まずはグレイフィアさんのストレス解消タイムを楽んでください。
SIDE 朱乃。
敵は手ごわい。
「ふはははははははは・・・ほらほらほらほらほらほらほら!!」
無数の雷を一斉に落としてくる井坂。その攻撃は厚く、一切攻撃ができない。
接近しようとしても、突風で吹きとばされ、強烈な日の光を集めたレーザーは悪魔にとっては致命傷になる。
おまけに大量のド―パント達が邪魔する。
ただ一人・・・グレイフィア様は違っていた。
「これは恐ろしいですね。かつての照井のトライアルを見ている気分ですよ。」
降りしきる雷の雨とド―パント達。
それを森の中で、木々の間を自在に翔まわる鹿のように軽やかに動きながら接近してきたのだ。
もちろん邪魔するド―パントはすべて吹っ飛ばされている。
―――――Strike Vent!!
カードを装填。足にアルファの足を模した足甲が現れる。
その足甲にはバッタのような逆関節を模したジャッキが付いている。
その足による飛び蹴りを井坂は腕で防ごうとするが・・・その防御の上から吹き飛ばされた。
「なっ・・なんですか?」
それは足のジョッキによるものである。蹴りの瞬間に伸縮し、その破壊力を倍化させるのだ。
「さすがは最強の女王。そうでないと面白くありませんよ!!」
それに対して真正面から殴り合う井坂。
二人は格闘戦にもつれ込むが、他の皆が中々接近できない。
頭の上から日光を凝縮させたレーザーが辺りを焼き払う。
あたりが一面火の海になる。
唯一の救いは・・・。
「はい!!」
「がっぼ!?」
グレイフィア様が接近戦で井坂を圧倒していることだろうか。
周りにいる雑魚は皆で何とか抑えていますので一対一です。
もう・・・フルぼっこに殴りまくっています。
腹に強烈な右ストレートを喰らわせ、頭が下がったところに、井坂の膝を足場にして、下がった頭の横に回し飛びひざ蹴り―――シャイニング・ウィザードをきめる。
「がばっ!?」
あんな高難易度なプロレス技を平然と使うあたりさすがです。
「ぐっ・・・接近戦は不利だ。化け物ですか・・・あなたは!!」
「少なくともあなたにだけはいわれたくありません!!」
―――Sword Vent!!
グレイフィア様の両手にギガゼ―ルの両腕にある刃を模した短剣が出現する。
それで斬りつけようとした時だった。
周囲を瞬時に凍結させていく井坂。それに対してグレイフィア様は天井へと飛び退きかわす。
でも体の一部が凍りつく。足のジョッキなどが凍りつき、機能しなくなる。
「ちぃ・・・。」
その冷気は触れるだけですべて凍てつき、動きが止まるほどだ。
それで先ほどの炎も・・・その形のまま瞬時に凍結する。
その状態で井坂は体から出現させた鳥の翼から冷気を纏った鳥の羽を矢のように放つ。
それを天井に張り付いてかわすグレイフィア様。その脚力で壁や天井を自在に蹴り飛び、羽を避け続ける。
全身に張り付いた氷を叩き割りながら、牽制のために次々と召喚した短剣を投げつける。
「・・・忍者みたいですね。どれだけ短剣を召喚できるのかい?」
次々と召喚されて飛んでくる短剣を凍らせながらあきれ果てる井坂。
「おいおい、こっちを忘れるなよ。」
――――ルナ
――――トリガ―!!
Wの身体が変わる。右が黄色、左が青にだ。
そして青い銃を手にして次々と弾丸を放ってきたのだ。
「・・・ちぃ・・・ちょこざいな。」
その弾丸は出鱈目な弾道。でもそれは正確に井坂を狙ってくる。
次々と纏った冷気で凍りつくが、それでも視界はふせいでいく。
それにしびれを切らしたのか、井坂は無数の巨大竜巻を起こしながら、下半身を鹿のような物に変えて襲いかかってきた。
「風か・・・私程じゃないにゃ!!」
そこに黒歌さんも参戦。
風と冷気を纏った蹴りを井坂にぶつけてきたのだ。
「馬鹿め。その程度の攻撃をとどかせることなど・・・がばら!?」
もともと凍っているも同然の状態なのだ。凍る事がなくそのまま井坂を蹴り飛ばす。
そのまま至近距離から冷気を払うために風の力を纏わせた弾丸を連射。
「ががが・・・ぐう・・・。」
それを受けて全身から火花を散らしながら後ろに下がる井坂。
「無茶苦茶な連中ですよね。まったく・・・。がごっ!?」
井坂が立ち上がったところに追い打ちがやってくる。・
井坂の頭に猛烈な勢いの弾丸が叩き込まれたのだ。
「・・・命中。」
放ったのはレイちゃん。手にした箒型のスナイパーライフルから放たれたものだ。
のけ反った瞬間にWがメモリを変えながら突っ込む。
――――ヒート
――――メタル!!
