赤龍帝の幼なじみ達   作:THIS

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 いよいよこの長かった話も一区切りがつきます。

 エクスカリバー編の最終話。

 どうぞ!!


エピローグ 夢を探そう。

 SIDE 木場。

 

 あの事件の後、ハルト君が率いるグレゴリの尽力もあって学校は三日で何とか修復された。

 

 ハルト君は罰ゲーム代わりと、コカビエルの協力した連中の魔力を匙君の黒い龍脈で吸い出して、それを存分に使って修繕していた。

 

 いや・・・もう取りつくしてやるといわんばかりにやってくれましたよ。

 

 彼らが「もう・・許してくれぇぇぇぇ。」といった時にはなるほど、罰だなと納得したよ。

 

 朱乃さんと一緒に、その悲鳴を聞きながら大変いい笑顔で修繕作業していたのはもう突っ込まないよ。

 

 再会した同志達とも学校が休みの間に交流を暖めていた。

 

 みんな、サイガ君と同じ道を歩んでいたことには驚いたよ。

 

 そして妹・・・ユウナが魔王眷属になった経緯もだ。

 

 この学校にはそんなスパーダ眷属が三人いる。

 

 魔王眷属が三人もいるという事が可笑しい事だとは思うよ。

 

 僕がぼんやりと学校の屋上で寝そべっていた時にその一人が現れる。

 

「兄さん、どうしたの?」

 

 一人は我が妹ユウナだ。僧侶の駒を持つ。

 

 顔は僕そっくりで、手足はすらりと伸びている。

 

 スタイルもかなりよく、自慢の美少女になっていた。

 

「いや・・・振り返っているだけだよ。こっちの因縁に一つの区切りがついたから。」

 

 聖剣計画に一つの区切りはついた。

 

 バルパーへの裁きは元老院と教会が相談して決めるらしい。死刑で済ますにはあまりに罪が重すぎる故にだ。

 

 まあ、本人はキンタロスに憑依されて大暴れした反動で腰を痛めたのを初め、全身打撲と重度の筋肉痛で地獄を見ているらしい。

 

 初老の男性に彼の戦い方は相当無茶があったよ。

 

 正直・・・いい気味だとは思った。地味に相手を苦しめている当たりは。

 

 だが、まだ計画に関与した者もいるし、おそらくその計画を引き継いだ者もいる。

 

―――――あなたは真面目ねえ。

 

 僕の傍では小さなデフォルメコウモリと化したダークウイングこと・・・クウがいる。

 

「性分だよ。」

 

「でも、私もそう思うわよ。」

 

 妹の無事も確かめられ、本当に良かった。

 

「おっ、そこにいたのかよ。」

 

 そして、そこに2人目のスパーダ眷属が現れる。

 

 その名はネロである。

 

 何と彼を悪魔に転生させたのはダンテ様だったのだ。

 

 己が持っている兵士の駒を使ったうえでの転生らしい。

 

「おっ・・・私の同僚が来たわ。」

 

「あんたが俺の同僚って、複雑な気分だぜ。」

 

 スパーダ眷属の兵士。

 

 彼は飛んでもすぎる経歴を持っていたのだ。

 

 ついでに言うと・・・。

 

「それとなんであいつが俺の伯父なんだよ!!」

 

 ダンテ様と文字通り血の繋がりがある事も判明。

 

 ネロはダンテ様の兄の息子らしい。

 

 その事実ははっきり言って驚く。

 

 ネロ君・・・君はギルス以外にも色々とすごいね。

 

「今日はカラオケの日なんだからな。あいつのおごりで。」

 

「そうだったね、彼の奢りで。いや・・・ついに同僚が増えたし。」

 

 今日は皆でカラオケに行くことになっていた。

 

 ある方の奢りで。

 

「言っておくが、イッセ―の頼みだからそうなっただけだ。」

 

 ぶっきらぼうな口調の彼がやってくる。

 

 彼がスパーダ眷属の三人目。

 

