でも次話への伏線がいくつもあります。、
それから二時間後。
俺は厨房と言う名の戦場にいた。
「・・・辛い罰ゲームだぜ。」
その罰ゲームとは、迷惑をかけた皆様に料理を振る舞えということだ。
俺の料理が美味いと言ったオ―フィスちゃんの言葉でフルぼっこの代わりに、今全力で百人分の料理を作る羽目に・・・。
戦いの余波で厨房の冷蔵庫が破損。腐る前にその中の材料を全部使い切ってほしいとグレイフィアさんからの要望もあったのだ。
「とりあえずは豚汁の仕込みは終わったか。すみませんそっちはどうですか?」
「こっ・・こっちは何とか。」
一応調理スタッフの人達に手伝って貰っている。
「しかしこの材料で和食を作るなんて。」
「豆腐があったのが大きいです。大根や良い味噌もあったものそうですね。あえて余らせたのは常温で保存が効くように加工していますので、良かったら持って帰っても。」
―――――――――相変わらず女子力が無駄に高いわね。
―――――――――ふふふ・・・楽しみだ。色々と動いたからな。美味しく頂くぞ。
「それとでかくて新鮮なマグロがあるから・・・生け作りもやるか。でも包丁の切れ味が・・・ドライク、力を貸して。倍化で切れ味を補う。ドラグセイバーも召喚してそれで解体を。」
――――ちょっ・・・そんな事の為に私達の力を。
―――――心得た!!マグロ、一度食べたかったんだ!!
――――ドッ・・・ドライク。あなたねえ。
今の俺は武士の献立に出てくる武士だぜ。
倍化の力で切れ味の増したドラグセイバーでいざ・・・マグロの解体を!!
どうせだ、皆の前でやってやるぜ!!
一度やってみたかったことでもあったり。
素で鉄板を紙のように斬るドラグセイバーじゃ、切れ味過剰なのは否めないけどさ。
マグロの解体ショ―で場を盛り上げながら、屋外のパーティーが始まった。
「血が・・・血が足りん!!」
ボロボロになった式場の外、バイキング形式となった食事会で、鋼兄が食べまくっていた。
文字通り血が足りないらしい。すげえ量の鼻血を出しただけあってそれを補うべく食べている。
「へえ・・・そんなにキリエさんの裸が良かったのかにゃ?」
「刺激的だった・・・って・・いててててててててててて!?」
黒歌さん。名前の中にあるように黒い笑みを浮かべて鋼兄の頬をつねっているよ。
「へえ・・・これは教育が必要にゃね。」
「ちょっ・・・俺は死にかけていたんだぞ!!」
「それはそれ・・これはこれ。」
あれはかなり嫉妬しているな。
「姉様・・・意外と嫉妬深い。」
小猫ちゃん。納得した様子で二人を見ているし。
「はう・・・恥ずかしい。」
「まあまあ・・・あれは事故ですよ。」
別の服・・・白いドレスに着替えたキリエさんはいまだに顔を赤らめている。
でも、一度見てみたかったぜ。鋼兄が瀕死になるほどのそれをな。
「ははは・・・でも大変でしたね。」
それを慰めているアーシアとレイちゃんである。
「・・・すげえ。」
「ええ。」
そして、復活したライザ―とレイヴェルが豚汁を飲んで何故か驚いている。
「なあ、お前ってすげえな。どうやったらこれだけ美味いものができる?」
「日本の料理でしたね。味噌汁の一種で・・・。」
なんか、すっかり仲良くなった気がする。さっきまで死闘を繰り広げた仲だというのに。
「師匠のおかげだ。まあ・・・あとは相方がグルメだから。」
俺は食いしん坊ドラゴンな相棒の方に視線をやる。
相棒は・・・食べまくっていた。
「美味い。まさか出汁に魔界の魔鳥の骨を使うか。あれがここまで良いのが取れるなんて思いもしなかったぞ!!」
「・・・クレア。あなたが選んだ人も結構愉快ね。」
「あの身体を与えてからすっかりグルメになって。イッセ―の・・・イッセ―の女子力が無駄に上がったのよ。でも美味しい。」
「うん。一流の料理人クラスはあるわ。」
アルファさんからのお墨付き、ありがとうございます。
その横でデフォルメ化した状態でヤマタもいる。
「だが、気持ちはわからないでもない。長い事体がなかった故に、食べる喜びがなかった。酒を楽しむ喜びも同じだ。ドライク、これを飲んでみないか?良いできだと思うが・・・。」
ヤマタがある瓶から酒を注ぎ、ドライクに渡す。
「どれどれ・・・むっ!?これは・・・美味いぞ!!」
「そうか。ドラゴンアップルの果実酒、ドラゴンには好評のようだな。クレアにアルファ殿もどうだ?」
「どれどれ・・・んん?美味しいわね。」
「ドラゴンアップルを酒にする発想も驚きですけど・・・美味しいです。悪魔でも多分美味しいというわね。」
「好評で良かった。」
「いつの間にそんなものを作った?」
「兵藤家の地下に酒蔵を作ってそこで作った。温度や湿度が安定する地下は酒蔵に適している。ドラゴンアップルはあいつと連絡をとってわけてもらった。連絡した時は驚いていたが、今ではメールをやり取りする仲だ。インターネットは便利で助かるよ。」
おい、そこの日本神話のドラゴン。
俺の家の地下に何勝手に酒蔵を作っていやがる!?それとパソコンをいつの間に使っている?手もない体でよくキーボードを操れるな!!
