ヴィラン名『キラークイーン』   作:尺骨茎状突起

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ヒロアカのアニメデクとかっちゃんのガチ喧嘩までやって欲しいな。


覚悟

「八百万。…考えさせてくれっつってくれた……どうだろうな…」

 

爆豪を救出する今夜。

病院の前にいるのはまだ俺と切島だけだ。

午前中に八百万に受信機を作ってもらえないか聞いたが、あんまりいい反応はしてくれなかった。

隣の切島も俺と同じように不安だろう。

 

「まぁ、いくら逸っても結局あいつ次第」

 

そう、これは結局八百万次第だ。もし協力してもらえなければ俺たちはどこに向かえばいいのかすら分からないんだ。

内心、それでもいいと俺は思ってる。確かに、爆豪を目の前で攫われて、悔しくないかと聞かれれば話は別だ。

ただ、これでもし八百万が来なくて、俺らにどうすることも出来ないのであればそれはそれで仕方ないとさえ思う。

…飯田の件もあるしな。

 

「…おっ、来た」

 

そう思っていた矢先だ。病院から出てくる八百万はどこか決心した表情で、凛々しかった。

手荷物を持っていて、()()()()()()()()()()()()格好だ。

 

すると、八百万がチラッと自分の後方に目を向けた。

続くように俺と切島も見ると…

 

「緑谷…」

 

緑谷もそこにいた。

どこか、空気が重かった。先に喋ったのは先導者の切島だった。

 

「八百万、答え…」

「私は────」

 

切島の問い掛けを遮るように、八百万が言った普段なら人の話を最後まで聞く八百万がこんなことするのも状況が状況だからだ。

 

だが、その声をさらに遮って、新たな声が加わる

 

「待て」

「!…飯田」

「……何で、よりにもよって、君たちなんだ…!」

 

君たち。個人名を出すまでもなく、すぐに俺と緑谷は自分の事だと理解しただろう。

なんてったってこの状況、ヒーロー殺しの時と似てる。

 

「俺の私的暴走をとがめてくれた…!共に特赦を受けたハズの君たち2人が…っ!!

 

────なんで俺と同じ過ちを犯そうとしている!?」

 

あんまりじゃないか。

そう飯田は続けた。

 

飯田の私的暴走。先程も言ったがヒーロー殺しの件だ。

夏休みに入る前、体育祭と同日に飯田の兄、インゲニウムがヒーロー殺しによって再起不能になった。

兄に憧れ、兄ようなヒーローを目指す飯田にとってそれはあまりにも残酷なことだった。

その日から、飯田が、俺が左側を認める前の自分の姿と重なった。恨みつらみが表情に出てたんだ、俺と同じで。

 

結果飯田は暴走し、ヒーロー殺しを免許もなしに退治、いや殺そうとした。

やられそうな飯田を助け、正気に戻したのが俺と緑谷だ。

 

「何の話してんだよ…」

 

状況を飲み込めない切島がなにか言おうとするが、手で制す。

 

その件は、公にされてない。理由は俺らに免許がないからだ。俺が付けた火傷後から無理やり親父の手柄にされた。

免許の持たないものが個性を使って人を傷つけた。立派な犯罪行為だ。

 

そして、俺達はまだ免許を持ってない。

 

「俺達はまだ保護下にいる。ただでさえ雄英が大変な時だぞ!君らの行動の責任は誰がとるのか…わかっているのかっ!!」

「飯田くん違うんだよ!僕らだってルールを破っていいだなんて…」

 

ゴチッ

 

緑谷の言葉は、あん時の飯田と全く同じ気持ちだっただろう。

だからこそ飯田に限界がきて、手が出た。

あの飯田から。

 

「俺だって悔しいさ!!心配さ!!当然だ!!

俺は学級委員長だ!クラスメイトを心配するんだ!!爆轟くんだけじゃないッ!

 

君の怪我をみて、とこに伏せる兄の姿を重ねた!!」

 

飯田の兄は腰からしたが麻痺してるそうだ。決して手術で治るようなものじゃねぇ。

緑谷だって、今回の怪我は俺と戦った時のレベルと比にならねぇほど壊れてるのは俺だってわかってる。

 

「僕の気持ちは…どうでもいいって言うのか……!」

 

俺らと飯田、何ら変わりはない。ただ、飯田が俺達より理性的だっただけで、俺達は本能的だっただけだ。

 

だからこそ。

 

「飯田。」

 

飯田が納得できるように説明しなきゃなんねぇ。

 

「八百万にと言ったが…俺たちだって何も正面きってカチ込む気なんざ、ねぇよ。

 

 

戦闘なしで助け出す」

 

俺たちの決意と覚悟を。

 

 

 

────────

 

 