右が赤、左が銀色になったW。
変な姿の変わり方すると思う。
棒のような武器を振り回し。井坂に殴りかかる。
「接近など読めて・・・ぐっ!?」
撃墜しようとするのを・・・レイちゃんの狙撃が頭、腕、足に同時に命中して妨害。
――――――ロック。
しかも光の輪で固定させて動けなくなるおまけ付きである。
「ぬぐっ・・・ぐあ!?」
殴るたびに爆発が起きている。それが凍結を防いでいるようだった。
そして強烈な突きと共に大爆発が起きたと同時に拘束が解け、井坂は後ろに吹っ飛ぶ。
「ぐっ・・・本当に強くなっていますね。メモリの力をさらに引き出している上に棒術の腕まで。」
「この世界で最強の女王様と最強の「おやっさん」達にしごかれているのでな!!」
――この世界で彼女と彼らのような師ができたのは大きいよ。いつもズタボロだけど。
「ふふふ・・・でも確実に強くなっていますよ。」
聞いた事がある。
Wとグレイフィア様がアスタロスト眷族のある男の元で稽古をしていると。
グレイフィア様にとってWは弟分のような存在らしく、もう一人、通称「おやっさん」も彼のことをかつての知り合いに似ていて気にいっているらしい。
そこで相当Wは鍛え込まれているとも。
最もグレイフィア様に相当痛めつけられているとも聞いているわ。
それ故にこの二人は連携もしやすい。
「こっちも強くなった甲斐があるというものです!!」
井坂はその棒を片手でつかみ、そして雷を纏った拳でWを殴りとばす。
黒歌さんとレイちゃんの撃ってくる弾丸を・・・手にした武器で薙ぎ払う。
それはまるで雷神が背負っている小太鼓をそのまま繋げて、打撃武器にしたようなもの。
チェーン型の武器といったほうがいいのかしら?
「この武器―――ウェザーマインも今では下手な神器よりもはるかに強くなっていましてねえ。いいですよ。」
その武器が急激に伸びる。まるで連結剣のように。しかも、小太鼓の様な部分も急激な勢いで増殖している。
「ありがたい事にかゆい所に手が届くようになっているのです。」
それを縦横無尽に振るう。
伸びたウェザーマインはまるで大蛇のごとくあちこちを飛びはね回りながらすべてをはぎ払わんと暴れまわる。
「ぐあっ!?」
それだけでWが薙ぎ払われて吹っ飛ぶ。
「きゃあ!!?」
「ちぃ・・・。」
――――ディフェンド!!
黒歌さんがふっとばされ、後方にいた私達にも襲いかかってくる武器。
レイちゃんがそれを魔法を展開させて作った風の壁で防ごうとするが・・・。
「無駄です。」
「きゃああぁぁぁぁ!?」
一撃で壁がふっ飛ばされ、レイちゃんが吹っ飛ぶ。
それを小猫ちゃんが必死で止めようとして一緒に吹っ飛ぶ。
「さて・・・次はお嬢ちゃんた・・・ち!?」
その魔の手がこっちに伸びようとする前に、それをかいくぐってきてグレイフィア様が接近。
ナイフが井坂の肩に刺さる。
「ちょこまかと!!」
「ふん!!」
ウェザーマインを振るうが、それを蹴り飛ばし、次の一歩で飛びひざ蹴りを井坂の顔面にかましたのだ。
「そいや!!」
「ばがら!!?」
そして、そのまま三発右、左。そして右のアッパーで殴りあげ、その身体を横に倒してからの強烈な連続蹴りで蹴る蹴る蹴る蹴る蹴る蹴る蹴る・・・・・・。
「あばばばばばばばばばばばばばばば!!」
足がたくさん見えるほどの蹴り――多分五十は下らない程の回数は受けた井坂はその後の回し蹴りでふっとばされる。
そこからさらに追い打ちで・・・頭を掴み。
その頭を起点にジャンプしながら縦に振り回し・・・そのまま顔面から床にたたきつけた。
「がばっ!?」
「まだまだ・・・。」
そこからさらに首を極めようとして・・・
「いい加減ししてください!!」
と全身から電撃を発して何とか逃れた。
そして・・・立ち上がる井坂だが・・・その立ち上がり方は大変ぎこちない。
「うう・・・むっ・・・無茶苦茶ですね。武器を蹴り飛ばすなんて普通考えないし・・・どんだけ私を痛めつければ気が済むのですか!?」
よほど痛かったらしい。かなりフラフラになっている。
「ふふふ・・・だったらこっちのキング共会ってみなさい。こっちはあくまでもお話したけで、あっちはもっとすごいから。」
それってサーゼクス様のことですよね?
