次話のエピローグで三章はついに完結です。
いや・・・長かった。
SIDE リアス
みんなとっさに防御したおかげで助かったわ。
まるで隕石の落下のごとき轟音。
―――ディフェンド。
「・・・外部への被害は何とか抑えたぞ。でも・・・。」
一撃でグランドがすべて吹っ飛び、巨大なクレーターになっていた。
校舎も完全に吹っ飛んでいる。その余波で彼が召喚した軍勢も殆どが全滅。
「・・・馬鹿げたというレベルを超越していますね。」
ソーナも変身を解除しながら呆れかえっている。
『・・・・・・・・。』
匙と仁藤は空いた口がふさがらず。
「えっと・・・すいません。」
『やり過ぎだ馬鹿!!』
とんでもないことをやってくれたイッセ―を皆でドつく。
「・・・・・・・。」
一方のコカビエルは奇跡的に生きている。どうも彼が言うに、必殺技をまともには命中させていないらしいのだ。
律義にハルトの言うとおり殺すことはしなかったらしい。
もっとも、その余波だけで完全に戦闘不能ね。
まともに命中していたら存在すら消滅していたでしょう。
「とにかく、こいつは預らせてもらうよ。はあ・・・あと始末どうしたものだか。」
ハルトがコカビエルをイッセ―から受け取りつつ、跡形も残っていない校舎を見てため息をつく。
「ふふふ・・・ふははは・・・・負けた。この私が負けたか。」
コカビエルが意識を取り戻したうえで告げる。
「だが・・・このままで終わらぬ・・・ふははははははははは!!」
その笑い声と共にグランドの上にそれは現れる。
「ザボエラ!!使わせてもらうぞ!!黒の核晶(コア)を!!」
それは透明の水晶に覆われた禍々しい黒い球体だった。大きさは軽く見て、直系四十センチはあるだろうか。
それを見たイッセ―の顔色が変わる。
「お前・・・なんてものを!!」
なんなのあれ・・・。
「大陸すらふっ飛ばす禁断の兵器。まさかここで使うつもりなのか!!」
黒の核晶が胎動する。
「止めないと・・・街どころか日本列島その物が消滅する。」
そんな危険な物なの!?
「ぐっ・・・速く氷結を!」
―――――氷結呪文(マヒャド)!!
ポルムが凍らせようとしてするが・・・それが周りに展開された結界に阻まれる。
「ぐっ・・・弱点が改良されているなんて・・・。」
だったら私の滅びの力で・・・。
「ふははははは・・・・・・吹っ飛べ!!」
だが、一歩遅かった。
黒のコアが光輝く。
そして、その光が私達を含めた総てを飲み込んでいった。
SIDE ???
私はその光景をスローモーションでみていた。
やっとみんなが笑いあって勝てたと思った。
みんな守れたと思った。
でも・・・それをあれは理不尽にぶち壊そうとしてくる。
みんな・・・ようやく手を取り合って笑えるようになったというのに。
私は皆を見る。
皆・・・私の大切な家族。
そして・・・ネロ。
私の愛しい人。
もう・・・これ以上私の大切な人が消えるなんて耐えらない。
お願い・・・皆を守る力を・・・助ける力をください。
神様がいなくても・・・私は祈られずにはいられない。
助けたい・・・みんなを・・・守りたい。
―――――その言葉を待っていました。
その言葉と共に、私の頭の中に声が聞こえてくる。
―――今こそ、あなたの中に秘められし力・・・解き放ちなさい。
それは、私そっくりの女性の姿だった。
SIDE ???
