皆さん本当にありがとうございます!
「君が寝込んでる間、リカバリーガールにかなり強めの治癒を施してもらったから、動かせるとは思うが」
僕は近くの病院にすぐ搬送された。ボロボロの体は寝て起きたらある程度動かせた。
それでも、先生は僕の腕のことについて、1拍置いて、
「グッチャグッチャだったよ。この短期間で何度も怪我してるけど、君ね。ぶっちゃけ今回は比にならんほど重いよ。」
それはなんとなくだが、理解していた。
洸汰くんを助けた時の
その後もろくな処置をせずかっちゃんを探して走り回った。
そして、
「…比にならん…というのは?」
「君の今までのカルテ、特別に借りたんだけど、毎度内側から爆竹が爆発したような壊れ方してんのね。
んで、今回さらに追い討ちかけるように外から鉛玉みたいなの貰ったね?」
そして、きらちゃんからの上腕部への攻撃。
「ギリギリ骨は大丈夫だったけど、筋肉がぶっ壊されてて、リカバリーが遅れてたらまだ手術中だったね」
曰く、僕達の体にはリミッターが付いていて、100%の力が出せないようになっている。
時々「火事場の馬鹿力」とかいってリミッターの外れた力を発揮するけど、リミッターが付いてるってことは負荷に耐えられないこと。
今回僕はずっとそのままの状態で動き回っていた。
「そこに今回はさらに外部から攻撃を貰って、内と外、両方からダメージが入ったのね。これがいま君のひどく劣化している靭帯、関節部分ね。そこにぶち込まれてたら…
一生腕が動かせなかったね。」
ぞわっ
腕が動かなくなる恐怖が何よりも先に感じた。それは痛みや後悔なんかよりもずっと強く感じた。
「あと、1、2回同じ怪我が続けば、腕の使えない生活になると思っといて」
やっぱり痛みよりも動かなくなる恐怖が大きかった。
腕が使えなくなったら僕はこの『個性』をもつ資格がなくなる。
これから先、腕を酷使したら終わりだ。どうすれば…?
腕が壊れたらオールマイトの期待に答えられなくなる?
思考がまとまらない。
「……」
「リカバリーガール、呆れてたよ…。沢山怒られてきたんだろうね」
────嫌だよ。あたしゃ
轟くんと戦ったあとの、リカバリーガールの言葉を思い出す。
恐怖が引いた後に不甲斐ない気持ちで胸が一杯になった。
あの時誓ったはずなのに…っ
「ただ君に助けられた人間はいる」
そういい、先生は胸ポケットから1枚の手紙を取り出した。いや、それは手紙とは言えない紙を2回折っただけのメモのようなものだった。
「病は気から。あんまり思い悩まず、前向きにね」
だけどそれはとても暖かいものだった。
文字数とかは少なかったけどこの手紙は確かにこの瞬間僕をヒーローにした。
ありがとう。洸汰くん。
────────
「はぁ…少しは落ち着いたらどうだ?爆豪勝己くん?」
「うるせぇ!だまってキラを出せぇッ!!」
これから爆豪勝己の勧誘をしようとしたもののやっぱりこうなっちゃうか…
「死柄木弔。やはり彼女をこちらへ転送しますか?」
「いや、余計暴れるだけだ。」
黒霧が俺に耳打ちするが、それは最善のじゃない。彼には自分の意思で入ってもらう必要がある。
確かにキラークイーンの存在で揺さぶることができるかもしれないが、もう既に「こちら側に妹がいる」と認識してる。
それで十分だ。
「何度もいってるだろ?あいつはいまここにはいない。別のところに行ってるんだ。」
「だったらそこのモヤモブが連れて来やがれッ!!!」
うるさい。どうしても黙らなかったらあいつを、呼ぶのも考えなきゃか?