もっとすごいって・・・どんだけ?
それに今のって肉体言語で話していますよね?それも一方的に。
「そうそう・・・それとさっきどれだけ短剣を召喚できるか疑問に思っていましたね。それに応えてあげます。」
―――Sword Vent!!×666
電子音と共に・・・グレイフィア様の目の前に無数の短剣が出現。
「・・・・・・はっ・・・はい?」
さすがに井坂も驚いているようね。
「答えは・・・一度に666本です。行きなさい。」
雨のようにナイフが降ってくる光景。
まさにそれはナイフの弾幕であった。
「だったらこれでどうですか!?」
井坂の身体に亀の甲羅のような物が現れ、武器と全身の装甲で短剣を次々とはじき返す。
だが・・・そのナイフはただ降ってくる訳じゃなった。
唐突に甲羅にナイフが刺さる。
「ぐっ・・・なんで?」
井坂は見た。
ナイフをはじく際に出来た傷。そこにまたナイフが刺さるのを。
さらに大きくなった傷にさらにナイフが刺さり・・・。
ふさがる前に次々とささり、傷をあっという間に大きくして、それで貫通したのだ。
あまりの速度で繰り出されていたので、井坂も刺さってから気付いたほどだ。
グレイフィア様はあれだけの数のナイフを一本一本、正確に操っているようだ。
あまりに途方もない技術で信じられないけど。
次々と甲羅が貫通され、ナイフが刺さっていく。
「・・・ぐおおおおおっぅ!!?」
そこに私が追い打ちをかける。
「隙あり。」
天から雷を落としたのだ。
「がああああぁぁぁぁぁぁ!?」
それはナイフを伝い、井坂の中に直接雷が流れ込む。
「ぐっ・・・やってくれま・・・す!?」
そこに再び姿を変えたWの姿。
――サイクロン
―――ジョーカー!!
そして、腰にある黒いメモリを左腰のスロットに、緑のメモリを右腰にあるスロットに入れる。
――――――マキシマムドライブ×2
それと共にWの周りで風が吹き荒れ、竜巻となりそれに巻き上げられるように飛び上がる。
「なっ・・・バッ・・・馬鹿な単独でダブルマキシマムだと!?」
その光景に井坂は流石に驚いている様子。
「悪魔に相乗りし続けている間に、こっちが悪魔になったおかげだ。」
――――翔太郎の成長とこっちのシステムの進化だよ。
「いくぜ。・・・ジョーカーエクストリーム!!」
Wの身体が半分に割れながら、そのまま空中からの飛び蹴りを放つ。
避けようとする井坂。彼の足元の床に亀裂が走り、そこに足が落ちる。
「ちぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」
「コントロールうまく行った。」
小猫ちゃんが床を叩き・・・絶妙な大きさの亀裂を発生させていたのだ。
それにより避けられず。まともに喰らって吹っ飛ぶ井坂。
「グググ・・・痛いですね。流石にこれは効く。」
それでも立ち上がってきたのだ。
「まじか。結構自信があったけどな。」
―――――予想はしていたけど・・・不死身って厄介だ。ネバーと全く違う。
「ぐはははは・・・私の体はもうダブルマキシムすらも耐えられるほどになっているのです。ダメージは入りますが致命傷になるほどでは・・・。」
「そう・・・だったら私もとっておきつかってみようかな?」
私はとっておきを使う事にした。
ゲームで使ってみたかったけど、使えなかった指輪。
実はハル君から拝借・・・いえいえ、こっそりと借りたものだったりする。
返す予定は未定だけど。
―――――スペシャル。
その発動と共にとんでもない量の魔力が使われる。
――――――ドラゴン
「うっ・・・なっ・・・なんなの・・・これ・・・て・・・。」
「んん??なんですか?その変な音・・・声・・・。」
私の背後にバチバチとでかい何かが現れた。
それは巨大な雷で出来た龍。
「あらあら・・・。」
いや・・・あまりに雷が凝縮しすぎて。
――――プラズマ化している。どんだけのエネルギーが込められているというだい?
