赤龍帝の幼なじみ達   作:THIS

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ここでは外野にいる者達の会話が中心になります。


 


見守る者達と介入してくる者たち。

SIDE ???

 

「なあ・・・どうして俺達の決め台詞が使われてんだ?」

 

――――――僕に聞かないでくれ。ある意味イッセ―の罪がそうさせたのだろう。

 

 あいつがなあ。

 

 あの様子だと・・・昔言っていたハーレム王になるという夢、叶えるんじゃねえのか?

 

 俺は結界の外からこの戦いを観戦している。

 

 ド―パントがさっそく三体も現れやがった。

 

―――――予想通りか。介入するなら結界を通り抜ける事くらいは簡単だけど?

 

「いや・・・それはいい。」

 

 相棒の力ならこの程度の結界。入ったという事さえ気づかれずに入れるだろう。

 

 だが、今は手を出さない。

 

 これはイッセ―達の戦いだ。俺達が無理やり介入するべきじゃねえ。

 

「相手が反則的な手段をさらに使ってきたら話は別だ。」

 

――――ガイアメモリだけでも十分口実になるはずだけどねえ。

 

「ああ・・・手を出しちゃいけねえ。」

 

 今は堪えよう。

 

――――手が震えているあたり、本当に我慢しているよ。

 

「しっ、しかたねえだろう。それにイッセ―が抱えているもんの一つにあれがあるんだから。」

 

――――――そうだったね。彼の話が本当ならイッセ―はとんでもない存在になっている。

 

「俺の主様の博識には驚くぜ。」

 

 その主のおかげで俺はこうやっていきているんだがな。

 

「・・・改めて言うが一度死んで、気付けば異世界なんてフィリップ。いま考えても冗談きつすぎるぞ。」

 

 俺は一度あの風都の街を守り切って寿命で逝った。フィリップを置いていく事に後悔を残しながら。

 

 だが・・・それをいいように解釈したのかフィリップの野郎。

 

―――――言ったはずだよ。悪魔と相乗りする覚悟はあるかって?まだまだ付き合ってもらうよ。

 

 と、俺の身体を地球のデ―タとして復活させて、異世界に送り込みやがった。

 

 フィリップの野郎と一緒に。

 

 その目的は異世界に広がりを見せているガイアメモリを破壊するためだ。

 

―――――ガイアメモリの誕生はこっちに責任があるのでね。

 

 こいつの罪はまだ終わっていない。ガイアメモリが残っている限り。

 

 まったく、一度死んでまた人生をやり直すなんざ予想もしなかったぜ。

 

 こうなりゃとことん付き合おうじゃねえの!!

 

―――――この世界なら翔太郎の相手も見つかるかな?

 

「・・・お前はお見合いを勧めるおばちゃんか!?」

 

 まあ・・・もう一つ悔いがあるとしたら、独身で生涯を終えた事か。

 

 くそ・・・・照井の野郎がうらやましかった。

 

 そして、俺はこの世界でド―パントに襲われて大怪我を負ったところを・・・ある青年の姿をした悪魔と出会った。

 

 結構妖艶な男だったぜ。

 

 その男から、チェスに使う兵士の駒を与えられ、悪魔になったというわけだ。

 

「ふふふ・・・面白い事になりそうだ。異世界からの訪問者を眷族にできるなんて。」

 

 その男がまさか魔王とは思ってみなかったぜ。

 

 その男を主とし、後ろ盾として俺はこの世界での探偵みたいなことをさせてもらっている。

 

 前は街だったのに、今度はこの世界を守るための探偵、まあエージェントみたいなもんだが、それをやっている格好だ。

 

 色々あって俺の使い魔扱いのフィリップは主とすごく話があうらしく、研究の手伝いもしている始末。

 

 検索好きに研究好きまで加わった故に、暴走する相手が二人に増えた。手間も二倍、いや四倍に増えたぜ。

 

 最近ではレ―ディングゲームに新しいルールを使った物を考えようとしているみたいだし。

 

 主の友のあの人の苦労も分かるぜ。そこが面白いって言う事も含めてだが。

 

 でも・・・おかげでさらに冥界の技術水準があがったらしい。異世界の技術もどんどん使っているからそりゃ当然だわ。

 

 最近では別の世界の情報も引き出し始めていやがるし。

 

 あくまでも参考程度だが、そこから二人で全く新しい何かを作ることを喜びにしている。

 

 いま一番の悪夢は、新しい仮面ライダーのベルトをつくっているということだ。

 

