ヴィラン名『キラークイーン』   作:尺骨茎状突起

7 / 35
ちょっと文字数がいつもより多めです。
いい区切りが作れなかったんや…


衝突

 

 

アホだろ。このガキ。

 

いま俺たち(ヴィラン)連合の拘束から逃れた、爆豪が手のひらをパチパチいわせて戦闘態勢に入っている。

死柄木も爆破の衝撃か、はたまた不意を付かれた衝撃でそのままの体勢だ。トゥワイスに拘束外させて正解だったな。

 

「言っとくが俺ァまだ戦闘許可解けてねえぞ!!」

 

ヤケなのか、本気なのか、どちらとも取れそうな表情で爆豪は俺たちを威嚇する。

 

「自分の立場…よくわかってるわね、小賢しい子!!」

「刺しましょう!」

「いや…馬鹿だろ」

 

性格や態度からみてコイツは悪に染まりそうな上に、雄英体育祭にて優秀な成績を収め、頭も切れることも誘拐する理由だった。

問題は前者が間違ってて、後者が正解だったってことだ。

 

しかたねぇか。1回痛い目見てもらうしかねぇな。

 

「その気がねぇなら懐柔されたフリでもしときゃいいものを…やっちまったな。」

「したくねーモンは嘘でもしねんだよ俺ァ。こんな辛気くせーとこ長居する気もねえ。」

 

そうかよ。

それに答えるように俺たちは戦闘態勢を取ろうとする。

────が、

 

「…手を出すなよ、お前ら。こいつは大切なコマだ。」

 

死柄木に制された。

…最初にあった時はまんまガキだったが、成長している。こうやって感情を抑えることもできるようになってる。

 

…俺たちには即攻撃しやがったくせにな。

 

「出来れば…耳を傾けて欲しかったな。

君とは分かり合えると思ってた…」

「ねぇわ」

「…仕方ない。ヒーローたちも調査を進めていると言っていた。悠長に説得してられない

 

 

先生。力を貸せ。」

 

 

「先生ぇ?…てめェがボスじゃねえのかよ、白けんなぁ!!」

「黒霧、コンプレス。またねむらせてしまっておけ。」

 

ここは狭いバーだ。こいつの全力の爆破がここを吹っ飛ばせるのは、体育祭みて理解している。

この時点で普通ならマズいんだが、こっちには黒霧がいる。爆風を反転してやれるし、正直こいつは積みだ。

 

「聞いて欲しけりゃ土下座して死ね!」

 

今こいつは全力で頭を回してどうにか逃れようとしてるはずだ。

だが、黒霧がゲートを開いて、コンプレスが手を伸ばす。たったこれだけ。これだけで爆豪はまた圧縮される。

 

チェックメイト。

 

 

 

 

 

 

 

 

「────────どーもォ!ピザ〇ラ神野店ですぅー」

 

 

 

 

 

 

SMAAAAAASH!!!

 

突如、スピナーの真後ろの壁が破れる。

 

「だれだぁ?!」

 

っ!?

スピナーは叫ぶ。俺も周りも状況がわかんねぇ。ただ死柄木だけは反応していた。

 

「黒霧!ゲート!」

 

だが、その肝心の黒霧さえ、硬直している。そして、そのスキを逃す相手じゃなかった。

 

「先制必縛!ウルシ鎖牢ォ!」

 

別のヒーローが腕の木を伸ばして俺たちを拘束する。

が、木なら俺の個性で…!

 

「ンなもん」

 

燃やしてやる。

と、続けられなかった。

 

「逸んなよ。大人しくしといた方が、身のためだぜ」

 

黄色と白の小さいヒーローの蹴りで俺の意識は遠のいていった。

最後に見たのは、突撃してきた本人、No.1ヒーロー、オールマイトだった。

 

 

 

 

 

────────

 

 

 

 

 

「オールフォーワン様。」

「わかってるよ。奴ら来てるね神野にも。」

 

わたしは現状を伝えるべく、不本意だがオールフォーワンの元に戻っていた。

現在神野には死柄木達のところとはこれまた別のヒーローグループが強襲し、脳無たちを捕縛されている最中だ。

 

「あっ、あの、死柄木様を助けなくても?」

「いや、あそこには脳無を送り込む。て訳で神野を取り返さなきゃ…一人でやれるよね?」

 

口元から伸びているパイプ、生命維持装置の様なものを手でいじくりながら問いかけてくる。

 

「ベストジーニストが邪魔すぎます。」

「正面からやったら…だろ?不意をつけ。」

「…わかりました。すぐ向かいます」

「その必要は無いよ。

 

僕が送ってあげるから」

 

 

ザバァァァ

 

 

「…ひどい匂い。」

 

あの後すぐに視界が黒い水のようなもので覆われて、気がつくと神野の脳無工場に転送されていた。

…さて。

 

「こんな楽な仕事でいんですかね?ジーニストさん」

「難易度と重要性は切り離して考えろ、新人」

 