私は遥か上空にて厖大な光が発動される瞬間を見ていた。
総てをふっ飛ばす黒の核晶の光。あれに巻き込まれたら神ですら助からない。
「牙王・・・お疲れだったな。」
「俺の船に勝手に乗り込んでおいて良い身分だな。井坂。ザボエラ。」
「キヒヒヒヒ・・・でも、これで邪魔なアギトは終わりますよ。」
私の後ろではザボエラもじっくりと状況を見ている。
それに北崎までいる。
私がいるのは時を渡る船。いや、一度壊れたその船を我々の技術でガオウライナーと融合させる形で完成させた船。
その名も時を喰らう船。
「お疲れ様です。」
皆はボロボロだ。流石にあの連中を舐めていたようですね。
「せっかく見つけた五人目も終わってしまう形になったな。」
「さすがにそれは残念です。でも・・・邪魔なアギトを消すことができただけ儲けものだと思っていますよ。」
あそこまでの力を身に付けたアギト。
前世の因縁である連中と共に葬ることができたのは僥倖。
そう思っていました。
だが・・・光が止むとともに予想外の光景が広がっていた。
「どうなっているのです!?なんで消滅していない!?」
それは全く無傷の日本列島の姿。
日本列島だけじゃない。拡大して見ると・・・。
「さすがだ。まだまだ喰らい甲斐がある連中みたいだな。」
牙王が笑う。
それは・・・無傷で立っている皆の姿であった。
そして、彼らを守った存在がそこにいた。
SIDE ネロ
俺は今、信じられない光景を見ている。
「キリエ?」
黒の核晶の破壊力は一度見ている。それに巻き込まれているのに無事だったのだ。
その理由は・・・キリエだった。
白銀の鎧を纏い、黒の核晶に向けて盾を向けていたキリエ。
頭の上には天使の輪っか。
背中には・・・。
「十二枚の・・・翼?」
白い十二枚の翼が生えていたのだ。
「そんな・・・馬鹿な。熾天使クラスでもないかぎり、十二枚の翼など・・・。」
十枚の翼を持つコカビエルが狼狽していることからしても、尋常ではない事態が起こっているのは間違いないようだ。
「・・・あれ?私・・・。」
しかもその姿は・・・おそらくキリエの神器の禁手化によるものだった。
「まじかよ。あれを防ぎきったのか?」
ダンテですら唖然茫然していることからしても・・・。
「・・・はあ・・・。」
そして、キリエはそのまま落下。
それを俺は受け止める。
「なんか・・・疲れました。でも・・・みんな、守れたよ。」
「ああ・・・。じっくりと休んでおけ。」
何が起こったのかわからねえ。でも、これだけは確かだった。
「ありがとうな。キリエ。」
「・・・うん。」
キリエのおかげで助かったということに。
SIDE イッセ―
「こんなことが連続で起きていいのか?」
もう叫ぶ気力すら失ったコカビエル。精神的に打ちのめされている。
倒れたキリエさんは意識こそある物のすごく疲弊している。
「ぐっ・・・お前らを完全に見誤ったという事か。」
「無様だな・・・コカビエル。」
そこにそれは現れる。
白い鎧を纏ったそれが・・・。
「ヴァ―リか。」
――――――んん、この気配は!!
その姿に俺の中のドライクが叫ぶ。
「そして、初めましてというべきかな?宿敵にたりえる赤龍帝。いや・・・神殺しの龍。」
「久しぶりだな、白いの。」
デフォルメモードになったドライクがヴァ―リに声をかける。
「やはりお前か、赤いの。」
そしてヴァ―リの方からも白いデフォルメ化したドラゴンが現れる。
『・・・・・・。』
そして、互いに無言。お互いのデフォルメ化した姿を見て固まってしまったのだろう。
あれ?ということは・・・。
「そうか。お前にもいるのだな。」
「そういうお前の方にもか・・・。」
「アルファの予言が当たるなんてね。そこにいるんでしょ?ベノ。」
「ふふふふふ、アルファに会ったんだ。でも、私が白龍皇なら、あなたが赤龍帝だなんて本当に面白い縁ね。」
ミニチュアサイズのクレアに応じて現れたのは、紫色のコブラみたいな蛇だった。
向うもクレアと同じミラーワールドの住人がいる。
だから白龍皇・・・アルビオンがドライクと同じデフォルメ化しているのか。
「そうか。ますます面白い。ここまで互いに互角の力をもっているなんてね。」
白龍皇・・・ヴァ―リが禁手化を解く。
そしてその鎧の下から現れたのは・・・。
「白い・・・アギト?」
それは頭の角がまるで三日月のようになっている白いアギトの姿。
「あなた・・・。」
クレアの驚きに、ベノは笑う。
「しかもお互いにアギトを主にしているなんて、分からないわ。」
「・・・お前。アギトって・・・。」
それを見たハルトが驚いている。
「すまない。これはとっておきでな。力に目覚めたのもつい最近なんだ。まあ、君達の幼馴染が僕と同じアギトって知ったから、僕もあえて明かした。」
「お前がオルフェノクの因子を持っているのは知っていたけど・・・アギトの因子も持っているって・・・。」
巧ですら知らなかった事か。その前に、あいつがオルフェノクの因子を持っているだと!?
