ヴィラン名『キラークイーン』   作:尺骨茎状突起

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諸注意です。
B組の生徒の個性は名前こそ公表されてますがどういったものなのか、まだ定かではありません。(よね?)

そのため試験中のB組の個性、口調は私の想像で補ってます。

感想とかで、「いや、この個性はこうじゃね?」的な意見を頂けると助かります。

特に漫画の人…お前だよ。トゥーン化とかするの?


試験

 

「どうも皆さんこんにちは!ヒーロー公安委員会の活力(かつりょく)と申します!!」

 

B組生徒との邂逅の後、ヒーロー仮免試験の試験内容の発表の場へと向かった。

 

その部屋は決して狭くはなかったが、ぎゅうぎゅう詰めになる程の生徒がいた。

しかし、わたしはそこまで窮屈な思いをしていなかった。

 

まぁ、理由は酷いけど

 

「くっ、お前ら!他校の男からみえるちゃんを守るぞ!」

「「「がってん!!」」」

 

聖勇敢学園は雄英や士傑程ではないにしろ、そこそこ有名な学校だ。

その分、もちろん倍率も高い。

 

しかし、コイツらが受かってここにいるのを見ると、肩の力が抜ける。

決して油断はしないがね。

 

「今のヒーロー社会は、ステインとかいうヴィランのせいで正直揺れてます。

 

このままヒーローを信じていいのか?

オールマイトがいなくなったけど大丈夫なのか?

 

市民どころではなく、ヒーローの卵である皆さんもまた、不安を抱いているものもいると思います!」

 

ヒーロー殺しステイン。

彼の掲げた理想、信念。

それはヒーローヴィラン問わず、数多くの人間に影響を与えるものだった。

 

 

『ヒーローとは自己犠牲の果てに得られる称号でなくてはいけない。』

 

 

英雄回帰。

いまのヒーローのあり方は間違っているという彼の主張は、我々敵連合を思想団体に変えた。

 

もちろん、わたしは死柄木弔にそんな思想はないというのは知っている。

ステインの思想さえも踏み台にしているのだ。

 

ちらっと、周りを見るとやはりヒーロー科の生徒だからなのか、何人かが顔を伏せていた。

思うところがあったのだろう。

 

顔がにやけるのを抑える。

我々の影響がどこまで及んでいるのか、それを身をもって実感出来たからだ。

 

「人々が不安である世の中だからこそ、ヒーローというのはみんなの心の拠り所でなければならない!何かがあった時にどっしり構えて、皆を落ち着かせるヒーローになることが必要です!

よって皆さんには耐久力が必要とされます!」

 

活力が手元の端末を弄る。

前に画像が表示される。

ベルトと腕輪?

 

「皆さんにはこの腕輪とベルトを一つずつ付けてもらいます。このベルトには 01.00.00 (1分)と表示されてますよね?腕輪とベルトは連動しており、腕輪のつけた腕で人に触れるとその人のベルトに表示される時間が減ります。ゼロになったら脱落です!

残った人が200になったら一度止めます!」

 

腕輪は一つしか配られず、つけた腕しかベルトは反応しない。

 

例えば、わたしが腕輪をつけた腕で誰かに触れた場合、そいつの『時間』が減る。

 

時間が減るのは触れている間だけ。

 

時間は増えない。

 

握手のようなお互いが触れているものは、両者の『時間』が減る。

もちろんこの時、Aが腕輪をつけている腕で、Bが腕輪をつけてない腕で握手行っていた場合、Bのみの『時間』が減る。

 

つまり、合計1分、触れられた人から落ちるという生き残りゲーム。

 

「囲まれたらかなり不味いですね」

「うむ、しかも触れるべき腕輪の腕は見ればわかる。防御は容易だろうな。」

「でも、数でまけたらキツイです。みんな固まって動くです。」

 

いや、このルールだと攻めるよりも守って生き残る方が大事だ。

だから「逃げる」「戦わない」という選択肢が出来てしまうが…?

 

それと「一度止める」が気になる。合格ではないのか?

 

まぁ、もちろん自分は状況見て撤退する予定だが。

 

「しかし!このルールだと逃げ回る人隠れる人が出てくるので、少しひねりを!