 つい最近に眷属になった巧君である。

 

「いやいや・・・本当にいい兵士をゲットしましたわ。」

 

 彼はネロ君と同じ兵士。スパーダ眷属二大兵士の誕生だ。

 

「はあ・・・まあみんなによろしくという意味合いも兼ねてだ。お前も行くよな?」

 

「当然。」

 

 彼とは他にも同じオルフェノク。五大ギアの所有者という共通点がある。

 

「ほら行くぞ。ったく・・・すごい大所帯なんだからな。きちんと待ち合わせをしないとだな。」

 

「お前も苦労してんだな。」

 

「はあ・・・お前と同僚とはな。まあ・・・よろしく頼む。」

 

「おう。」

 

 ぶっきらぼうだけど本当にいい人だね。巧君って。

 

「ふふふふ・・・さて、イッセーとも遊ばなきゃ。」

 

 我が妹がイッセ―の名を口にする。

 

 正直複雑な心境であるよ。

 

 何しろ・・・我が妹はやらかしてくれたからだ。

 

 

 

 

 

 それは巧君が灰となって消えた瞬間から始まる。

 

 炎と共に灰となって消えたはずの巧君。

 

「やっぱ、死なすのは惜しいな。」

 

 そこにダーツのように投げられた三つの兵士の駒が入っていき、巧君は助かった。

 

「あっ・・・あれ?」

 

 唖然とする巧君。

 

「・・・はあ・・・もうダンテ様。すでに彼はあなたの眷属入り確定しているのに、意地悪しないでくださいよ!!」

 

 渡君がそこで、水面下で進められていたことを明かしてくれる。

 

 巧の命を救うための動きをすべてだ。

 

「ははは・・・なんだそりゃ。俺の決意って一体・・・。」

 

 巧君はそれを聞いて口元をひきつらせるし。

 

「ああもう!!もう一度いうぞ!!この馬鹿野郎があぁぁぁぁぁ!!」

 

 イッセ―君は巧を抱きしめ、号泣中だし。

 

「ちなみに総督から許可は得ている。むしろもろ手を挙げて賛成してくれたから外交上問題はない。ハルト君のおかげだよ。」

 

「いや・・・でもよかった。間にあって。」

 

 みんなが巧君を助けるために一生懸命だったのだ。己ができることを最大限やり、それで協力出来たからこそ、巧君の命は救われたのだ。

 

「まあ、これでお前は俺の家族だ。よろしく頼むぜ?狼君。」

 

「・・・あっ・・・ああ。」

 

「はあ・・・もう。色々な意味で疲れた!!」

 

 イッセ―君はもう疲労困憊の様子で倒れ込む。

 

 精神的に相当な負担があったみたいだし。

 

「ふふふ・・・それとダンテ様。私のもう一つの目的もいいでしょうか?」

 

 そこにユウナがやってくる。

 

「そうだったな。おいイッセ―。」

 

「なんですか?ダンテ様。」

 

「昔の約束、守ってやれよな。」

 

「昔の?」

 

「ふふふ・・・私のこの姿に見覚えないかしら?」

 

 そう言ってユウナはクレインオルフェノクの姿を見せる。

 

『・・・・・・・・。』

 

 それを見たイッセ―君とネロ君は唖然茫然としていますよ?

 

 良太郎君とゼノヴィアもそうだ。

 

 良太郎君は、そのあと苦笑いを浮かべていますけど。

 

 まるで納得し、この後の展開を見切ったような・・・。

 

「おっ・・・お前あの時の・・・。」

 

「まさか、お前があいつの妹だったのか?」

 

「そうだよ。イッセ―お兄ちゃん。」

 

 ・・・・・今何って言った?

 

 兄である僕を差し置いて・・・お兄ちゃんって・・・。

 

「イッセ―君?これはどういう事かな?」

 

 僕は優しくイッセ―君に質問をする。

 

 優しすぎて、肩に置いている僕の手に凄まじく力が入っているよ。

 

 小刻みに震え、指がイッセ―君の肩に思い切りめり込む位にね!

