赤龍帝の幼なじみ達   作:THIS

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 いよいよサイガの覚醒です。

 彼の無双っぷりを見てやってください。




竜の騎士の目覚め

 SIDE サイガ

 

 僕達の戦いは予想外の展開を迎えていた。

 

「さて・・・僕達も動かさせてもらおうかな?」

 

「くくく、そうだな。」

 

 それは白龍皇とハドラ―の裏切りである。

 

「・・・このタイミングで動くかね。はあ・・・お前らもっと考えて欲しい。」

 

「むしろこのタイミングがちょうど良いだろうが。」

 

 ハドラ―の右腕の剣と唾座り合いをしながらぼやくアザゼル。

 

「動くのが遅いぞ貴様・・・うお!?」

 

 カテレアはその裏切りを知っていたらしく喜ぶと思いきや・・・。

 

「ふんふんふんふん!!」

 

 大牙様に滅多打ちにされてそれどころではなかった。

 

 笛方の武器であるそれは細剣にもなり、鞭にもなるその武器。

 

 今鞭になったそれで撃ちすえられている。

 

「ぐそ・・・いい加減にしろ!!」

 

「それはこっちのセリフだ馬鹿もの!!」

 

 単独で強化されたカテレアを圧倒って・・・。

 

 闇のキバの鎧を纏っているのは伊達ではないのね。

 

「だっ・・・だが、このまま私を倒していいのかしら?」

 

「何?」

 

「私の体は今や超高エネルギー体、倒したらこの校舎位結界ごと吹き飛んでしまう位には・・・。」

 

 大牙様はそれを聞いて動きを止める。

 

 少し考えたようだ。

 

「だったら・・・。」

 

―――――ウェイクアップ 1

 

 だが、すぐに動き出す。

 

「お前を・・・。」

 

「がっ!?」

 

 皇魔力を宿した拳でカテレアの身体を浮かし・・・。

 

「遥か上空で倒せばいいだけの事だ!!」

 

――――――――ウェイクアップ 2

 

 そこに向かって強烈なキックを繰り出そうとして、

 

「それはやらせないよ。」

 

 それを一体のド―パントが阻む。

 

 それは赤い体に黒い爆弾のような頭をしたボムド―パント。

 

 そのキックを受け、自爆をすることでカテレアを庇ったのだ。

 

 変身していたのは白いゴキブリみたいなやつ。

 

 アルビノジョーカーもまた下位ド―パントを量産する力を持っていたのだ。

 

「・・・ありがとうね。」

 

「いえいえ。君は死なせるのは惜しいから。」

 

 アルビノジョーカーに礼を言うカテレア。

 

 この二人は意外なほどに良いコンビネーションで大牙様とダンテ様と互角に戦っていたのだ。

 

 視線だけでお互いの状況をしり、フォローし合っている。

 

「ひゅ~う。もしかして御宅ら・・・・。」

 

『・・・ふっ・・・ふん!!何をいっているのやら!!』

 

 ダンテ様の茶化しに二人が息ぴったりな反論を見せたのは何か理由があるのだろうか?

 

 そして、井坂はキリエにターゲットを絞ろうとして・・・

 

 ネロの猛攻を受けていた。

 

「ううう・・・因縁のアクセル。しかもこんな無茶苦茶な。」

 

「おらぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 アクセルクイーンを振り回し、井坂を強引に跳ね飛ばす。

 

「だが・・・私は二度もアクセルに敗れるつもりはありません!弱点はわかっていますので。」 

 

 その言葉と同時であった。

 

 結界を維持しているキリエさんの傍に二体のド―パントが現れたのだ。

 

 それは三体のキャットド―パント。

 

 無防備になったキリエさんを狙っていたのだ。

 

 ド―パントの爪がキリエさんを狙うが、それをキリエさんは盾を展開させて防ぐ。

 

 だが・・・

 

 そのキリエさんの周りを霧みたいな物が囲む。

 

「ぐっ・・・ううう・・・。」

 

 それはもう一体のド―パント、ミストド―パント。キリエさんが本当の意味で無防備な時を狙って潜伏していたのだ。

 

 キリエさんを拘束するミストド―パント。そこに三体のキャットド―パントの爪が迫るが、その爪はキリエさんには届かなかった。

 

「ぐああああぁぁぁぁ!」

 

 いつの間にか現れたミカエル様が身を呈して庇ったからだ。

 

「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 変身を解除させながら倒れるミカエル様を助けるべくネロはかける。

 

「いかせな・・・ぐおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」

 

――――――御主人!!援護するぜ!!

