最新刊の発売に合わる形になって申し訳ない。
最新話…一話だけですが投稿です。
ここで一つ問題です。実はこの章でイッセー、ポルムに続く第三のとんでもないハーレム野郎が判明します。それが誰でしょうか?
もう一つは、この話のツッコミどころは幾つあるかです。
さあ、イッセーが眠っている状態でラグナロク・・・スタートです。
事件の始まりは友の再会とともに。
SIDE 誠
暗い夜道を歩いていた。
「今日も何もなかった。」
おっと、名乗るのが遅れた。自分の名前は氷川 誠。
まあ、どこにでもいるような平々凡々な高校二年生の男子だ。
そんな自分が、今日も何も起きないまま自宅に帰ろうとしている。
本来なら一日一回、何かしらの事件が起きて、自分はそれに遭遇するはずだったのだ。
一週間前にバスジャックに巻き込まれて以来・・・何も起きていない。
その前の日は飛び降り自殺しようとする現場に遭遇。
その前の日はやくざの抗争。
その前の日は銀行強盗。
その前の日はカーチェイス。
その前の日は誘拐・・・。
といった具合に何かに遭遇する毎日を送っているのに、ここ一週間は何も起きないのだ。
そんなのは生まれて初めてで、怖い。
それを北条君に相談したら「それが当たり前だ、馬鹿者。」って、心底呆れられた。
でもそれが当たり前だったのに・・・。
なんか嫌な予感がする。
なんかこう・・・とんでもない何かに巻き込まれそうな。
「まあ、考えても仕方ないか。」
今は考えてもわからないというのは確かだ。
明日はどうなることやら。
そう思ってアパートの前まで到着した時だった。
それは目の前にいた。
「…もう…ダメか・・・。」
それは巨大な人。いや、正確に言えば巨大な金属人間。
それが倒れていたのだ。
「・・・・・・・。」
さて、どうやら、一週間何もなかったのは、マジでここからとんでもない何かに巻き込まれるからだろうな。
それを悟り、天を仰ぐ。
久しぶりの事件だ。まずは状況の把握を・・・。
「・・・っ!?人間・・・。」
その巨大な金属人間が右腕を変形させてこっちに向けてくる。
それは巨大な大砲のようなものだった。
「おっと。こっちは通りすがりの・・・。」
そういえば小さい頃、この目の前にいるような巨大な金属人間と会ったことあったけ。
あれのおかげで、この世界には色々な奴がいるって知れた。そいつと友達に慣れて、人生の中の誇りだと思った。
確か、目の前にいる奴とそっくり・・・。
そっくり・・・。
「って!?」
自分は目を疑った。
間違うはずがない。こちらを警戒していたあいつは・・・。
「オプティマス・・・。」
「どうして、私の名前を・・・。」
「覚えていないか?ああ・・・そうか、かなり久し振りだもんな。」
こっちは思わず、大砲に変形した手に触れる。
「誠・・・誠だ!!オプティマスプライム!!」
「・・・誠・・・ああ・・・そうか。誠・・・か。」
オプティマスの目が光、こちらをスキャン。どうやらメモリーにいるこちらの顔を今の顔を照会し、自分だと理解してくれたようだ。
「やっと…やっと会えた・・・。あの時の・・・子供達に・・・。」
そう言って彼は倒れる。
「私の・・・とも・・・だち・・・。」
そう言い残して、気を失ってしまった。
「って!?」
よく見れば全身ぼろぼろだった。金属の体のあちこちに穴が開いており、穴の内部ではショートが起こっている。
「どうして…こんな怪我を・・・。」
「…そいつを引き渡してもらおうか?」
銃を手にした男達がそこにいた。
見るからに…プロだ。
「・・・なんなんだ・・・あんたら。」
「そいつは悪い宇宙人なんだ。そいつを退治に・・・。」
「退治だと・・・。」
それだけでわかってしまった。
彼の怪我はこいつらの所為だと。
「オプティマスのこと…悪い宇宙人だと言ったな?」
「ああ。危険なんだ。彼らトランスフォーマ―は。だから消さないと・・・。」
その言葉で自分は…キレてしまった。
「その発言…取り消せ。」
「取り消せって・・・。」
「今でも自分のことを友達と言ってくれる奴が悪い奴?そんなわけあるか!!」
彼には命も救ってもらった。
いろんなことを教えてくれた。災難続きの人生でも、立ち向かう道しるべを示してくれた。
自分の…心の師ともいえる彼を悪い宇宙人と言われて、我慢ならなかった。
「・・・どうやら関係者のようだな。取り押さえろ。最悪撃ち殺してもかまわん。」
男の指示で、次々と銃を手にした男たちが現れる。
狙撃もいると仮定すると・・・まあ二十人ほどだろう。
「力づくでも話を聞かせてもらうぞ!!」
「ふん・・・プロ相手に素人が粋がるな!!」
こうして、珍しく自分からその騒動へと殴り込みに行くこととなった。
それが人生最大の波乱万丈な一週間の始まりだった。
この一週間が自分の人生の大きな分岐点となる。
保護者のじっちゃんとお猿さん師匠・・・貴方達から教えてもらった健康で頑丈な体を作るためのロングブレス健康法や自然と一体になるための瞑想…役に立つかな?
SIDR オプティマス
うう・・・早く起きなければ、彼を巻き込んでしまう。
彼らはプロの軍人だ。それもあの国から執拗に追ってきて、こちらを仕留めようとするほどの。
まだ、私のことを案じてくれる人達がいる。
それだけでも、最後は救われた。
だから…その救いだけは・・・。
「おい…起きろ。自己修復機能は働いているか?」
何とか再起動した私が見たのは少し服がぼろぼろになった誠君と・・・。
「・・・うう・・・。」
ぼろぼろで地面に倒れ伏せる私を追ってきた特殊部隊という理解不能の光景だった。
あれ?心配したのに・・・。
「馬鹿…な。プロである我々が・・・。」
「こういっちゃなんだけどよ。こっちは年中修羅場なんだ。たかがアサルトライフルやハンドガン、ナイフやアンチマテリアルライフル程度、拳一つで十分だ。」
『・・・・・・。』
まさに理解不能。
「おーい。大丈夫か?」
とても、信じられないことだが、どうやら誠君が一人、それも素手で倒したらしい。
それが事実なら、凄まじさを通り越こしてバグじみた、可笑しい戦闘能力だ。
人間どころか、我々トランスフォーマーの歴戦の勇士でもできない。
「君は一体・・・。」
一体彼に何があったのか?
「で?あんたはトランスフォーマ―に恨みがあって、それを消そうとしたわけか。」
「なんでそれがわかる?」
「なんとなく。それを達成するために何かの思惑に乗ったということも何となく。」
「・・・・・・。」
しかも、まるで心理学者のように相手の動機まで言い当てる。
本当に何があった?
「だから一つ言わせてもらうぜ。彼がその恨みを買ったのか?それは彼自身が悪いのか?」
「・・・・・・。」
「あんたがしていることは…ただの八つ当たりだ。」
リーダーである彼に誠君は断言する。その指摘が図星だったのだろう、何も言えずに口をパクパクさせている。
「しっかり反省してろ!!この馬鹿野郎!!」
そして、渾身の力を込めた拳を顔面に叩き込み、その彼を吹っ飛ばす。壁に叩きつけられ、そのまま伸びてしまった。
人間離れした素晴らしいパンチ力だ。
「さて・・・どうやら気が付いたか?」
「あっ・・・ああ。」
一体彼に何があったのだろうか?
「久し振りの再会ということでいろいろと語り合いたいけど、まずはまあ・・・体を治すことからかな?ちょっとまって・・・。」
彼はスマホを手に誰かに連絡を送る。
「あっ・・・進兄さん?ちょっと・・・。」
何があったのか?これから何が起こるのかわからない。だが・・・微かだが、希望を持ち始めていた。
私達の同志達を救うことができるかもしれないと。
「うん・・・よろしく。じゃあ、行こうか。ちょうど休める場所があってね。そこに案内するよ。」
そして、一週間後、私の予感は的中することになる。
そして、それは我々の故郷を救うきっかけとなる。
SIDE ???
私は宇宙船に乗って追いかけていた。
「ボブ。あいつはどの星に向かおうとしているの?」
――――どうやらあの星だ。えっと地球と呼ばれる惑星・・・。
「地球ですって?」
あいつが逃げようとしていたのは地球。
そう、私が生まれ育った星。
――――君の星だったね。なかなか帰ろうとしなかった。
「・・・私はもう地球人じゃないから。」
私にはもうあの星で生きている資格はない。だって・・・。
私は己の手を見る。
「…とっとと、あいつを捕まえるわよ。」
――――わかった。
私はこうして初めて地球に帰ることになる。
そして、この地球という星が文明レベルが低い惑星なんて激しく間違っていると断言できるほどの魔境だと知ることとなる。
SIDE オプティマス
「いや~助かったよ。」
「それで…今回はまた偉い案件に首を突っ込んだな。」
案内されたのは警察署の地下にある変わった施設。
「そうだね。でも…見過ごせなかった。それだけは言える。」
そこにいたのは一組の男女。
「霧子さんもすみません。」
「いっ、いえ。でもこういうのはロイミュードで慣れたつもりでしたが・・・。」
「まあ、神様もいるんだ。他にこういった存在がいてもおかしくないだろうさ。」
この二人の名前は進ノ介と霧子というらしい。私の姿を見て、戸惑いつつも受け入れている。
その上で私の修理をしてくれているのだ。
「この部分の配線を繋げればいいのか?」
「うん。それでいいはず。ふう・・・どう?」
「ありがとう。」
私は頭を下げて感謝を二人に伝える。
「しかし…ロイミュードとは違って宇宙人とはね。」
「しかも、誠君の友達。」
「本当に再会できて良かった。でも…何があったの?」
私は口を開く。
元々我々はサイバトロン星にいた。だが、それが戦争によって荒廃し、我々は宇宙に散り散りになった。
その中でこの星に辿り着き、我々は地球の乗り物に擬態することで密かに生活していた。
だが、戦争を起こした相手が地球にやってきて戦闘になった。
地球人達を守るために我々は戦った。
だが、その戦いが終わったら、今度は我々を支援してくれた彼がこちらに襲い掛かってきた。
次々と私の同志達が狩られ・・・私は一人ぼっちに・・・。
「・・・・・・さて。その組織の本部はどこ?殴り込みに行きたいから。」
その話を聞いた誠君が肩を回しながら大変怒っていた。
「落ち着いてください。」
そんな誠君の暴走をジャンプキックで鎮める霧子さん。うむ…大変優れた運動神経。
「そういう奴らの本部は大抵基地だろう。そんなところに単独で殴り込みに行くのか?」
「……それだけ怒っているということだけわかってくれ。今殴り込みに行くプランを一つ思いついたところだから。安心して、誰一人殺しはしないから。殺しはしないけど…組織が国か知らんが…ぶっ潰す。」
「冷静に、なおかつとんでもないことをするのがお前の怖いところだからな。剛の奴と違うようで変なところは似ていて困る。まあ、だが、確かに見過ごせないのも事実か・・・。」
「剛兄さんと似ているか・・・。なんか微妙な気分。」
どうして、君の周りにいる人達は自分のことのように怒ってくれる?
