さて・・・連続投稿第一弾です。
SIDE イッセ―
さて、俺の家には教会のメンバーに加え・・・携帯で呼び出した木場達もいる。
「飯の代金代わりっていったら難だけど、俺達にも手伝わせろ。」
「へえ・・・いいぜ。」
『おい!!』
俺が弦太郎に頼むと、何故か弦太郎があっさりと認める。
「いいのか?」
「いいも悪いも、人手が欲しい。それに木場のこともあるだろ?」
「僕の事まで考慮しての返事なのかい?」
すでに木場を呼び捨てにしている辺り・・・かなりの大物だよ。
「回収に至っては砕いても問題はない。教会からもそのように依頼を受けている。」
ゼノヴィアも肯定しているし。
「はあ・・・いいのかしらねえ?」
「教会からしたら保険の意味で砕いても問題ないって言っていたから。それを弦太郎は拡大解釈しているだけだよ。でもまあ・・・いいと思うよ。」
良太郎も木場を見て頷く。
「いよいよだな。お前の悲願。」
「・・・・・・頑張ってくれ。あの技を実戦で成功させれば、もう・・・君はあの剣を極める事ができる。」
「・・・ああ。」
「俺も同じだ。」
二人とも修行の成果はあるみたいだね。
「姉様と義兄様が行方不明。それも探したい。」
小猫ちゃんも参戦。鋼兄と黒歌が何故か帰ってきていない事を心配しての参戦だ。
アーシアとキリエ姉さんも会議に参加している。
「それで・・・なんで俺達までこの場にいるの!?」
「エクスカリバーってやつに興味があって来たのはいいが・・・。」
そこに今回は匙と仁藤も参加させたぜい!!
「全く・・・イッセ―も強引だぜ。」
「まあ、部長と会長にある事を引き受けることを条件に捜索の許可はもらっている。お前達も聞いているだろう?」
「・・・・・・それならいいけどよ。」
会長は厳しい方らしいけど、クレアの言うとおり、交渉してみるもんだぜ。
いや、これが本当の悪魔の交渉。
しかし条件がねえ・・・。
俺はサイガを見る。
「なっ・・・何?なんか視線に・・・恨みや嫉妬が感じられるけど?」
「いえいえ。なんでもありませよ。そう・・な~んでもないっていったら何でもないから。」
「?」
この・・・大罪人が。あんなうらやましけしからん事になっているなんて。
冥界一の美少女、あの会長の姉様に惚れられて?
それで冥界で大騒ぎになっているなんて。
ははははは・・・なんだよ。何処のラブコメだよ。
ははははは・・・あーははははははははははは・・・・・・。
うん・・・決めた。
・・・・・・絶対に責任取らす。
死んでも無理やり蘇らせて責任取らす。
とっとと堕とされやがれ。
『・・・・・・。』
その条件を聞いていた匙と仁藤も同じような視線をサイガに向けていやがるし。
「なっ・・何?自分・・・なんか悪い事をしたの?」
サイガは全く自覚していないのが腹立つぜ。
こっそりと他の連中にも手を回しておくように頼まれているしな。
任せてくれ。きっちりミッションをこなします。
まずはキリエさんかな?それに小猫か。
ここを押さえればネロと鋼兄、シスコンな黒歌も同時に抑えられる。
ひひひひひっ・・・逃げ道を塞いでやるぜ。
部長。俺は今から悪魔になります。お任せを。
―――――ふふふ・・・これで最大の障害はなくなった。
クレアいわく、外堀を埋めていくのに好都合って、はあ・・・。
――――哀れな。相棒をこんな形で攻略していくなんて。
―――そろそろあなたにも責任を取ってもらおうかな?私も子供が・・・。
―――えっと・・・まだ俺は独身生活を楽しみたいなと・・・。
―――何時までそれが持つかな?私の目的はもうすでに分かっているのに?
「・・・・・・。」
こいつら、頼むから俺の中でそんな話をするな。はあ・・・
「ドライク。いい加減捕食されてくれ。」
クレアの事だ。この事もすでに戦略の内なんだろう。
俺の交渉も、クレアが進めてきたことから察するに、クレアと会長、そして部長は最初からグルだった可能性が大だし。
悪いがドライク、諦めてくれ。
もう止める気が失せた。これすらも計算済みだろうけど。
―――相棒!?
―――ふふふ・・・計算通り。さあて許可が貰ったので・・・美味しく頂こうかな?
―――待て・・・待ってくれえええええええええっぇぇぇ!!
あ―聞こえない。聞こえないったら聞こえない。
「どうした?なんか変な顔をして・・・。」
まったくリア充共が多くて困るぜ。あれ?涙が・・・。
「すまん。俺の中のドラゴンどもが愉快なことになっていてな。」
「お前も大変だよな。」
弦太郎の優しさが身にしみるぜ。
「なんか分かるかも。」
良太郎に至ってはどうしてか、同意が来ているぞ?