 

「いっ、いやな。」

 

「・・・俺は知らん。もうどうなるか予知能力なんてなくても分かるからな。」

 

 ネロ君も事情は知っているけど、匙を投げている?

 

 そう言った瞬間・・・。

 

「約束通り、お嫁にもらってください。」

 

 と言ってきて、キスだと!?

 

『なっ・・なななん!?』

 

「・・・・・・。」

 

 皆が固まる。もちろんイッセ―君もだ

 

 妹がやらかしたあまりにも大胆すぎることに。

 

「ふふふふ・・・。リアスさん、アーシア。これは宣戦布告でもありますからね。私は魔王眷属になった時からずっと、このために女を磨いてきたので。」

 

「これは、強敵だわ。」

 

「私、負けません!!」

 

 二人が騒いでいるようだけど、僕はそれどころじゃない。

 

「イッセ―君!!一体過去で君は何をやらかしたの!?妹が・・・僕の妹があんなことになるなんて!!」

 

 イッセ―君を思いっきり問い詰めることにする。

 

「あばうぐぶつばうぐららら!?」

 

「まて!!木場落ちつけ!!首を!!お前首を絞めているぞ!!」

 

 阿鼻驚嘆の終わり。

 

「・・・・・・・・ガク。」

 

 イッセ―君は疲労困憊と酸欠で気を失ったという。

 

 コカビエルを倒したアギトを僕が倒すという変な偉業を成し遂げてしまった。

 

 

 

 後でダンテ様から彼がユウナの命、そして心を救ってくれたことを知って土下座をして謝ったよ。

 

 いや・・・でもですね。それでユウナはイッセ―君に首ったけって・・・。

 

 彼はなんて罪深い。罪が深すぎる。

 

 まあ、エッチだけど、お人好しで、誰よりも熱血な彼ならある意味安心・・・できない!!

 

 エッチ過ぎるのが問題すぎる。

 

「はあ・・・。」

 

「その・・・何と言えばいいのか。」

 

 巧と一緒に来ていたイッセ―君が話しかけてくれる。

 

「いや、そう思ってくれるだけマシだと思う事にする。それに、君は僕にとっても恩人だし。」

 

 イッセ―君は僕にとっても恩人だ。彼がいたからこそ、僕は乗り越えることができた。

 

 聖剣を超える事が出来たのだ。

 

 妹の心も救ってくれた大恩人だけど・・・はあ。

 

「これからじっくりと見極めることにする。」

 

「それで頼むわ。こっちも責任は取るつもりだし。」

 

 そう言うところは律義だし。なんとかなるの・・・かな?

 

「それより・・・遊び倒そうぜ。新しい眷属の歓迎会も兼ねてさ。」

 

 我がグレモリ―眷属も新しく二人加わったのだ。

 

「そうそう。この世界は本当に色々ある。楽しみだよ!!」

 

 ポルムもやってくる。

 

 彼はこの世界でやることがあるらしいが、そのためにこの学校に転入していた。

 

 彼曰く・・・探している人がいると。

 

 彼の探し人は一体誰なのか?

 

 それはまだ彼の口から語られていない。

 

 

 SIDE イッセ―

 

 俺はカラオケに行く前に空港で友と別れを告げていた。

 

「わりぃな。わざわざ見送りなんてしてくれて。」

 

「いや・・・それよりも大丈夫か?」

 

「何言っているの。イッセ―君が言ったのよ?神が死んでも遺志は残っているって。素晴らしい教えがあるのなら、それを信じると。」

 

 弦太郎とイリナは何とか立ち直っていた。

 

「それでゼノヴィア達を頼むぜ。」

 

「ゼノヴィアがそんな重要な存在だったなんて。」

 

 そして、二人にはゼノヴィアと良太郎の事情を実は教えてある。

 

 2人が転生者で、そして、ゼノヴィアが特異点というこの世界の要というべき存在であることを。

 