…どのみち最終手段だ。いまは忘れよう。
「弔くん!立場わからせる?」
「いや、ダメだ。こいつは大切な駒だ。」
そう、こいつは俺の信念、悲願を達成するのに必要な、重要な駒だ。
今頃雄英の謝罪会見が始まってるだろう。
俺はテレビをつけた。
────────
「わざわざ悪いねぇ。こっちに来てもらって。」
「い、いえっ。お体が悪いのですから当然…ですっ。」
いまわたしの目の前には巨悪がいる。
死柄木弔が「先生」と呼称する人物だ。
「確かに万全って訳じゃないよ?でも動き回ることは出来るんだ」
「そっ…それは良かったです…ね。」
声が震える。
ダメだ。ダメだ。
この人の前じゃわたしは何もできない。
「ハハハ。あんまり嬉しそうじゃないね?キラークイーン。」
「そっ!そんなこと!」
「いいんだ。僕も意地悪が過ぎたね。」
この人には逆らえない。いや、逆らっては行けないんだ。
この人と敵対したらどうなるか。想像つかないけど、少なくとも安心して熟睡なんてできやしない。
「さて、ここに来てもらった理由は2つあってね。」
「ふっ、2つ…ですか?」
要件が1つだけでもわたしの心臓がバクバクなのに、その倍?
無理だわ。
「面白い『個性』を手に入れてね。暇だったし僕には合わないからそこらの猫に与えたんだよ。」
「ね、猫ですか?」
「そうとも。」
この人『個性』の名前は知らない。ただ、人から『個性』を奪い、与えることができることは知ってる。
そして、『個性』を与えられたものがどうなるかも知っている。
わたしは彼の後ろにある画面をみる。
そこには大量の水槽のようなものがあり、管が伸び、水面から出ているものは脳だ。
脳無だ。
そう、この人が『個性』を他人に押し付けた場合、その人の精神が耐えられなくなる。
そして、わたしは直接あったことはないが、
し、しかし猫か。
「それでね。面白いことにその猫、正常に生きてるんだよ。」
「は、はぁ…」
「ふふふ。君には是非ともそれの面倒を見てほしいんだ。」
「ひっ、引き取るってことですか?」
「そう思ってくれて構わないよ。君たち相性がいいと思うんだ。『個性』のね。それと…
────君たちには共通点があるじゃないか」
何のことだかわからない。ただ何故か震えが止まらない。
呼吸が落ち着かない。
「僕に拾われたことさ」
いやだ。思い出したくない。
あのことは忘れさせて。
嫌だ。
何か言わなきゃ。
声が震えてる。
「────っぁ…い」
「ハハハ!ごめんね。怖がらせちゃったね。また。」
何よりも最悪なのが、
この人は知っているんだ。
わたしがこの人に対してとんでもない恐怖心を持っていることと、自分に逆らえないことをだ。
「お詫びといったらなんだけど…
────多分僕、近頃消えるよ。」
「…えっ」
いま、なんて言ったんだこの人?
消える?誰が?彼が?
有り得るのかそんなこと。
「どうした?喜ばないのかい?」
「…ぇあっ、い、いえ!とても残念です。事実なら。」
嘘だ。内心嬉しすぎる。
これで晴れて敵連合から抜けて、己の
「でもね、死なないんだよ。刑務所行きだよ恐らく。」
「は、はぁ…」
ああ、まず誰から爆破しようかな?
どうせだったら手がキレイな人がいいな!
「覚えておいてね。
────僕はいつでも君の平穏を潰せるよ?」
……………え?
「刑務所に入れられただけじゃ僕を止められると思うかい?」
「無理だよね?僕だもの」
「でも、君はもしかしたら弔のもとから離れちゃうかもって思ってね。」
「ちょっと心配だから阻止しようと思ったんだ。」
「保険ってヤツさ。君には弔のためにしっかり働いてもらわないと」
「恩を仇で返してもらいたくないなぁ。僕は君を拾ってあげたろ?時々その歪んだ
「もう一度いうよ?」
「僕はいつでも君の平穏を、安心を、熟睡を、安らぎを、生き心地を、幸福を、笑顔を、温もりを、楽しみを、愛情を、信仰を、退屈を、人生を、
────全て奪えるんだよ?」
────あぁ、やめて
「2つ目の用はこれさ。逃がさないからね?」
────無駄なのか
────結局は逃げられないのか
────わたしに平穏なんてない。
「や、約束します。ぉっ、オールフォーワン様。」
「うんうん!それでいいんだよ。
爆豪姫砢(ひめか)くん。」
────『僕がいる』こと忘れちゃダメだよ?
オールフォーワンっぽさでてましたかね?
好きなキャラなのでけっこう力入れました。
性格を吉良よりにしたらそもそもヴィラン連合入らないよね…って考えてた時に思いついたのです。
全部オールフォーワンのせいにしよう!
爆豪姫砢 ひめか
あとこれ一応 きら って読めます。