ネロを見てみると、頷いている。
「ミラージュアギトというらしい。古い文献にでてきた。」
俺は緊張を隠せない。
何しろ目の前には白龍皇がいる。
ドライクの話から察するに、歴代の所有者達は互いに血で血を洗うような関係にあったらしい。
それがアギトとして現れるなんて・・・。
だが・・・。
「だがよかった。巧、お前が生きていて。」
「お前らしくもねえ。まあ・・・何とか生きている。」
ヴァ―リは巧の心配をする。敵意そのものはまったくないだと?
こっちもそんな気はないが・・・。
「本当だ。これで安心してあの話を進めることができる。」
「ああ。後でお前のアギトとしての力も確認させてくれ。まったく・・・こんな短期間にアギトが四人も・・・。」
ハルトとヴァ―リが仲良さげだし?
「・・・他にもいるのか、ってそっちがギルスか。珍しい。」
「分かるのか?ほう・・・。」
ヴァ―リはまずネロに気付く。
「そして・・・君か。」
そのあとにアーシアにだ。
「こっちとは違う方向に進化している。戦うべき相手ではないのは分かるが興味はある。」
今すごい状況になっていないか?
アギトが四人もいるって・・・。
ヴァ―リが俺の方を見る。
「挨拶がわりに手合せ願いないかな?赤龍帝。」
そして、挨拶がわりに戦闘を挑まれた!?
巧が呆れかえっている。
「・・・お前な。」
「なんか予感がするんだ。ずっと求めていた生涯競い合うライバルを見つけたと。親父殿が言っていた自分の人生を変えるような相手、それが見つかった気がする。」
いきなり生涯のライバル宣言されたよ!?
「お前の直感は外れた事がなかったな。それもアギト故か?」
「多分そうだよ。そして、この力に僕はすごく感謝している。運命の出会いが分かるから。」
本当に仲良いな。お前ら。
だが、運命の出会いって言うのは勘弁してくれ!!
女にもてても、男にもてて嬉しくも何ともねえ!!
「はあ・・・お前のバトルジャンキーが始まったか。」
「頼むから今は自嘲してくれ・・・・いいかな?」
だが、それを止めてくれたのはハルトだった。
彼は笑っている。でも・・・、その笑顔が怖い。
「はあ・・・分かったよ。君だけは色々な意味で敵わない。こっちが戦いたくない数少ない相手だよ。」
大人しく引いてくれる。バトルジャンキーでアギトなあいつが戦いたくないと言わしめるほどの実力って・・・。
「戦うならお互いに万全の状態がいいだろう。イッセ―は過去に行ったり、色々な再会と激闘で疲れている。求めに応じて場所と時間はこっちがセッティングするから・・・。」
「話分かってくれる。流石ハルト。三日間捜索しっぱなしで流石に疲れている。」
っておおおい!!?
「正直、興味があってね。二天龍が揃うのは初めて見たから。まあ、最悪殺し合いになったらこっちが止めてやるから安心しろ。」
『・・・・・・・。』
二体のアギトの激突を止める自信があるというのか?ハルトよ。
「全く相変わらずだな。お前がアギトという事に驚いたが。」
鋼兄もヴァ―リと知り合いなのか?