 ついでにだが、ハナさんの許可をもらって、彼女の生まれた背景を教えた。

 

 さすがにそれを聞いた二人は驚き、言葉を失っていたよ。

 

「教会には異端って言う事でうまく追い出されるようにしたから。」

 

 転生者の時点で色々とヤバいらしい。

 

「悪魔になるのは残念だけど、あなた達で守ってほしいわ。大切な友達だから。」

 

 イリナも納得済み。2人ともしっかりと自分の足で立っている。

 

 神の死を乗り越えたこの二人は・・・再会した時よりもさらに強い。

 

「それに予感がする。また俺達の道は交わるってな。」

 

 弦太郎が拳を突きだす。

 

 何をするのかもう分かっている。友達の証。

 

 俺は弦太郎と別れの前にそれをかわす。

 

「イリナ。その・・・。」

 

 それで約束の件なのだが、まだ聞けずしまいである。

 

「・・・クリスマス。」

 

 だが、イリナは言う。

 

「クリスマスになったら思いだしてくれるはず。その時にお願い。」

 

「ああ・・・。」

 

 クリスマス?一体何を・・・。

 

「また会いましょ。楽しみにしているわ。」

 

 そして、イリナが俺の顔に顔を近づけて、頬にキス?

 

「じゃっ・・・じゃあ!!」

 

 イリナが顔を真っ赤にさせて先にゲートをくぐる。

 

「イッセ―。これだけは言わせてくれ。」

 

 それを微笑ましい様子で見送る弦太郎がいう、

 

「イリナの気持ち、真剣に考えてやってくれ。お前の夢にもそうだが、形だけじゃなく本当の意味であいつには幸せになってほしい。そう言う意味で俺はイッセ―になら任せられると考えている。」

 

 おいおい・・・俺のことをそこまで評価していいのか?

 

 自分で言うのも難だけどハーレム王になるってすげえ欲望まみれな夢を持った俺を?

 

「お前は自分で気付いていないところが一杯あるだけのことだ。頼む・・・あいつの気持ちを無下にしないでやってくれ。頼む!!」

 

 そう言って頭を下げる弦太郎。

 

 こいつは本当にいい奴だ。

 

 いい奴すぎる。

 

「ああ、誓う。俺の龍の魂と誇り、そして俺の夢に誓う。」

 

 その言葉に弦太郎は満足する。名乗りに言った龍の魂と誇りに誓ったのだから。

 

 それくらいの誓いを立てないと、こいつの気持ちに応えられない。

 

「頼むぜ。それと・・・良太郎!!ゼノヴィア。また会おうな!!」

 

「・・・ばれていたか。」

 

「本当にお前って奴は度し難い。」

 

 隠れて見送ろうとしていたゼノヴィアと良太郎にも声をかける弦太郎。

 

「チームは一端解散するが、また再結成すると俺は睨んでいる。その時までしばしの別れだ。また会おうぜ!!」

 

「ああ。」

 

「きっとだよ。」

 

「お前らの相棒達にもよろしく言ってくれ!」

 

 弦太郎はそのまま聖剣の破片を持って空港のゲートをくぐる。

 

「・・・あいつは本当にすごい奴だ。」

 

「うん。気まずいのをすべて見抜いたうえであんなことを言うのは彼らしいよ。」

 

 あいつはもっと大きな男になる。

 

 それこそ神の遺志、いや全世界の意思すら超えるような・・・。

 

「それじゃあ行こうか、二人とも。」

 

「ああ。」

 

 二人は俺達グレモリ―眷属となった。

 

 ゼノヴィアは騎士の駒。

 

 良太郎は俺の中から出てきた兵士の変異駒によってだ。

 

 それぞれ一つずつで済んだことに部長は首をかしげていた。

 

 なんでこの猛者、いや怪物二人を一つずつの駒で眷属にできたのか本当に謎だ。

 

 本当にこの二人は強い。それこそ変異の駒でも足りないほどに。

 