 あのベルトも再現しやがったし。

 

 神器の研究もしたいので、相棒はグレゴリとの接触も考えているらしい。

 

 あの野郎・・・やりたい放題だな。好奇心の赴くままにうごいているし。

 

 この世界のデータの中に龍神と言う概念があり、この世界での死をへて、それをとりこんでしまったあいつはもうすごすぎるぜ。

 

悪魔が龍神になって、それと入れ替わるように悪魔になった俺もめちゃくちゃだが・・。

 

―――愚痴はこれくらいにしておこう。

 

「おう。いまはまずな。」

 

――――せっかくだアドバイザーになってくるよ。それくらいの情報提供くらいはいいだろうし。

 

「頼むぜ。」

 

 愚痴の対象に言われて少し癪だが、今はまずはイッセ―だ。

 

 

 

 

SIDE リアス。

 

「むす~・・・。」

 

 なんかアーシアちゃんが不機嫌だ。

 

「どうしたの?」

 

「なんか、イッセ―さんがとんでもない罪を犯したような気がしました。多分・・・誰かを堕としたような。」

 

『・・・・・・・・・。』

 

 やっ・・・やけに具体的ね。

 

「もう・・・ライバルが増えて行く。」

 

 アッ、アギトの力、恐るべし。

 

 恋する乙女の勘が極限まで高められて、千里眼のレベルになっている。

 

 というより、アーシアちゃんがイッセ―に恋心を抱いている事くらい本人達を除いてすでに周知のことだわ。

 

 分かりやす過ぎるのよ。

 

 あれだけの事があったんだし、むしろ当然ともいえる。

 

「あいつのハーレム道はまた一歩前進か。英雄色好むというが、その典型例になろうとしているのか。」

 

「だったらイッセ―は英雄になるというのか?」

 

「誰よりもエロい男がそうなるのなら、そうなるかもな。」

 

 鋼鬼さん、サイガ君。納得しないでよ。

 

「あらあら・・・そうしたら私達も危ないかも。ねえリアス。」

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

 朱乃。いっ・・・今そのセリフはダメ。

 

「あら?反応がない?まっ・・・まさか・・・。」

 

 昨日のあれからイッセ―の事を考えただけで、鼓動が高鳴って頭が真っ白になるの!!

 

 顔もすごく熱くなっちゃうし。

 

「ちっ・・・ちがうわよ!!べっ・・・別にイッセ―の事が好きとかどうか・・・。」

 

 そっ、そりゃ・・・頑張ってほしいと思うわよ。私何かと比べ物にならないくらい辛い何かを抱えながらも必死であがいている彼を格好良いと思ってもいるし。

 

 それに・・・エロいのも逆に私に魅力があると思うと嬉しいから。

 

「・・・また増えている。しかもよりにもよって・・・リアス姉様なの?」

 

「うっ・・・。」

 

 涙目のアーシアの視線が痛い。

 

 アギトとしての鋭すぎる感性が私の中の何かを敏感にさっしているのでしょうね。

 

 だっ・・・だからその視線が痛すぎるってば。

 

「・・・どうやら罪はもう一つ増えたようだな。」

 

「主様を落とすなんて、なんて罪深い。アーシアちゃんもピンチだねえ。結構スタイルもいいライバルだし。」

 

「・・・・・・。」

 

 余計なことをいったサイガ君をじっと見るアーシアちゃん。

 

「サイガさん。きっとそのセリフに後悔する日が来ると思います。」

 

 そして・・・とんでもない予言をしてしまった。

 

「なっ・・・アッ・・・アーシアちゃん?一体何を予知しているの?」

 

 普通なら気にとめないことだろうけど、アーシアちゃんの場合、話は別だ。

 

 予知能力を持っているから。

 

 それも極めて正確に未来を当てるほどである。

 

「意地悪なサイガさんには秘密です。私も少し訳のわからないワンシーンしか見ていないので迂闊に言えません、多分近日中に分かる事だと思いますけど!!」

 

 完全に拗ねちゃったアーシアちゃん。うん・・・これはこれでかわいいわ。

 

 このような一面を見せるのはそれだけ私達に心を開いている証拠でしょうね。

 

「ちょっ・・・とっても気になるんですけど!?」

 

 アーシアちゃん。なんかとんでもないなにかを予知したわ。

 

「・・・それよりも来たぞ。」

 

 鋼鬼さんの言葉で皆の空気が変わる。

 