それと冥界に繋がっているのか?インターネットって凄いね!!
「お礼に一ダース分送らないとな。知り合いと試飲会を開いてくれるらしい。後・・・ドラゴンアップルの栽培の研究で分かった事もだ。」
「お前・・・まさかあいつの研究を手伝っているのか?」
「ああ。ついでではあるが・・・。昔のよしみで手伝っている。研究がはかどり、栽培の成功例が出始めているらしいぞ。その代わり他の良い酒の材料になりそうな物を探すのを手伝ってもらっている。ある程度作品が貯まったら一緒に酒盛りでもしようか。」
「いいな。良いつまみも相棒に用意してもらおうか。」
夜空を見上げてヤマタは告げる。
「今ワシの楽しみは・・・究極の酒を作る事。その為の術などあいつの主を通じて色々とな研究を・・・おっと霊薬酒(エリクサ―)の試作品がそろそろ次の工程の頃合いか、少し出る。その酒は好きに飲んでくれ。」
そう言ってヤマタは龍法陣を出して姿を消す。あいつ色々とやっているな。
何かとんでもないアイテムの名前が出てきたような気が・・・。
ヤマタ。お前もまた愉快なドラゴンになったな。
「ふふふ・・・ありがとうね。」
隣で部長が微笑んでいる。
「あなたは私の問題を一つ、解決してしまったわ。」
「そっ・・・そうでしょうか?」
実際は、敵が乱入してくれたおかげで有耶無耶になっただけの様な気もするぜ。
「うん。あなたのおかげで私は自由になれた。しかも・・・円満にね、。」
清々しい笑みを浮かべるリアス。
「そうなら・・・頑張った甲斐があります。」
「些かが過激すぎるけど。あとで説教ね。」
「・・・反省しております。はい。」
部長に嗜められて少し落ち込む俺。
後から考えたらドライクを使って式場をぶっ壊しての乱入はやり過ぎましたね。
熱くなりすぎたぜ。
「でも・・・もう私はあなた無しでは生きられないわね。」
そんな俺を見て部長は顔を赤らめながら微笑む。
「・・・へっ?」
「もう逃がさない。絶対に誰にもあなたを渡さないわ。」
そう言って部長が俺の頬に手を当てて・・・へっ?
唇に柔らかい感覚が・・・。
『!?』
キッ・・・キスですと!?
マウストウ・・・マウスで?
あれ?
