「それで・・・あちらの様子についてだがフレイヤ先生、報告がてら聞きたい。」
学園長室でグレイワースがフレイヤに向けてそう聞くとフレイヤ先生はこう返した。
「はい、先ずドラグライドを使った実践演習ですが彼女の強さにあのエリスですら
太刀打ちできないようです。」
「ほう・・・やはり第一位は伊達ではないという事か。」
グレイワースはフレイヤ先生の報告を聞いて改めてマギアルカの実力に少しだが
驚いていた。
彼女自身、「金で買った」とは言ったが機竜の搭乗経験がなくとも精霊を使って
戦っているエリス達に対しそれを素の状態で戦って勝っていることに任命させてくれたことに二重の意味で感謝していた。
「[彼女のおかげでフィアナ姫の力を取り戻させてくれた事には感謝だな。]」
「次に教師陣からアビスに対してですがやはり情報が不足していて対抗するにしてもレオノーラからの情報と合してもやはり機竜無しでは自殺行為だという結論に
至りました。」
「それでも万が一があってはいかんからな。対策として結界を張って避難させると
いうことしか思いつかんな。」
これで終了してとグレイワースが締めくくると報告についてが出た。
「それでは報告ごとが二つ、一つは『マーダーズ』の商人が、学院都市に
潜入しているという情報を掴みました。目的は恐らくブレイドダンス前に学院生に
呪装刻印を売り込もうとしているんじゃないかと思われます。」
「忌々しい連中・・・いや待てよ。もしかしたら・・・」
グレイワースはその報告を聞いた途端何やら顔を顰め面にして考え事をするとそれを見ていたフレイヤ先生がグレイワースにこう聞いた。
「どうされたんです?学院生?」
「いや何でもない。エリスにそれを伝えて『シルフィード』に学院都市の警備を強化させるように命じておけ。」
「はい、それと二つ目ですが・・・。」
「うん?」
「『ヴェルサリア・イーヴァ』が先程学院に戻ってきました。」
「それを聞くとグレイワースは眉を僅かだが跳ね上げてこう言った。
「それはすごいな。たった数週間足らずで魔人級精霊の討伐任務をこなすと
なれば。」
「ええ、間違いなく学院最強の精霊使いですし今回のブレイドダンスを期にこれまで単独で事をこなしていたヴェルサリア相手にチーム加入を懇願されるでしょう。
出場三枠の一つは彼女のチームで」
「いやそれはないだろうな。」
グレイワースはフレイヤ先生の言葉に割って入り否定した。
「何故そう言いきれるのです?幾ら彼でもグレイワース相手では。」
「いや君が思っていることよりも面白い展開が待っているはずだぞ?」
「??」
グレイワースの意味深な言葉を聞いてフレイヤ先生は疑問の様子をしている中
グレイワースはある事を思い出していた。
「[もし『マーダーズ』が例の薬を売買していることを想定した方が良いな。・・・悪い予感が的中しなければ良いが。]」
それは嘗てカミトが鉱山都市でジオ・インザーギが使用したといわれる秘薬の事を
考えていた。
その想像は・・・現実のものとならん事を。