 

 井坂は妨害しようとするがそれとレイダ―が凄まじい勢いで体当たりしてサポート。まるで銃弾のように眼にもとまらぬ速度でレイダ―と共に校舎の壁をぶち抜きながら消えていく井坂。

 

 それと同時にネロはあるメモリの力を発動させていた。

 

――――トライアル。

 

 それを発動させると同時に、身体の装甲が吹っ飛び青い軽量化されたボディになる。

 

 それとトライアルメモリを発動し、放り投げながら駆ける。

 

 デビルトリガ―を発動させ、後ろに蒼い巨大な分身を出した状態で。

 

「うらららららららららららららららららららららららららららら!!!」

 

 そこから目のも止まらぬ拳によるラッシュ。しかも後ろの巨大な分身も一緒にやる形でだ。

 

 猛烈な打撃の四重奏に雨になすすべのなく殴られ続ける四体のド―パント。

 

 最後に巨大化した拳で四体まとめて殴りとばす。

 

――――――トライアル、マキシマムドライブ!!

 

 そして、放り投げたメモリを受け止める。

 

「9、6秒、それがお前らの絶望へのタイムだ。」

 

 その言葉共に四体のド―パントは粉々に砕け散る。

 

「ぐっ・・・本家アクセルとは比べ物にならない破壊力。デビルトリガ―と併用させるとは・・・。」

 

 戻ってきた井坂は驚いていた様子。しかも、さっきの体当たりが相当効いているのか緑の血をあちこちから噴き出している。

 

 相当なダメージを受けておる。

 

「だが・・・トライアルに関して対策はすでにできています。いくら速くても・・・。」

 

 井坂は雹やツララ、そして電撃を纏わせた猛烈な衝撃波を放つ。

 

 いくら高速で動けても同時多数の目標は確かにかわせない。あの形態は軽量化した分。攻撃力と防御力が犠牲になっている。攻撃力はネロの素の力で補えているけど、防御はそうはいかない。

 

「これは防げないでしょう!!」

 

 でも、ネロにはもう一つの切り札がある。

 

「だったら今度はこいつだ・・・。」

 

――――――ビート、マキシマムドライブ。

 

 それと共に通常形態に戻ったネロは走り出す。

 

 彼の認識している世界は今大変ゆっくりになっている。

 

 すべての物が極めてスローで動いているような状態だ。彼自身の動きもそうだ。

 

 ただ、認識と聞こえてくる鼓動だけは普段通りだ。

 

 その中で彼はある一点の鼓動をローズダブルで撃ち抜く。それと共に・・・雹雷の嵐が真っ二つになり、井坂に跳ね返される。

 

「なっ・・・なにぃぃぃぃぃぃぃ!?」

 

 ビートのメモリはマキシマム専用だが、その効果は強力だ。

 

 すべての動きがゆっくりに見えるだけじゃなく、鼓動を聞くことで攻撃すべき個所を瞬時に知る事が出来る必殺のメモリ。鼓動による体感速度の増加と弱点発見の効果。鼓動はまだ色々と応用が効くとネロは言っている。

 

 それは防御にも使え、あのような常識はずれもいい所の神技も可能となる。

 

 そしてそれの最も恐ろしい点は・・・まだあるのだが。

 

「キリエ!!もう結界はいい。その人は!?」

 

「今アーシアちゃんに癒してもらっています。でもどうして・・・。」

 

「・・・無茶します。もう・・・。」

 

 倒れたミカエル様を守るキリエさんとアーシアちゃん。

 

 サーゼクス様、グレイフィアさんとアザゼルさんは裏切ったヴァ―リとハドラ―、そしてダグバと相対している状態。

 

 そして・・・。

 

 私と父様はそれぞれ暗黒騎士とフリードと戦っていた。

 

「まさかお前とまた戦う事になるか!!!」

 

 暗黒騎士キバ。

 

 かつて父様の師、おじい様の元弟子にして殺した仇だった存在。

 

 力を求め、暗黒騎士となりメシアの力を取り込もうとして逆に取り込まれた。

 