標的発見。

 

 

 

 

────────

 

 

 

 

「機動隊!すぐに移動式牢を。まだいるかもしれない、ありったけ頼みます。」

 

脳無共を拘束し、この場を制圧した。

Mt.レディが言うように簡単な仕事ではあったが、手は抜かない。

 

「ジーニストさん、アレ…なんですか?」

「ん?」

 

そのMt.レディが何かを見つけたのか俺に聞いてくる。

 

「その装置の下の…っ?!」

「…こいつは。」

 

それは人間の手だった。大きさからして男性のもので、先程切られたのか、肌の色は白くなっていない。

 

…脳無の生産に関係あるかもしれない以上、一応回収はしておくべきか。

 

俺は『個性』を使って自分の服の繊維を伸ばしてそれを回収する。

この手、確に人間のものだ、玩具では決してない。しかし、

 

「なんだこの断面は?」

 

色の割には血が垂れておらず、真っ二つにされたと言うよりは「そこ」から先が消滅したような後、そして幾らか火傷が付いて…

 

────カチッ

 

ドカァアアン

 

 

断面を覗いたのがいけなかった。それはあろう事か俺の目の前で爆発した。

 

気を失う寸前、こちらを見てほくそ笑むフードの少女を見た。

 

 

 

 

 

 

────────

 

 

 

 

 

「んー。浅いですかね?」

「うっ…くぁっ…」

 

手がいい位置に来たので眼前で爆破したのに、頭が吹っ飛んでいなかった。

 

「ジーニストさん!?」

「どうしたジーニスト?!…子ども…か?」

「いや、こいつが爆豪の身内とやらだろう。しかしなぜ、こっちにいる?オールマイト達の方にいるんじゃなかったのか?」

 

Mt.レディと虎は状況が飲み込めなかったのに流石はNo.10、ギャングオルカだ。

にしても…

 

「ふぅん。咄嗟に服でガードしたってことですか。流石はNo.4ですね。第6感って奴でしょうかね?」

 

No.4ヒーロー、ベストジーニストの『個性』はファイバーマスター。繊維を自由に操ることができ、また相手が服を着ている以上は強力な『個性』だ。

もちろん自分の服を操ることも出来るため、爆発の瞬間、自分の顔を繊維で覆ったのだろう。

 

「まぁ、それでも目の前での爆発はそう防げませんよ。ジーニスト、聞こえてるかは分からないですけど。いまあなたは眼前の爆破の衝撃による脳震盪…いやそれどころか脳みそがシェイクされてるかも知れませんね。

あなたの自慢の服、上下ジーンズの服を盾にしたせいか、わたしの爆発力が強かったせいなのかは知りませんが、ボロボロですね。

滑稽です。ファションヒーローの名が泣きますよ?」

 

目の前での大規模な爆発をした。普通なら死んでいてもおかしくない…が、ジーニストは生きている。復帰する前に他を始末しなければ。

 

「貴様、女児だからって容赦せんぞッ!」

「プッシーキャッツの虎ですね。わたしに容赦しないのは正解ですよ。ただ、後ろ見なきゃ」

「?…なっ!」

 

そう、わたしが先に無力化したのはベストジーニスト。彼が多くの脳無を捕縛していたのだとすると…

 

「────ォオッ!」

「ぐっ!」

 

彼が無力化された今、脳無は自由だ。

虎の後ろの脳無はその大きな拳を虎に振り下ろす。しかし虎の『個性』は軟体。しなやかな腕で攻撃が捌かれる。

 

「えぇっ!?ちょっとッ!!」

 

状況を把握したMt.レディが、巨大化の個性を活かし、脳無を、その人を10人乗せられそうな大きな手で次々に捉えていく。

────しかしそれは悪手だ。

 

「────キャッ?!」

 

Mt.レディの手中で大きな爆発。

そう、脳無を1体爆弾にしていたのだ。

その衝撃で他の脳無の拘束が解ける。

しかし巨大化はやはり脅威だ。わたしの渾身の爆発だろうと彼女には小型も小型。何とか彼女自身を爆弾にしなければ。

 

「全員下がれ!俺が引き受けるっ!Mt.レディ!ジーニストを前線から下げろォ!」

「ラグドールも頼んだ!」

「はいっ!」

 

新人とはいえプロヒーロー。その冷静さは評価されるべきものだ。

Mt.レディが負傷したジーニストと意識不明のラグドールを回収する。

…っと。

 

「余所見か?余裕だなぁっ!!」

「…ち」

 

Mt.レディに気を取られていたところを虎のラッシュ、キャットコンバットと言うらしい。わたしの勝利条件は彼に触れればいいのだが、

 

「『軟体』厄介すぎっ!」

「まだまだぁっ!!」

 

自力もあるが、個性が厄介だ。その柔軟な体は次の攻撃に移るまでのタイムラグがない、常に攻撃をしてくる為、攻めに出れない。

足払いをかける。が、距離を取られる。

 

「俺の存在も忘れるなよ?」

「っしまっ────」

 

────キンッ!!