 

「不思議なもんだよなぁ…」

 

拘束されてる俺の前で、連合のボスらしき奴が両手を広げて肩をすくめる。

時間が随分たって、多少は落ち着いてきた。未だにキラを出しやがらねぇこいつらには腹が立ってるが、いまはそれどころじゃねぇ。

 

「何故奴らが責められてる!?」

 

テレビで、先生達がマスメディアから叩かれてるのをみて、そいつは俺に問いかけてくる。

 

「奴らは少ーし対応がズレただけだ!守ることが仕事だから?誰にだってミスの1つや2つある!現代ヒーローってのは堅っ苦しいなァ、爆豪くんよ!」

 

意味わかんねぇコト言ってんじゃねぇよ。ンなことわかってるよ。

責められるべきは雄英じゃねぇことぐらい。マスメディアだってそれは分かってるだろ。

この社会はずっとこうだったろうが、んだよ今更

 

「守るという行為に対価が発生した時点で、ヒーローはヒーローで、なくなった。これがステインのご教示!」

 

壁に背を預けているトカゲの敵が、奴の言葉に続く。して、また手男が喋る。

 

「俺たちの戦いは『問い』。ヒーローとは?正義とは何か?この社会が本当に正しいのか1人1人に考えてもらう!俺たちは勝つつもりだ

 

────君も勝つのは好きだろ。妹だってそれを望んでるぞ?」

 

…あぁ、そういうことかよ

確かに、俺は勝つのが好きだ。いや、好き以前に勝たなきゃなんねぇんだよ…

 

「荼毘、拘束外せ」

「は?」

 

「この状況で暴れて勝てるかどうか、わからないような男じゃないだろ?妹も言ってたぞ?お前は聡明な兄だってさ。雄英生。」

 

 

「トゥワイス外せ」

「はァ俺?!嫌だし!」

 

全身クソタイツが手枷を外しはじめた。

 

「強引な手段だったのは謝るよ…けどな?」

 

さっきまで黙ってたクソマスクが喋り出す。こいつがキラと協力して俺を捕まえた奴だ。

 

「我々は悪事と呼ばれる行為にいそしむ ただの暴徒じゃねぇのをわかってくれ。

君を攫ったのは偶々じゃねぇ」

 

また手男がいいながら1歩また、1歩と近ずいてくる。手枷はもう外れた。

 

「ここにいる者、事情は違えど、人に、ルールに、ヒーローに縛られ苦しんだ。

勿論!君の妹だってそうだ」

 

…キラ────

 

「君ならそれを────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────お前もこいつらも何一つわかってねぇ。

 

BOOOOM!!

 

 

ボス面した手男に不意打ちの爆破を至近距離でお見舞いしてやった。顔面に着いてた奴の『手』が外れ、宙を舞う。

 

「黙って聞いてりゃダラッダラよォ…!」

 

 

確かにここにおまえがいるかもしんねぇ、けどよ、

そーじゃねぇんだわ。

俺がなんも考えずにずっとここに座ってたと思うかァ?

 

 

「馬鹿は要約できねーから話が長ぇ!!

 

要は『嫌がらせしてえから仲間になって下さい』だろ?!

 

無駄だよ…!」

 

 

 

────4対1!絶対負ける!っておもうよな!

 

 

 

 

「妹がこっちにいる?!ンなこたぁ関係ねぇんだよッ」

 

 

 

 

────おにいちゃん、またケンカに勝ったの?

 

 

 

 

「俺はもうあいつと再会した時から、あいつを刑務所にブッ殺す覚悟を決めたッ!!!」

 

 

 

 

────ホラ…かっちゃった!!!

 

 

 

 

「俺はァッ!!オールマイトが勝つ姿に憧れた!」

 

 

 

────おにいちゃんなら絶対!オールマイトみたいな『最高のヒーロー』になれるよ。

 

 

 

「あいつにヒーローになるように背中を押されたッ!!!」

 

 

 

「例えあいつが敵になろうが、テメェらに何言われようが

 

 

そこァもう…曲がらねぇッ!!!!」

 

 

 

いいか、キラ。

テメェは『最高のヒーロー』を敵に回した。

昔からひねくれてたが、ここまでとは思わなかったぜ…!

 

ンなとこ、さっさと抜け出して、テメェ叩き伏せてやる!!!

何年もテメェの帰りを待ってるクソババアとクソ親父に土下座して謝り死ぬまで許しゃしねぇぞ…!

 

キラ…テメェに次会ったらこう伝えてやる…

 

 

 

 

 

 

 

覚悟はいいか?

俺はできてる!

 

 

 




たとえ身内が絡んでようがかっちゃんはかっちゃんだよね。
原作でもこのシーンは心に響きました。
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