「さらに強くなったか。軽く見積もっても、主神クラスの力になっている。まだまだこっちも頑張らないとな。あなたはこっちが勝ちたい目標のひとつだ。」
「やれやれ・・・まだまだこっちも精進しないと。」
こっちも仲が良いのかい。
「それと、イッセ―をライバル認定か。その眼力は流石だが気をつけろよ?こいつは何をしでかすのかこっちも分からない上に、驚異的な爆発力を秘めている。敵として戦うには一番嫌な相手だぞ?」
「上等。むしろ楽しみだよ。」
ああもう、訳が分からない。
「面白いことになっているな。ヴァ―リにも生涯のライバルが見つかったというのも。」
そこにもう一人現れる。
「親父殿。」
ヴァ―リは彼を親父と呼ぶ。
「あなたまで来ていたのか。ハドラ―。」
ハルトが彼、ハドラ―に無条件の敬意を払っている。
「あんたまで来るなんて、相当心配させたな。」
巧も同じく彼に敬意を払っている。その巧の背中をその男は勢いよく叩く。
「ふははははは!!分かっているならいい。だが、よく生きてくれたものだ。個人的にもお前の事は気に入っているのでな!!生きる意思の強さがわかるものだ。」
マントを羽織った彼の肌の色は人のそれではない。
「まさか・・・あんたは魔族なのか?それにハドラ―って、アバン先生が言っていた・・・。」
その姿を見たポルムが顔を引きつらせている。
「ほう・・・その言葉久しぶりに聞いたぞ。しかもアバンといったな。知り合いか?」
ポルムの言葉に彼は興味を示す。
「これが答えだ。」
彼は首からあるネックレスを取り出す。
「そうか、この世界にアバンの使徒がやってきているとはな。」
「やっぱりか。かつての魔軍司令殿。」
「お前は何者だ?」
「詳しい話はあとがいいかな?俺は三代目の大魔道士とだけ・・・。」
「!?そうか、お前はあいつの・・・。」
ハドラ―と呼ばれる男がポルムを見てなにかに気付いた様子。
「そうか。世界は広いようで、案外狭いのもかもしれんな。」
「そのようだ。」
ハドラ―とポルムはしみじみとしていた。
あの二人の間に一体何があったの?
「赤いの・・・お前に言っておかないといけない。」
「なんだ白いの。」
一方、ドライクとアルビオンの対談は進む。
「・・・私はもうすぐ父親になる。」
「・・・・・・・・・・。」
その対談の内容が予想の斜め上を行く物だった。
「・・・今何と言った!?」
「あら・・・。」
クレアまで驚いている。
「ふふふふ、待望の子供よ。今は卵だけど。」
お前ら、卵生なのか?いや、ドラゴンだから可笑しくないけどさ。
ベノは二つの卵を大事そうに持っている。
「今回は負けね。悔しいけど、おめでとうと言わせて貰うわ。」
「あなたもがんばりなさいな。」
クレアとベノって本当にライバルなんだね。
ドライクは完全に狼狽しとる。
一方のアルビオンは悟りきった様子だぞ?
「しっ、白いの!?」
「なあ・・・赤いの。昔がすごく懐かしいと思わないか?二人で喧嘩して、それで神器に封印され、そしてまた肉体を得たら今度は父親だ。」
「・・・・・・。」
ドライクさん?完全に固まっていませんか?
「安心しろ。お前もすぐに分かるようになる。」
「ふふふふ・・・そうね。あなたに言っていなかった事があるけど・・・。」
「なっ・・・なんだ?」
「出来ちゃったみたい。一発で出来ちゃった。」
「・・・・・・・・。」
「あら?そっちもなの?」
あれ?ドライクさんが真っ白になったぞ?
そう言えば時の列車に乗っている時こいつら、よろしくやっていたもんな。
「赤いの。気持ちは察するぞ。もう我ら、敵意とかそんな場合じゃなくなった。いつまでもあの時のままではいられないようだな。ああ・・・大喧嘩していたあの頃が懐かしい。」
「・・・・・・・。」
だめだ。相棒は完全にフリーズしとる。
「・・・・・・。」
俺がヴァ―リに視線をやると。
彼は肩をすくめるだけ。そうか、そっちはノータッチなのね。
「なんなのかしらね。今世の二天龍って・・・。互いに子持ちって聞いたことが無いわ。」
部長。それって確実にクレア達がこの世界にやってきたせいですって!!
間違いなくドライク達二天龍はこの世界で最も強い生き物に該当するし。
「姉さん。迎えに来ましたで。」
「ふう・・・。見つけるのに時間かかった。」
そこにデフォルメ化された鋼の装甲に身を包んだ二足歩行のサイみたいな奴と。赤いエイの様な奴があらわれる。
「あなたの弟分も来ていたのね。久しぶり、メタルゲラス。エビルダイバー。」
『久しぶりです。』
そっちも複数契約しているというのか?