「少なくとも、あんたは良い奴だ。それだけは見ていてわかる。動く時だって周りにぶつからないように注意深く動くだろ?しかもそれを当たり前のように・・・。」
自分でも気付かなかった癖だ。
人間達と一緒に居たから…自然と身に付いたことだ。
「だからこそ…信じる。何よりこいつの心の師であるというのもな。」
「・・・・・・・。」
信じることをやめたはずだった。人間を信じてはいけない・・・と。
だが・・・彼は私を信じてくれた。
同じ人ですらない私に・・・。
「こっちも・・・な。一応人間以外の友達は居たんだ。二人ほど。もう二人とも会えないけど・・・。」
「あっ・・・。それってチェイス兄さんと・・・ハート・・・。」
心当たりがあるのか誠が名を告げる。
彼・・・進ノ助は語る。
彼らはこの世界で生まれた金属生命体…ロイミュードと戦い全滅させた。
だが、その中二人ほど友情で結ばれた者達もいたのだ。
一人は同志。
もう一人は最大の好敵手として。
彼はそれを決して忘れないと誓ったらしい。
「だからこそ・・・お前とだって友達になれる。それを知ったんだ。こうやって・・・。」
彼は手を差し伸べてくれた。
私は人間達のように涙を流す機能はない。
だが・・・もしあったのなら今泣いているのだろう。
嬉しさのあまりに。
「あんたとは良い友達に慣れそうだ。」
「ああ・・・。こんな私だが、よろしく頼む。」
この街に来て良かったと思う。少なくとも今私の心は救われた。
そう思いながら、私は差し出された彼の手を取る。それは握手。
人間達の絆を結ぶための儀式。
私は再びその手を取る。この人達を信じてみようと思いながら。
「さて…作戦会議と言いたいけど、そっちは仕事だったよね。」
「ああ。落ち着いたらまた来る。その際に作戦会議をしよう。」
「はあ…中々新婚生活を楽しませんね。」
「本当にごめん。騒動に巻き込んでしまって。」
「それこそ今更だ。」
この二人は夫婦だったのか。それは邪魔をしてしまった。
「すまない。私の所為で・・・。」
「ああいや、お前さんに謝ってもらっても困る。」
この星はまだ、守る価値がある。そう思えるよ。
SIDE ???
私は地球にこっそりと降り立ち、いろいろとやっていた。はあ…この空気、すごく懐かしい。
――――やはり故郷というのはいいものではないのか?
「ええ。そう思えてしまうのが癪だし、そんなに長く滞在できないけど。」
あくまでもあれを抑えるのが今回の仕事。
終わったら…さっさと帰らないといけない。
「行くわよ。あれがどうして地球に・・・。」
私が追っているのはかつて数々の星を同化しようとした存在の生き残り。
本来なら本体が破壊され、動くはずなかった再び動き出した。それも三か月前から。
それがあちこちで暴走。それが地球に・・・。
「この星は…私が守る。」
私の故郷を・・・破壊させはしない。
―――――――――準備は終わった。
「ええ。必要な部品は何とかかき集めた。」
この地球の紙幣・・・。まだ使えたのが幸いだった。
閉店寸前のPCショップに駆け込み、その紙幣をふんだんに使って買いあさった。
ケチっても仕方ない。
あいつはまだ地球に落下して、そのまま動かない。
その間に・・・。
「ゾーン展開。除外対象を・・・って!?」
だが、その前に相手が予想外のことをしてきた。
そのあちらがゾーンを展開してきたのだ。
「不味い!!転送ポットの準備を!!」
――――あちらが先にゾーンを展開してくるとは・・・。・
「驚くのは後!!どうしてゾーンを・・・。」
私はボブに指示を飛ばし、あのゾーン内に転送する準備を進める。
SIDE ???
スキャニング完了。
魔術的、生体反応、エネルギー数値、及び因果律的観点より脅威度認定。
排除を開始する。
ゾーン展開。
対象者四体の生体反応。有機体が三体と金属生命体が一体。あと未知のエネルギー反応体を隔離。
これより行動を開始する。
SIDE ポルム
さて・・・どうやらことは起きたらしい。
「空間隔離型の未知の結界を確認。」
ガブさんがモニターに出してくれる。
「・・・ゾーンか。」
その構成を見て悟る。
「・・・珍しいな。なんでこの世界で?」
サムスも知っていたか。あれはあちらの世界の技術だ。
星をまたぐ犯罪者、それを捕まえる際、民間や何も知らない人達の被害を無くすためにその地域を丸ごとコピーする形で隔離する空間を作る。
それがゾーンだ。あの内部で戦闘しても、本来の世界は何も影響はない。
ある星系で使われており、被害を出さない点では便利なので、傭兵や宇宙刑事達も必要な場合使うこともたまにある。
「ゼーベス星人達が飛んできた時点でもしかして…と思っていたがこれで確信したよ。あの空の向こうにお前達の星系があるか・・・。」
「・・・私からしたら、あいつらと共に暮らすことが未だ信じられないが・・・。」
「我々からしてもそうですよ。」
ミカさんが隣にやってくる。
「サムス様ほど恐ろしい相手はいなかったですから。」
宇宙海賊達からしたら、サムスというのはもはや歩く災害扱いだったらしい。
数多の種類の強力なビームにミサイルやボム…そしてパワーボムというとんでもない破壊力を持つ火器。それに厚い装甲に超高速でなおかつ触れた相手を粉々に砕くダッシュを始め、ふざけるなと言いたいほどの数々の特殊能力。
それにサムス自身の強さも合わさって、無双に近い状態。
「…本当に何があるかわからんものだ。まあ、あんたらは信頼しているから。」
「わっ・・・我々は慣れるにまだ時間がかかりますが・・・。」
もはやサムスという存在そのものにトラウマが・・・。
「ママ?」
そこにサムスをママと呼ぶ存在が現れる。緑のパジャマを来た幼女だ。
髪は緑。目は赤い。
「・・・あ~・・・いやな。」
寝ぼけた彼女を見てサムスはなんかやりにくそうだ。
「ママと呼ばれることに慣れていないか。」
「当り前だ!!ベビーが人間に変身できるようになっただけでも卒倒したのだぞ?」
はははは、驚かせることに成功したのだけど、これはやりすぎたか。アギトの加護に感謝しないと。
あいつが驚きのあまりに卒倒するなんて初めて見たぞ。
ちなみにベビーは進化の影響か、知性まで上がった。
「だって、人間でいう血の繋がりもあるし・・・。」
「うっ・・・。」
彼女の指摘は鋭い。サムスはいろいろあって、ベビーと血の繋がりもある。
彼女の命を救ったメトロイドワクチンと言う名の。
「むう~お姉ちゃん・・・どうしたの?」
その側には更に小さな緑髪の幼女。
「何でもないみたい。」
ちなみにもう片方はアーシアと契約したほうだ。ベビーのことを姉と慕っている。
まだ彼女は一段階目の脱皮はしていない。
「…メトロイドが人間になるなんて、とんでもない星だ。」
本当にそう思う。ちなみに変身というより進化と言った方がいい。アギトの力による影響として・・・。
そのもっとも足る例が・・・。
「二人とも・・・なにしているの?」
一人の寝ぼけた幼い少年だった。
「ラッセー君・・・いや、何かあったみたいだから。」
「う~ん、とりあえずポルムさんがいるならなんとかなりそうだよ。こっちは寝た方がいい。邪魔にしちゃ駄目だよ。」
「そうなの?」
「ドラゴンの勘だけど、じゃあ二人を連れて行くよ。」
「あっ・・・ああ・・・。」
『おやすみ~・・・。』
先ほどの会話に有った通り彼は・・・あのラッセーだ。彼はある意味とんでもない存在。
先ほどの検査で知ったのだが、変異した原因がゴジラとキングギドラ。その二つの力を取り込み、アーシアの助力でそれを己の物にしてしまったのだ。
それを知った他の皆の反応を察してほしい。
こっちだって震えが止まらなかったよ。あのゴジラに全滅寸前まで追い込まれた身としては。この子・・・とんでもない子だったのだと。
確かにゴジラの力で変異した奴はいる。だが・・・このような形は初めてだ。この世界のドラゴンの生命力とアギト・・・・いやアーシアの力はホントに恐ろしい。
あのゴジラとよりにもよってそれと同等のキングギドラの力を取り込んだ前代未聞のドラゴン。潜在能力はこちらとて計り知れない。
ドライクやアルビオンの見立ては間違っていなかった。
その潜在能力はまさに二天竜、いや龍神クラスだと。
皆の意見は一致している。
しっかり教育していこうと。二天龍の娘達と同等以上に!!