触れるだけですべてを消滅させる超高熱のエネルギー体となっていた。
落ちてきた瓦礫が龍に触れた瞬間音を立てて消滅する。
「・・・まっ・・・まさかそれを私にぶつけるなどといいませんよね?」
さすがに井坂も怯えているみたいね。
「ふふふふ・・・どうしようかしら?」
「いくら不死身でもそれは・・・さすがにありえないと思うのです。」
必死で説得しているわ。いくら不死身でも消滅させられたら終わりですものね。
「うんうん・・・。」
「わかってくれましたか?」
あなたの気持ちは十分聞いたわ。
「ふふふふ・・・。」
「なんですか?その笑みは・・・。すごくSの愉悦に浸ったような。」
あら?私ったらそんな笑みをしていたの?
でももう充分。
それに、あなたがうろたえる姿はあまり面白くないから・・・。
「・・・行け♪」
「あなたは鬼だああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
失礼な。私は悪魔よ。
巨大なプラズマの龍が井坂を飲み込む。
「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!?」
飲み込んだ龍はすぐに消え、全身から白い煙を上げながらひざをつく井坂の姿があった。
「・・・ぐうおお・・・かっ・・・身体が・・・・・・。」
変身も解除されている。
よく見ると全身あちこちが焼けただれ、一部消滅しているほどだ。
不死身でも戦闘続行が不可能な大ダメージを彼は受けていた。
むしろ不死身だからこそ、この程度で済んだのかしら?
はあ・・・レ―ディングゲームでは使用禁止確定だわ。
消滅技はさすがに・・・。
「そろそろ終わりだな。」
――――そっちのお嬢さんのおかげで致命的なダメージが与えられたよ。さっさと封印して・・・。
「・・・その前にお仕置きです。」
そう言ってグレイフィア様があるカードって・・・。
「あれだけやりたい放題やってさらに・・・死人に鞭を打つ気なのですか!?」
井坂はまたも焦る。
何しろそのカードはファイナルベントのカードじゃないですか!?しかも何枚もある。
「不死身なのでしょ?だったら何も問題ありません。・・・あなたのおかげで式場はめちゃくちゃなのです。ふふふ・・・もうどうしてくれるのやら・・・。」
あらあら・・・めちゃくちゃ怒っている。
「あっ・・・姉さん。」
―――――井坂。君は怒らせて行けない人を怒らせたみたいだね。普段は温厚(?)な彼女が本気で怒ると誰も止められない。
Wもそっとしているあたり、相当だ。
「・・・・・・そっ・・・そのようですね。でも何か酷いとはおもいませんか!?戦闘不能になった相手に追い打ち、しかも必殺技ってあなたは悪魔ですか!?」
それ対してグレイフィア様の答えはとてもシンプルであった。
「私は悪魔ですか何か問題でも?」
「・・・そうだった!!」
井坂はそう言って頭を抱える。
悪魔に悪魔って言うのはちょっと間抜けだと思う。
「お覚悟。」
ファイナルベントのカードを装填しようとしたときだった。
「全く・・・そっちだけ楽しそうな事をしないでほしいよ。」
膝をつく井坂の傍に唐突に一人の男が現れていた。
「・・・。」
それは無邪気な笑みを浮かべる白い服を着た青年。
「だれです?」
その青年が軽く床を踏みつけた。
それだけで・・・あたりに私達と彼らを隔てるように床が崩壊。
それだけじゃない。
天井が次々と鋼鉄の槍と化し、それが私達に向けて降り注ぐ。
「ちぃ・・・。」
それを前衛にいた人達がすべてはじいてくれるが、床も一斉に鉄の槍とかしたので、私達はさらに後ろに下がった。
何が起きているというの?