何で・・・その・・・部長にキスされて・・・。
「好きよイッセ―。あなたを愛しているわ。」
「・・・・・・・・・・・。」
嬉しすぎる展開。
実感していくに連れて、頭に血が上っていく。
惚れた女にそんな事を言われた俺は・・・。
「・・・俺もう・・・死んでもいい・・・。」
と激闘の疲れもあってそのままぶっ倒れた。
「いっ・・・イッセ―!?」
ああ・・・もう駄目です。
神様・・・俺は初めてアギトに生まれて良かったと思っています。いや本当に。
side ハルト
やれやれ・・・今回の主役がぶっ倒れて大騒ぎになっているよ。
俺は豚汁を器に乗せて、式場の裏にやってくる。
「ほらよ。イッセ―の会心の出来だ。」
「サンキュー。」
そこには巧がいた。
「今回はお疲れ様。大暴れしたね。」
「まあな。だが・・・危なかったぜ。」
手から灰が滴り落ちる。
「・・・本当にもう長くないのか。」
細胞組織の崩壊が確実に進んでいる。
「こればかりはしかたねえ。親父も分かっているさ。納得はしてねえだろうがな。」
あの総督は意外と・・・いやすごく子煩悩だから。
今でも必死に助かる方法を探しているはず。
こっちもその研究を手伝い、助かった一つの事例を報告している。
木場君には感謝だよ。
でも、そのために悪魔サイドと交渉が。そうなると外交の問題に・・・。
「あちぃ・・・おい猫舌なのわかってんだろ!?」
巧が豚汁を飲もうとして熱さに顔をしかめている。
「それが生きている証拠だよ。それを見るたびに安心するよ。」
「・・・ホントSだな。だがまあ・・・そうだな。」
灰が滴り落ちる手。
そんな手に優しい光が放たれる。
「んん?って・・・アーシアちゃん!?」
「気休め程度にしかならないと思いますが・・・。」
悲しい表情を浮かべる彼女。
「・・・ハル。彼女は確か・・・。」
「イッセ―さんは気付いていません。多分・・・私だから気付けた事だと思います。」
本当に彼女には敵わないと思う。
多分・・・すべての事情を察しているのだろう。
心を読まなくてもだ。
「・・・出来れば、イッセ―さんに生きていることを教えてあげて欲しいです。」
「わりぃ・・・でも、俺はもうすぐ。」
「それでも!!・・・です。」
泣きそうな彼女は必死で訴えてくれる。本当に優しい子だ。
「・・・本当に、君みたいな優しい奴がイッセ―の傍にいるだけで嬉しいぜ。」
アーシアの頭を巧は撫でてやる。手から灰は・・・止まっている。
確かにある程度だけど、効いているのだ。
「・・・サンキュー。また少し長く生きれそうだ。」
神器だけの力じゃない。多分・・・アギトの力も使った癒しなのだろう。
すごい。止めるだけでもすごい効果だ。
「後・・・訂正させろ。俺は死ぬために戦っているわけじゃねえ。命はいずれ尽きるが生きることは諦めてねえぜ。」
「・・・そうかい。あんたは思ったより骨があるな。」
って・・・もう一人来たよ。
アギトに続いて。
「ハル。お前もまた色々とあるな。」
ギルス―――ネロまで来ているよ。
「木場と同じ気配。・・・そうかい、お前はオルフェノクってことか。」
はあ・・・こいつに力を隠すことは不可能だからね。
「初めましてだな。自己紹介は互いにいらねえか?」
「そうだな。楽でいい。」
ネロと巧の初対面。
「・・・なんだろうな。お前とは気が合いそうな気がする。」
「そうか?まあ・・・悪い奴じゃないのは分かっているから問題はねえか。」
「・・・・・・あっ。」
その二人のやり取りを見たアーシアが声を上げる。
その眼に・・・アギトの紋章が浮かび上がっている。
「アーシアちゃん?」
「あっ・・・言え・・・少し予知の力が・・・。」
今のが予知の力が発動した瞬間なのか?
「・・・何を見た?」
「この二人が背中合わせで戦っている姿です。何かすごく仲良さそうに愚痴りあいながら。」
そして微笑む。
「それ以外は内緒です。」
その笑みは希望に満ちた笑みであった。
彼女には本当に敵わない。
何しろ彼女は本当の意味で聖女になりつつあるのだから。
side 渡
さて・・・僕は今リアス部長の兄様・・・五大魔王の一人のサーゼクス様と一緒にある冥界の街のカフェにいる。
「まさかカ―ミラにそんな秘密が。普通のコウモリじゃないって分かってはいたけど、正直驚いたよ。」
変身したリアス部長を見て、この方は卒倒しそうなほどに驚いていたし。
「しかし問題はないのかね?キバの鎧はそっちの一族の至宝なのでは?」
「それに関しては問題ありません。むしろカ―ミラにとってようやく見つけた運命の相手。それを僕達は尊重します。」
「そうか。」
「もちろん・・・いい機会なので冥界との外交も、まずはそちら魔王様達とグレモリ―家を中心にやっていきたいと思います。」
「やれやれ、王子だけあってしっかりしているよ。でも、良い話だ。カ―ミラの実家なら良い話ができそうだ。」
サーゼクス様も乗ってくれる。
「セラにも話を通さないと。」
「そうだよ!!これでも外交担当なんだよ!!」
そこに現れたのは・・・あれ?ツインテールで黒髪の美少女が・・・。
魔法少女のコスプレをしていますし・・・。
「まさか・・・あなたがセラフォル―様?」
「そうだよ!!初めましてだね。」
どうも彼女が五大魔王の一人らしい。厖大な力は確かに感じるけど・・・なんかこうびっくりする。
「そうそう・・・あなたに聞きたい事があったのよ!!」
そしてセラフォル―様は何故か僕を問い詰める。
「愛しのあの方はどうしたの!?」
「えっと・・・。」
愛しのあの方?