「後こっちも妹を見つけたわ。」
「そう言う事。」
クレアの隣にドラグブラッカーまで・・・。
「ほう。無双龍を二体も契約なんて・・・面白いね。」
「成り行きだ、そっちの方がすごいだろうが。三体も契約しているなんて。」
あいつ、三体も契約してんのかい。
「では帰ろうか。ポルムとやら、またお前の元に来るぞ。お前には聞きたい事がある。」
ハドラ―と呼ばれた男はコカビエルを回収しにかかる。
「アザゼルも本気で怒っているから覚悟した方が良い。流石に息子を巻き込んだのはまずかったぞ。まあ・・・その前にもっと怒らせては不味い奴を怒らせているがな。」
「ぐっ・・・くそぉぉぉぉぉ。」
「お仕置きの時間、楽しみにしておけよ。今はそれよりも大事なことがあるから。後でじっくりとやってあげる。」
「ひいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃ!?」
ハルトは大変良い笑顔でコカビエルに処刑宣言。
「まあ、それくらいの懲らしめは必要だということだ。同情はせん!!」
悲鳴をあげるコカビエルをハドラ―がボディブローで黙らせてからその場から転送する。
「はははは・・・本当にどうなるかと思ったぜ。」
そして、巧が変身を解きながら、倒れた!?
『巧!?』
「わりぃ・・・もう限界みたいだわ。」
体から出てくる灰の量が尋常じゃなくなっている?
そんな・・・・。
アーシアがとっさにに駆け寄り回復をかけてくれるがそれでも効果ない。
ドラグブラッカ―を見ても、首を横に振るだけだ。
「親父に伝えてくれ・・・親不幸な奴ですまねえと。」
「・・・・・・。」
ヴァ―リはそれに無言。
「イッセ―・・・。」
「嘘だろ・・・おい!!」
灰を止めようと触るが・・・。
触った右腕が崩れ落ちた。
「ははは・・・だが、もう本当の意味で悔いはない。この街を守れた。お前にサヨナラってきちんと言える。」
「サヨナラって・・・そんな馬鹿なこというな!!」
「まあ・・・本当は死にたくはない。だが・・・出来る限りのことはできた。一番の悔いはもうなくなったんだし。」
その笑みは安らかだった。
「みんな・・・イッセ―の事を頼むわ。こいつ、スケベだけど熱血で、すげえいい奴なんだ。それでいて繊細な部分があるから、皆で支えてやってくれ。」
『・・・・・。』
あいつは残った左手で天にかざす。
「イッセ―、・・・悲しんでも悔やまないでくれ。それが俺の願いだ。お前と出会って、俺は生きる意味を知れた。短くても悔いはねえ。」
「・・・・・・俺は悔いだらけだぞ!!それにまだお前とは。」
涙が止まらない。いや、止められない。
「なあ・・・一つだけ悔いがあるわ。」
巧の身体が灰となって消え前に彼は一つだけの悔いを言う。
「俺・・・まだ夢を見つけていなかったわ。将来、何をしたいのか、みんなが持っているような夢。お前がハーレム王に、そして神の後釜になるといったように、俺もそんな夢を持ちたかったぜ・・・。」
巧は少し涙をにじませて言う。
「今度生まれ変わったら・・・その夢を見つけて、全力で突き進みたい・・・。」
そして、彼は灰になって消えた。
「・・・・・・。」
俺は動けない。
「・・・馬鹿野郎。」
勝手に再会し、勝手にいなくなった幼馴染。
「そんな悔いを残すなよ。夢を見つけたいというのなら・・・もっとあがけよ。それが生きるって意味だろうが。」
涙が・・・嗚咽がとまらない。
「この馬鹿野郎ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
俺の怒号が、辺りに轟いた。
最後の最後でもやらかしてくれるコカビエル。
そして・・・赤と白の衝撃の出会い。
この二体のドラゴンの明日はどこなのでしょうか?
次話がエピローグ。最後の投稿になります。