 そして、キバはすでに父様が倒したはずの存在。

 

「・・・今の私は統制者様の忠実なる騎士。あの方の力で不死である番犬――ケルベロスの肉体を得て私は蘇った。」

 

――――こいつ・・・とうとうそんなところまで堕ちたのか。

 

「ふははははははは・・・さあ、この力で黄金騎士を討ってくれる。」

 

 鎧を纏った父様が苦戦している。

 

 でも、僕も助けることができない状態だった。

 

 何しろ、生まれ変わったフリードがあまりにも強すぎたからだ。

 

「おらおらおらおらおら!!」

 

 力が圧倒的すぎる。

 

「ぐっ・・・なんの!!」

 

 元々彼の技量は相当なものだった。戦闘狂として振るわれるだけではあまりにもったいなすぎる位戦いの腕は高かった。

 

「・・・あなたはすごいですね。正直力は圧倒的な差があるというのに、攻めきれません。」

 

 不意に離れたフリードは私を見て褒める。

 

 その姿に私も驚いていた。

 

「君こそどうしたの?以前は狂っていたけど、今の君はどう見ても・・・。」

 

「ふっ・・・だから言ったじゃありませんか、私はあなた達に勝つために人外になったと。このまま負けっぱなしじゃあ、悔しくて仕方ないのですよ。あれだけの怪物どもに一矢報いるまで、私は・・・。」

 

 フリードは依然と違うのが本当にわかる。

 

「死んでも死にきれませんからねえ!!」

 

 彼は武人として一皮むけてしまった。

 

 私達を倒すために、人であることを捨てたのに、心が逆に武人となってしまったのだ。

 

 口調はそのままなのに、以前よりも遥かに強い。

 

「だからこそ・・・あなたをそのまま倒すのは惜しい。」

 

 その上で剣を引く。

 

「まだ力を発揮できていない。そう聞いているぜ?」

 

「・・・・・・。」

 

「私は人を捨て、魔獣となった。だからこそ、心行くまでお前達と戦い、そして勝ちたい。だが、そのためには本当の意味で全力をだしてもらわないと帳尻があいません。だから・・・。」

 

 フリードは剣をこっちに向けて言う。

 

「全力をだしやがれ。といってやる。」

 

「・・・。」

 

 そのための方法はある。

 

 でも、それは今すぐできることなのか?

 

「ほんの少しだけ時間をくれないかな?」

 

 そんな私に対してセラさんが代わりに応える。

 

 拘束もどうやら解けたみたいでアマテラス様とツクヨミさんを伴っている。

 

「へえ・・・何をするのか分かりませんが、いいですよ。他の奴らは手をだすんじゃありませんよ。こいつは私と戦う。」

 

 フリードは皆に言う。

 

 だが・・・いいのか?

 

「その・・・こんな場でごめんだけど・・・その・・・。」

 

 セラさんがもじもじとして私を見る。

 

「あの時の返事・・・私も決めました。」

 

 彼女のあの一言で私はもう決めてしまった。

 

「こんな私でよければ、お願いします。」

 

 セラさんと共にいたいと。

 

「あっ・・・。」

 

「ツクヨミさん。あなたもです。とりあえず時間はありますので仲はおいおい深めていく事にしましょう。」

 

「それって・・・。」

 

 そのために私も人間を止める決意をしたのだ。

 

「だからこそ・・・お願いします。私を二人の女王と巫女に。」

 

 驚きのあまりに口元を覆うセラさん。

 

 その瞳から涙がぽろぽろと零れ落ちていた。

 

「・・・はい。これから長い付き合いにあると思うけど・・・・よろしくね。サイガ君。」

 

「あなたが日本神話と悪魔の架け橋となる存在にならん事を。その・・・よろしくお願いします。」

 

「うん・・・よろしく。」

 

 私はそんな二人に向けて返事を兼ねた挨拶を交わす。

 

 唇にそれぞれキスをする形で。

 

『////。』

 

「もっ・・・もう・・・だったら私だって。」

 

 懐から紅い血の様な液体が入った瓶を取り出しそれを口に含むセラさん。

 

 セラさんが私に抱きつきながら女王の駒を中に入れ、それと共に私に口づけをかわす。

 

 その際に含まれていた紅い液体・・・赤い血が私に送られ、私はそれを飲みほしていく。

 

「そして・・・今度は私ですね・・・。」

 

 ツクヨミさんも私に抱きつき、口づけをしてくる。それ共に体に何か力が流れ込んでいく。

 

―――――いよいよか・・・サイガ、俺はこうなる事を予想していたぜ?