 

残った200名ので、脱落させた数を照合!上から100名合格にしますねー!」

 

なるほどね。

倒さないといけない理由をつけたのか。しかし、これだとさっきと言ってることが真逆ではないか?

 

「先読。気づいたか?」

「うん☆どっちかっていうとこれ『攻め』てるよね!」

 

「お気づきかも知れません!私は攻撃が最大の防御だと思うんです!!どしっと構えるだけじゃ何もできません!行動と様子見のバランスが大事ですよ!!

 

 

 

 

ようは、メリハリつけろってこったガキども!!」

 

 

 

 

この公安の人、実は結構脳筋だろう。

しかもこの豹変。確実に同じ職場の別の人が被害を受けてる。

 

まぁ、理論はわかる。

わたしの『個性』なんかが例となるだろう。

様子見が大事とはいえいつまでも見てちゃ状況は変わらない。

行動と観察。

そのサイクルが大事なのだ。

 

どうしたものかと考えている時、突如地面が震えた。

地震か?

 

「後でよぉ!フィールドが悪かったーとかピーピー喚かれたくねぇからよぉ!

 

でっけぇの作らせたからぁ!!」

 

ビル、山岳、遊園地、工場地帯、数々のステージが凝縮されたというべきか?

どんな個性でも有利に、間違えれば不利になりうる状況を作り出せる。

 

金掛けすぎじゃない?

 

「つーわけで!さっさと腕輪とベルト!持ってって配置付けや!」

 

 

 

 

 

 

────────

 

 

 

 

 

 

学校でかたまり、どの学校を標的にするのか、どう動くのか、スタートの合図がなるまで各学校は作戦をねっている。

 

それはこちらの学校も同じ。

 

雄英のスタート地点を確認しつつ、遠すぎず近すぎない位置を保つ。

エリアは山岳。

 

「どうするです?カウンターが怖いですが、やはり雄英を潰しに行きますか?」

「俺はその意見には賛同させていただく。」

 

雄英は体育祭のお陰で、『個性』どころか、戦闘スタイル、弱点などといったものが他校に割れている。

だから、こそ潰しやすいのだろうが…

 

「ううん。他の学校も同じ事考えてるはずだよ☆」

「じゃあどうするですか?活力さんも言ってましたが、行動を起こさないと意味無いです」

 

雄英潰し。

いい作戦だが甘い。体育祭から雄英生徒がなにも成長していなければそれこそ最高の作戦だろう。

しかし、そこには「成長」という不確定要素がある。

そしてそれは大きすぎる不確定要素だ。

 

だからこそだ。

 

 

 

 

「霞ちゃんはさ、漁夫の利ってしってる?☆」

 

 

 

 

 

────────

 

 

 

 

 

「拳藤!右からも来てるぞ!!」

「わかってる!!」

 

スタートの合図と同時に、わたしたち雄英1Bは強襲された。

 

「っく!」

「テレビで見たからね!体をガチガチにするやつ!」

 

鉄哲は一方的に遠距離から攻撃されている。

この試験は触れなきゃ相手を倒せないのではない、相手を脱落させられないんだ。

ようはぶっ倒した後に触れればいいんだ。

鉄哲の『個性』は遠距離には滅法弱い。そこを突かれている。

 

「鉄哲!」

「俺は平気だ拳藤!それより1回引くぞ!全員俺らを狙ってやがる!」

 

明らかに連携を取れていない人がいることを見ると、2校以上はわたしたちを潰しにかかっているのがわかる。

 

「円場と物間!鉄哲のカバー!」

「もうやってる!」

 

円場とその『個性』をコピーした物間が空気の壁を形成。

鉄哲は後退し、私たちと合流する。

 

「クソッ!キリがねぇぞ!」

「諦めないで!」

「わかってる!」

 

他校の猛攻。私たちの疲弊が目的だろう。

唯一こちらにとって嬉しいことは、相手がカウンターを警戒して近づいてこないこと。

私たち全員の『時間』はまだ減ってない。

 

「…ッ!拳藤後ろだ!」

 

泡瀬の声に反応して後ろを見ると、

 

そこには伸びた腕があった。

 

肩を手が掠める。ベルトを確認すると [59.4] と表示されていた。どんな短い間であれ、接触は接触。その分の時間が減った。

 