下手したらゴジラすら超える怪物になりかねない。
だが、幸いなことに凄く良い子だ。良い年少組達のお兄ちゃんになっているのだ。
ちなみに同じくらいの歳のミリキャスと冥界の合宿の際に仲良くなった。むしろ人間の姿になったのは彼と遊びたいからという単純かつ微笑ましい理由がある。
ただ・・・怖いことに幼さないのに既にハーレム状態。
こいつ…既に勝ち組だ。もっともそのハーレムにちょっかいをかけようものなら余も死を覚悟しないといけないが。
親達が非常に怖いので・・・。
「あの子の教育は私も手伝う。」
「頼む。もはやメトロイドという種族もドラゴン扱いだし。まあ、成体はまさにそれっぽいから問題はないか。クイーンが二体・・・進化も著しいし。」
確実にこの世界でメトロイドは繁殖する。だが、前よりも共存しやすい形で。
メトロイドとの共存。その研究も進んでいる。
「良い方向に全て動いている。イッセーがいろいろと呼びこんでくれたおかげで。」
余はそう呟きながら皆に指示を出す。
「話を戻すが、隣町に誰か派遣しようと思う。志願者はいるか?」
そこで名乗り出たのは彼らであった。
「行かせてくれ。情報通りならあそこには・・・。」
現在、唯一行方が判明しているイッセーの幼馴染みがいる。
「頼む!!」
「お願いするわ!!」
そこに志願したのはある意味予想通りの連中だった。
「・・・弦太郎、イリナ・・・新。」
馴染みの危機に立ち上がった三人。
「わかった。念のため・・・渡殿、タマモも頼んでいいか?」
情報通で、交渉にも長けた彼と、多彩な術によるサポートができる彼女を加える。
「頼む。こっちもゾーンの解析ができ次第・・・。」
「私も行こう。」
「…頼む。そっちの関係者が来ている可能性が高そうだ。」
サムスも加えれば、相手が龍王クラスでも蹴散らせそうだ。二天龍クラス相手でも上手く立ち回れば互角以上に持ち込める。
サムスにも向ってもらう形で事態の収束を図る。後は…ここから何が起きるかだ。まだ情報が足りない。それを集めないと。
「はあ…近く何かが起こると思っていたけど…よりにもよってこのタイミングか。」
最近余は頭が痛い。
その理由は上の部屋にある。
ちなみにここはイッセー宅の地下の指令センター。皆でノリとロマンを集めまくって作った結果、無駄に広く、無駄に高性能な場所だ。
だが、これが今凄く機能している。
この場所を超えるセンターはおそらくこの世界のどこにもない。そんなオーバースペックな場所。
それにより、地球で最も安全な場所として、ある会談が行われようとしていたのだ。
イッセー宅で。
それは日本神話勢力と北方神話勢力の会談。ゴジラの件の疲れや傷を癒しつつそのセッティングで大わらわだったのだが、そこで二つの問題が発生したのだ。
一つは・・・。
グレゴリからやってきた護衛としてとうとうあの方が来たこと。
『・・・・・・・・。』
バラキエルさん。グレゴリの幹部にして、朱乃殿、そしてハルトの実の父親。
気まずい…とにかく気まずいのだ。過去に何かあったのかはある程度聞いている、ハルト殿からある協力を依頼されているので、その際に事情は聴いたのだ。
「あっ・・・あの・・・お二人とも・・・。」
『・・・・・・・。』
レイちゃんが必死に仲を取り持とうとするけど…二人は無言。
大変気まずい。
そして、もう一つの問題は突然やってきた。
―――ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・。
「・・・・・・。」
なんとついさっきだけどカオスフリゲードの首領、ほむらが乗り込んできたのだ。
なんか凄く怖い迫力を伴って。
はっきり言ってガチで怖い。
あのゴジラですら敬語になるほどの迫力だ。
『ガタガタガタガタ方・・・。』
知り合いであるまどか殿ですら震えている。
そして、その怒気と殺気を全て・・・。
「覚悟は・・・していたよ。」
翔一殿に向けられていたのだ。
「あなたとはじっくりと話し合いたいと思っていたの。」
「そうか。」
「その前にあなたの息子さんに会いたい。おっぱいというふざけた奇跡を巻き起こす兵藤 一誠に!!」
「あの・・・息子に何か用なの?場合によっては・・・。」
だが、そのほむらの迫力すら更に上回る恐ろしい何かが発せられる。
それは・・・まどかさんだ。
「あっ・・・いっ、いやね。ただ話をしてみたいと思っただけなの。」
それに皆が震えあがる。余だって震えておる。
いや、母は強し。上には上がいるものだな、
「はあ…まずはこれを渡すわ。結婚と出産祝い、そして・・・。」
ほむらはあるネックレスを渡す。
「ごめん…結果的にあなたを幸せにできなかった。悔しいけど今の方が幸せそう。」
「もういいよ、こうして話せているだけでも。」
いや、まどかさんもまた無敵と言える。
簡単に許したのだ。
「ってまどか・・・いいの?!」
「あいつはお前の力を奪って・・・。」
「その程度・・・いいんだ。逆にいろいろと心配も駆けちゃったし。ほむらちゃんなりに私のことを考えてくれただけだから。」
「まどか・・・。」
本当に敵わない。
「でもごめん。まだ一誠は・・・。」
「・・・そう。まだ回復していないのね。残念だけど私の力じゃ・・・あのゴジラにまで干渉は無理よ。」
悲しそうな顔をするまどかの肩を叩き、慰めるほむら殿。
「お見舞いだけさせて。」
『!?』
「いいよ。僕が許可しよう。」
その許可を出したのは翔一さんだ。
「・・・やけにあっさりね。借りでも作りたいの?」
「いや、ただ、大切なまどかの子供に何かをするという人じゃないと確信できただけだ。」
「へえ・・・あなたも私を試しているというわけか。」
二人の視線がぶつかり合って・・・。
「なるほど・・・。」
少し笑った後に、ほむら殿はまどか殿に連れられて部屋で眠ったままの一誠にもとにやってくる。
「…一週間、眠りっぱなしよ。」
「あれだけの力を引き出したから、仕方もないわ、」
眠ったままのイッセー。その側には二人の龍がいた。
「お前は・・・。」
「何しに来た?」
「安心してくれ。彼女は客人だ。」
翔一殿の言葉にドライグとクレアは下がる。
「…この子がこの世界の新しい神。」
ほむら殿は感慨深くイッセーの顔を見ていた。
「まだ少年なのね。でも・・・うん。どことなくまどかに似ている。そうか・・・。」
軽く眠っているイッセーの頬に手を当てる。
「決めたわ。私、この子が目を覚めるまでこの家に居続ける。」
そして、とんでもないことを言い出したのだ。
SIDE イッセー
ずっと俺は眠っている。
「はあ…腹減った。」
おなかもすいているのに起きられないのだ。
「まだ魂が回復しきっていない。もう少し待つがいい。安心しろ、体は衰弱してない。食料の代わりに気を集めている。」
そんな中、夢の中で俺はある存在と対話していた。
「しかし・・・あんたみたいな凄い存在がどうして?」
「それだけの存在になっているのだ。兵藤 一誠よ。」
それはグレートレッド。話を聞くに・・・世界最強の存在らしい。
それに違わぬとんでもない力を持っているので間違いないだろう。俺でも単独では勝てない。
「だが、単独は無理でも奴らが全員揃えば敵わぬ。それだけの強い存在をお主は集めまくっているのだぞ?」
「と言ってもな~・・・。」
引き寄せたくても引き寄せているわけじゃない。勝手にやってくるというのが多い。まあ、友達も多いけど。
ついでに心読まれる程度は驚いていない、ここは俺の頭の中だし。
「しかも、それが全てお主の力となる。お前は単独の力では測れぬこの世で最も恐ろしい力を持つ存在だぞ。まったく本当にどんな器をしておるのだ?」
「いや~でも、仲間、友達は多い方が良いかと。だってほら?俺一人で出来ることなんてそんなに多くない。しいて言うなら皆のために、そして己のために神になることくらいだし。」
「そんなに多くないことの一つに・・・お前が出来ることとしてそれをあげるか・・・。」
その発言にしばし無言となり・・・。
「はーはははははははははははは!!」
グレートレットは笑った。それはもう心底愉快に。
「良く分かった。お前に何故力・・・いや、人々の夢が集まってくるのか。」
夢?
「我は夢幻を司るもの、そのうちの夢がお前の周りに集まって輝いておる。」
「夢か…確かに皆したい事があって、それに精一杯だし。」
振り返ればそうだった。皆、各々の夢、目標を持ち、それに向かってまっすぐだ。まだ持っていない奴だって、それを見つけようといろいろとやっている。
「そして、我もその例外ではなかったということだ。」
へっ?
「我もお前のでかい夢に惹かれたということだ。お前という存在の本質が見えてきた気がする。だが気を付けるがいい・・・。」
グレートレッドは告げる。
「お前は味方も引き寄せるが敵も、災いも引き寄せる。今後も戦いの日々は続くだろうよ。」
確か言っていたな。ドラゴンは力あるものを引き寄せる。それって良いことばかりじゃ・・・ないよな。
俺に惹かれていろいろと集まってくるわけか。
「それなら、戦うだけだ。」
俺はそれを恐れない。ある今更だし。
「皆のためにそして自分の夢のために。まあ、どっかで悪さしたり、トラブルを起こすならこっちがしっかり懲らしめてやればいいだけだ。」
「・・・懲らしめる?」
「そういう意味では都合がいい。どんどんきやがれ。」
「…都合がいいとな・・・ふふ・・・。どんどんきやがれと?」
その発言にまたグレートレッドは笑う。
「ふははははははっはははははははーこれは傑作だ!!呪いにも似た宿命を、まさか都合がいいというか!!ふはははははははははははははははっ!!」
心底愉快そうに。
「よかろう。我もお前が神になることを推薦してやろう。」
「へっ!?」
なんかとんでもない言葉を聞きましたけど?
「お前という存在がそれだけ気に入ったというわけだ。フフフ…お前がいると本当に面白い世の中になりそうだ。ただ・・・我の願いを叶えてくれたらだが?」
「?」
何だろう?最強の存在が頼むこと?
「何…世界を夢でいっぱいにしてほしいだけのことだ。もちろん絶望も隣り合わせだが。」
夢でいっぱいか・・・。確かに夢とそれを絶たれた時の絶望は隣り合わせと言える。
でもな・・・。
「何当たり前のことを言っている?」
そんな世界にしたいと思っている。
「夢は希望と絶望が隣り合わせなのは仕方ないぜ。だが・・・それでも希望でもある。それがあふれる世界なら、それだけの数の希望も生まれる。絶望が生まれたなら…コッチガ何とかしてやる。それだけだ。」
「・・・・・・・・。」
今度はグレートレッドが言葉を失っていた。どうやら驚いていたようだ。
「驚いた。夢の本質を見抜いた上でそう答えるとは・・・。なら…受け取るがいい。」
そういってグレートレッドの体から光が発せられ、それが赤い宝石となって俺の手に置かれた。
「・・・お前を救った存在は、規格外の欲望が魂となり、それに我の力と他のアギトの力も加えて生まれた存在。これはその力を使いこなすためのカギだ。あれはあいつの封印のカギも兼ねている。」
「あいつねえ・・・。」
俺はあえて見て見ぬふりしていた光景を見る。
「どうしようか・・・あいつ。」
それは隅っこで縮こまってるゴジラさんだった。
「おっぱいこわいおっぱいこわいおっぱいこわいおっぱいこわいおっぱいこわいおっぱいこわい・・・。」
というとんでもないセリフを連発しながら・・・。
「・・・だが、あいつをおっぱいで本当に撃退するとは。世の中は不思議なことがある。」
「あんたから見てもやっぱり恐ろしいか?」
「ああ・・・我が夢幻なら、あやつは間違いなく破壊と怒りだ。我すらまともにぶつかったら勝てぬ。その相手を我も少し力を貸したとはいえ・・・。」
「あの・・・おっぱいの素晴らしさはまだ語り足りないけど・・・。」
「いい!!もう語らなくていい!!」
おっぱいドラゴンの奴にゴジラは完璧に参っていた。
「・・・おっぱいで倒すとはのう・・・。」
グレートレッドさんは感慨深くその光景を見る。
「ふう・・・まいったな。逆にトラウマになっちゃった。」
こっちに来るおっぱいドラゴン。
「ああ…だが、お前おかげで助かった。」
「いいよ、父さん。」
・・・・・・・。
はい?