――――――サイクロン
――――――トリガ―!!
Wがとっさに左半身を青に変えて銃撃を放つ。
「ふふふ・・・いい狙いだけど残念。」
それが透明の壁に阻まれる。
「なっ・・・なんだこれ?」
「ふはははははははは!!」
彼の狂った笑いと共に、辺りが一気に炎に包まれる。
『!?』
「パッ・・・パイキロネシス!?」
――――いや、そんな生易しいものじゃない。
その炎はまるで煉獄にて燃え盛る業火のごとき熱さ。
炎に包まれたパイプ椅子が蒸発するほどである。
――――――「究極の闇。」そんな危険な存在がまだいたなんてね。
「へえ・・・僕の事を知っているの?」
―――――ああ、君がどうやって炎を発生させたかも検索済み。そして・・・
龍神様の言葉にその青年は嬉しそうだ。
――――――ある世界で3万人以上の虐殺を一人で笑って行った怪物ということもね。
「・・・とんでもない悪じゃねえか。」
三万を超える人達の虐殺。
とてもじゃないけどまともとは思えない。
―――――その力が進化、応用させている点は驚きだけどね。その気になれば核融合すらも自在に起こせるだろ?
『!?』
核融合の言葉に皆は絶句。
とてもじゃないけど、一存在がやるような所業を超えているからだ。
「クククククク・・・でも、そんな事をしてもつまらないだけさ。それに今回は挨拶程度。強化された僕の力がどれだけ通用するのか簡単だけど確認できたし。」
「手助け感謝します。」
「君の様な殺しがいのある奴は貴重なんだ。ここで死ぬのはもったいないよ。」
「・・・・・・本当に相変わらずですね。まだこっちは体になじんでいないので、力を発揮しきれないというのに?」
井坂は呆れながらもまた立ち上がる。
「今回はここで退散させてもらいます。それと・・・予言でも残しておきましょうか。」
そして、井坂は去る前に不敵な笑みを見せる。
「ジョーカーは私で終わりではありません。究極の・・・五体目のジョーカーがいずれあらわれるでしょう。」
「何?」
「五人のジョーカーが揃った時、この世界で新たなバトルファイトが巻き起こる。五人目となる者もすでに見つけてある。我々が勝って世界をリセットしてくれる。」
「僕たちの新しい世界のためにね。じゃあね。」
―――――リル―ラ!!
二人の身体が光に包まれ、どこかへと瞬時に飛ぶ。
「ぐっ・・・転送呪文?でも私達が使うのと違う。」
炎だけ撒き散らして去った二人。
――――――考えるのはあとにしようか。あの炎で火災が起きている。
「・・・やりたい放題やってくれて・・・今度会ったらぶちのめす。ファイナルベントを三連続でくらわせてやるんだから!!」
式場が半壊の上に、火災まで起きている状態にグレイフィア様は怒り心頭。
かなり過激な言葉が出ているわ。
「あーあ。姉さん本気でぶち切れている。」
―――――次会ったらあいつらもただじゃすまないよね。まだ彼女も本気とはいえないし。
そんな怒りまくったグレイフィア様に皆・・・引いている。
「皆・・・消火を・・・。」
私も手伝わないと。
うん・・・あれだけ強力な魔法をつかったのにすぐに魔力が回復している。
また撃てそうね。あれは良い切り札になるわ。
SIDE イッセ―。
――――プロモーション・・・僧兵(ビショップ)
俺の周りで炎が消えていく。
―――――相棒。お前は可能性の塊だな。
―――――へえ・・・苦手な分野も進化で補い始めたか。
「・・・防いだというのか?今の攻撃を・・・。」
「いっ・・・イッセ―?」
「お前、どんだけすげえ奴なんだよ。」
皆も驚いている。
今俺は新たな姿になっている。
手に花のように金色の細工に包まれた蒼い宝玉を宿し、反対側が鋭い刃となった短剣と杖を組み合わせたような短い杖。
体のアーマーは緑に変化。背中に白のケープの様な物が伸びている。
これが俺の僧兵としての力。
「だっ・・・だったら何度もやってみるだけだ!!」
フェニックスは次々と炎の球を発射する。
「無駄だ。」
それを俺は眼前に発生させた巨大な水の膜ですべて消す。
「水を操るだと!?」
反撃と言わんばかりに俺は杖の先から凄まじい水を噴出させる。
「ぐぼっ!?」
その勢い、四メートルを超える巨体のフェニックスを簡単にふっ飛ばせるほどである。
接近し、逆手の刃で斬りつける俺。
ただの刃じゃない。斬る瞬間に超高圧の水を噴き出し、切れ味を高めてある。
その一撃は容赦なく甲欄を砕く。
「生意気なことを!!」