「いよいよ動くのね。」
そして、その場にユウナ様まで!?
「私も参加させてもらうわ。あの剣に因縁があるから。」
そう言ってユウナ様は動くとともに何かの甲高い音が部屋に響き渡る。
「へえ・・・良くなったじゃないの。」
いつの間にか槍を手にしたユウナ様。
同じようにいつの間にか剣を作り出した木場。
二人の武器がぶつかっていたのだ。
速過ぎて見えなかったぜ。
「これなら任せてもよさそうね。」
「・・・あなたの目的は。」
「あなたに聖剣を砕いてもらう事。それだけよ。そう言う意味ではサイガ君と同じ目的ってことになるわね。」
「・・・やっぱりか。」
二人は分かりあっている様子。
「父様から話は聞いていた。まさかかと思っていたけど、そうか・・・立派になったね。」
「私もそっちの武勇はいつも耳に入っているわ。すごいじゃない。」
二人はがっちり握手。あれ?知り合いなの?
「サイガ君。彼女は・・・。」
木場はユウナの事を聞こうとするが、止める。
「いや・・・信念を共にするのなら問題ない。よろしく頼むよ。あの時、あなたが僕を叩きのめさなければ、このような力を手にすることはできなかった。」
木場は彼女に手を差し伸べる。
「ありがとう。そして・・・よろしくお願いします。」
「ええ。叩きのめした甲斐がありました。」
ユウナ様もその手を取り、二人で握手。
「えっとだ。わりぃ・・・。」
「いい加減エクスカリバーと木場の因縁を教えてくれ。一体何がどうなって・・・。」
事情が全く分かっていない二人に俺達は木場がどのような目にあったのか話す。
『うおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉっ!!』
えっとだ。その結果、二人とも号泣して進んで協力してくれる事になったぜ。
「みなまで言うな。俺達も力を貸してやる。」
「ああ・・・何でも言ってくれ!!」
いや・・・本当に熱いな。ここまでの反応は流石に・・・。
『・・・・ああ・・・こいつらもイッセ―と同類か。』
なんだよ!!こいつらが俺と同類ってどういう事だよ?!
「本当に無駄に熱くてお人好しって意味だ。まあ・・・俺も少し似ているかもな。」
ネロの言葉に皆が笑う。
お前も十分熱くてお人好しだよ。
「じゃあ・・・動こうか。アーシアちゃんとキリエさんは怪我人の介護をお願いします。」
そういえば・・・この家にいる怪我人って誰だ?
俺まだ会っていないぞ?
何か差し入れに行こうとしたらアーシアが代わりに持っていくし。
「えっと・・・また紹介します。」
何かあるのか?なんか・・・変な感じがするんだ。
なんかこう・・・久しぶりの奴にあうよな。
会えないはずの奴がそこにいるような?
「えっと・・・とりあえず行きましょうか。」
俺達は何故かアーシアに促される形で動き出す。
SIDE 良太郎。
さて・・・うまく木場君と一緒に行動できるようになった。
彼は契約をされている。本人が自覚していないうちに何とかしないと。
「さて・・・予想通りお前は木場をずっと監視しているな。」
その隣にネロ君がやってくる。
予想通りって・・・言ったよね?どうしてそれが分かったの?
「一つ聞かせてくれ。木場にお前達と同じような変な力が見えるが・・・それが何か知っているか?」
「えっ?」
「まあ・・・俺もちょっとした異能付きでな。あんたとゼノヴィアと同じ力が木場から発せられている。以前はなかったのに少し前からな。おまけに言うと前に学校を襲ってきた怪人と同じだったぜ。もしかして、あいつらって人間と契約するか何かしているんじゃないか?」
嘘・・・。この人イマジンを見破っているのか?
流石に僕もこれには驚いたよ。
イマジンという存在を認識している。そして、その性質を見抜きつつある。
―――良太郎。話すべきだぜ?下手な知識がないよりも・・・。
「へえ・・・それがあんたの中にいるイマジンってやつか。」
声まで聞こえますか。これは降参するしかないか。
――――他にもいるけどね。
―――大したあんさんやで。
―――すごいよね。こんな形で僕たちの正体に気付くなんて。
――――うむ。下々とは言え感心するぞ。
「・・・えっと。想像してはいたが、かなりキャラが濃いな。」
「ははは・・・そのようだね。はあ・・・。」
―――オーナーからも許可はもらっているぜ?何しろ目の前にいるのはギルス。時の力にすら干渉出来る相手故に、知っても問題ないってさ。
「ギルス!?」
それってこの世界の神話にもなっているあの神殺しのアギトの一種?神話でも不完全故にすぐに死ぬって。
「色々あって完全体のギルスだ。ついでに言うと俺達のメンツの中にアギトが二人いる。」
「アギトがって・・・あっ。」
言われてみれば心当たりが二人程いる。
「そうか。みんなの中心に立っている彼と・・・聖女か。」
特に聖女な彼女は力という意味では強い。そして彼。多分戦闘力だけなら・・・。
「ずいぶん勘がいいな。それで、あんたは何もんだ?教会に所属しているけど何か違う気がする。なんかこう、違う世界にいるような・・・。」
違う世界にいるような・・・か。なるほど、彼は素晴らしい目をしている。
ははは・・・負けたよ。本当に。
「・・・アギトって無駄に鋭いか。いいよ。信じてもらえないかもしれないけど僕も君に事情を話す。でも・・・。」
僕はこの世界で貴重な協力者を得ることになりそうだ。
「この話を知るって言う事は、君はこの世界の時間の流れを守る戦いに巻き込まれるってことになる。その覚悟はいいかい?」
「ハッ・・・それこそ今更だ。」
「そうか。なら話すよ。そして、彼を気にかけて欲しい。何しろ彼はイマジンと契約している。それも本人が気付かないうちに。このままじゃ・・・彼の時間が危ない。」
その覚悟に笑みが消える。
あれ?おじげついたの?