今なんと言いました?!
「間違っているかな?だって父さんの欲望から生まれたんだよ?」
「・・・・・・・。」
固まっている俺。
この歳で父親・・・だと!?
「ぐはははははははは・・・だっ・・・駄目だ。面白すぎる。」
笑い転げる世界最強。
「はあ…まあ好きに呼んでくれ。」
受け入れるしか・・・ないのか?なんか釈然としないが、間違っているとも思えん。確かにお前とは同志だが・・・。
「あいよ。」
「父親か・・・。」
その言葉にゴジラもまた反応を示す。
「んん?どうした?」
「フン…なんでもない。」
そういってそっぽを向く。
「そうかい。だが…まあ、これからよろしく頼むわ。」
そんなあいつにも声をかけておくのを忘れない。
「・・・怒っていないのか?」
「今更怒っても仕方ねえだろ?お前さんがやらかしたことは全て何とかしたし。」
「・・・・・・そうか。」
そういってゴジラは無言になる。
これ以上は話しかけない方がいいか?
さて、なるべく早く眼を覚まさないと・・・。
「おい・・・。」
だが、そこで今度はゴジラの方から声をかけられる。
「受け取れ。」
投げ渡されたのは青い炎を発する球体。
これはゴジラの焔?
「それを取り込め。そうすれば俺の力に対する順応も早くなる。早く目覚めるだろうよ。」
あらら・・・。
グレートレッドが面白そうにその光景を見て問う。
「ほう・・・お前なりの誠意ということか?」
「勘違いするな。俺は破壊しかできない。今回も怒りで宿主の大切な何かを破壊するところだった。それを防ぐための最低限の力だ。」
「・・・ありがとよ。」
俺はそれを中に入れる。
「それと、お前さんは破壊しかできないというのは違うと思うぜ?」
「?」
そして、あえてお返しをしてやる。
「だってさ、あんた誰かの親だったんだろ?」
「!?」
おっ、ゴジラが驚いた。
案外俺の直感も当たるもんだ。
「破壊しかできないやつが、誰かの親になんて成れないって。まあ・・・そんだけ。」
「・・・・・・ふん。まったく。俺は寝る。」
反論出来ずゴジラはふて寝を決め込んだようだ。
「ほう・・・だったら、お前さんとも語らおうかね?」
そんなゴジラにグレートレッドが話しかけてくる。
「お前が俺と?それの何が楽しい?」
「なあに・・・案外こっちも暇でな。そっちも寝るというのだから暇だろ?我と互角の存在はいなくてな。良い機会だからいろいろと話をしたい。」
「フン。気が向いたらな。」
なんか・・・俺の夢の中は凄いことになっているよな?
「まあいつかお前も外に出れるようにしてやる。それまで待ってくれ。」
「・・・正気か?」
何言ってやがる。俺は正気だ。そして至って大真面目だ。
どうやら案外悪い奴じゃないと分かっただけでもよしだし。
「それにお前、サバイブのカードを作っただろ?その際に契約もしたんだぞ?」
俺の手に現れるのは…ゴジラのカード。
多分・・・最強の切り札になる。生み出してくれた三枚のサバイブと共に。
「まだ使いこなせんが、これを使えるようになればお前も外に出してやる。そんなに時間をかけるつもりもないし。まあ、ゆっくり待ってくれ。」
「・・・呆れるほどお人好しだなお前は・・・まったく。」
最も力がデカすぎて順応するのが大変だけど。
修行・・・しっかりとしないと。まだまだ鍛え足りないみたいだ。
「ついでに我のカードはないか?」
「えっ?」
「父様。私のも・・・。」
追加される二枚のカード。それはもちろん契約のカードだ。
「もっとも、今は使えん。時が来たら使えるようになる。我ら三龍神の力はな。」
俺・・・更にとんでもないことになっていないか?
「やっぱりおっぱいのことも語りたい・・・。」
「頼むからお前だけは止めてくれ!!!ああ・・・おっぱいこわい・・・。」
俺の中がどんどん愉快なことになっていく。
相棒達が戻ってきたらどんなことになるやら。
…せっかくだし瞑想しておこう。
SIDE 誠
自分はある機械の鎧を着ていた。
それを着て、警察官として、そして一人の人間として自分は戦っていた。
不可能犯罪を引き起こす、アンノウンと呼ばれる存在と。
隣にはアギトとギルスがいた。
そこで彼は本当の強さというものを知った。
アギトでもなくても、人間としての。
その強さは・・・。
「・・・んん?」
走馬灯のようなものを見て自分は目を覚ます。
隣にオプティマスがいる。どうやらうたた寝していたらしい。
「疲れているのだろう。もう少し寝ていてもよかったぞ。」
「ああ・・・。」
いつも見ている夢だ。
「・・・あれってなんだろう。」
あの夢を見た時からだ。こちらにありえない何かが入り込んだのは。
オプティマス達と幼い頃に出会ってから見るようになった謎の夢。
それがきっかけで、少しずつ誰かの経験値が入ってくるのだ。
「どうした?」
「ああ・・・いや・・・なんというか・・・。」
「よかったら話してみたらどうだ?」
だが、それを話して信じてもらえるかどうか・・・・。
まあ、試しに話してみた。
そしたら意外な回答が出てきた。
「転生・・・かもしれない。」
オプティマスの口から出てきた転生という言葉。
「我々トランスフォーマ―にも極まれに起こることだ。我々の魂・・・スパークの力によってね。君達の転生とは少し違うが。」
トランスフォーマーに転生の概念があるなんて意外だ・・・。なんかこう・・・こてこてのSFって感じがしたのに・・・。
「それで自分が誰かの生まれ変わりだと?」
「もしかしたらの話だ。だが、君の場合はその可能性がある。」
転生・・・ねえ。もしそうだとしたら、自分の前世って相当戦っている。それこそあり得ないほどの強敵と。
「人間というのは不思議だな。もしかしたらまだこの星には未知の何かが・・・。」
「いや、それはこっちのセリフだって。そっちにも転生という概念があることにびっくりだ。」
こうやって語らっていくのも久し振りだ。
向こうの転生は蘇生にも近い。大抵転生したらより強力になるとも。
「むしろ、こちらとしてはその歳では異常といえる戦闘力と洞察力を持つ理由になる。そうか・・・転生か。」
…いったい誰の転生かな?自分って・・・。
そう考えていた時だった。
突然・・・それは起きた。
『!?』
何かが起きた。恐らく前世で積み重ねた経験がそれを告げる。
「…空間異常?いったいこれは・・・。」
オプティマスも気付いたようだ。
「何かわかる?」
「…空間隔離?まさか・・・我々はどうやら閉じ込められた。」
「…本当に凄まじいな、今回の事件って。」
これまで数々の事件に巻き込まれてきたけど、まさかここにきて更に訳の分からない事態に遭遇するとは。
「どうする?閉じ込めたってことは…こっちに対して何かしようとする人達だろ?どんな用で・・・。」
「それは私もわからない。だが、何かが・・・。」
「・・・脅威度確認。対象二名。片方・・・この星の原住生命体、前回のデータあり。もう片方…過去のアーカイブ参照・・・。機械生命体、擬態能力を持つトランスフォーマーと確認。」
それは突然現れていた。
「・・・なっ・・・なななな・・・。」
そいつの姿に俺は凄く見覚えがあった。
一年前、それはこっちを襲撃してきたからだ。
「なんでメガへクスがここにいる?」
その名はメガへクス。詳しいことは後で進兄さんから聞いたのだけど、遠い宇宙から全宇宙を同化させようとしていた機械生命体らしい。
「あの事件に君も巻き込まれていたのか?検索したが確かこの近辺で・・・。」
オプティマスも過去のデータを参照したのだろう。
かつて地球を襲撃してきた奴の。
でも確かあいつは、進兄さんが確か・・・神様(?)とかいう謎の協力者と一緒に本体を破壊したから何とかなったはずじゃ・・・。
「排除…排除。」
メガへクスの手から放たれる光の弾。それをかわそうとするが早くてかわし切れなく・・・
それを庇ってくれたのはオプティマスだった。その腕の装甲で受け止めてくれたのだ。
その隙に、もう片方の腕を大砲に変形させてうち放つ。
それを受けて吹っ飛ぶメガへクス。
「ここから出るぞ!!」
「意義なし!!」
エネルギー弾を受けて傷一つなく立ち上がるメガへクスを見ながらこちらは逃げる。
「排除…排除・・・。」
秘密基地、ドライブビットから逃げたこちらの後をワープしながら追ってきたメガへクスの手から光の弾が放たれようとして・・・。それが横から飛んできた銃声に阻まれる。
「・・・まさか、またこいつと戦うことになるなんてな!!」
進兄さんだ。あのメガへクス本体と戦った経験がある。だが、最大の問題がある。
進兄さんは今、ドライブに変身できない。あいつに生身で戦うのは・・・。
「…対象者確認。排除を開始する。」
両腕を刃に変形させたメガへクス。
「ちぃ・・・。」
それに対抗するのはなんとオプティマス、もう片方の手から両刃剣を展開させて攻撃を受け止めたのだ。
「どうやらまともに戦えるのは私だけらしいな。」
目が光る。
「・・・脅威度、高。」
メガへクスもその脅威の認識を改め、剣をはじき攻撃をしようとするが・・・。
「甘い!!」
彼はそれを軽く振り払い、メガへクスを吹っ飛ばす。
その際にもう片方の大砲からエネルギー砲弾を撃ち込むのも忘れず。
爆発とともに吹っ飛ぶメガへクス。体のあちこちが焦げている。
「存外頑丈だな。だが・・・。」
体格差もあり、メガへクスを圧倒するオプティマス。
「…強い。」
「いや…確かに。」
メガへクスの戦闘力は極めて高い。それこそ歴代の悪の組織の最強怪人クラスは確実。
だが、それをオプティマスは単独で圧倒。
「オプティマスって…こんなに強かったの!?」
「・・・認定改定・・・脅威度 極高。」
二倍以上の体格差からくるパワーで圧倒され、両腕の刃も粉々に砕け散り、胸部に大きな切り傷が生まれる。
「アームブレイド、及び胸部装甲破損。修復開始。」
だが、再生機能があるらしく、すぐにその体が修復されていく。
「だったら、それが間に合わないくらいに・・・。」
再び攻撃をしかけようとするが・・・。
「シールド展開。」
それをメガへクスの周りに展開された何かが受け止めていた。透明な何かに。
「戦闘モードをジェノサイドに移行。加速装置、イグニッション。」
その言葉とともにメガへクスの姿が消える。
「ぬっ!?」
まるで何が起きているのかわからない。それほどの動き。
だが、それに見覚えがあった。いうなれば重加速を受けた時に近い。だが、今回は相手が加速しているだけなのだろう。
「・・・・・・。」
全身のあちこちが傷つきながらオプティマスは冷静だった。
「・・・そこだ!!」
なんと撃ち落としたのだ。
後ろから攻撃してこようとしたメガへクスを。
「すげえな。あれは相当の数の死線を潜り抜けている。」
「うん・・・。」
星一つ規模の大戦を生き延びたのは伊達ではない。
そういえば、総司令官と名乗ったことがあるけど・・・。
「・・・・・・。」
もしかして、オプティマスってすごく偉い人なんじゃ。あの星で英雄と呼ばれてもおかしくないほどの。
「ぎぎぎ・・・。」
あちこち破損しながら立ち上がってくるメガへクス。それに向けてトドメを指そうとするオプティマス。
「・・・戦術変更。Fire!!」
だが、それは突然起きた。
それは上空から放たれた一閃、
それがオプティマスを貫いたのだ。
「がっ・・・。」
「金属細胞破壊砲・・・着弾確認。」
「ぐお・・・おおお・・・。」
着弾した個所から崩壊していくオプティマスの体。放ったのはもう一体のメガへクス。
そう…メガへクスは二体いたのだ。
「オプティマス!!」
「引き続き排除対象を・・・。」
二体がこっちに迫ろうとした時・・・。
―――させると思ったか!!
