それから暫くして夕刻頃。
「・・・すまない、待たせてしまったな。」
はあはあとエリスが息を切らしながら走ってきた。
「いや、そんなに待ってないぞ。」
「(お決まりの台詞だな。)」
カミトの言葉に『シラヌイ』がニヤッと笑うかのように言った。
「取り敢えず・・・勉強するなら図書館か空き教室にへ行くか?」
カミトは鞄の中にある勉強道具一式を見せてそう言うとエリスは少し小さな声でこう返した。
「いや・・・その・・・部屋で・・・だ。」
「は?」
「だから・・・その・・・わ、私が使っていた部屋で教えて欲しいんだ!」
「・・・・ハイ?」
カミトはエリスの言葉を聞いて自分の耳を疑った。
使っていた部屋という事は未だエリスがヴィ―ぜル寮で使っていた部屋であろう。
現在はカミト達と同じ療養所の一角で暮らしている。
「え・・・でも何で・・・あっちの部屋でいいだろう?」
「いや・・・それは・・・流石に・・・な。」
エリスは少し落ち着きがなく目線を余所に向きながらそう言うとカミトの手を
引っ張ってこう言った。
「行くぞ・・・。」
「お、おお。」
カミトは訳が分からないと思いながらも連れて行かれた。
そしてヴィ―ぜル寮の二階にあるエリスの部屋にへと向かった。
「こ、ここが私が使っていた部屋で今はもう一人が使っている部屋だ。」
「それって大丈夫なのか?男の俺がここに入るのって?」
カミトはエリスにそう聞くとエリスはこう返した。
「いや今は学院の任務で数週間の間開けているんだがその人は厳しさと優しさを
兼ね揃えた騎士の見本となれる人なんだ。」
エリスはその人の事で憧れのような表情でそう言いながらクッションを床に敷いた。
「楽にしてくれ。今お茶とお菓子を用意する。」
エリスはそう言うとバッグから紅茶のポットとお菓子を出してお湯を沸かした。
大貴族で武門の家柄のエリスは幼いころから厳しい教育を受けてきたのであろう。
目の前に出してくれたのは紅茶の粉をまぶしたカステラと紅茶であるが
『シラヌイ』はこう思っていた。
「(紅茶のオンパレードだな。)」
そう思うが食べてみれば意外とおいしく好評であった。
「これ上手いな!エリスが作ったのか?」
「ま、まあちょっとした趣味だが少し待ってくれ。今準備してくる。」
「ん?準備って」
「(カミト、そう言うのは言わないのが常識だぞ。)」
『シラヌイ』がカミトの言葉にストップをかけさせエリスはそのまま隣の部屋に
入っていった。
そして暫くして・・・。
「ま、待たせたな。」
背後からエリスがか細い声を出してそう言った。
「ん?どうした」
エリスと振り向いて言いかけた瞬間・・・時が止まった。
そこにいたのは・・・。
「ううううううう/////」
ロングスカートのメイド服を着たセリスがそこにいた。
・・・続く
「(え?これで終わりかよ!)」
Bパートに入ります。