「おう・・・来てやったぜ。」

 

 そこにはライザ―・フェニックスとその女王。そしてお供が三人。

 

「王自らくるか。大胆だな。」

 

「お前らの情報収集をしたからな。さすがにとんでもない連中ばかりだ。変身はしねえのか?」

 

「一応やめているぞ。したら強すぎるのでな。」

 

「右に同じく。」

 

「そうかい。それは好都合。だが、こっちは遠慮はしないぜ。」

 

 ライザ―が懐からある物を取り出す。

 

 それは・・USBメモリのような・・・。

 

「まさか・・・ガイアメモリ。」

 

「なんですって!?」

 

 それってイッセ―の話に出てきたあれなの?

 

「私は出来れば変身したくないですわ。」

 

 クイーンである彼女はためらっている様子ね。

 

 後三人は・・・・。

 

――――バイオレンス。

 

――――ヒート

 

――――メタル

 

 それぞれ筋肉の塊のような奴と、見るからに熱そうな赤い奴、そして金属の棒のような物を持った奴に変わった。

 

「いえ・・・もう一体います!!」

 

 アーシアちゃんの警告と共に私の後ろに手をかざす。

 

 私を襲おうとした舌が止まった。

 

 そこにはもう一体。

 

――――カメレオン。

 

 カメレオンの姿をしたド―パントまで。

 

 思ったよりも数を揃えてきたわね。

 

「ガイアメモリを知っているのか?」

 

 私達の反応にライザ―は意外そうな顔をしているわ。

 

「ええ。私の眷族に因縁がある子がいるのでね!!」

 

 私は手に滅びの魔力を炎のようにして燃やす。

 

「そうかい。さあ・・・始めようぜ。」

 

「朱乃はあの女王を。サイガ君、鋼鬼さんはきついと思うけど一人で二体の相手をお願いできないかしら?」

 

「ふふふ・・・いいぞ。」

 

「面倒臭そうだけど・・・腕がなるよ。」

 

「アーシアちゃんは援護。それと私を手伝って・・・。」

 

 私は相対することとなった。

 

「へっ・・・おもしれえ。自信があるのか分からねえが・・。」

 

 王同士の対決がこんなにも早く訪れるか。しかもド―パントといきなり戦闘とはね。

 

―――――アドバイザーはいらないかい?

 

 そこに蝙蝠型の奇妙なロボットみたいなものが私の傍に飛んできた。

 

「・・・あなた誰なの?」

 

―――――――何。ガイアメモリはよく知っていてね。アドバイスをしたいのだよ。

 

「・・・・・・。」

 

 私はアーシアちゃんを見る。

 

「悪意は感じません。」

 

 それで十分。

 

「お願い。情報は欲しいわ。」

 

―――――そうか。それと、その度胸に敬意を表する。君は大物になるよ。僕が保障する。

 

 変なアドバイザーもついて私はド―パントとなったライザ―と戦う。

 

 堪え時ね。私もがんばる。だからみんなも・・・がんばって!!

 

 

SIDE 渡

 

 ゲームを観戦できる場所で僕たちは見守っている。

 

「ハル君・・・やらかしているねえ。」

 

 それでいて、ガイアメモリの存在も確認している。

 

「・・・あれは異世界からの物。災いをもたらす物。」

 

 それをオ―フィスちゃんはそのように表現する。

 

 異世界の物だというのか?あれが?

 

「ふむ・・そっちの君は何か知っているのかい?良かったら一緒にみようよ。」

 

「・・・あいつの関係者って普通の奴はいねえのか?」

 

 現れたのは帽子をかぶった男。

 

「だれにゃ?」

 

「私達を狙う敵?」

 

 黒歌さんとレイちゃんは警戒をあらわにするけど、会えて僕が手で制する。

 

「ガイアメモリについてしっているのかい?」

 

「それについては俺達が専門家みたいなものかな?」

 

 それだけで十分だったよ。君が何者かわかった。

 

 イッセ―繋がりだけあって、君もしぶといね。

 

「そう・・・。君があのハーフボイルドか?」

 

「誰がハーフボイルドだ!?って・・・お前・・・。」

 

 僕が言いたい事を察したのか、その男は僕の方を見る。

 

 僕は手を差し出す。

 

「もう知っていると思うけど僕の名前は紅 渡。よろしく頼むよ。探偵さん・・・いや翔太郎さん。」

 

『!?』

 

 皆は気付いていなかったようだね。

 