という声とともに道路を突き破ってそれは現れた。
それはトライドロン。
「ベルトさん!?」
それとともに無数のシフトカーも現れ・・・。
そこでとっさに自分は動いていた。
「マッドドクター!!」
手にしたのはチェイス兄さんの形見。ブレイクガンナー。
大好きだったあの人の愛用していた武器だった。
それにマッドドクターをセットし・・・倒れたオプティマスに充てる。
「ぐう・・・うう・・・。」
どうやら崩壊は抑えることはできた。でも・・・。
「傷は・・・治らないか・・・。」
「ぐう・・・一命取り留めただけでもいい判断だ・・・。」
瀕死なのは変わりない。戦闘はもちろんのこと、未だ辛うじて繋いだ命も危ない。
その状態で二体のメガへクス・・・。
「今度は・・・俺達の番だ。」
―――――――状況はまだわからないが・・・いいだろう。
だが、今度は進兄さんが立ち上がっていた。
その手にはベルトさん。
「行くぜ!!」
――――ドライブ・・・タイプ・・・スピード!!
そうして、久し振りに進兄さんは変身する。
仮面ライダードライブに。
「…仮面ライダードライブを確認、かつて我らを滅ぼしたことを考慮・・・脅威度は極高。」
「久し振りのドライブだ。またこんな日が来るなんて夢みたいだ。」
―――――こんな状況でなければな・・・。
「ああ・・・だから・・・。止まっている暇はねえ。」
進兄さんはいう。
「久々に・・・ひとっ走り付き合えよ。」
不利な状況なのに…それでも力強くいう。
「ここからは俺達の番だ。頼むから・・・絶対に死なないでくれ。」
死にかけのオプティマスに激を飛ばす。
そして、二体のメガへクスに向かっていく。
「無茶を言う・・・絶対にか・・・だが・・・。」
消えそうな命。
「死にたくない・・・か・・・。死などいつも覚悟していたことだが・・・。」
オプティマスは死にそうな体で思う。
「死にたくない・・・だな。」
冷静にだが・・・己の中の生きることへの渇望を知る。
「ああ…だからまだ頑張って・・・。」
「…対象…排除。」
そこで最悪なことが起きる。
それはまさかの・・・。
メガへクス…三体目。右腕を刃。左腕を大砲に変形させている。
「ちぃ!!マッドドクター…そのままオプティマスの治療を頼む!!」
「っておい!!?」
―――――誠君無茶をするな!!
走り出す自分。既に狙いは決めていた。
「金属細胞破壊砲・・・。」
「態々説明ありがとうさん!!」
ブレイクガンナーを発砲。
狙いはエネルギーを充電させたメガへクスの左腕の大砲。
その砲口にブレイクガンナーのエネルギー弾が入っていき・・・。
暴発した。
その暴発の時のエネルギーで、メガへクスのボディにも甚大な被害が出ていた。
そう・・・。
「ががががががががががががが!?
メガへクスのボディが崩壊していたのだ。
「…まさかと思ったけど、やっぱ、トランスフォーマーのそれに近い体だったか。」
腕の変形方法などがオプティマスのそれと似た部分があった。全身修復もまるでこちらの体が治るのを早送りしているようだった。
それを見て、オプティマスの命を脅かす武器を使ったのと合わせて思ったんだ。
あの武器…あいつら自身にも有効じゃないかと。
『・・・・・・・。』
まさに自分の毒で遣られるという図。メガへクスはそのまま全身を崩壊させて、消滅。
――――アンビリーバボ…。いや、なんという発想。
「あの悪魔の兵器をあんな風に攻略したのは初めてだ。」
「ああ。あいつ年々凄くなってくるな。刑事になった時が凄く楽しみだ。」
―――そうか・・・相も変わらず大活躍か。凄まじいな君達の弟分も。
「…本当に凄い弟分だと思うぜ。」
「いや~ベルトさん。そう言われると照れますって。」
――――まあ、そういった部分が年相応で安心したよ。
「そこが可愛いってわけだ。ふん!!こっちは防戦一方だけどな。」
進兄さんは二体のメガへクスに押されているが、何とか持ち堪えている。
―――――実は、少し性能アップのために改良していたり・・・。
「その点…感謝するぜ‼‼ベルトさん!!だが・・・やっぱ強い・・・。」
進兄さんもドライブとして相当な修羅場を潜り抜けている。それでもあいつらは強い。
こちらの使った手も一度きりだろうし・・・。
「そこの人伏せて!!」
だが、そこで一つの希望がやってきた。
その声とともにぶっ放される二つの轟音。
それとともに進兄さんが戦っていった二体のメガへクスが大爆発を起こす。
声をした方を見ると・・・なにやら白煙をあげる長方形のバズーカみたいなものを両肩に担いだ女性が立っていた。
反動がどれだけかわかんないけど、凄いよね?
「…この星って文明レベルは低いはずだったわよね?」
―――確か・・・そのはず。
「じゃあ・・・あのパワードスーツは何!?」
あれ?自分達を助けてくれた人も何やら混乱していますよ?
SIDE イリア
まさかのこの星でメガへクスとまともに戦闘できる兵器があるなんて思わなかった。
―――――この星の文明レベルでは・・・あのような高度なアーマードスーツなんで不可能なはず・・・。しかも、あれはどの星系のデータにもない。
でも…目の前にあるわね。う~ん・・・。
まるでタイヤをたすき掛けしているみたいな奇抜なデザイン。何の意味があるのかわからないし。
「あなた…どこの星系なの?」
「どこって…生まれも育ちもこの地球だが?」
――――同じく・・・。
うん・・・
「・・・・・・。」
頭が痛くなってきた。
「おかげで助かったけど。」
私の故郷・・・思ったよりも凄いことになっている。
―――文明レベルの引き上げが必要なのは確実だろう。
その通りよ。性能だけ見ても宇宙刑事のコンバットスーツといい勝負できそうだし。
おっと、忘れていた。
再生しようとする二体のメガへクスに向けて端子を当てて・・・。
「…セーブ完了。」
半透明のクリスタルのようなものに閉じ込める。
――――封印したのか?
「ええ。これで大丈夫なはずよ。」
想定外の出会いがあったけど、おかげで、大事なく済んだと・・・。
―――――いや、一人重傷者がいる。
「えっ?あっ・・・・あれって・・・。」
そこで私は気付く。側に巨大な金属の人間が倒れているのを。
―――――――あれは・・・伝説のトランスフォーマー・・・。
トランスフォーマー。
宇宙でも伝説とされる乗り物に変形できる機械生命体。その特性から、あらゆる文明に溶け込み、その姿を見た者は殆どいない。
私はこの故郷で、そのトランスフォーマーの一人と出会ったことがある。
「オプティマス・・・。」
そう・・・今、目の前にいるトランスフォーマ―だ。
忘れるわけがない。あなたのことを・・・。
「君・・・は・・・。」
彼の目が私を見る。
そう・・・。
「イリア・・・か。久しぶりだ。」
「えっ?」
私の名前を知っているトランスフォーマーは一人だけだ。
「オプティマス・・・まさかあなたに出会えるなんて。」
言葉も出なかった。でも・・・。
「どうして、そんな酷い怪我を。」
胴体に大穴が空いている。トランスフォーマーでも生きているのが不思議なくらいだ。
「・・・誠君達のおかげで何とか生きながらえている。」
「誠・・・。」
「イリア・・・なの?」
その言葉に、私と同じ歳くらいの青年が話しかけてくる。
その顔を見ると・・・ああ…面影がある。今も持っている皆との集合写真に・・・。
「・・・誠・・・なの?」
まさか、ここで幼馴染と再会できるなんて思わなかった。
しかも、メガへクスに襲われていたなんて・・・。
「・・・相変わらずの運のなさね。」
彼はどういうわけか、災難と縁がある。
一緒にいるだけで本当に退屈しないくらいに。
「久し振りの言葉はないんかい!!まあ…否定はできん。」
いつも通り過ぎて力が抜けてくる。
―――――皆いろいろとあるだろうが、この場を離れることを強く勧める。
ボブが私の傍にホログラフを出して皆に声をかけてくる。
―――――もう・・・ゾーンが崩壊し始めている。このままでは・・・十分で完全に崩壊する。
「ちょっとまずいじゃないの!!」
ゾーンの展開先は月よ?!崩壊したら、生身の皆がやばい・・・。
「・・・皆転送させるわ。でも…問題は。」
瀕死の重傷を負ったオプティマスをどうやって転送するか・・・。
―――――――最後になら可能だ。転送ポットが使えなくなることを考えれば。
「…それくらい安いものよ。」
皆を転送させる算段は付いた。急いで脱出しないと。
でも、そんな時だった。
「索敵任務中止。脅威度・・・極高。」
「!?」
まさかの四体目のメガへクスの出現。
「一体こいつら何体現れやがる!?」
「こっちが聴きたいわよ!!」
―――――スキャニングは完了した。全部で五体いる。
「五体!?」
「一体は倒した。ならもう一体は・・・。」
って!?
