赤龍帝の幼なじみ達   作:THIS

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 いよいよ変身です。

 ここから戦いが終息へと向かいます。

 イッセー達の幼なじみは全員人外。

 でも・・・一番の人外は・・・・。


目覚めろ・・その魂!

 SIDE イッセ―

 

 俺は目の前の光景にただ・・・茫然とするだけだった。

 

 助けたはずのアーシアが・・・身体を槍に貫かれている。

 

 その現実を受け入れる事ができなかった。

 

 どうして・・・?

 

「チィ・・・予知の力か。だが・・・仕方ないまずはお前の神器だけでもいただくぞ。」

 

 崩れた壁から魔法陣に向けて長い笛のような槍を突き刺す男。

 

 その言葉に俺はすぐに我にかえった。

 

 そしてその槍が引き抜かれるとともに・・・アーシアの身体から緑色の光が取り出される。

 

 あれは・・・アーシアの神器。

 

 やめろ・・・あれが抜かれたらアーシアが!?

 

 俺がやりを掴むが・・・。

 

「・・・邪魔しないでもらおうか。」

 

――――――エクスプロ―ション・・・ナウ!

 

 突如起こった爆発と共に俺達は吹っ飛ばされた。

 

 それと同時にアーシアから神器が抜き出される。

 

「・・・流石に神器とアギトの力を同時に抜きだすのは無理があるか。俺にとってこの神器は不必要な物だ。契約通り受け取れ。」

 

「ほう・・ありがたい。」

 

 槍の先についた光がマギストラの中へと吸い込まれる。

 

 それとともにマギストラの背中から白い天使の羽のような物が六枚でてくる。

 

 頭にも天使の輪のような物も。

 

「これが・・・神器というのもか・・・いい。力が溢れてくる。物どもよ・・その傷を癒してやる。」

 

 そして、傷ついた俺の五体のしもべ達の傷を・・・淡い光を投げつけて瞬時に癒す。

 

「おお・・・。」

 

「傷がいえたぞ。」

 

「それだけじゃない。力がわいてくる。」

 

 残りの豹の怪物たちも一斉に天使の輪を頂き、背中から四枚の天使の翼を生やす。

 

「力を分け与えてやった。ふはははは・・・ただアギトを狩るだけじゃなく、我らの眷族の強化にもつながったぞ。ありがたく礼をいおう。」

 

 マギストラの言葉に男は鼻で笑う。

 

「本命はあの娘の神器、そしてアギトの力だったのだが・・。確認するがアギトの力は俺がいただいても問題はないな。」

 

「主の神の子ではないお前なら問題ない。人間がアギトの力を持つ事が問題なのでな。特例だ貰っていくがいい・・。」

 

 あいつら・・何をいっていやがるんだ?

 

 俺は腕の中で身体を貫かれ血まみれで倒れるアーシアを抱き起こしていた。

 

「アーシアちゃん・・・どうして!!」

 

 その隣でキリエさんが泣いている。泣いて・・アーシアを抱きしめている。

 

「友達・・・ですから。私・・・キリエさんがあの槍に貫かれるのを予知した瞬間・・・助けたいと思いました。もう・・考えるまでもなく身体が勝手に動いて・・。」

 

 弱々しい微笑みのアーシアの手を・・・俺は握ることしかできなかった。

 

「これが・・・友達なんですね。私・・・ようやく友達がどんなものかよく分かりました。死ぬ前に・・・分かってよかったです。だって・・・。」

 

 彼女はそれでも笑っていた。

 

「私の事でこれだけ泣いてくれる人がいるって・・・・わかったから。」

 

――――そうか・・・。だから私は笑っているんだ。

 

「アーシア?」

 

 俺は握った手から伝わるアーシアの声におどいていた。

 

 伝わってきた情報が信じられなかった。

 

「お前・・・こうなるって予知していたのか?死ぬって分かっていて!!」

 

『?!!』

 

 アーシアは予知の力を持っている。それで俺と出会った瞬間に予知をしていたというのだ。

 

 笑いながら、俺にみとられ死んでいく自分自身を。

 

「知りたかった。どうして私が笑って死ぬことになるのかって・・。でも今ならよくわかります。」

 

 そんなことってありなのかよ。じゃあ・・・アーシアは俺と仲良くなると死ぬってわかっていて!!