「・・・・・・むしろ話せ。あいつの危機なら余計にな。」
むしろ話せって・・・はあ。めちゃくちゃ熱いよ。君。
「それには姉さんがどういう存在かも教えることになるよ。」
彼は教会で禁断の存在とされるギルス。でも、悪じゃない。むしろ危険が無いかを確認するために僕に接触してきたのだろう。
むしろ皆のためか。
十分君も人がいいよ。
良いだろう。信じてみよう。
そうでないと始まらないこともある。
「ゼノヴィア姉さんはこの世界の特異点。失ってはいけないこの世界の時間の要。そして僕の仲間がこの世界で生まれ変わった存在なんだ。」
「特異点?生まれ変わり?この世界だと?それじゃまるでお前は・・・。」
これは誰にも話していない。その理由は二つ。
一つはまず普通の相手なら信じてもらえないから。
もう一つは僕という存在の特異性を知られるのは出来る限り避けたい。
ゼノヴィア姉さんを守るためにも。
「・・・僕は外の世界の出身。君たちがいう異世界で一度死んで、姉さんを守るためにこの世界に生まれ変わってきた。いわゆる転生者さ。そして、彼らは僕の仲間。姉さん憑いているのもかつて生まれ変わる前に契約していたイマジン・・・仲間なんだよ。」
「・・・これはじっくり腰を据えて話す必要がありそうだな。一から説明を頼むぜ。」
僕は彼に話せるだけの事情をすべて話す事になりそうだ。
自分で言うのも変だけど、どうして僕の話を聞いてくれるのか?
頭がおかしいと思うような事なのに?
「それだけの根拠がある。普通なら信じられない事でも・・・こっちが目で見たモノを信じないわけにはいかねえだろ。」
君のその力の目覚めは、それまで気付く事がなかった新しい世界の法則を知ることにつながるということだね。
それってつまり、そのまま力が発展していけば・・・。
想像もしたくない事に気づいてしまったよ。
彼は自分の力の特異性にまだ気づいていないのか?時の流れにも踏み込める神のごとき異能に?
全く・・・アギトの力の可能性か。まさに神のごとし。
でもその力をこんな形で使うのだね、君は。
「気付いたけど、君って厄介事に自ら首を突っ込む性質でしょ?」
「ああ。ったく・・・なんでか分からねけどな。」
どうやら・・・イッセ―君以外にも彼ともいい友達になれそうだ。
素直じゃないのと皮肉屋なのがたまに傷けど・・・いい奴だし。
僕は拳を差し出す。
最初は分からなかった様子のネロ君だけどすぐに思い出す。
それは弦太郎がやってくれた友達の証。
それを二人でやる。
「話が本当なら予想外の敵が出そうだな。レイダ―。一応待機しておいてくれ。」
――――あいよ。んん?トルネどうしたの?あっ・・・いやね。
――――へえ・・・だったら私も。ご主人様のために待機しておくよ。なんか今度は面白い壁を越えて行けそうな気がするんだ。
えっと・・・。
喋るバイクと念話で交信する程度じゃ僕はもう驚かないよ。一度死ぬまで色々あり過ぎましたから。
孫と一緒に戦ったり、子供に退行しちゃったりそりゃもう・・・。
転生なんてものも体験しましたし。赤ちゃんで前世の自我があるって本当に羞恥プレイもいいところだ。
あまりに理不尽な目にあってきたのを思い出すと・・・涙が出てくるよ。
「ホントお前って苦労してきたんだな。」
「生まれ変わってもそれだけは変わらない。それに関しては開き直ったよ。」
さて、ここからだ。イマジン達の向こうにはおそらく奴がいる。
すべてを喰らおうとするあいつが。
さて・・・ここでネロが一足先に良太郎の事情をしることになります。
彼の力はそれだけ大きなものです。
それともう一つ。
ついにサイガの最終防衛ラインの要であるイッセーが落とされました(笑)
こっちはもう・・・諦めるほかないでしょう。