 ただ、グレモリ―眷属の人外魔境化さらに進んだぜ。

 

 何にしろイマジン憑きのお二人。

 

―――――もう、何でも来いって感じよ。

 

 部長はもう開き直っている様子でしたし。

 

「グレモリ―男子が増えたのは嬉しいぜ。良太郎。同じ兵士としてよろしく。」

 

「はははは・・・はあ。今度は悪魔なんだね。」

 

「こっちも破れかぶれで騎士になった。でもな、お前が悪いんだぞ?」

 

 ゼノヴィアがこっちを見てくる。

 

「私はお前についていくと決めた。神の後を継ぐって言ったお前にな。」

 

「へっ?」

 

 えっと・・・何を言っているのですか?

 

「責任は取ってもらうぞ。お前がいるから私は悪魔になったのだからな。はあ・・・ここにきて女としての感情を思い知るとは。前世は男故に少し複雑だぞ?」

 

 顔を紅めてその場から去っていくゼノヴィア。

 

 あれ?何がどうなって・・・。

 

「イッセ―君。ハナさんから伝言があるんだ。」

 

 良太郎が最高のタイミングでハナさんからの伝言を伝えてくる。

 

「うちの娘をどうぞよろしく。責任は、しっかりと取って貰いますのでそのつもりでお願いします。もし無下にしたら、お覚悟を・・・だって。」

 

「oh・・・。」

 

 正直ハナさんだけは敵対したくない。だって・・・あの人、人間を止めている。

 

 とんでもなさすぎ人なんですって!!

 

―――――相棒・・・お前が父親になる日は案外近いかもしれんな。

 

 ドライク、やめてくれ!!

 

 ハーレムの前に父親ってな!!

 

――――――ははは・・・何を言っているお前の相棒はパパドラゴンになったのだぞ。私は・・・ははは・・・。

 

 うわ・・・ドライクが壊れている!

 

 三日経った今でも子どもができた事実を受け入れられていないのか?

 

 食欲は落ちていないが・・・。これは相当重傷だぞ。

 

「こっちも身内としてしっかり監督するからよろしく。」

 

「・・・・・・。」

 

―――――これがイッセ―よ。フラグを次々と立っている。軽く見てもここまでとは・・。

 

―――――もう夢叶える勢い。それより卵はまだなの?

 

―――――まだ時間がかかるわね。後二週間後に産むことになりそう。

 

―――――その間は私が頑張る。無理しないで。でも子供か・・・私もいい相手がいればいいけど。

 

 はあ・・・。

 

 俺はデンライナーでのやり取りを思い出す。

 

 

 

 デンライナーの中で聞いたのは、ゼノヴィアの母親が誰かという事。

 

 そして、彼女の父親が誰かということだ。

 

「私はちょっとした事故でこの世界にやってきた。過去の世界にね。そしてそこであの人と出会ったの。持っていた聖剣を奪われるのを嫌い、岩に叩きつけていた瀕死の彼を。」

 

 それは伝説にもなった人物。

 

「その人を助け、それがきっかけで私と彼は結ばれた。そして、生まれたのがあの子なの。幸いなのは、助けたタイミングが、本来彼が死ぬはずだったタイミングであること。おかげで表の世界から消えても歴史に何も影響はなかったことね。」

 

 それも予言者から神の力を宿らせた人。

 

「まじかよ。マジで・・・そんなとんでもない奴の娘なのか?あいつは・・・。」

 

 いないはずの直系の子孫。いや、娘が時を超え存在していることを知ったら世界が震撼するだろうな。

 

 あのデュランダルの最初の持ち主・・・ローランの娘だとしたら。

 

「それでも・・・いつか本人に言った方が良いぜ。」

 

『・・・・・・。』

 

 その言葉に皆が押し黙る。

 

 率直だが言わせてもらった。空気読まないと言われてもだ。

 

 そしてハナさんも頷く。

 