最後の一体がセーブした二体の傍に立っていた。
「一体崩壊・・・。残り四体、機能に問題なし・・・。封印解除。」
それとともにセーブした二体が解放。
そして・・・もう一つの脅威がやってくる。
それはメガへクス五体を送り込んだ謎の飛行物体。
――――――トランスフォーム。
その姿が変わっていく。体を無数の四角い金属に変え、それを瞬時に組み替えることで。
「あれは・・・。」
現れたのは巨大なメガへクス。オプティマスと同じくらいの大きさを誇る。
「トランスフォーム・・・だと?」
そいつが行ったのは間違いなくトランスフォーム。
「…あんな個体データにないわ。しかも基本は一体だけだったのに、どうしてこの星だけ・・・。」
「イリアちゃん・・・あの武器は使えるのか?」
変なパワードスーツを来た男が話しかけてくる。
「使い捨てだからもう無理。って、いきなり馴れ馴れしく・・・」
「イリア…変身しているのは、進兄さんだ。」
「・・・えっ?」
私は固まってしまった。
あれに変身しているの…近所のお兄さんだった・・・進兄さん!?
「どうしてメガへクスのことを知っているのか、そして行方不明だったのか、聞きたいことはたくさんある、だが、今はこの窮地を脱することが先決だ。」
「・・・ええ。」
なんでこんなに知り合いに立て続けに会うのかな・・・・。
ある意味帰ってきた甲斐はあるけど。
「・・・そうだな。うん・・・。転送ポットって使うラグはあるの?」
「えっ?いえ…ラグはないわ。一斉に転送できるようにもしてある。エネルギーがあればだけど。」
いろいろと問題が・・・。
「…だったらいい手がある。」
誠君が不敵な笑みを浮かべる。
「ベルトさん…あいつらに協力を。」
SIDE ???
目標殲滅・・・。
我らは一斉に攻撃を加える。
脅威度最大に高め・・・そして・・・。
「殲滅…確認・・・。」
後に残ったのは金属片と血の海に倒れる人間達。
「生命反応なし・・・。死亡確認。」
この星の最大の脅威は取り払った。
「ゾーンより転送・・・引き続きオーディン、及び加々美 新の捜索を・・・。」
これで本来の任務に戻れると思った。
「!?」
だが、異変は唐突に起きた。
その人間達の姿が消えたのだ。
破片も血の海すらもきれいに!?
動きだそうとするが・・・。
「!?」
何時の間にか我らの足元がコンクリートで固められていた。
すぐに動けない。
「・・・・・・・。」
我らは理解できずに暫く立ち竦んでいた。
SIDE イリア
そこは町はずれの廃工場の中。
もっともデカいのが転送された衝撃で全て粉々になっている。
転送…完了したのはいいけど・・・。
「上手く行ったぜ‼‼シフトカー達協力ありがとう!!」
『・・・・・・・・。』
それは即席だった。
小さなミニカーのような物はそれぞれ特殊能力を持っている。
そのうち一体が立体映像を作り出したのだ。
攻撃そのものは別のミニカーが次々と別空間に飛ばし・・・。
その隙に先行して転送させたミニカーから供給された太陽光からのエネルギーで転送のためのエネルギーを溜め・・・、生命反応が消えたような絶妙なタイミングで転送。
その転送の直前にあらかじめ潜まてていた別のシフトカーによりコンクリートを出し、膝から下を一気に固め、素早く離脱。
ちなみにオプティマス転送に伴う転送ポットの破損は相手がこっちに来ることを防ぐために利用と・・・。
タイミングといい…見事に相手は引っかかった。
「・・・いや、お前のとっさの機転にはいつも助けられているが・・・。」
――――今回は格別だったよ。シフトカー達の特性を良く理解している。
「・・・誠君・・・あなた・・・。」
こんなこと普通じゃできない。
一体どれだけの修羅場を潜り抜けたらできるの?
あなた・・・今までどんな目に・・・。
だんだんと心配になってくる。
「一体何をしていたの?事件に巻き込まれながら・・・。」
「何って・・・・まあ何が起きても大丈夫なように強くなりたいと…保護者のじっちゃんに言ったんだ。そしたら…サルみたいなおじいちゃんを紹介されて・・・。」
サルみたいなじっちゃん?
「健康かつ頑丈になれるからって…ロングブレス健康法をはじめいろいろと・・・。」
どう考えてもそれが原因の一つね。後でロングブレス健康法とその色々の部分を問い詰めないといけない。
どうやら進兄さんも同じ気持ちのようだ。視線が交わった時になんとなくわかったもん。
「話しは後。とりあえず、オプティマスの治療を。メンテナンス用のマンターンとジャッキ、スパーナを出して。あれで更に回復と修理を・・・。」
「おっ・・・おう。」
――――本当に私よりも的確だ。
その言葉とともにオプティマスの体をエネルギーでできた作業台が支え、スパナによる修理とエネルギー補充が行われる。
「・・・絶対にあんたを死なせない。必ず助けるから。」
誠君は本気だった。
瀕死のオプティマスを助けようとしている。
「うう・・・ううう・・・。」
いろいろと聞きたいことはある。向こうもそれは同じだろう。
でも、まずは・・・。
「知り合いの宇宙刑事に連絡してみる。来るのに時間はかかるけど、何とかなると思う。」
「宇宙刑事?」
「誠・・・あなたも知っている人よ。彼の艦ならよりいい治療もできるかも。まあ、私も彼の依頼からあのメガへクスを追っていたから、その連絡も兼ねておくわ。」
「宇宙刑事って・・・。」
「宇宙規模の警察か・・・。」
―――――どうやらまだまだ私の知らない世界があるみたいだな。
それはこっちのセリフよ。私の故郷ってこんな魔境だっけ?
メガへクス本体はこの星の近くで謎の消滅をした事は知っているけど、もしかしてこの星の連中がやらかしたじゃないかしら?
そう思えてくる。
そんな恐ろしい予測を振り払いながら誠君に問う。
「生命維持だけならなんとかなる?」
――――問題ない。
「・・・すまない・・・。」
オプティマスが申し訳なさそうな声を上げる。
「いや、あんたが頑張ってくれなければ、こちらがやられていた。今度はこっちが助ける番だ。」
進兄さんは変身を解く。
やっぱり進兄さんだったのね。あれに変身していたのは・・・。
「マットドクターの効力は絶大だ。まだ持つ・・・。」
本当にどんなテクノロジーがあれば、こんな凄いミニカー達が出来るのやら。
でも、安心するのはまだ早かった。
「…囲まれているぞ。」
「今度は逃がさんぞ…オプティマス!!」
現れたのは首をギブスで固定し、右頬にデカいあざを作った男。
「…オプティマスは瀕死・・・か。好都合。今回はさっきの四倍の人数だ。」
勝ち誇った男を誠君は、目を据わらせた状態で睨み付けつつ淡々と聞く。
同じく怒りを隠そうとしてない進兄さんに。
「進兄さん…無力化してから拘置所にぶち込んでいいか?」
「安心しろ。銃刀法違反などいろいろとやっている。逆に理由には困らん。」
えっと、その前に誠君が持っているそれは・・・。
「あれはおもちゃの銃だ。光を放つだけだからな。」
はい・・・そうですか。
「それであいつらは・・・。」
襲い掛かってきたあいつらのことを聞こうとした時だった。
―――――殲滅…殲滅・・・。
その音声とともに四体のメガへクスがポットのあったところから強引に出現。
そのまま私達に切りかかってきたのだ。
でも・・・それに気付いて真っ先に動き出した者がいたのだ。
「危ない!!」
それは瀕死だったオプティマス。
この場の誰よりも多くの戦いを経た、戦士としての勘が働いたのだろう。
気付けば私達の前に躍り出て、その大きな体をメガへクス達の刃を遮る盾としたのだ。
「にげ・・・ろ・・・。」
「オプティマス!!?」
そして、強引に開けられた空間から出てきた巨大メガへクスが大砲を構え・・・
オプティマスに向けてうち放った。
SIDE オプティマス
遠のく意識の中・・・私はいろいろなことを思い出していた。
母星での戦争の日々。そして、荒廃した星から出るという決断の悲しみと痛み・・・。この地球に流れ着いた後の話も・・・。
この地球で私はかけがえのない友ができた。
辛いこともたくさんあった。
だが…最後に救われた。
そう、私のことを自分達のように怒ってくれ、助けてくれる人達がいたのだ。
こうやって・・・自分自身を顧みない形で助けようとしてしまうほどに。
「・・・私は・・・死ぬのか。」
そのこと自体に悔いはない。
だが・・・。
「私はまだ・・・やるべきことがあるというのに・・・。」
―――――やるべきことだけなのか?
そんな私に話しかけてくる者がいた。
「誰だ?」
「俺のことはどうでもいいだろう?」
そこにいたのは誠君やイリアちゃんと同じくらいの歳の青年。
「さっきの問いの続きだ。あんたはやりたいことがあるのか?自分の母星を救わないといけないと言っていたが?」
「それは私の使命であって・・・・。」
「それだけじゃないだろ?」
「・・・・・・。」
遠い目をしながら私は考える。でも、不思議と素直に成れた。
「守りたい・・・。」
それは総司令官としての立場とかおいて、一人のトランスフォーマ―としての意思。
「多くの同胞達を。」
それは単純なものだった。
「私を助けようとしてくれた人達を・・・。私のことを・・・。
心からそう思っていた。
「私のことを友達と言ってくれ、今でもそう思ってくれている彼らのことを・・・。」
本当ならここで倒れている場合じゃない。
「動け・・・私の体・・・。」
薄れていく意識を繋ぎ止め様とする。
「彼らを助けたい・・・。守りたいんだ・・・。」
もう体は死んでいる。私達の魂・・・スパークも消え去ろうとしている。
でも、諦められない。
「・・・・・・やっぱり、あんたはすげえよ。」
その私を見て、誰かが声をかけてきた。
「ありがとうなフィリップ。検索してくれて。」
――――いきなり本棚に現れたのはびっくりしたけど、そういうことなら仕方ないよ。でも、元気そうでよかった。
「わりぃ…心配かけて。でも、目覚めるのにまだ時間かかりそうなんだわ。」
現れたのは誠君やイリアと同じくらいの歳の青年。
「・・・・・・助けに来た。」
その言葉とともに私の体に刻まれる不可思議な紋章。
「夢幻の力と破壊の力・・・少し使わせてもらうぜ?」
―――いいだろう。この者の夢…見てみたくなったのでな。
――――ふん、大馬鹿者の末路をみせてもらう。
――――父上。こちらも・・・。
――――ついでにこれも受け取り給え。面白ことになりそうだ。
「ああ・・・。この二つを欲望と知識がつなげるか。だが、フィリップ。ついでにそれを渡すなよ。」
そして青年の手に現れるのはメダル。
「さあ…俺達の力を抽出したメダルだ。」
それを私の体にできたコインスロットに入れながら言う。
「無駄遣いしないように、しっかり励めよ?」
その青年を見て、私の中のメモリーがある人物をはじき出す。
「まさか、君は・・・イッセー?」
あの時、友達になった子供達の一人。
「ふっ・・・またな。会えるのを楽しみにしている。」
そして、その結論が正しいと私は確信した。
何しろその青年が浮かべた人懐っこい笑顔が昔の彼にそっくりだったから。
力が湧いてくる。
それもすさまじいレベルで・・・。
「ありがとう…イッセー。」
沈み込もうとしていた意識が浮上していく。
SIDR イリア
破片を散らせて倒れていくオプティマス。
「あっ・・・・・。」
全身の力が抜け、膝から崩れ落ちる誠。
「そん・・・な・・・。」
・・・助けられなかったのか。
「お前・・・。」
「ああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
そこで私は叫ぶ。
その叫びとともに全身から怒りをまき散らす。
――――落ち着けイリア!!力が暴走しているぞ!!