巨大な体で殴りかかるフェニックスだったが、その腕が俺の身体を突き抜ける。
「おいおいおいおいおい!?」
液状化した俺の身体が攻撃を受け流し、そのままバラバラになって、あいつの後ろで元に戻る。
そして無数の水の球を放つ。
「がっ・・・バッ・・・あばばばばあばばばば!?」
それはただの水の球じゃない。
超圧縮した水の塊だ。
触れた瞬間に圧縮が解けて爆発する使用。それを連続で受けて後ろに吹っ飛んで行くフェニックス。
<BOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOST!!」
「そっ・・・そんなのありかよ!!むっ・・・無茶苦茶じゃねえか!!」
―――――――――Transfer!!
その言葉と共に杖の宝玉の両端がアギトの角と同じく展開。
だが、まるで円をかくように宝玉の周りで展開。杖の先で黄金の花が咲く。
それと共に杖の先端から巨大な水の龍が精製され、放たれる。
「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
それはフェニックスを容赦なく飲み込み、ふっ飛ばす。
水の龍が消えた後、フェニックスはまだ立ってはいた。だが、甲羅に亀裂が入り、あちこちから血が噴き出し、ボロボロであった。
「固いな。凄まじい水圧をかけたのに。」
その必殺技は相手を水の龍の中にのみこませ、深海一万メートルの時を超える凄まじい水圧と鉄すら斬る凄まじい水流の中に閉じ込めてバラバラにするというものだ。
並の相手なら一瞬でバラバラに刻まれながら圧死している。
それに耐えるほどの防御力をフェニックスは会得していた。
「ぐっ・・・くそが・・・。」
最ももう瀕死に近い。
「縛無水龍の僧兵(アンチェーン・アクアドラゴン・ビショップ)かな?良いネーミングがうかばないわね。」
部長は僧兵時の姿の名前を考えていますし。
俺は姿を元のグランドフォームに戻す。
「これで止めだ。」
「私も参加させて。」
―――――ウェイクアップ。
部長も隣に並ぶ。解放されたのは右腕じゃなくて・・・右足。
渡と同じく赤い蝙蝠の翼と四つの緑の宝玉が解放される。
「これって・・・。」
その光景に部長も驚いている。
「この結婚式をぶち壊しにした瞬間に目覚めたのよ。あなたの言葉のおかげでね。」
カ―ミラの説明がそこではいる。あの瞬間に目覚めた?
でもなんで俺のおかげなの?
「・・・本当に罪な子ね。クレア。あなたと会議をひらきたいからいいかしら?」
――――歓迎よ。むしろ私からもそうしたいと思っていた。いつかあなたのお母様にも挨拶したいくらいよ。
「・・・やれやれだ。俺も参加するかい。」
ファイズも右足に望遠鏡(?)をセット。
もうツッコむのは止めたぞ。あれで必殺キックが放てるなんてツッコまないからね!!
――――Exceed Charge
気を取り直して、俺も一緒にやる事にしよう。
<BOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOST!!>
―――――Explosion!!
俺は倍化した力を解放させる。
それと同時に、頭の角が展開。
黄金の光が放出されるとともに足元に巨大なアギトの紋章が出現する。
紋章が足先に集束するのと同時に俺達は飛び上がる。
部長は紅の月を背に空中で身を翻し、ファイズは赤い三角錐の様な物を足から発生させる。
そんな二人と共に俺達はフラフラのフェニックスに蹴りをかます。
トリプルライダーキックを。
「がっば!?」
とっさに防ごうとガードするフェニックスだが、耐えきれずに床に叩きつけられるフェニックス。
そのクレーターはキバの紋章が刻まれていた。
ファイズは体を突き抜けてフェニックスの後ろに立っている。
部長と俺はフェニックスから飛び退くが・・・。
「ぐが・・ががががが・・・こっ・・・この俺を舐めるな。」
フェニックスはしぶとくも立ち上がる。
でも俺達はすでに追い打ちの準備はしていた。
――――ウェイクアップ。
部長は右腕のカテナを解放。
―――――Exceed Charge
ファイズは右手に例のデジカメ?(俺は認めていない)を装着。すでに赤い光は充電されているようだ。
<BOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOST!!>
―――――Strike Vent!!