「・・・その名、イッセ―の話に出ていた・・・。」

 

「まさか・・・生きていたの?」

 

「悪魔の気配がする。多分・・・悪魔の駒で転生している。」

 

 オ―フィスちゃんの言うとおりだろうね。

 

 なら彼は一度死んで、そこから悪魔の駒で転生したということだろうね。

 

「聞かせてもらってもいいかい?イッセ―の友達として事情を知っておきたい。君の背後にいる魔王とも協力できるはずだから。」

 

「・・・ファンガイアの王子は恐ろしいな。独自の情報網をもっているのか?」

 

 一応、その手の情報は入ってくる。イッセ―君の話から過去に冥界で何が起きていたのかを一週間の間に調べていたんだ。

 

 そこである魔王眷族が一人増えたことを突き止めた。

 

 その名前を見て・・・流石に驚いたよ。その使い魔にもね。

 

―――――そっちは正体がばれちゃったか。でもちょうどいいのかもね。

 

 翔太郎の肩に止まっている蜘蛛型のメカが喋る。

 

 オ―フィスちゃんはその蜘蛛をじっと見る。

 

「お前・・・我と同じなのか?」

 

―――――ああ。その通りだ。安心して・・・君の事は口にしないでおくよ。

 

「・・・気づかい感謝。新しく生まれた同士として歓迎。」

 

――――それは嬉しいね。

 

 オ―フィスちゃんはどうも普通ではないらしい。

 

 何となく察しはついている。

 

 でも・・・そんな事は大きな問題には思えないけどね。

 

「事情を聞く前に・・・訪問者がいるみたいだね。」

 

 突然三台のバイクが結界を突き破って現れる。

 

 その内二台は無人。そして、一台には人が乗っていた。

 

 それが僕たちに向かって突進してきた。

 

「あっ・・・あぶな!!」

 

 とっさにオ―フィスちゃんを初めとする皆を庇う僕はそのバイクにはねられる。

 

「ぐあああああぁぁぁ!?」

 

『渡君!?』

 

「わっ・・・渡?」

 

 いや・・・痛いな。

 

「大丈夫。こう見えて僕も結構頑丈だから。」

 

 全身を震わせながら駆け寄ってくるオ―フィスちゃんに大丈夫とアピールして見せる。

 

「大丈夫か?」

 

 翔太郎さんも駆けつけてくれる。

 

 手に変わった銃を持ち、それを撃ちながらあいつらをけん制してくれた。

 

「他のみんなは大丈夫?」

 

 何とか立ち上がる。いや・・・全身がバラバラになりそうに痛い。

 

「あんたが大丈夫なら他の皆も大丈夫だから自分の心配をしておけ。」

 

 そしてバイクに乗って乱入してきた男と対峙する。

 

「邪魔はされたくないのですよ。」

 

 それは銀髪の男であった。顔は左半分が白、もう半分が黒の仮面で隠している。

 

―――――タブー。

 

 手には禁断のメモリ。

 

―――――ケツアルコアトス。

 

 もう一つはアステカ文明の龍神のメモリ。

 

 腰には・・・

 

「だっ・・・ダブルのドライバーだと!?」

 

 その二つを挿入するためのWの字をもしたベルトが付いていた。

 

 その傍らには・・・バイクから変化した怪物が三体いる。

 

「サイコロ―グ、少し手伝いなさい。」

 

『はっ。』

 

 それはコオロギ型のモンスター、サイコロ―グ。

 

「これは強いね。」

 

 仮面の男の実力は相対しただけで分かる。最上級悪魔クラスは確実だ。

 

 それに・・・あのモンスター。クレアさん達と同類の気配がする。

 

 その上・・・。

 

―――――マスカレイド

 

 十人の仮面をつけた連中も現れたのだ・

 

「どうするフィリップ?」

 

――――足止めか・・・しかし厄介なメモリを二つも持っている。

 

 翔太郎さんもドライバーを取り出す。

 

 それもまたWの字を模したものであった。

 

「ああ・・・厄介極まりないぜ!!」

 

「そう言う事だ。さて・・・。」

 

 後ろでは黒歌さんとレイちゃんもそれぞれ変身の準備をする。

 

「・・・キバット。」

 

 僕もキバットを呼び出す。

 

「変身などさせると思ったか。」

 

 だが、そこにサイコロ―グが高速で突進してきて僕を殴りとばす。

 

「ぐぼっ!?」

 

 すぐに体勢を立て直そうとして、あいつの顔面から無数の針が飛んでくる。

 

 それを避けようとしてあちこちに針が掠り、血が噴き出す。

 

 そこにあいつがまた高速突進。

 

 避けられない。

 

 そう思った時だった。

 

――――ブチ!!