 

 私の喉元でエイガが苦笑している。

 

 ああ・・・もう私は迷わない。この二人と共に在ろう!!

 

 

 

SIDE ハドラ―

 

 戦闘中の口づけ連発に最初は呆れたものだったが、すぐにただの口づけじゃない事に気付く。

 

 それだけで場の空気が一変したのだ。

 

「・・・なっ・・・なんだ?」

 

 それはある意味懐かしい空気だった。

 

「お待たせフリード。今まで渋っていたけど、ここから本当の意味で全力だ。」

 

 その言葉と共にあいつの右拳が光る。

 

 それは・・・

 

「竜の・・・紋章だと!?」

 

 それは俺の生涯のライバルと言えた勇者ダイが持っていた竜の騎士の証である紋章。

 

「・・・ほうほう。ようやく復活してくれましたか。竜の騎士が。」

 

 その場に、いつの間にかポルムが現れていた。

 

「うげ?なっ・・・何なのこの力は!?」

 

「・・・人間の力なのか?」

 

 一緒に現れた天界の使者である二人の少女も目を丸くしている。

 

「おい・・・ポルム。まさかとは思うがサイガは・・・。」

 

 竜の騎士はマザードラゴンによる誕生が基本だが、もう一つだけ例外があった。

 

 それは・・・人間との混血児。

 

 かつてのダイがそうだった。

 

「ご明察。サイガは僕の両親の盟友、勇者ダイとレオナ姫の遺児。そして今代の竜の騎士だ。」

 

「・・・・・・・・・。」

 

 ダイは死んだ。だが・・・

 

「ふふふふ・・・・。」

 

 あいつはとんでもない息子を残していた。

 

 あのレオナ姫との子か。

 

「ふははははははははははははははははははははは!!!」

 

 それが嬉しくてたまらない。

 

 あいつとの縁がまだこの世界でいい意味で繋がっていた事に。

 

「愉快だ・・・愉快だぞ。だったらこっちもこいつらを呼び出してくれる。」

 

 こっちも惜しんではいられんな。

 

「出て来いアビスクラッシャ―、アビスハンマー!!」

 

 俺もまた契約モンスターを出させてもらおう。

 

「げええええ、ハドラ―!!お前そいつらを呼び出すのか!?」

 

 アザゼルは知っていたよな。俺がこいつらと最近出会って契約した事に。

 

「まさか、あなたまで契約者だったなんて。」

 

「安心しろ禁手化はつかわん。そうなったら互いに無事ではいられんからな。」

 

「親父殿。すまないが、俺は俺で戦うべき相手がいる。ここはまかせていいか?」

 

 ヴァ―リが闘うべき相手。

 

 そんなの一人しかいない。

 

「ああ・・・行って来い。こっちは俺達が抑えてやる。なあ・・・ブローム。」

 

「ブローム。」

 

 その言葉と主に三メートル程の巨体に全身を分厚い鎧で守った騎士団の一人が現れる。

 

「ハドラ―様とヴァ―リ様の邪魔・・・させない。」

 

「ちょっ・・・ここでブロームがでてくるのかよ。」

 

「ブロームだけじゃないですよ。アザゼル殿。」

 

「ヒヒヒヒ・・・悪いですが、動かないでもらいます。」

 

 あいつらの後ろにはシグマとフェンブレンがいる。

 

 三体共前世の姿、オリハルコン生命体としての姿でここにいる。しかも前世とは違って仮ではなく、本物の命を持った状態でだ。

 

 それ故の特典があいつらには備わっている。

 

「こちらの女王以外は勢ぞろいと言う事だ。あいつはあいつでやることがあるのでな。このまま動かない方がお互いに消耗は無くて済む。」

 

「・・・うまく考えやがって。」

 

 アザゼルは肩をすくめる。

 

「・・・それならついでに聞きたい事があるがいいかね?」

 

 その状態でサーゼクスは聞く。

 

「あのヴァ―リと言う者。もしや・・・旧ルシファーの関係者じゃないのか?」

 

「・・・ほう。」

 