「ええ。でも・・・私に資格があればね。だって・・・ずっと放っておいて・・・。」

 

「それは違う!」

 

 ハナさんの言葉を誰よりも強く否定したのは良太郎であった。

 

 びっくりした。普段温厚な彼の一言って、すごく強い。

 

「少なくとも・・・放っておいたわけじゃないよ。僕がわざわざ転生してまで姉さんの傍にいる事になったのもハナさんのお願いだし。」

 

 そうか。良太郎がここにいるのはハナさんのおかげなんだ。

 

「それに・・・何時もクリスマスと誕生日にプレゼントをこっそり置き、報告するときだってしつこいくらいに聞いてくるじゃないか。戦闘の報告の時も心配していて、怪我して入院したときだって、こっそりお見舞い。そして・・・戦闘の時こっそりと参戦していたでしょ!!たとえばヘルバウンドの群れ、三十体を素手で瞬時に蹴散らすてハナくらいなものだし。ケルベロスやミノタウロスの討伐の時、そいつらが二体とも白目剥いて泡吹き、危険な痙攣して倒れていたのを見てびっくりしたって!!どうやったら狂戦士化したミノタウロスをボディブローで沈めるのさ!?」

 

「・・・//////。」

 

 顔を真っ赤にさせながら顔を背けるハナさん。図星ですね。

 

「・・・希望ありか?」

 

 そして、俺達は話の最後の方の部分は聞かなかったことにした。

 

『・・・・・・。』

 

 ネロも顔から冷や汗を流しながら視線で同意する。

 

 だって・・・この人滅茶苦茶強いってことになるじゃん!!ホント人類?

 

 一体何者ですかハナさん!!?

 

 父親も怪物と言っていい位に強いけど、ハナさんもいい勝負じゃないか!!

 

 ゼノヴィアってあの二人の娘なんだ・・・。

 

 うわ・・・どんな潜在能力を秘めているのやら。

 

 ハナさんは特異点にして分岐点だが、この世界とも繋がってしまった故にこの世界の分岐点にもなってしまっている。

 

 ゼノヴィアと共に。

 

「もう・・・あなた方には強制的に協力してもらいますよ。」

 

 いつの間にかオーナーまで。はあ、もうとんでもないことを知ってしまった。

 

―――――でも、この世界に来てよかったわ。

 

 そこにクレアが現れる。

 

――――ああ。思いがけない危機を知れた。

 

 ドライクまで・・・。

 

「この世界が無くなるのは私としても困るの。私の同胞がたくさんこの世界で新しい生活を始めているから。だから協力するわ。」

 

 えっとクレアが積極的に話に関与しているぞ?

 

「ほう。でも時に干渉するつもりは?」

 

「こっちは無くても、イッセ―とネロは可能でしょうね。でも、下手して私達のいる時間が消滅だけは避けたい。だからその点は安心してほしい。もっとも・・・ここまで時の流れが繊細とは思わなかったけど。ゴルトにタイムベントの使用を控えるように言わないと。あれは・・・そう言う類の力だし。」

 

「それが分かっているのなら、これ以上はいいません。これを・・・。」

 

 オーナーが投げ渡してくれたのは・・・カード。

 

「これはデンライナーのチケットです。そっちの召喚機で読み込めばデンライナーを呼べます。」

 

「・・・いいのですか?そんなとんでもない物をもらっても。」

 

「あなた達が私達の切り札になると見込んでのことです。」

 

「どうやら利用されるのは決定らしいな。」

 

 ネロと俺はそろって肩をすくめる。

 

 

 

 こうして俺の手にはチケットがある。

 

 いろいろな意味での切り札として。

 

「とにかくカラオケ行こうぜ。」

 

 ゼノヴィアはまだ気が乗らないらしいが、良太郎は連れていく。

 

 新しい眷属の歓迎も兼ねて。

 

「でも・・・。」

 

――――駄目だゼノヴィア!!出会いは最初が肝心!!

 

 って・・・デネブが憑依してきた?