 

 何かが切れる音と共に・・・突進をしかけようとしたサイコロ―グが吹っ飛ばされたのだ。

 

「いい加減にしろ・・・。」

 

 そして、僕の前にオ―フィスちゃんが立ちはだかった。

 

 その声は普段以上に淡々としていた。

 

 ふっ飛ばされたサイコロ―グは倒れたまま全く動かない。

 

 その姿を見た銀髪の男は・・・絶句している。

 

 ものすごく驚いていないかい?

 

 まるでいるはずのないとんでもない存在に遭遇したような・・・。・

 

「・・・どっ・・・どうしてあなた様がここにいて・・・いっ!?」

 

 あっ・・・あれ?

 

 オ―フィスちゃんから凄まじいオーラが感じられる。

 

「なっ・・・何で怒っているのですか!?」

 

 銀髪の男は明らかにうろたえている。

 

「渡に怪我させたな。」

 

 あれ?その・・・僕の事で怒っているの?

 

「・・・渡に・・・みんなに手をだすな。だしたら・・・。」

 

 すごく怒っていないかい?

 

 怒りだけでその場が局地的に揺れているよ。

 

「お前ら・・・消す。」

 

 いや・・・怒りだけで地震って起こる物なんだ。

 

「けっ・・・結界が悲鳴をあげているにゃ!?いっ・・・一体どんな力をもってしたらこんな事ができるの!?このままじゃ壊れるにゃ!!」

 

 黒歌さんの言うとおり、その怒りで結界に亀裂が入っている。

 

―――さっ・・・さすがは無限を司るだけのことはあるよ。途方もなさすぎる。

 

 彼女から感じられる力は本当に途方もない。

 

「もういいよ、オ―フィスちゃん。」

 

 本当にすごい存在なのは分かったよ。

 

「わっ・・・渡。」

 

 そんな彼女の頭をなでてやる。そうしたら怒りが収まった。

 

「こいつらは僕たちが倒すから。君が無理して戦う必要はない。」

 

「・・・・・・。」

 

 その言葉に、我に返ったのだろう。オ―フィスちゃんは少し声を震わせながら聞く。

 

「聞かないのか?」

 

「何をだい?」

 

「我が・・・何者なのかを。」

 

 ああ・・・そのことだよね。

 

「我・・・みなと違う存在。いや・・・異質と言う言葉でも足りないくらいに違う。」

 

 確かにあの力は普通じゃない。あいつらを怒りであらわになったオーラだけで黙らせるのだから。

 

 でもさ・・・聞かれたくないって思っているのだろ?

 

「聞かないよ。そっちが言いたいと思った時には喜んで聞くけど。」

 

 知りたいといったら知りたいとは思う。

 

 でも、それは無理して問い詰めるほど重要じゃない。

 

「・・・・・・渡、優しすぎる。」

 

「そうかな?」

 

 王族なのに甘いとは言われますけど。

 

「・・・うん///。」

 

 あれ?顔を赤らめましたけど・・・。恥ずかしそうに顔をそむけているし。

 

「ちょっ・・・お前・・どうしてその方と?その前にデレる姿なんて誰も見た事がないレアな表情を・・・。」

 

 銀髪の男がうろたえている。

 

 そしてマスクの男の一人がカメラを手に、彼女を激写している。

 

 あとで焼き増しもらおうかな。

 

「分かっているのか。その方はあの・・・。」

 

 そして何かを言おうとして・・・。

 

「黙れ・・・・。」

 

「ひっ・・・はっ・・・はい!!」

 

 オ―フィスちゃんの一睨みであっさり黙る。

 

 足がカタカタと震えているのか、うまく立てないみたいだし。

 

―――――同情はしておこうか。僕の同類の殺意を一身に浴びて気絶しないだけでも君は十分すごいよ。

 

「・・・お前の同類ってことは、まさか・・・・・・まじかよ。」

 

 翔太郎さんは何かに気付いた様子だね。

 

 その睨みに殺意すら感じたのは気のせいかな?

 

「わっ・・・私この子の正体何となくわかってしまったにゃ。」

 

「私もよ。ああもう・・・人外魔境がさらにひどくなっているわ。」

 

 黒歌さんとレイちゃんは何かを察したらしい。

 

「今更ながらだけど、渡さん。とっ・・・とんでもない存在と契約しちゃったのね。」

 

 なんかレイちゃんの声が本気で震えているよ?