ボブの警告にその叫びを止める。
だが、頭の方は全然怒りが収まらない。
「そんなの関係ない・・・。」
目から涙をこぼし・・・。私・・・泣いているんだ。
「あんたら・・・絶対に許さない。私も・・・もう出し惜しみはしないから・・・。」
―――――――だっ、だが、あの力は君の・・・。
「それくらい怒っているのよ!!私の友達を!!」
その言葉とともに私の姿はもう変わっていた。
いつの間にか割れていた窓ガラスの破片でそれは確認できる。
緑の体にラインが入っている。
腰には赤い宝玉。
その姿は・・・。
「仮面…ライダー・・・。」
そう…それがこの星に戻ってこなかった理由。
私は既に人間じゃないのだ。
――――君の体はもしかして・・・。
「ベルトさん・・・。」
進兄さんは察してくれたのだろう。私に何が起こったのか。
この力は私を拉致したある科学者によるもの。私をネオ生命体のプロトタイプとして。
父もその研究に参加していた。でも…私を実験体とするのを止めようとして・・・殺された。
その結果が今だ。
「…覚悟しな。」
「・・・未知のエネルギー確認・・・排除・・・。」
両腕を刃に変形させ、走ってくる二体メガへクスに対して私は迎え撃つ。
二体同時に攻撃を受け止めた。この姿だとこれくらい軽い。
「問題は変身が全然安定しないことだけどね。」
――――――もう変身が解けかかっている。あまり持たないな。
ボブの言う通り、この力は凄まじいけど、持続しない。あの人達も私のことを失敗作だと・・・。
「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!」
そこに割って入る者達がいた。
それは誠君。って!!?
腕をブレードに変形させたメガへクスが叫びに反応して、誠君に刃を向ける
こちらに向けて振り下ろしたブレードと誠君が繰り出した拳。
ダメ…間に合わない・・・。
そう私は思った。
脳裏によぎるのは体をブレードによって両断される誠君の姿。
でも・・・。
――――なん・・・だと?
予測した未来と、目の前で起きた光景は大きく違っていた。
誠君の拳がブレードを粉々に砕きながら、メガへクスを殴り飛ばす光景のために・・・。
『はい!?』
――――アンビリーバボー・・・。
「がががががががっ!?」
殴り飛ばしたメガへクスはその顔面が粉々に砕かれ破損。首もその衝撃で折れている。
「理解不能・・・。人間に・・・あのような攻撃力など…ありえない。」
「あんた・・・本当に人類?」
私はあまりの衝撃に変身を解きながら、尋ねる。
人のことは言えないけど、あちらもなんかいろいろと吹っ飛んだ様子。
「普通の人間だ。しかし・・・案外あいつら脆いな。拳一発で・・・。」
「いや!!あいつらが脆いとかじゃなくて・・・。」
――――――君の攻撃力が異常なだけだ。殴っても拳に全く怪我もないみたいだし・・・。改めてもう一度聞きたい・・・。一体彼に何があった!?
「それはこっちが聴きたい。ロイミュードじゃ・・・ないわな。」
「右に同じく、理由不明です。」
ベルトさんの悲鳴に頭を抱える進兄さんと霧子さん。
本当に訳が分からない。
「逃げなければよかった。そしたら…オプティマスも・・・。」
「そうね・・・。でも今は・・・。」
「・・・っ・・・ああ!!」
確かな怒りに悲しみと戸惑いを今だけは覆い隠し、戦闘に参加しようとする。
だが、その次の瞬間に不思議なことが起こった。
倒れたオプティマスの足元に不可思議な紋章が浮かび上がってきたのだ。
SIDE 誠
「あれは・・・。」
初めて見るはずだった。
だが・・・その紋章に自分は凄く見覚えがあった。
それは・・・。
「アギト・・・。」
そんな名前が不思議と口から出てきた。
そして、その足元のアギトの紋章から光が柱となってあふれだし。オプティマスの体を包み込む。
「何が起きている?」
――――――わからない。
光とともに立ち上がったオプィマスがあちこちにスキャンの光を広げる。
そして、スキャンしたのは・・・。
トライドロンとシフトカー・・・。
――――――トランスフォーム!!
そして、オプティマスは新たな姿になった。
「…心配かけてすまない。」
それはトライドロンと同じカラーリングとなったオプティマス。
瀕死だったはずなのに・・・。
「まさか・・・これって・・・。」
さっきまで話していたトランスフォーマーの転生。
「ふっ・・・この身で転生を体験することになるとはな。イッセーに感謝しないと。」
『イッセー!?』
「兵藤のこと・・・だよな?」
オプティマスの言葉に自分達の耳を疑った。
どうしてここでイッセーの名前が出てくる!?
「詳しい話は後にする。まずは・・・。」
生まれ変わったオプティマスが巨大メガへクスと対峙。
「こいつらを片付けてからだ。」
――――理解…不能。
「何が・・・どうなっていやがる!?」
まさかのオプティマスの復活劇にメガへクスはもちろん、オプティマスを追ってきた男達も固まっている。
こっちも理由はわからない。
だが・・・。
「脅威度・・不明。即刻排除。」
メガへクス達が一斉に姿を消す。
「・・・加速装置!!?だったら私も・・・。」
イリアがそう言って手を出そうとしたが・・・。
それをオプティマスが制する。
「こちらも同じことをしようか。」
―――――スピード!!スピード!!スピード!!
その音声とともにオプティマスの姿が消え、屋根が吹き飛び、壁が大きく吹っ飛ぶ。
これって・・・。
「凄い・・・。」
「ベルトさん・・・これってもしかして。」
――――どうして彼がシフトカーの力を使える!?
呆然としている霧子姉さん、進兄さんとベルトさん。
訳の分からない事態が起こっているけど、その事態に一つだけ心当たりが・・・。
「まさか、転生の時のスキャンで・・・。」
あの時、オプティマスは転生の際にあちこちスキャンしていた。その中にシフトカーがあるとすると・・・。
「すまない。どうやらそのようだ。」
――――・・・なんということだ。
加速が終わり、姿が見えるようになるオプティマス。
それと同時に、すさまじい勢いで地面に落下する巨大メガへクス。
一方的にぼこぼこにされており、起き上がってくる気配がない。
―――コアトライビアを取り込んでしまったとは・・・。
「・・・マジで何が起きているのか・・・。」
「こちらも新たな力に戸惑っているところだ。だが・・・。ふん!!」
その声とともに向こうにいる男達の動きが緩慢になる。
「な・・・が・・・ああ!?」
「重加速まで・・・。」
―――――頭が痛いぞ・・・。
嘆いている間にメガへクス四体がこちらに迫ろうとしていた。
「…今度はこちらが頑張る番だ。」
「いいや、こちらも戦うぞ。ベルトさん!!細かいことは後まわしでいいか?」
―――仕方ない。はあ…久し振りの目覚めだが、波乱が多過ぎるぞ。
一斉に攻撃してくるメガへクスたち。
腕が刃へと変形。
それに構えようとして・・・。
――――Guard Vent!!
突然上から降ってきた何かがそれを阻んだ。
「やれやれ・・・。愉快なことになっていやがる。」
阻んだのは傘・・・だった。
「大和の傘は流石頑丈だな。そして、案の定、巻き込まれていやがったか・・・誠!!」
メガへクスの攻撃を防ぐ傘。それに驚いている時、そいつは自分の名前を呼んだ。
「久し振りだな。助けに来たぜ?」
「って・・・新!?」
それは新だった。
「イリアも久しぶり。それと…オプティマスも。」
「…また知り合いに会えた。一体どうなって・・・。」
その新を見て・・・。
「最優先対象・・・発見。」
「即時…抹殺。」
メガへクス達が反応する。最優先対象?
メガへクス達が一斉に新に向かうが・・・。
―――――提督・・・私達の力を使ってください。
―――――狙いは・・・提督っぽいよ?
なんか新の方から女性の声が聞こえてきたけど!?
「今回は必要ないって。だって、こっちに来たのは俺だけじゃねえぜ?」
新が笑みを見せると同時だった。
「うおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!」
傘で攻撃を防がれ、動きと止めた四体のメガへクスに対して誰かが突進してくる。
それは…右腕がロケットになった白いイカのような奴だった。
凄まじい勢いに四体が纏めて吹っ飛ばされる。
「ふう~あんな感じで良いか?」
「いい仕事だぜ、弦太郎!!」
『弦太郎!?』
「おう。皆久し振りだぜ。」
へっ?えっ?
「…また未知の技術・・・。しかもそれを使っているのが弦太郎?」
訳が分からない。どうして弦太郎が変身している?
「挨拶は後にした方がいい。」
オプティマスの言葉に振り向くと・・・立ち上がってくる五体のメガへクスの姿。
「・・・まずはあいつを片付けることを・・・。」
「心配ないわ。」
その時・・・新たな声とともに、メガへクスの体を無数の光の槍が貫く。
――――ぎぎぎぎ!?
「もう動けないから。」
現れたのは…まあ、弦太郎がいるからいてもおかしくないとは思っていたけど・・・。
「久し振り、皆。」
イリナだった。
ただ・・・その背中から五対の白い翼を生やした状態で。
『・・・・・・・・。』
もはや何からツッコめばいいのか。
「動き止めたからトドメはよろしくお願いするわ。」
「やれやれというべきか。」
そして、最後に現れたのは・・・。オレンジの丸みを帯びたパワードスーツに身を包んだ存在だった。
「なんであなたがここにいるの!?サムス?」
イリアはそれを見て酷く驚いている。
「久し振りだな、イリア。一年ぶりか。」
「一年ぶりじゃないわよ!!どうしてあなたがこの星に?」
「まあ、いろいろあって。説明は後にしよう。」
大砲となっている右腕には大量のエネルギーがチャージ。
「・・・吹っ飛びな。」
放たれる巨大なエネルギ―砲弾。それがメガへクスのうち、人間大の大きさの奴を四体纏めて飲み込み…消滅。
―――ウェイクアップ!!フィーバー!!