「っち」

「悪いな雄英!俺の『個性』はこの試験にピッタリだ!」

 

そのまま伸ばした腕で私を捕らえようと、私の周りを一回転。

腕輪のついている腕の手を大きくして、隙間を作り、脱出。

 

目を凝らして相手のベルトを見る。

[58.3]

 

続いて私のベルトを確認する。

[57.7]

 

やっぱりだ。

わたしの『個性』もなかなか相性がいい。

敵の直接触れる攻撃を右腕でガードする限りは触れている時間の分だけお互いの時間も減る。

 

ともかく、今はこの手の伸びる人をどうにかしないと…!

 

「…ッ!んだこの白いのッ」

「ありがとう、凡戸!」

 

そいつの死角から凡戸が『個性』をつかって動きを封じてくれた。足だけじゃなく、腕輪のある腕まで固めてくれた!

 

凡戸がサムズアップをしたのち私にそいつを譲るようなジェスチャーをした。

 

「いいって!凡戸がそのひと片付けなよ!ありがとね!」

 

なにか言われる前にその場を離れる…わけにはいかない。

凡戸がそいつに触れている間、守らなきゃ。

 

「そいつを離せ!」

 

同じ学校の生徒だろう。凡戸を囲むように3人が姿を現す。

 

が、すぐさま地面からツルが伸び、そいつらを拘束する。

塩崎の『個性』だ。この試験じゃうってつけの拘束力を誇る。

 

「間に合いましたね。三人いるようですから、1人ずつですね。」

「ありがとう塩崎!」

 

塩崎のツルで、小さいが人が入れるサイズのドームを作ってもらい、その中で私たちは相手に触れる。

 

ドームに触れられてもすでに塩崎は切り離しているから、『時間』は減らない。

 

「…よし!これで凡戸は2人!私たちは1人ずつだね」

「ええ!」

 

ドームからでて、皆と合流する。

 

「みんな!山岳ゾーンだと囲まれやすい!移動しよう」

「どこにだい?」

 

塩崎の『個性』を借りた物間が敵を抑えながら聞く。

 

「ビル方面がいいと思う。室内の方が私たちの『個性』は活かせる!」

「流石に遠くないか?」

 

骨抜が地面を柔化して、敵の動きを止める。

 

「確かに遠いけど、私たちの防御力にしびれを切らしてるみたい!何人か別の高校を攻撃してる!」

 

こうも私たちに猛攻を仕掛ければ、手の内がバレる。『個性』の相性も鑑みて標的を変える人達がでる。

 

「っしゃ!じゃあ撤退だ!」

 

鉄哲の言葉に他のみんなは頷き、撤退を始める。骨抜きと凡戸が後方の敵を足止め、左右の敵は右翼は円場とレイ子が、左翼は塩崎と物間がカバーする。

 

これならいける!

 

 

 

 

と思った時だった。

 

「霧?」

 

唯のつぶやきで気付く、当たりが深い霧で覆われていく。これは?

 

────があああっ

 

────どこからっ…ぐっ?!

 

────出てきやがれ!

 

後ろの生徒たちが悲鳴をあげている。

 

「スンスン…あの霧の中で、動き回ってる人がいる!」

 

走りながらも、宍田が『個性』の嗅覚を利用して何が起きているのか伝えてくる。

でも、あの深い霧の中で動くってなに?

 

一度視線のみを霧の方に移す。

絶対にあの中で運転したくないようなレベルの霧。

いくら目が良くてもあの中じゃ身動き取れない。なんらかの手段がなければ…

 

「なぁ拳藤!あの霧のカラクリってよぉ」

「うん。多分あの(ヴィラン)と同じ」

 

鉄哲でも気づけた。今後あの霧とぶつかることになったらみんなに伝えないと。

 

とにかく今は走ろう。そう思い視線を前に戻すと

 

 

 

 

 

「こんにちは☆みえると遊ぼ!」

 

さっき会った先輩が目の前に現れると同時に、深い霧にあたりが包まれた。

 

 

 




映画見なきゃ。


追記

先程まで同じ箇所が繰り返されている所がありましたので修正しました。

指摘していただいた方には感謝を!
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