「お前何でそれに気付いた?」

 

 その指摘に俺だけでなくアザゼルまでもが驚く。

 

「私がいるからです。ルキフグスの私の勘があの者からルシファーの臭いを感じました。」

 

・・・そうか。グレイフィアの存在か。

 

「いいだろう。確かにあいつは普通の人間じゃない。悪魔と人間。それもルシファーの血を引く者だ。」

 

「・・・やはりか。」

 

「母がオルフェノクの因子をもつミラージュアギトだったのだよ。それに加えあいつは白龍皇としての力も得た。まさに最強の白龍皇としてな。全くはこっちもそれを知った時は度肝を抜かれたもんだぜ。」

 

 アザゼルもその辺の事情は知っている。

 

「そして、あいつはルシファーの実家で虐待されていてな。この世界に来たばかりの俺がそれと出会い、助けた。死にかけていたあいつをあいつの父親が持っていた悪魔の駒をこっちの物にし、すべての兵士の駒を注ぎ込んであいつを転生させた。まさかあの時点で悪魔ではなく、アギトとして転生していたなんて思いもしなかった。」

 

 その日からヴァ―リは俺の息子となった。虐待した父を殴りとばしてその場から連れ去り、そこから色々な世界を共に回った。

 

 そこで俺は再びこの世界に同じようにやってきていた仲間と巡り合えたのだ。

 

 そいつらにもあの悪魔の駒を弄り、生命体として全員を転生させている。

 

「・・・そう・・・だったのか。」

 

「だが安心しろ。あいつ自身は魔王の地位に興味はない。何しろ自分自身で新たな勢力を作るといいだしたはあいつだからな。アギトとして、そして王としてあいつは新たな勢力を作るつもりだ。その行く先を俺は見守るつもりだ。」

 

 俺の自慢の息子としてな。

 

 あいつは今・・・多くの仲間を得ている。

 

「・・・どうしてそんな高潔なあなた達が裏切りを・・・んん?」

 

 アザゼルが隣のサーゼクスを膝でつく。

 

 そして小声で・・・。

 

――――話を会わせてくれ。これも俺とハドラ―で決めた予定だ。ミカエルも含めて俺が説明する。

 

 ほう、アザゼルの奴、サーゼクスまで巻き込むか。

 

「はあ・・・まあこっちは別にいいよ。むしろ楽しみが増えて面白い。」

 

 一緒にいるのがダグバのような戦闘狂で本当に良かった。

 

 こういった事に一切気にしていないのだからな。

 

 だが、この後俺達はさらに驚く事になる。

 

 

 

SIDE イッセ―

 

 ひっくり返る鬼岩城。

 

 そして・・・。

 

 校舎の穴から敵がまとめて弾き飛ばされたのだ。

 

『ぐおおおおおぉぉぉぉぉ!?』

 

「ぬう・・・ふはははは!!なるほどこれはこの時点でダイを超えておるな。」

 

 ハドラ―さんが驚きながらも笑っている。

 

「なんて化け物なんですか。これでないと楽しめないというものです!!せっかく魔獣となったこの体、さらに熱く燃えるという物だ!!」

 

 フリードに至っては爆笑している始末。

 

「お前ら・・・何で喜んでいる!?」

 

「化け物・・・。ぐっ・・・。」

 

「何でこう次々と怪物が出てくるのかしら!?」

 

「・・・嫌になりますねえ。何故こう怪物が次々と・・・。」

 

 他にふっ飛ばされた連中が戦慄している。

 

 一体誰がこんなことを・・・ってあれはサイガか?

 

 全身に蒼い光を纏わせているぞ。

 

「えっと・・・この剣で海波斬を放っただけなのに・・・なんてパワーなの。」

 

 本人も驚いているぞ?何故か・・・。

 

――――――ちょっと・・・なんで竜の騎士が・・・って・・・まさかまっ・・・まさかあああああああなた・・・。

 

 それをみたザボエラが恐れおののいている。

 

「改めて久しぶり。あの研究所ではすごく御世話になったよ。あの時分かったあの力を一部だけどモノにできたよ。本当、まだ紋章は一つだけだけどね。」

 

―――――・・・・・・・。

 

 その言葉にあれ?ザボエラが逃げ腰だ。

 

「どうした?なんでお前がそこまで怯えている?」

 

 それに気付いたモノリスみたいな奴、確か統制者と呼ばれたあいつが動揺しているぞ。

 

―――――あああああなたは竜の騎士の常識はずれな力を知らないからですよ!!しかもあいつはただ竜の騎士じゃありません。なっ・・・なななななにしろあいつは・・・あいつは・・・みっ・・・三つも三つもあれを!!!