 

「僕が代わりに行こう!!ゼノヴィアがクラスでうまくやっていけるように・・・。」

 

――――待って!!お前がやったら余計事態がややこしく・・・!!

 

 意気揚々とカラオケの会場に向かうゼノヴィア。

 

「・・・行くか良太郎。」

 

「うん。なんとかフォローする。」

 

 なんかこいつとはいい仲間になれそうな気がする。

 

 さて・・・デネブの暴走を止めないと!!

 

 ゼノヴィアの名誉のために!!

 

 

 

 

 カラオケ会場ではもう二人程ゲストが来ていた。

 

「俺も奢る事になるのか。」

 

 それは翔太郎。そしてフィリップである。

 

「当然だ。この野郎共。」

 

 まったく、お前ら生きているなら生きているって連絡くれ!!

 

 まあ、魔王眷属になったのならそれも難しいだろうけど。

 

「それでも結構余裕あったり。はあ・・・かなり余っているんだよな。使うつもりなかったグレゴリの給与が。遊ぶつもりもなかったしちょうどいいわ。軽く一億位は使うか。」

 

「俺もだ。ある意味いい機会だな。」

 

 巧。お前どんだけ金持ちなの?

 

「魔王眷属同志、よろしく頼むぜ。」

 

「ああ。」

 

「デネブ・・・まったくお前は・・・。」

 

 こうやってゼノヴィアも強制参加(デネブのせい)で遊びが始まる。

 

 

 

 

 そして、カラオケで大活躍な人が現れる。

 

 一人は渡だ。

 

 歌っているのは・・・「SUPERNOVA」

 

 開幕に歌ってくれたおかげでみんな盛り上がったよ。しかし・・・何かあれを聞くと渡の黄金のキバの時の姿を思い浮かぶのはなぜ?

 

 それは置いておくけど、すごく歌のレベルが高い。バイオリンの新星なのは知っていたけど歌のレベルもここまですごいとは・・・。

 

 文化祭の時こいつらにバンド組んでもらおうかな?

 

 チケット出して売れるレベルだぞ?バントを組むメンバーは・・・。

 

 ネロはギターの心得あるらしいし、鋼兄はドラムできそうだ。ボードとベースを探さないといけないか。

 

 考えている間に続いてハルトが歌う。

 

 歌う曲は LIFE IS SHOW TIME。黄金爆発をする人達が歌っている曲。

 

 いや様になっている。

 

 何故か隣で仁藤も参加してきたのには驚いたぜ。2人が一緒にこの歌を歌う光景は驚いた。

 

 そのあとはまさかの良太郎。

 

 歌うのは、Doubie Action!!

 

 しかも、歌うパートごとに紅いメッシュが入って声が変わっている!?

 

 あいつ・・・モモタロスとパートごとにスイッチしながら歌っているぞ!

 

 なんて器用な真似を。

 

 他にも皆がガンガン歌う。

 

 ネロと翔太郎がラルクを歌う。

 

 二人ともそう言ったセンスが似ているのか?

 

 サイガとポルムはというと・・・。

 

「カラオケ初めて・・・すごく緊張している。歌が・・・歌が全く分からない!!」

 

「この世界って歌がこんな風になっているか。うん・・・あとでカラオケ機をスキャニングしておこうか。面白そうだ。」

 

 二人ともカラオケ初めてだったのか!?

 

「案ずるな。私も初めてだ!!」

 

 仕方ないか。ゼノヴィアも含めてそうだと思ったよ。

 

「参ったな唄うとなると・・・。」

 

「にゃヒヒ・・・一緒に歌おうにゃ。」

 

 何故か鋼兄は演歌だし。

 

 そこにキンタロスが憑依した良太郎が参戦。

 

 良太郎・・・大活躍だな。

 

「姉様ったら・・・まあこれでも歌いますか?」

 

 小猫ちゃんがコネクトを選択。クラリスの歌だ。

 

 まさかの姉妹でのデュエットですよ。

 

 そのあとノリノリでユウナが歌うし。

 

 あいつ・・・うちのクラスに来てからすぐに学校のアイドルになったぞ。

 

 見た目美人で大変フランク。男女問わず人気者って・・・まさにアイドルだろうが!!