 

「お願い・・・ある。」

 

 そんな二人にシュンと落ち込んだ様子のオ―フィスちゃん。

 

 その姿はどう見て年相応の子供にしか見えない。

 

 それを見て、二人は何かに気付いた様子だ。

 

「はあ・・・わかっているにゃ。だまってあげる。」

 

「見た目に騙されましたけど。黙ってあげます。」

 

「・・・二人とも感謝。」

 

 その言葉に今度は・・・花が咲いたような笑顔。

 

 普段は無表情な彼女。でもよほどうれしかったんだね。

 

 心が顔に出てきたよ。

 

『ぐっ・・・・。』

 

 その笑顔の破壊力・・・凄まじい。

 

 普段無表情なだからこそ、その笑みは宝物だと思えるわけで。

 

「・・・まさかあの方の笑顔を見る事になるなんて・・・。生きている事に感謝!!」

 

 あれ?またも仮面の男が写真を撮りまくっているし。

 

 なんかオ―フィスちゃんのファンクラブがいそうな勢い。

 

「・・・精神的には純粋な子供なんだってよく分かった。多分いまの姿が一番似合っているとおもうにゃ。」

 

「力にもだまされて、本質を見失いそうになったわ。ハル君の教えがここで役に立つなんて。」

 

 レイちゃんはハル君から色々と教えてもらっている。

 

 その中に物事の本質を見抜く大切さを合宿で話していたのを思い出したよ。

 

「その眼を当たり前のようにもっているのはイッセ―君、そして渡君だったね。」

 

 その中でその眼を養うなら僕とイッセ―君が手本になるって言うのだから困ったよ。・

 

 大した目じゃないけど、僕は彼女の事で知っていることは少しのことだ。

 

 彼女がどんな存在かはまだ分からないまま。

 

 途方もない力を持っている事もそうだ。

 

 でも・・・その心は、誰よりも純粋。

 

 そして、その心がいまみんなの交流を通じて成長しつつあることもだ。

 

 多分、これからどんどんと成長していくと思う。

 

 それを僕は見ていたい。

 

「・・・君を狙うのはやめておくよ。命がいくつあっても絶対に足りないのがわかったから。」

 

「賢明にゃ。」

 

 銀髪の男の言葉に黒歌さんは何故か納得。

 

「でも・・・一つだけ文句は言わせてくれ。君がこの方に変化をもたらしたおかげでこっちの組織が大変なことになっていることをね!!色々と無駄に可愛くなったおかげで、新たにオ―フィス派と呼ばれる連中が誕生したんだぞ!!」

 

 ・・・ファンクラブが本当にできたみたいだね。

 

「まったく・・・しかも魔王派と英雄派の中にも信者ができるし・・・こっちの連中にも混じっているようだしな!!」

 

 あの仮面男の一人もそうなのね。

 

「合言葉は「可愛いは正義。」ってふざけた連中がどんどん増殖しているのですよ!!その原因があなたなんですよ!?どうしてくれますか!?」

 

「へえ・・・よかった。」

 

 僕からしたらそれは嬉しいことだ。

 

「オ―フィスちゃんの理解者、大切に思ってくれる人が増えて嬉しいよ。」

 

『・・・・・・。』

 

 あれ?どうしたのかな?

 

「・・・・・・だめだ。あなたにはもう勝てない。どんな文句も肯定されてしまう。」

 

『はははは・・・渡君すごい。』

 

「あきれるほかないぜ。」

 

―――うむ。君も果報者だね。

 

「嬉しすぎる////。」

 

 また顔を真っ赤にさせている?

 

 またあの仮面の男は激写しているし。

 

「・・・もうどうにでもなってくれ。」

 

 それにため息をつきながら、銀髪の男は笑みを漏らす。

 

「でも・・・時間稼ぎ自体は終わった。目的は達したよ。」

 

「・・・なるほど。」

 

 してやられたよ。介入のために向うから手を打っていたなんてね。

 

 

 

 




 オ―フィスちゃんの回だったと思ったこのころ。

 翔太郎の事情も・・・むちゃくちゃかもしれませんが、悪魔に相乗りした結果、この世界で彼は悪魔になってしまったという何とも言えない状態になっております。

 介入者は二体。

 それぞれとんでもない連中です。
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