 

 そんな俺にアーシアが握り返してくれる。

 

「これが私が選んだ道です。後悔だけは・・・したくなかった。それに後悔もありません。だって・・・イッセ―さん達に出会えたのですから。」

 

 その言葉に俺は涙を堪える事が出来なかった。

 

 できるわけがなかった。

 

「イッセ―さん・・・・ありがとう。私の友達になって・・・くれて。そして・・・こんな私を助けに来てくれてありがとうございます。」

 

 涙を流しながら段々弱々しくなるアーシアの声。

 

「私は・・・幸せです。でも・・・心残りがあるとしたら・・・みんなと一緒にがっこうというものにかよってみたかった。楽しい事もっとしたかった。」

 

「アーシア。おしえてやる、だから・・・。」

 

 死なないでくれ・・・お願いだから・・・。

 

 

 

 

 

「生まれ変わったら・・・・今度はイッセ―さん達と一緒にいれたらいいな・・・・。」

 

 

 そしてアーシアは力尽きる。

 

 

 

 

―――――イッセ―さん・・・大好きです・・。

 

 

 

 

 という言葉を残して・・・彼女は逝った。

 

 

 

SIED ネロ。

 

 キリエが泣いている。

 

「そんな・・・なんで・・・なんであなたみたいな優しい子が死なないといけないの!?」

 

 イッセ―が泣いている。

 

「・・・・・アーシア。」

 

「・・・・・・・・。」

 

 ハルが、立ち止まり何かを堪えているのがわかった。

 

 それだけで・・・このアーシアという子がどんな子が分かった。

 

「てめえ・・・・・・・。」

 

 許せない。

 

「いいねえ。さあ・・・お前達の力でこいつらを蹂躙して・・・。」

 

 そんな理屈など・・・どうでもいいんだよ。

 

 お前らは俺の大切な人を泣かせた。

 

 それだけで十分なんだよ。

 

 てめえら・・・全員・・・ぶっころしてやる。

 

「キリエ・・・。その子を連れて離れろ。」

 

「ネロ・・・。」

 

 涙でぐしゃぐしゃになったキリエが俺を見る。

 

「もう・・・抑制できそうにねえ。イッセ―も逃げろ・・・って。」

 

 だが、イッセ―は立ち上がっていた。

 

 涙を流しながら・・・ただ倒れたアーシアを見ていた。

 

「許せねえ・・・・。」

 

 その言葉に・・・俺の中の何かが胎動し始める。

 

 その胎動に合わせて・・・イッセ―の中の何かもまた胎動し始める。

 

「・・・ッ!?この波動・・まさか・・。」

 

 俺の後ろに現れるもう一人の俺。だが、今回は少しばかり姿が違っていた。

 

 それは頭がまるで昆虫・・・カミキリムシのようになっていたのだ。

 

 そして、イッセ―の腰にはベルトが現れる。

 

 十年前・・・俺達を助けるために力を発動させるためのベルトである。

 

 そうかい。お前も目覚めたのかい。

 

「行くぞ・・・ネロ。あいつら全員・・・ブッ倒す。」

 

「ああ。」

 

 お互いに何が目覚めたのか言葉にする必要はない。

 

「がああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 俺は両手をあげて叫ぶ。すると背後にいたもう一人の俺が解け込むようにして俺と一体化する。

 

「・・・・変身。」

 

 そして・・・隣のイッセ―もまた変身を遂げる。

 

 こうして俺はギルスに・・・そしてイッセーがアギトとなった。

 

 

 

 SIDE ???

 

 目覚めたというのか。アギト・・・そしてギルスが。

 

 しかも・・・二体とも俺が知るのと何かが違う。

 

 黄金の身体を持つ大地の力を持つアギト。だが、その両手には違う何かが付いている。

 

 右腕には竜を模した篭手。左では緑の宝玉が付いた紅い篭手だ。

 

 これは・・・神器だというのか?それも二つも?

 

 それに・・・何だあのギルスは?

 

 普通のキルスは緑色をしている。

 

 だが・・目の前のギルスは・・・蒼と赤の色をしていた。右腕は変身前の異形のまま。

 

 そして背中に禍々しい悪魔の翼のような物を生やしている。

 

 武器を使うのはわかる。だが・・・背後に別の何かがいるのはどういうことだ?