 

 問題はその人気の反動なのか、その嫉妬の視線が俺に向けられているんだ。

 

 はあ・・・不幸だ。

 

 何しろ猛烈なアタックをうけていますので。

 

「なあ・・・お前の幼馴染って本当にすごく多いな。」

 

 ついでに誘った元浜と松田が軽く驚いている。

 

「色々と腐れ縁があってな。一人は帰っちまたが、また来たら紹介する。」

 

 弦太郎とイリナが好きそうだしな、

 

 またあいつらがやってきたら騒ぎたい。

 

 アーシアも精神的に落ちついたのか、積極的に歌っている。

 

 知らない歌もある程度教えてある。この三日間の間でだ。

 

 来ている服は・・・ゴスロリです。いや・・・桐生さんのプロデュース。そして、それをキリエさんとオ―フィスちゃんが用意していたのだ。

 

 三人ともいい仕事です。

 

 皆でガヤガヤと騒ぎ、そしてトイレのために外に出た時だった。

 

「はあ・・・・・。」

 

 少し疲れたのか、巧が座り込んでいたのだ。

 

「大丈夫かい?」

 

 木場がそれを見て飲み物を差し出していた。

 

「サンキュ。」

 

 それを受け取り、軽く飲む巧。

 

「・・・こんなに遊ぶのは久しぶりだ。イッセ―達と昔遊んで以来だ。」

 

「僕もだ。こんな機会はそうそうなかったよ。」

 

 二人は待ったりと語らっている。

 

「俺・・・これからどうすればいいのか分からないんだ。」

 

 そして巧がぽつりと言う。

 

「今まで短い命の間にどれだけの事が出来るか必死になっていた。でも・・・いきなり悪魔になって永遠に近い命だもんな。まいったぜ。」

 

「ははは・・・それに関しては僕も一緒だよ。聖剣に関しての問題が終わってすごくほっとしている。同志達も生きていたりして・・・一気に重しがなくなって、戸惑うばかりだ。」

 

「なるほどな。そっちも同じか。ここから先どうしようかね。」

 

「本当だよ。」

 

 2人がそんな風にしみじみと語らってる。

 

 まったくお前らは・・・。

 

「だったら探せばいいだろう?」

 

 俺はそう言いながら出てくる。

 

「それに巧、自分で言っていたんぜ?夢を持ちたいって。」

 

「そう言えば・・・そうだったな。」

 

「そして、それは木場にも言えることだぜ。せっかく長い時間を持てたんだ、じっくりと、それでいて欲張りながら探そうじゃねえか。俺みたいにさ。」

 

『いや、お前(君)の様な欲望の化身になろうとしても無理だから。』

 

 お前らな・・・。

 

 どうせ俺は欲望の化身ですよ!!

 

「ははははでも・・・ありがとうな。そうだったわ。」

 

「うん。僕からも言わせて、ありがとうと。何もかも君のおかげだ。」

 

 そうやって二人に礼をいわれると、さすがに困るぜ。

 

「ああもう!!だったら歌うぞ!!次、RevoliutonとEGO~eyes glazing over を入れたんだ!!お前らが歌え!!」

 

「なら入れたお前も道ずれだ。」

 

「当然。」

 

 お前ら仲良いな!!

 

 まあ・・・そんな感じで俺達は日常に戻る。

 

 その後。

 

 何故か木場×巧×俺の三角関係かと一部女子が騒いでいたのを見て頭が痛くなったのはどうでもいい話だ。

 

 どうでもよくないがな。

 

 

 

 




 今回の投稿はここまでになります。

 イッセーの学校生活はさらににぎやかになることでしょう(笑)

 ではまたです。

 ドラゴン達の明日だけが今は心配ですけど。
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