「君の友達の一人だよ。魔戒騎士のほら・・・。」
サーゼクス様の言う彼って・・・サイガ君のことか?
そう言えば彼・・・食事もそこそこにホラーが出たので狩ってくると轟竜に乗って冥界を駆け抜けたからね。冥界にホラーが現れるなんて本当に大変だねえ。
自他共に現在地不明な彼が・・・無事に帰ってこれるかな?
リルーラがあるから最悪何とかなるけど。
一応そんな形の事情を話して・・・。
「むうう・・・せっかく仕事を片付けて駈けつけたのに・・・。」
と本気で拗ねています。
「えっと・・・事情を聞かせてもらいませんか?」
「それはそれはもう・・・愉快な話だぜ?」
そこに魔王様が三人目登場。
「ダンテ君。君まで来たか?」
「一応治安維持担当。暴れる前に終わっちまったぜ。」
スパーダの息子にして、冥界最強の戦士。旧魔王派との内戦時、彼はやりたい放題、大暴れしたと聞いている。
そして、スパーダと言う存在が冥界、天界でも伝説的な英雄で、内戦前まで四人だった魔王の枠を一つ増やして、スパーダの名を持つ彼を入れて、五大魔王になったという。
問題は時間を超えて過去の冥界に飛ばされたという無茶苦茶な経緯があるということだが。
ちなみにこの経緯をまだネロ君には話していない。知り合いなのは知っているし、安否も気にしているのもしっている。
「それに仕方ないだろ?何しろ俺の自慢の兵士が大暴れしていたからな。」
「あの戦いに噂の君の兵士が?へえ・・・。」
これは面白い事が色々と聞けそうだ。多分ネロ君の主って・・・。
「あの方サイガ君は今どんな事をしているの!?」
えっとその前にサイガの事で問い詰めてきた魔王様と何とかしないと・・・って・・・。
「それ以上渡に近寄るな。」
その前にオ―フィスちゃんまで現れたし。
『・・・・・・。』
彼女の登場に三人の魔王は目を丸くしているよ。
「我・・・渡と契約している。」
『・・・・・・・・・。』
「ははは・・・そう事です。」
目を丸くした魔王達・・・いやセラフォル―様はどうも様子が違う。
「可愛い・・・ねえ、あなた私の妹になって、それから魔法少女にならない?」
『そっちかい!?』
ダンテ様とサーゼクス様は一斉にツッコミを入れる。
お二人ともツッコミのキレが良いですね。
「・・・妹になるといいことあるのか?魔法少女になるとどうなる?」
「うっ・・・。」
首をかしげるオ―フィスちゃん。それに心を打ち抜かれたのだろう。
顔を赤らめ、全身をプルプルとふるわせている。
「もうー・・・だめ。おもっきり愛でさせて!!」
と抱きしめて頬すりをする始末。
「くっ・・・苦しい。」
「・・・君も大概規格外だね。ゴルドとの契約も性格があったからできたようなものだけど。そっちはどうやって契約したの?」
「ふふふ・・・主とは本当に気が合う。」
ゴルドが肩に止まる。
「奥さんとはいいのかい?」
「すまないな。忙しい中、時間をもらって。娘と息子は元気にしているからいいが・・・・。」
ゴルド氏に妻と娘、息子がいることを確認。
「ダンテ。そっちの相方は?」
「ここら辺を散歩中。冥界中があいつらの縄張りだからな。」
ダンテ様も何かと契約しているみたいだ。・
ダンテ様は二つの駒を取り出す。
「スパーダ眷族もあと兵士の駒が変異二つを含めて三つ。戦車の駒が一つ。いい相手がいたらいいけどな。」
「うむ・・・一人心辺りがありますけど・・・。」
僕はある人物の顔写真をダンテ様にみせた。
「へえ・・・これは確かに眷族としてほしいわ。でもいいのかい?外交問題は・・・。」
「それに関してはこっちの友達がその幹部なので。それに調べている限り、向うからしても渡りに船の話のはず。」
「ほう・・・。悪魔以上に交渉が上手い。それでいて・・・。」
ダンテ様は目を細める。
「根回しがうまい。本当に友達おもいだな。」
「・・・・・・隠しているつもりはありませんけど。これくらいはしないと。」
色々とみんなが隠している事情は多い。翔太郎さんには感謝だよ。おしえてくれてさ。