 

 蒼い巨人がいるとはきいていないぞ。

 

「目覚めてしまったか。だが・・・この程度で・・・。」

 

 マギストラがひるみつつも強化された自分自身の力なら問題ないを踏むのだろう。

 

 だが・・・・俺はそうは思えない。

 

 この二体・・・何か可笑しい。

 

 そんな時だった。

 

――――目覚めの時はきた。

 

 アギトの方から声が聞こえてきたのだ。

 

――――それと共に我らもまた復活する。

 

 それは男と女の声である。

 

「お前ら。」

 

―――――すまなかった。お前の危機は分かっていた何もできなかった。

 

―――――あなたがアギトに覚醒するまでずっと出てこれなかったの。ごめんなさい。

 

「お前達は悪くねえ。悪いのはあいつらだ。」

 

 アギトの視線が我々に向けられる。

 

「力を・・・貸してくれ。」

 

―――――だったら我々を召喚しろ。

 

―――――私達を使いなさい。

 

 その言葉と共にアギトの前に二枚のカードが現れる。

 

 一枚は紅の龍。

 

 もう一枚は紅のドラゴンが絵が描かれている。

 

 そのカードを手に取り・・二枚まとめてアギトは右腕の小手に入れる。

 

――――――――――Adⅴent!!

 

 そして・・・もう一回

 

―――――――Adⅴent!!

 

 二回ほど音声が流れたのだ。

 

 それと共に・・・それは現れた。

 

 一体は・・・紅い龍。まるで空を泳ぐようにしてあらわれた。

 

 その長さは軽く見積もって二十メートルは超えている。

 

「ようやく出てこれたわ。」

 

 もう一体が、地面の下に出現したドラゴンの魔方陣の中から現れる。

 

「本当に驚くぞ。まさか生前の肉体を一時的にとはいえ取り戻した状態で俺も戦えるか。」

 

「私の力の恩恵をそっちにも与えた結果よ。感謝しなさいよね。」

 

 もう一体のドラゴンには俺は見覚えがあった。

 

「なっ・・・ななななななななななななななななっ!?」

 

 そっ・・そそそっ・・・・そんな馬鹿な!!あいつはずっと昔に三大勢力によって滅ぼされたはずじゃなかったのか!?

 

「なっ・・なんで赤龍帝がここにいる!?」

 

 それは二天龍が一体・・・赤龍帝ドライク。

 

 肉体は滅ぼされ、その魂は神滅具に封印されたと・・・。

 

 まっ・・・まさかあいつの左腕の篭手。

 

 あれはまさか・・赤龍帝の篭手(ブースデットギア)と呼ばれる物なのか!?

 

 十三ある神滅具の中の一つである・・・あの!?

 

「相棒・・・命令を頼む。」

 

「あなたの思いはくみ取っている。敵と味方の区別も私達はわかるわ。」

 

 なんてことだ。まさかアギトに神滅具がそなわっているなんて・・。

 

「命令は言わなくてもわかるだろ?」

 

 アギトの言葉に二体の龍は頷く。

 

「ああ。そうだな。こいつら・・・焼き尽くしてくれる。」

 

「本命はあなた達でやりなさい。雑魚は引き受けてあげる。良いわねドライグ?」

 

「そうだな、お前も私と同等の力をもつのだからな。頼りにしているぞクレア。」

 

 もう一体の龍も天龍クラスだと!?

 

 そしてその力が・・・あの右手の篭手に宿っているというのか?

 

 じゃあ・・・あいつは・・・。

 

「行くぜネロ。」

 

<BOOST!!>

 

「ああ。派手にいくぜ!!」

 

 神滅具・・・三つ持っているのと同じだというのか!?

 

 とっ・・とんでもなすぎるアギトだ。

 

 そんな無茶苦茶なアギト・・・ありなのか!?

 

 俺は今・・・生まれてこの方滅多に感じない後悔を味わっていた。

 

 

 

 

 




 ついにアギト、そしてキルス覚醒。

 そしておまけといいますか、二体のドラゴンの魂も目覚めてしまいました。

 覚醒したと同時に二体召喚・・・・えげつないかもしれません。

 次話で・・・戦いはすべて終わります。

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