――――Transfer!!
右腕に召喚したドラグクロ―に瞬時の倍化の力を譲渡。
『Dorgon fire break!!』
「げっ・・・。」
そして俺達三人は同時に、必殺の右を繰り出す。
『アッパー!!』
少ししゃがんで屈伸の力も込めた必殺のアッパー三重奏!!
「がばらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
三人のアッパーを顎先にうけ、フェニックスの巨体が激しくきりもみ回転しながら空高く宙を舞い・・・後ろの地面に落下。
「ヒッ・・・酷い・・・。必殺技二連続って・・・。」
その言葉を残し、大爆発を起こして果てた。
―――――おっ・・おのれ・・・。おぼえていやがれ!!
だが・・・フェニックスの声が辺りに轟く。
それと共にフェニックスの気配が消える。
・・・不死身のファントムだけあってしぶとい。あれで死なないか。
「はあ・・・やっと退けたわね。」
「はい・・・疲れました。」
俺と部長は変身を解き座りこむ。
「・・・やれやれっ!?」
そしてファイズはそんな俺達に話しかけようとして、己の手を見る。
そこから・・・灰の様な物がでている。
「おっ・・・おい?大丈夫か。」
それを見て、俺は直感的に何かを察してしまった。
それは絶対によくないなにかと。
―――――テレポート。
そんな彼に向けて足元に赤い魔法陣が展開される。
「いったん離脱して、ここじゃ変身は解けないでしょ?」
それはハルの魔法だった。ハルは苦笑しながらファイズに声をかけている。
「・・・わりぃ。また報告はあとでするわ。」
ファイズはハルの魔法で姿を消す。
「・・・ハル。あいつは一体。」
俺の質問にハルはため息をつく。
「いつか話す。でも今はごめんだけど・・・。」
あの感じは・・・以前にあった事のある人の気配だった。
戦いの中でかわしたやり取りもまるで以前からの友達だったようなノリで・・・。
ぶっきらぼうなあのやり取りは・・・。
「まっ・・・まさか・・・。」
そんなはず・・・ないよな?あいつは確かに死んで・・・。
「あーあ。しかし残念ね。」
ある結論にたどり着こうする前に部長の残念そうな声が響き渡る。
「せっかくさらいに来てくれたのに・・・これじゃあ帰れないわね。」
部長の指した先には・・・めちゃくちゃになった酷いありさまの式場。
「・・・仕方ない。こっちも魔法で修繕を手伝う。」
「お願いするわ。」
ハル・・・ありがとう。本当にいい友だちを持った。
「その前に・・・宣言通り一発殴らせてくれ。」
「・・・・・・えっと・・・。」
ハルの素晴らしい笑みに俺は下がる。
ものすごく怒っていないか!?
だが後ろから肩を叩かれて気付く。
「ははははは・・・安心しろ、記憶ごとふざけたレベルの煩悩を退散させてやる。お前のおかげでレッドクイーンとブルーローズが破壊されたんだからな!!キリエも辱められたし!!」
「ははは・・・あと瀕死の鋼兄の分もあるから」
怒っている渡の指差した方向には輸血を受けながら黒歌に膝枕をされている鋼兄の姿。
逃げたい。
でもネロが右手で肩を凄まじい力でつかんでいるから逃げらねえ。
しかもデビルトリガ―を発動させているのだろう。青いオーラが立ち上っていやがる。
「面倒すぎた。この際きっちり浄化してくれる。煩悩退散だ。」
サイガさん。何やら術を唱えていますけど・・・何をするつもりなの?
「さすがに僕も今回の戦いは色々な意味できつかった。その報いをうけてね。」
木場も怒っていやがる!!手には何故か木刀が!?
「いっ・・・いやあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁあl!」
締まらない形で戦闘終了。
次がエピローグです。