「わかった。是非にやらせてもらおう。問題はどこにいるかだよね?またあの探偵に依頼しようかな。」
その光景を見たサーゼクス様はつぶやく。
「絆か。現赤龍帝にしてアギトの彼のためだね。君を含めて彼の周りで色々と動いている。彼は私達が望んだ次世代を担う者達なのだろう。」
「だな。お前さんの弟子はすごいぜ。」
「・・・当然だ。俺が見込んだ男だぞ?」
ダンテ様の声にこたえるのはカフェの片隅にいた男であった。
「戦いは見ていたのだろ?それと・・・そうか彼の料理も食べているようだね。」
彼の手にはイッセ―君の作ったトン汁がある。
「腕を上げたな。俺の言うとおりあいつはあいつの道を進んでいる。料理の味もそれをしめしているようだ。」
「えっと・・・あなたは?」
「俺は・・・。」
男は天を指差して名乗る。
「天道総司。天の道を行き総てを司るものだ。そしてあいつの師でもある。悪魔ではないが、四人目の超越者としてここにいる。」
僕はこの場で予想以上の収穫を得ることとなった。
彼の正体。それを教えてもらったからだ。
「そうでしたか。本当に面白い縁がありますね。」
「これもあいつの道だろう。色々な縁があつまって、そして関わり合う。」
さて・・・この繋がりは何処まで生かせるのやら。
「はあ・・・はあ・・・こっ・・・ここなら大丈夫か?」
「あれ?ファルビーどうしたの?」
そこに・・・何ともう一人の魔王様が現れる。
確か軍事顧問の方だったよね?
何やら息を切らせているけど。
「オッ・・・おやっさんから逃げてきた。」
「ああ・・・冥界・・・いや世界最強のトレーナーである立花のおやっさんだね。」
「本当にお前は優秀な眷族を集めたよな。本当に・・・。」
ダンテ様はニヤニヤとしているし。
「優秀すぎてだらけるのが難しいよ!!主である僕が生かさず殺さずって・・・!!」
そういえば聞いた事がある。
かつて悪の組織を裏切った二人の改造人間を支えた男がいたと。
悪の組織が次々と二人よりも強力な新しい刺客を送り出す。
それに対して、彼がコーチとなったことで何度も危機を乗り越え、そしてその悪組織を壊滅させたと。
そんな名オーナーにして名コーチっぷりはその敵の組織の大幹部自らスカウトにくるほどで、彼のしごきに耐えた結果、かつてない強敵の怪人が出てきたというくらいだ。
現に、堕天使のある特撮の悪役大好きの幹部が彼のスカウトに動き出しているって聞いている。
確かこの方はだらける為に優秀な眷族を探しまっており、当然彼にも目をつけた。兵士の駒一個で彼をスカウトしたらしいよね。
でも、実際は兵士の駒一個どころの相手じゃなったみたいだよ。
別の意味であの人は規格外だ。
「はあ・・・これでだらけられる・・・。彼の事だからこの逃走も軍略を鍛える為に生かしている節もあるのが悔しいけど。」
「うん・・・でも今回は先手を取られているみたいですよ。」
「へっ・・・げっ!?」
僕は指を指すと・・・コウモリ型の機械、バットショットが窓の外に立っていた。
「そうことだ・・・わりいな。」
そしていつの間にか翔太郎さんが来ている。
「そっちも大変だね。これも依頼なのかい?」
僕の言葉に翔太郎さんは苦笑する。
「まあ・・・あの戦闘の後で疲れているが、おやっさんの頼みは断れねえ。あと呼び捨てでいいぜ。こっちもそう呼ぶし。」
「イッセ―君繋がりでね。翔太郎君。」
「おう、渡。」
翔太郎君と呼ばせて貰うようになって、彼ともコネが更に深まりそうだ。
しかし・・・彼もおやっさんに世話になっているのか。
彼の出現にあの軍事顧問の彼は悲鳴を上げる。
「他の魔王眷族を使うのは反則だって!!しかも君は調査や人探し、情報戦に至っては冥界随一じゃないか!!こっちもたまに調査をお願いしているくらいだし!!」
流石探偵。そのスキルは本当に冥界の為に役だっているね。
「はははは・・・まだまだ甘いぞ!!ファルビー!!それとタン二―ン、送ってくれてありがとうな!!」
