家間における禁止条約が締結されるほどであった。

(裏では未だ実験が続けられている。)

 「学園長、私にそれを移植させてください!私なら制御できます!」

 「・・・そう言って私から消えた人間を何人も見てきたしそれによって精霊使いに

戻れなくなった人間も数多くいた。」

 「だから・・・許さん。」

 グレイワースはまるで泣くのを堪えるかのようにそう言った。

 然しクレアは縋るかのようにこう続けた。

 「それでも構いません!この身がどうなろうか構いません!!私には叶えたい」

 クレアは何か言いかけた瞬間・・・パンと言う音が鳴った。

 「へ?」

 全員は声にも出さなかった。

 何せグレイワースがクレアの頬を引っ叩いたからだ。

 「いい加減にしろよ小娘。」

 そしてグレイワースはクレア・ルージュの胸元を握りしめてこう言った。

 「どんな理由があるにしても下法に身を染めた奴の末路はお前が良く知っている

だろう!精霊が弱体化するだけなら未だしも今度は二度と精霊を使役できなく

なるんだぞ!私の目の黒いうちは何があっても生徒にそんなものを使わせん!!

良いな!!!」

 クレアはグレイワースの言葉に二の次を出すことが出来なくなった。

 そしてグレイワースは全員に向けてこう言った。

 「戻るぞ。」

 そう言ってグレイワースはクレア・ルージュとリンスレットを残して立ち去った。

 その姿をクレアは見ることすらできなかった。




 あと少しで第二巻が終わりそうだ。
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