そして、天井の穴から音声とともに何かが飛来してくる。
それは黄金の鎧を纏った…仮面ライダー。
両足から赤い翼を生やしながら急降下キックを巨大メガへクスに叩き込む。
その一撃…メガへクスを地面に叩きつけるほど。
「そこから更に・・・。」
――――リミットブレイク!!
左足にドリルを装着した弦太郎によるロケットの噴射も加えたドリルキックも炸裂。
巨大メガへクスの体をぶち抜く。
――――馬鹿・・・な・・・。
二つのライダーキックを受けて爆散する巨大メガへクス。
「……あっという間に決着だな。」
「あっ・・・ああ。しかし、本当に君達なのか?」
オプティマスは恐る恐る弦太郎達に話しかける。
「おう!!」
変身を解除したその姿は・・・うん。リーゼントといい弦太郎だな。
「会えて嬉しいわ。イリアに至っては行方不明と聞いていたから心配で・・・。」
「えっ?」
「あ~・・・それは・・・。」
イリアが行方不明というのは初耳である。
「まあ、その辺の話はおいおいと。そして…遂にあと一人か。アーシアちゃんの予言にあったイッセーの幼馴染達が・・・。」
弦太郎とともにライダーキックをかました彼も変身を解いて、こちらにやってくる。
見た目は・・・うん、線の細い芸術関係…または王子様という感じ。
「自己紹介が遅れた。僕の名前は紅 渡。君達の知り合い…兵藤 一誠。いや、イッセー君の友達と言えば…通じるかな?」
「イッセーの友達!?」
「あらら・・・魂がイケメンな人達がまたきましたね。」
その言葉に振り向くと、狐のしっぽと耳を持った丈の短い着物のような衣装を纏った女性が立っていた。
「ふう・・・どうして、彼のもとにはこれほどまでにイケメン達が集まってくるのやら。こちらとしては嬉しい限りですが、目が肥えてしまいます。」
「タマモさん。外にいた連中は?」
「とっくに眠っています。あまり呪術は使いたくなかったけど仕方ないことで。」
振り向くと男達が全て倒れていた。
「気絶させただけです。まあ、一日ぐっすりと眠っていることでしょうけど。このまま放置しておく予定ですのでいい具合に風邪ひくかも。」
『・・・・・・・。』
いよいよわけがわからなくなってきた。
「・・・何がどうなっているの?」
「まあ、分からなくもない。こっちも十年前と前世、そのまた前世で同じ経験したし。」
新が苦笑する。
前世とそのまた前世って何!?
「僕達の本拠地へこないかな?そこで全てが分かると思う。」
渡さんがそう提案してくる。
「えっと・・・。どうしよう・・・。」
あまりにいろいろとあり過ぎて考えが纏まらない。
「ここは誘いに乗るべきだと思うぞ?」
進兄さんがその提案に乗るようにいってくる。
「信じられるかどうかはまだわからない。だが、知り合いが関わっている以上まずは話を聞くのが先決だ。何よりこちらはあまりに何も知らない。まずは情報が欲しい。」
「私も進ノ助殿と同じ意見だ。少なくとも私達を助けてくれた。その行いを信じてみるべきだ。それに・・・。」
オプティマスは渡さんに問いかける。
「そこに…イッセーはいるのだな?」
「うん。いるよ。」
『!?』
イッセー・・・だと?あいつも関わっているのか?
「どういう理屈かわからないが、確かなのは彼のおかげで私は転生できたことだ。そのお礼をしたい。」
なんでオプティマスの転生にイッセーが関わっているの!?
「そうか・・・。タマモさん、転送の準備をお願いしてもいい?」
「はいよ。皆さん寄ってくださいな。」
タマモさんの指示で皆傍に固まる。
「これより・・・この世界最新にして最強の人外魔境へとご案内~。」
『・・・・・・。』
何やら大変不吉なことを言ってくれますけど。
SIDE 鉱太
いや~漸く落ち着いた。この星もだいぶ栄えてきた。
「動植物もたくさんよね。」
「ああ、苦労したけど。」
メガへクスのこともあったが、それも落ち着き、俺達は今この星でゆっくりと過ごしている。
「あっ・・・あのね。」
そこで舞がもじもじしながらこっちに寄り添ってくる。
「そろそろ落ち着いてきたし、私達も・・・。」
「?」
少し顔も赤いし…なにを言い出して・・・。
「欲しいなって・・・、その・・・。」
その視線は仲良さそうにすり寄っている鳥の親子。
「こっ…子供・・・。」
「あ・・・。」
そうだよな…漸く落ち着いたから…欲しいよな。
俺と舞の・・・。
やべえ・・・心臓がバクバク言って・・・。
「舞・・・。」
「鉱太・・・。」
見つめあう俺達。
「・・・おい・・・。」
互いしか見えない。
「おい・・・。」
もう止められない。
ここからは俺達のステージだ(人生初体験の)!!
「・・・・・・おい・・・。」
俺達はゆっくりと顔を近づけ、目を閉じていき・・・。
「いい加減気づけ‼‼バカップルどもぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
『!?!?』
なっ、なんだ!?
「はあ・・・はあ・・・はあ・・・なんでこんなところでイチャイチャした光景を見せつけられなきゃいけない・・・。」
振り向くとそこには白マントの男が立っていた。
「はあ・・・自己紹介が遅れた。私の名前はロキ・・・北欧神話の神々の一人だ。」
すぐに冷静さを取り戻し、優雅に自己紹介・・・。
「あっそ。悪いが邪魔だから帰れ。今俺達のステージが・・・。」
「・・・ブチ!!?」
あっ、キレた。
「…今の私は・・・な。お前達のような幸せいっぱいのバカップルを見ると腹が立つんだよ!!私だって…私だって…ヤマト嬢と!!!オノレ、オノレ、加々美 新ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
そして、血涙流しながら絶叫しているぞ。
「…えっと、何やら凄い嫉妬の念が・・・。」
それと、加々美 新って凄く聞き覚えのある名前が聞こえてきたぞ。
「・・・それで?何の用だ?この星には何もないぞ。少なくともあんたのいうヤマトという人も。いるのは俺の自慢の奥さんだけだ。」
いい具合にこっちのペースに持って行けたので、問答無用で問う。
「・・・ふっ、我が悲願のために貴様達の持つ黄金の果実を・・・。」
――――ドンカチ。
その言葉を言い終わる前にあいつの頭の上にどんぐり型のハンマーを召還。そのまま落とす。
「があ!?」
「帰れ。」
「・・・鉱太・・・いつの間に・・・。」
「だいぶ力に慣れてきたから。カギなくてもこれくらいならいくらでも・・・。」
「それだけで説明つくのかな?」
「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ・・・。」
頭にドンカチを受け、悶えるロキを相手にのんきに会話。
「黄金の果実は渡さない。」
「ぐぅ…だったらメガへクス!!」
現れたのは・・・かつてこの星を襲った機械生命体。
「同じ敵に二度も負ける俺と思ったか?」
だが、それを両手に出現させたオレンジを模した刀――大橙丸で一刀両断に切り伏せる。
「・・・っ!?」
「一応、この星の主だ。研鑽は欠かさんさ。」
実際は星も落ち着いてきたからやることがなくなり、暇つぶしも兼ねて、鍛錬に気持ちと集中させただけだけど。
地球でのメガへクスの騒動後、帰る前に鍛錬のためにいろいろな本を買っておいてよかった。
「ちぃ・・・戦神クラスの力を持っているか。世界は案外広いものだな。がばっ!?」
まあ、想定外なのは一つあって・・・。
うちの奥さんもそれを読み出し・・・。
「あく・・・ううう・・・。」
護身程度ならいいかと思ってやってみたら結果、ロキが金的蹴りをまともに受け前かがみ。
「ぶぐぼ!?」
それに合わせて膝を顔面に打ち込む。
それでのけぞった隙に首を狩るようにラリアットを決め地面に倒し・・・。
そこから足をサソリ固めで決める!!
「ぎゃああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
必死にタップするロキという光景をみることになった。
「降参は寝てから言ってね?」
しかも、ウチの奥さんは容赦ない。相手を落としてから・・・降参させるという主義・・・。
「なあ・・・足決めきっても相手は落ちないぞ?」
「なら股関節破壊して・・・。」
「いい加減にしないか!!」
そこで別の奴が出現し、舞に殴りかってきた。
舞はそれを転がるようにしてかわす。
「大丈夫か?」
「ひっ…酷い目にあった・・・。」
「なんだ…お前・・・。」
それはデカかった。デカい…金属人間。
「助かった…ガルバトロン・・・。君を転生させた甲斐はある。」
「・・・ふん。」
そこら辺のメガへクスとは一線を画すようだ。
いや、そもそもこいつはメガへクスとは違う。
「大人しく渡せばいいものを・・・。あれを使わせてもらうぞ・・・。」
「使うがいい・・・。こいつらにもう加減は無用だ。」
ガルバトロンと呼ばれたそれの手に現れたのは・・・金色のリンゴ型のロックシード!?
「なんでお前がそれを持っている!?」
「ふははははは・・・いくぞ。」
――――――ゴールデンアームズ・・・黄金の果実・・・。
相手の巨体に見合った巨大なリンゴが現れ・・・。
SIDE ???
突如、再稼働したメガへクス。その背後に何やら大きな事件を感じた俺は地球に向かっていた。
銀河のあちこちで暴れており、もうてんてこ舞いだ。
「…懐かしいな。」
あの地球は俺の父の故郷。そして、あそこには友達がいる。
「できれば・・・こんな形で来たくなかったが。」
事件の捜査である傭兵を使うことになった。
あのサムスと並ぶ有名人だ。
まさか、あいつとあんな形で再会するなんて、お互い驚いたが・・・。
詳しい事情は教えて貰えなかったが、じっくりと聞きたいものだ。
そいつが向かったのも何の因果か地球だった。
そして、あいつ…イリアから連絡があったのだ。友人の負傷と今まで見られなかったタイプのメガへクスが地球に送り込まれていたことを。
「・・・んん?生命反応?」
地球に向かっている最中、生命反応が・・・。
そこで俺は見てしまった。
「・・・・・・えっ?」
ぼろぼろで腕の中の女性を大切に守りながら気絶している青年を・・・。
「…まだ生きているのか?」
――――――信じられませんが・・・。
「…すぐ回収!!」
そうして、俺はまた再会してしまう。
地球に来た時の友達の一人・・・鉱太と。
「…その前に宇宙空間にいて生身で生きているんだ!?」
訳の分からない状態ではあるが・・・。
うん。トランスフォーマ―とドライブのコラボってこれをいちどはやってみたかった。
そう思っています。
集結予定の者たちはすでに全員顔出し完了。
ここからパニックがおきます。
また次話の投稿を楽しみにしてください。では…また会いましょう!!