「いやいや、何時も世話になっている礼だ。背中くらい何時でも貸してやる。」
そこに豪快な中年のおじさんがカフェのドアを勢いよく開けてやってくる。
カフェの外にはドラゴンがいる。確かあれは最上級悪魔の・・・。
「さあ・・・つかの間の自由は楽しんだか?タンニーンが誰かから貰ったすごい酒があってな。その試飲会と販売の打ち合わせをしたい。」
彼が・・・あの有名な立花のおやっさん。
色々な意味で世界最強のトレーナーにして、最高のオーナー。
冥界の上層部すらかなわない別の意味で最強の兵士にして、転生悪魔最強の出世頭。
確か、異様な速さで最上級悪魔までのぼりつめていたっけ・・・。
「いやああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
怠惰が好きな魔王の悲鳴がカフェに響き渡った。
そうだね。彼ともコネを持っておこうか。絶対に役に立ちそうだし。
「むぎゅう・・・かわいい・・・。ロリ妹系の萌え成分を補充しながらあの方を探すわよ!!」
「苦しい・・・助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ。」
おっと、セラフォル―様に抱きしめられるオ―フィスを助けないと・・・そのままどこかにいってしまったし。
立花のおやっさんに引きずられ、もう一人の魔王様も消えたか。
サーゼクス様の方を見ると苦笑しながらお手上げしているし、ダンテ様は大爆笑。
天の道の人は我関せず。全然気にしていない。
確信したよ。
これが魔王様達の日常なんだね。
兄さん・・・僕は今立派にファンガイア族の外交を務められているかな?
思ったよりも魔王様達のキャラが濃すぎて少し持て余しています。
みんな良い人達だけど。
「はあ・・・ここはどこだ?嫌な予感から逃げて来てここに付いたけど。」
そこに・・・あれ?何でサイガ君がやってくるの?
「おお・・・渡!!良かった。これで帰れる。」
見事なくらいに彼女と入れ違いだったね。狙っていないかい?
「ほう・・・彼が?」
「セラちゃんには悪いけど会えて良かったぜ。」
「?」
サーゼクス様とダンテ様は興味深々で彼を見ていますし。
「こいつもイッセ―の友達かい。調査依頼も来ていたからちょうどいいか。少し話をいいか?」
翔太郎君はイッセ―繋がりの彼を見て呆れている。
「だれ?」
本当に忙しいよ。でも・・・この繋がりは絶対に生きてくる。
僕はそう確信しているよ。
そして、オ―フィス。
待っていてね。すぐに助けにいくから!!
よくわかんないけど、彼女が探し求めていたサイガっていう生贄はここにいるんだし!!
「セラの場所なら今・・・。」
いつの間にか現れたグレイフィアさん・・・あなたは本当にできる人です。今すぐ教えてください!!
SIDE イッセ―
色々とあった結婚式から数日たったある朝。
俺達はそろって朝食をとっていた。
何故か部長も一緒に。
「・・・どうして?」
『・・・・・・・。』
その疑問に誰も答えはくれない。
――――――聞くだけやぼってものだ。
――――――そうそう。いや・・・これでじっくりと腰を据えて話ができるわ。
俺の中のドラゴンズも呆れているだけだし。
まあ・・・端的に言えば部長も一緒に住む事になったのだ。
親達は既に説得済み。
そして、何故か部長の実家からも後押しされているみたいですね。
「・・・アーシア。私も一緒に頑張るわ。」
「はい!!お姉様!!」
あれ?いつの間にか二人は団結している?
「ふう・・・出来れば教育に悪い事だけはしないでね。一緒に寝るくらいなら許します。」
キリエさん。先生としてそれはいいのですか?
「ははは・・・でもこうなったらとことん協力します。」
「はいにゃ。こうなったらとことん付き合っちゃる。とんでもない男になるのは確定だから。あと何人増えるやら・・・下手したらあんたの眷属女子全員かもねえ。」
「黒歌、それはシャレにならないから。」
えっと・・・訂正。家に住む女子共が団結している?