 

 三つってああ・・・あいつ確か小さな頃あの紋章を三つだしていたっけ?

 

 今発動しているのは一つだけだけど、それだけでも十分化け物だぞ?

 

 これで三つ同時に発動したら・・・。

 

「なっ・・・あの竜の騎士だと?!神々の最終兵器と言われた・・・あれが?」

 

 統制者って奴までもが戦慄している。

 

 その前に、神々の最終兵器ってなに!?

 

「・・・さあて、こっちはもう一つ試す。行くよエイガ!!」

 

―――――いよいよか。我が狼竜の鎧に、竜の騎士の力を合わせる時!!

 

 サイガは手にした剣で空中に円を描く。

 

 そして、あいつは黒い鎧を纏った。

 

 だが・・・その鎧の右手の甲から青い光が溢れだし・・・その全身を覆う。

 

 そして、鎧が代わる。

 

 黒から・・・黄金へと。

 

 それは黄金騎士と同じ黄金。

 

―――――――なっ・・・なんで!!竜の騎士の力は凄まじく、オリハルコン性の武器しか使えないはずじゃ・・・。

 

「おいおい。元老院はサイガの秘めた力を最初から見抜き、それに対する備えもずっとしてきたんだぜ?」

 

 そこにポルムが現れる。

 

「ソウルメタルとオリハルコンの融合。まさか紋章一個とはいえ、鎧をむしろ強化させる結果になったなんて、これだから異世界は面白い。竜の騎士が纏える鎧なんて前代未聞もいい所だ。」

 

 そして彼は翼を出す。

 

「生まれ変わった君に餞別だ。受け取れ・・・歴代竜の騎士が使いし伝説の武器を。」

 

 翼から出てきたのは一本の剣。柄が竜の頭になっている剣。」

 

 それを見たハドラ―さんとザボエラが揃って声を上げる。

 

『しっ・・・真魔剛竜剣だと!?』

 

「これは君のおじいさんが使っていた剣。そして・・・。」

 

 サイガの持っていた剣が変わる。

 

「君の剣もまた真の姿・・・ダイの剣へと変わる。剣として一度死んだその剣もまた君専用として生まれ変わった。剣に込められたその魂がそう選んでくれた。」

 

 手にしていた魔戒剣もドラゴンの翼の様な鍔に宝玉が埋め込まれた小ぶりの直剣へと変わった。

 

「・・・君はこの二つの剣を使う権利がある。君の祖父と父の遺志を継いだ君がね」

 

「・・・わかった。」

 

 そしてサイガは右手に真魔剛竜剣、左手にダイの剣を手にする。

 

「ならこれから私は、二刀流でいく!!二人の遺志を継ぎ竜の騎士となるために!!魔戒騎士として、そして竜の騎士として私はこの二本の剣を振るおう!!」

 

――――――・・・何の悪夢ですかこれは!?

 

「オリハルコンの剣に、ソウルメタルを含ませたか。しかも、それと同等の鎧まで纏うなんて、こっ・・・これは流石に相手にしたくないぞ。」

 

 ハドラ―さんですら冷や汗を流している。

 

――――だったら、先制攻撃をしかけるまでです!!

 

 その言葉と共に鬼岩城から無数の砲撃が放たれ、サイガに次々と命中。

 

 それこそ結界が無ければ校舎がとっくに吹っ飛ぶくらいに。

 

 むしろ結界にもダメージが入ったのか亀裂すら入っている。

 

 でも・・・。

 

「・・・・・・・そんなものか?」

 

 現れたサイガは・・・無傷。

 

「ふん!!」

 

 サイガが二本の剣を振るう。

 

 それと同時に剣閃が走り・・・鬼岩城の両腕を縦一閃に切断。

 

 あんなでかい奴の腕を二本同時に両断ですか。

 

――――そんな!?

