「カミト、君に折り入って頼みたいことがるんだ。」
「?」
カミトはデザートのイチゴのケーキを食べていた。
如何やらレオノーラ達にも食べさせようと思い大きく作ったのであろう。
エリスは使った食器の後片付けをした後そう言った。
「カミト、仲間が復帰するまでの間で良いんだ。『シルフィード』に入って
くれないか?」
「俺が『シルフィード』にって男だぞ俺は?」
カミトは学院の治安と風紀を守るべき場所にある意味異物である自分を入れる理由が何なのかと聞くことにした。
「『シルフィード』に入るって言っても何で俺なんだ?募集かければ良いじゃ
ねえか?」
カミトはそう聞くがエリスは少し暗い表情でこう返した。
「無論そうしているが希望者はほとんどいないし『シルフィード』の仕事は
危険なだけじゃなく他の学院生からも敵視されることから二の足を踏んで
しまうんだ。」
「然もジオ・インザーギが起こした襲撃事件の所為で構成員の三分の一である
9名が戦線離脱してしまって『シルフィード』の信頼は大きく下がってしまったんだ。
それで汚名返上で捕縛任務に打って出たがカミト達がいなければ全滅していた。」
エリスは涙を流すのを堪えながらそう言った。
それを見ていたカミトはこう思っていた。
「(こいつ、ずっと『シルフィード』に向けられる非難の声に誰にも相談できずに
耐えていたんだ。それが自分の務めだと疑わずに)」
元々エリスは騎士団長補佐官だったのだが団長が不在である事から自分が
しっかりしなければと思っていたのであろうが責任と重圧を一人で背負い込み、
周りからの不信感をこれまでは実力で抑えていたがそれすらも出来ず今は本当にたった一人なのだ。
「・・・本当は怖いんだ私は。」
「(怖い?)」
エリスの言葉に『シラヌイ』はそう聞いた。
「私は騎士として正しくやっているように見えて実は『シルフィード』の権威を傘に守るべき生徒たちを力で抑えつけているだけなんじゃないかと思うと・・・」
そう言いかけた所でエリスは言葉を詰まった。
カミトはそれを聞いてこう返した。
「分かった。同じチームメイトが大変な時に何もしないなんてそれじゃあ
チームを組んだ意味がない。それに今にも泣き出しそうなエリスを見てしまうと
どうにもほっておけないしな。」
「か、・・・感謝する。カミト。」
エリスは今にも泣き出しそうになりそうな表情で頭を下げた。
それを見て今後どうするのか、そしてレオノーラ達にどう話そうかと考えていた。
何か波乱が起きそうだなあ。