しかも俺を見ていますし。
「家の改装またしないといけないわね。」
どうしてこうなったの!?
「うぃ・・・はあ・・・さて、修行のメニューを考えないと。サイガ、魔戒法師のあれも教えてもらえないかい?参考にしたい。」
ハルトは食べながらも、眼前に現れたディスプレイにて何やら考えている。
「あれは参考になるかな?まあいいよ。」
サイガも一緒になって考え込んでいる。
「なにやっているんだ?」
「いや・・・レイちゃん以外に弟子が三人もできたから、訓練用のメニューと指輪の開発をね。」
弟子!?
「前の騒ぎで、ライザ―さんとレイヴェルさんが魔法使いに覚醒しましたから。」
レイちゃんの言葉で思い出したよ。そういえばあの二人は絶望を乗り越えて・・・自力でファントムを抑え込んだ。
それで魔法使いになる資格をえたらしい。
そして二人は魔法使いになる決意を固めたようだ。
「ライザ―が妹の分まで土下座して頼みにきてね。流石に断れなかった。元々魔法使いと言うだけでも何かしらの事は教えようと思っていたけど。」
あいつ・・・妹のためにも頭下げたのか。しかもトラウマ的な相手を前にしてか!?
本当に色々と根性つきやがった。
「目標も高い。何しろ・・・。」
ハルトが何故か俺を見ます。
「今度は君と戦って勝ちたいっていっていたからねえ。」
「・・・はい?」
あっ・・・そう言えば再戦の約束をしていたよな。
「段階が進めば、今度はドライバーも考えないと。総督とも相談だな。」
そうか・・・これは色々と手強そうだ。
多分今度闘う時は前のように一方的にはいかないな。
「ん?三人?後一人は?」
もう一人弟子がいるよな?
二人は分かったけど、もう一人は?
「また紹介するよ。同じ学校だから。でもあいつの生まれ変わりに会うなんて思いもしなかったよ。他にも魔法使い候補もいたから・・・どうなることやら。」
「?」
「あと、ハル君。大事な話がある。あとでいいかな?」
渡。真剣な顔をしてハルに声をかけている?
「なんだ?」
「ファイズの件でね。彼の延命に関して朗報があるよ。」
「!?」
渡の言葉に今までない程に驚きまくっているハルト。
「外交問題になりそうだから、父親と話をつけたい。」
「なんでお前がその件を知っているのか疑問だけど、分かった。聞かせてくれ。」
ハルトは気を取り直して、その話にのるようだ。
何故か二人とも俺を非常に気にしているそぶり?
「・・・はあ・・・。」
一方ネロは落ち込んでいやがる。それを鋼兄が必死で慰めているし。
「レッドクイーンとブルーローズ・・・・。」
「元気だせとはいわん。だが、もうすぐ直ってくるだろうが。」
確かあの戦いで・・・俺の生み出したヤミ―によってあいつの武器が破壊されたっけ。
途方もなく頑丈なあれを壊す辺り、我ながらすごいの生み出したわ。
責任を感じていたところ、グレイフィアさんが修理すると言ってきたのは記憶に新しい。
そんな時・・・魔法陣が唐突にあらわれ、そこから何かが届く。
「おっ・・・もしかして・・・。」
それはグレイフィアさんからの贈り物である。
リビングの床に落ちたけで亀裂が?
もしかしてものすごく重くないか?
「・・・えっと・・・何?」
ネロが駆け寄るのを見ながら、俺は添えた手紙を見る。
―――――修理ついでにギルスの力に耐えられるように冥界の最新技術を持って魔改造させてもらいました。
・・・・・・・・・。
えっとだ。
冥界の技術で魔改造?
「なんじゃこりゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
ネロの絶叫に振り返ると・・・あいつの手に変わり果てた元レッドクイ―ンの姿。
赤い刀身は変わらないように見えて、メカっぽくなっている。なんかバイクとかのエンジンを思い起こさせる。
持ち手がバイクのアクセルみたいになっているのか変わらねえが・・・。
―――――――命名・・・アクセルクイーン。約六十キロの重さですが根性で振り切ってください。
グレイフィアさん。
その説明のどこから突っ込んでいいのかわからないぜ。
六十キロって人間が使う武器の範疇を完璧に超えています。
だが・・・ネロ。流石だぜ。それを片手で当たり前のように持っていやがる。
――――スチーム
――――エレキ
―――ジェット
三つのガイアメモリが付属されている。
そして、もう一つ。
これもまた変わり果てたブルーローズの姿。
銀から青く変わった大型化している上にリボルバー部にメモリが挿し込めるようになっている。
共通しているのは弾丸を発射する口が上下と二つあることくらいか。
「・・・げっ・・・原型がまったくねえ・・・。」
―――――カノン
―――――スプラッシュ
―――――スナイプ
―――――ボム
―――――バルカン
こっちには五つもメモリが添付されている。
―――――命名・・ローズダブル。反動は以前の倍ですので気をつけて過激に華麗、派手に使ってやってください。
どうやったら気をつけて過激、そして華麗にかつ派手つかえるの?むしろそこを教えて欲しいわ!!
―――――――なお、二つともマニュアルはないので、試行錯誤してください。かなり乱暴に扱っても問題ないくらい頑丈でし、剣はもちろん、銃その物も盾に使えるほどに超絶頑丈です。
・・・・・・雑だ。あまりにも説明が雑過ぎる!!
――――――ごめんなさい。修理をお願いした方がそのまま何も言わずに渡されたのでどんな機能があるのか私もわからないのです。あとで私がしっかりとその連中をとっちめておくのでその際に必ずマニュアルは送らせます。
訂正。
苦労していますね。グレイフィアさん。
じゃあこの説明もただやけくそなだけか。
結構あなたも愉快です。
――――――なお、あなたにこのガイアメモリを託します。後に対応する物を送る・・・いえ蹴り倒してでも必ず送らせるのでもう少し待ってください。
最後に添付されているメモリは・・・。
―――アクセル。
これって・・・間違いなくガイアメモリだよな?
「部長。あとでグレイフィアさんに連絡を頼む。」
「えっと・・・もしかして・・・。」
「せめて一緒にとっちめたい。」
あまりの衝撃に打ちのめされているネロを慰めつつ、何か動いているなと思う俺であった。
呑気にそう思う俺であったが、それが三つの再会に繋がる事に俺はまだ知らない。
一人はある兄妹
そして後二つは・・・。
「嵐が近いかな。」
サイガがあくびをしながら唐突に告げる。
何となくだけどそんな感じがする。
そしてそれは現実となるのであった。
SIDE???
『久しぶりの故郷きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
ある街の駅である兄弟が揃って叫ぶ。
「ここがお前達の故郷か。」
「へえ・・・案外普通なんだ。」
そのあとに続いてまた二人。
「久しぶりだぜ。イッセ―の野郎元気にしているかな?」
そろって叫ぶ二人の一人はリーゼント頭の青年。
もう一人は栗色の髪をツインテールにした美少女であった。
「元気に決まっているって。あのイッセ―だよ。」
「何だろ・・・君達の幼馴染に会うのがすごく怖いよ。姉さん?」
この暴走兄妹の幼馴染も絶対に普通じゃない。
僕はそう確信しているよ。
「ふむ・・・これが和のお持て成しというものか・・・。武士と言う物がいたら是非手合わせを。」
ああもう・・・相変わらず姉さんは脳筋だよな!!
もう一人の水色のショートヘアの彼女は孤児院でこの世界で僕の姉代わりに当たる人だ。
すごく強い。
でも・・・お馬鹿だ。残念なくらいに・・・。
あの二人といい勝負だよ。
「三人とも目的を忘れないでよ。」
ああもう・・・この世界の神様!!
なんで僕がこの三人の引率をしないといけないのですか!!何時もいつもコントロールできるのはお前だけだって言っていやがるし!!
教会の暴走最終兵器共(ノンストップ・オーバーキル・リーサルウェポンズ)ってこの三人は言われているんですよ!?
そこに何故か僕も含まれている事に憤りを感じる。
まずツッコミが足りない。
グリセルダ姉さんもお手上げのこのメンバーを僕一人で何となするって無茶すぎる!!
・・・・・・何とかするしかないけど。
―――――本当にこの世界でもついていないな。良太郎。
君の慰めを聞くって・・・ホント丸くなったよ。
この街では何が起こるのやら・・・。もう何が起きても僕は驚かないから。
ああ・・・不幸だ。
最後に出てきた連中はだれでしょうか(多分モロバレ)
彼らが次の話で大暴れします。
なんかとんでもない四人組になって増したが・・・後悔はなし!!
できれば今年が終わる前にもう一度更新したいです。