 

「・・・威力が強すぎる。これは使いどころを選ぶな。しかもまだ残りの紋章ふたつも覚醒していない状態でこれだし・・・はあ、また修行のやり直しか。」

 

 サイガは剣にそれぞれ闘気を纏わせて行く。拳から溢れる青い凄まじい闘気を。

 

「せっかくだからもう一発試すよ。竜闘気を纏わせた一撃がどんなものになるのかまだわかっていないし。そうだな・・・試しに大地斬でやってみようか?」

 

――――くそおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!

 

 鬼岩城がやけくそ気味に走りだすがその前にサイガが黄金の光を纏わせながら宙を飛び、懐に潜り込む。

 

 いや・・・体内に入り込んだというべきか。

 

――――うおっ?あいつが中に?一体どういうことです?今いる位置は・・・げええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ私の真下ですと!?

 

 その悲鳴が聞こえてきたと同時だった。

 

 鬼岩城に縦・・・そして横に剣閃が走る。

 

――――――そっ・・・そんな!?

 

 そしてそのまま崩落していったのだ。

 

『!?』

 

 粉々になって崩壊していく鬼岩城。

 

「・・・・ぐう・・・なんて奴ですか!?」

 

 脱出したザボエラが心底恐怖する。

 

「・・・ふう。これは凄まじい。でも、ちょっと疲れたかな。スタミナの配分も考えないと。」

 

 その瓦礫の中で二本の剣を構えたサイガの姿。

 

 黄金の竜の鎧が光を放っている。

 

「・・・今度はお前の番か?」

 

 その剣がモノリスみたいなやつに向けられる。

 

「ぐうう・・・お前も確か赤龍帝の幼馴染だったか。」

 

「そうだけど?」

 

 モノリスみたいなやつの驚きは何故か俺の方へ。

 

「剣崎といい、お前といい、どうしてお前の周りには非常識な人外ばかりが集まってくる!!?まともなバトルファイトが行えないではないか!!」

 

 そんなの俺が聞きたいわ!!

 

その前に俺の街で勝手にそんな物騒な事を起こさないでくれ!!

 

 ああもう!!どいつもこいつもやりたい放題やっているな!!

 

「アギトとして、そしてドラゴンとしての強者を呼び寄せる特性が誰よりも強い結果だろう。全くこの街にいると退屈しないで済むよ。」

 

 そして、そんな俺の前にヴァ―リが現れる。

 

 そっちは退屈しないというけど、その分こっちはツッコミばかりで疲れます。

 

「さて、お互いにほぼ力は使っていない。こんな状況だからこそ・・・手合わせをしてもらうよ。」

 

「・・・・・・。」

 

 ヴァ―リの裏切りはアーシアより聞いている。

 

 だが・・・その裏の事情もだ。

 

「どうしてもここで戦うのか?そのまま撤退した方がいいんじゃ?」

 

「むしろ今がいい。信頼を得るためにな。こっちの都合・・・彼女より聞いているだろ?」

 

 向うもアーシアより事情を知っているという前提で話にきてやがる。

 

 こいつ・・・良い性格していやがるぜ。

 

 だが、なんか気が合う。

 

「・・・いいぜ。一度お前とは戦ってみたかった。」

 

「ありがたい。こんな状況とは言えお前とようやく手合せができる。」

 

 心底嬉しそうなヴァ―リ。そんなに俺と戦いたかったのかよ。

 

「こっちはそんな戦闘狂じゃねえがやるからには本気でやるぞ!!」

 

「フッ・・・それは嬉しいね。我が生涯のライバルとなる者よ!!」

 

 お互いの身体から闘気が噴出される。

 

―――――おっ・・・お前ら。自棄にやる気だな。

 

―――――なんか俺達よりも燃えているよな?

 

 むしろ俺達の中の二天龍達がびっくりするくらいに俺達はヤル気満々だった。

 

――――まあ、殺し合う関係というよりこれって・・・。

 

―――――互いに高め合う良い相手を見つけたという意味かな?むしろスポ根に近い物を感じる。まさに好敵手。強敵と書いて「とも」と呼ぶ間柄。

 

―――――ヴァ―リはそう言う相手を渇望していたから。そう言った意味でも感謝だわ。

 

―――――主のためになら俺達はどこまでやりまっせ!!