 

ギャングオルカ。『個性』シャチ。シャチに出来ることが個性というものだ。こういった動物系の個性は一見地味だがかなり強力だ。

たとえばこのシャチなんかその筆頭だ。

 

「…ぐ。」

「ゼロ距離音波だ。しばらく寝てろ」

 

 

ここまでなの?

ここまでだね…あーあ残念だっ────

 

 

 

 

 

『僕がいる』

 

 

 

 

 

「────まだだぁ!!」

 

「何?!」

「オルカ!後ろだ!」

 

ギャングオルカの背後には別の脳無。辛うじてギャングオルカの肩に攻撃は当ててくれた。

追撃しようとしたが虎のカバーが入る。ワイルドワイルドプッシーキャッツは4人でひと組のチーム、他のヒーローより団体戦というものに慣れているのだろう、視野が広い。

 

「すまん。助かった虎」

「気にするな、ただ忘れるなよ!

 

 

────ここは脳無工場(敵地のド真ん中)だ」

 

次々と脳無が彼らに攻撃を仕掛ける。わたしはそのうちの1体に触れておく。

 

「っ虎!そっちの白い脳無は爆弾だ!」

「了解した!」

 

2度は同じ手に引っかからないか。流石はプロヒーロー。

 

「オォッ!!」

虎がまとめて3体の脳無をこちらに3体投げてくる。目くらましか?一応スイッチを入れて先程触れた脳無を爆破させておく。

すると目の前に飛んできた3体の脳無が爆風で視界から消える。

が、その影にギャングオルカがいた。

 

「くっ」

「今度こそゼロ距離だ!」

 

────キンッ

 

「────ぅぅ…ぁあああああああっ!」

「くっ、なぜだ?!」

 

このまま終われるかっ!

刑務所になんて入れられたら…

 

アイツと同じところに入れられる…!

それはぁ…っ…いやだあっ!

 

大きな音で、後ろにバランスを崩す。

ここを勝機とみたオルカは詰めてくる。

 

「────がぁっ?!」

 

詰めて来たところ、腹に鉄球をお見舞いする。オルカが足を止めたのを確認してそのままサマーソルトの容量で体勢を整える。

そんなわたしをカバーするように脳無が前にでる。

意外と有能かもしれない。

オルカはさらに距離をとる

 

「音波が聞かないトリックを見破られば…!」

「ギャングオルカ、落ち着け、きいてないワケじゃない」

 

ビチャ…

 

「…そうみたいだな動きが止まったから、やっと見えた。」

 

うっとおしい。じゃまだ。

わたしはフードを上げる。耳が痛い。耳に触れる。

やはり血が出ている。もうほとんどこいつらがない言ってるかわからない。

手を開いて閉じる……動きに支障、なし。

 

ふぅ…しかし、なかなか調子を崩せない。

やはり搦手で行くしかないか。

鉄球をもう一度、今度は虎に向けて放つ。

 

「来た!」

「後ろだ虎!」

 

────キンッ

 

虎は鉄球を抑えている間に、ギャングオルカは背後へ迫った脳無を音波で吹き飛ばす。

とにかくいまは数を撃たなければ。

 

鉄球をリロードして、打つ、ギャングオルカのそばで起爆する。

 

それを繰り返す。

 

「────くっ、こいつ知ってやがる!」

「オルカ、引け!そのままだと乾燥するぞ!」

 

ギャングオルカは乾燥に弱かったはず。爆風であいつを干からびさせようとするが、そうはさせまいと虎が再び踏み込んでくる。

 

「脳無っ!」

「────ォオ!」

「ええい、邪魔だァ!」

 

数匹の脳無が虎を抑える。

わたしは慌てることなくボーガンに鉄球を装填する。

こいつは爆弾に変えない。

でも別のものを爆弾にしておく。

 

「死ねぇ!」

「ぁがああ?!」

 

おっといけない。口が悪くなってしまった。

脳無によって動きが制限された虎の眉間に鉄球をぶち込む。気絶は…まだしていない?タフだ。

 

「こんなんで…男がくたばるかよォッ!」

「────ッ!くそ!」

 

いまギャングオルカの攻撃が響いてきた。頭がくらくらする。よけられな────

 

「ぁああ?!」

 

虎のフルスイングがわたしの腹にねじ込まれる。相当な威力でわたしは後ろに吹っ飛ぶ。とてつもなく痛いが、意識はある。

それに痛みで朦朧としてた頭が多少スッキリした。

 

「…まだ立ち上がるのか?!」

「…いっ…たいです…ねぇえぇ!」

 

「おい、こっちだ」

「っ、脳無!早くっ」

 

────キンッ

 





お前は次に「え、これ区切り悪くね?」という!!

…ごめんなさい。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。