 

―――――運命の出会い・・・これもまたおもしろい。

 

 俺達の中から契約モンスターズ達が一気に現れやがった。

 

「統制者。この戦いは手出し無用。巻き込まれたくなければ、今のうちに退散するといい。」

 

「・・・分かった。その言葉に甘えさせてもらおう。アンデット共を退散・・・って、ビートルアンデットとスパイダーアンデットが!?」

 

「こいつは封印させてもらうぞ・・・。」

 

 剣崎さんが満身創痍の状態で倒れたビートルアンデットとスパイダーアンデットにカードを投げつけ、そのカードに吸い込まれて封印する事ができた。

 

 アンデットはこうやって倒すのか。

 

「ぐっ・・・よりによってカテゴリーAを・・・。」

 

 悔しそうに唸りながら統制者は消えていく。

 

「サイガ・・・お前も同じだ。」

 

「安心して、そんな野暮なことはしない。騎士としても一騎打ちを邪魔することはしない。フリード・・・君はどうする?今の君なら邪魔しないと思うけど?」

 

 鎧を解除したサイガは苦笑している。

 

「私は見届けさせてもらいますよ!!あなた達の戦いは見ていて飽きないですからねえ。」

 

「そうか。ならこっちの戦いは後日にしよう。」

 

「ええ。私もまだまだ強くなるので楽しみにしてください!!」

 

 フリードの奴・・・何かふっきれているな。

 

「ポルム、キリエさん、ハルトに朱乃。このフィールド全体に結界を張りなさい。私達は結界の外から見守るわ。」

 

 それを見た部長は告げる。

 

「はやくしなさい!!アギト、それも二天龍を持つ二人の激突は何が起こるか分からないわ!!イッセ―の壊滅的な破壊力をヴァ―リも持っていると考えるべきだわ!!そんな破壊の権化と言える二人が激突したら・・・。」

 

 あの・・・壊滅的な破壊力や破壊の権化って流石に言い過ぎですって!!

 

 その言葉に皆が顔色を青くして必死に準備始めたし!!

 

 みんなそこは否定してくれ!!

 

『お前のコカビエルを倒したファイナルベントを見たら誰だってそうなるわ!!』

 

 えーと、あの隕石落下みたいな必殺キックのことでしょうか?

 

 いっ・・・いや、あれは例外だって!!あんな無茶苦茶な一撃なんてそう何度も・・・。

 

――――悪いが相棒。あいつらの言うとおりだ。

 

――――あなたはすでに人間核弾頭と言っていい存在になっているのよ。

 

 何それ!?そんなに危なくなんてないやい!!

 

―――――現実を見ようよ。必殺技が隕石落下と同じ威力の時点で。

 

・・・・・・確かにそうかも。

 

「この一帯だけ空間を切り離す。こっちも二人の戦いは見てみたかった。データもとるから、みんなはサポートよろしく。でもね、ヴァ―リ。いきなりなのは流石に困るよ!!貸し一つだぞ。まったく、お前達の戦いの被害を修繕する身になってくれ!!」

 

「フッ・・・そんなお前だから信用している。あとで埋め合わせはやらせてもらうよ。」

 

―――――フィールド。

 

 ハルトがある指輪を発動。

 

「・・・これでも万全とは言えないのが怖いよ。だが、まあ・・・遠慮なくやりたまえ。」

 

 まあ、これで遠慮はいらねえか。

 

「なら最初はこれでいこうか?結界の強度もはかるために。」

 

 ヴァ―リはコブラが描かれたデッキを取り出す。

 

「いいぜ。」

 

 俺も竜が描かれたデッキを出す。

 

『・・・変身!!』

 

 そして俺達は変身する。

 

 俺は龍騎。

 

 ヴァ―リは王蛇に。

 

 そして互いにカードを装填。

 

――――Sword Vent!!

 

 俺は二本のドラグセイバー。

 

 むこうは螺旋のようにねじ曲がった刀身を持つ剣・・・ベノサーベルと紅い尻尾の様な鞭――エビルウィップを召喚。

 

 俺達は互いに二刀流でまずは手合わせをする事になった。

 




 サイガ・・・これで紋章は一つという恐ろしさです。

 ここからサイガは二刀流が基本となります。ある意味夢の二刀流。

 そして・・・いよいよヴァ―リとの戦闘開始。

 原作と違うのは、二人はただ純粋に戦いたいと思っている点。

 その結果・・とんでもないことが起きます。


 連続投稿まだ続きます。 
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