赤龍帝の幼なじみ達   作:THIS

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 いよいよ始まりました。

 原作達とのコラボです。

 上手くできているのかわかりませんがどうぞ!!


 間章 原作世界からの遭遇。
ドッペるゲンガー!?と子供達脱走


 SIDE ???

 

 起きたら・・・夏に逆戻りしていた。

 

 あれ?可笑しいな。もうすぐ年末で、部長達と年越しとしゃれこもうとしていたのに?

 

 何で夏の学校のグランドに立っているんだ!?

 

「・・・・・・・・。」

 

 チャイムが鳴る。それと共に玄関から次々と生徒たちが出てくる。

 

「俺・・・タイムスリップでもしたの?」

 

 でもその考えは甘いようだった。

 

「・・・・・・・・・。」

 

 その玄関からよく知った顔が出てきたからだ。

 

 そいつは間抜けな顔で俺を見る。

 

 きっと・・・俺も同じ顔をしてそいつを見ているだろう。

 

 何しろ・・・そいつは俺と同じ顔だったらだ。

 

「いっ・・・イッセ―が二人!?」

 

 見覚えのない背の高いイケメンが俺と隣の俺を交互に見る。

 

「ドッ・・・ドッペルゲンガー!?俺死ぬのか!?」

 

 ああ・・・見たら死ぬってあれ・・・てえええぇぇぇぇぇ俺しんじゃうの!?

 

―――落ちつけ阿呆が。

 

 俺の中の相棒がたしなめてくれる。

 

 しかし、なんか唸っているぞ。

 

―――俺が・・・あいつにもいるぞ!!

 

「おい・・・これはどういうことだ!?」

 

 向うの俺の傍に・・・デフォルメ化したドライクが現れただと!?

 

―――あっ・・・相棒・・・ここは違う世界だ!!

 

 どういう事だ?ドライグ。

 

「お前・・・名は。」

 

 チィ、仕方ねえ。

 

「兵藤一誠。」

 

「奇遇だな、俺も兵藤一誠だ。」

 

 二人の俺が対峙する。

 

 出来れば平和的に行きたいけど・・・。

 

―――――バトルフィールド。

 

「結界は展開させたわ。どうしてこうなっているのか全く分からないし、興味もあるから逃がすつもりはない。まあ・・・前回の反省を生かしてハルトが作ってくれた特性の結界。そのテストも兼ねさせてもらうわ。」

 

 指輪をはめた少女の姿を見て・・・俺は絶句した。

 

「レッ・・・レイナ―レ。」

 

 それは俺を殺した相手。

 

 それが俺の目の前にいるが・・・。

 

――――――フィールドカット。

 

 腰に・・・何か特撮ヒーロー、仮面ライダ―ウィザードだったか?そのドライバーみたいな物が現れ、そこにでかい指輪をかざしたら音声と共に周りの空間が変わる。

 

―――ぐっ・・・一瞬でこの空間を切り離したか。相棒・・・そいつを倒さないとここから出れないぞ。

 

「・・・仕方ない。」

 

 力を温存したいけど・・・そうもいかねえか!!

 

 ある意味では好都合かもしれん。

 

 トラウマを克服するいい機会だ!!

 

 かなりやりにくいし、複雑だけど。

 

 俺は禁手化を発動。

 

 この時期の俺なら、まだ禁手化に至っていないはず。

 

それで突破口を開いて・・・。

 

「すまねえがレイちゃんをやらせるわけにはいかねえ。」

 

 だが、もう一人の俺が立ちはだかる。

 

「何かあったらグレゴリ最凶の魔王が黙っていない。俺の友は・・・俺が知る限り最凶なんでね。」

 

 何でその隣にヴァ―リまでいやがるんだ!?

 

 しかも駒王学園の制服まで着ているとは。

 

「ああ・・・あれは俺が知る限り最も凶悪な類だ。悪いことは言わねえ。コカビエルが逃げまどい、アザゼルすら恐れる男の大切な人に・・・手を出すんじゃねえよ。」

 

 他の皆もレイナ―レを庇っているだと!?

 

「・・・俺はこいつに殺されたんだぞ?」

 

 それだけじゃなく・・・まあ、結構酷い事をされたというわけで。

 

「お前にとってはそうだろうな。だが・・・俺の幼馴染の大切な人なんだ。」

 

 んん?もう一人の俺の幼馴染だと?グレゴリの関係者となぜ幼馴染に?

 

「・・・あっ///あの///なっ・・・なんで私がハルトの大切な人なの?まっ・・・まだ恋人にもなっていないのに!?」

 

 顔を真っ赤にさせてもじもじとしているレイナ―レだと!?

 

 なんか、可愛いぞ?

 

 おかしい。レイナ―レッて救いようのないキャラだった気がするのに?

 

『ああ・・・「まだ」なってはいないよな。』

 

 そこで全員があえて「まだ」を強調しやがった!!

 

「はっきり言ってモロバレ。恋愛に関して鈍いイッセ―だって気付いているくらいにな。」

 

 右腕を手袋で隠した背の高い奴が呆れた様子でもう一人の俺の肩を叩く。

 

「おい!!誰が鈍いだ!?」

 

「罪深さはお前らしい。うんうん。」

 

 その隣でヴァ―リの奴がなんか感慨深そうに見ているし!!

 

 なんかあいつら仲良いな。

 

「????」

 

 なんか・・・可笑しい?

 

 あのレイナ―レ。俺が知っているレイナ―レと何か違う。

 

 ヴァ―リも俺が知るよりもなんか・・・丸い。そして乙女という名の可愛い生き物になっている。

 

―――――だから言ったはずだぞ!!ここは異世界だと!!俺達のいた世界の過去じゃなく、似ているが違う世界に来ているとな!!

 

「皆手を出すなよ。特にヴァ―リ!!お前はな。」

 

 異世界の俺がやる気を出して前に出てくる。

 

「仕方ない。まあ・・・他の連中もいたらやらせてもらうよ。アギトとしての予感だけど、きっと来ているのは彼だけじゃない・・・異世界の僕もいる気がする。」

 

 あっ・・・あれ?腰に何か変なベルトが現れましたよ?

 

「お前の予感はシャレにならないから勘弁してほしいぜ、変身!!」

 

 その声に・・・黄金の何かに変身した!?

 

 黄金のアーマーに紅い大きな複眼。

 

 それは俺達の世界で放送している仮面ライダーその物だった。

 

「なっ・・・なんだそれ!?」

 

「仮面ライダ―・・・アギト。」

 

 仮面ライダ―アギト。ああ・・・そう言えば観た事がある。

 

 しかもアギトって平成ライダーの二番目。

 

 俺も実は好きな仮面ライダ―である・・・って・・・。

 

「おっ・・・おい。何で俺がアギトになってる?」

 

 どうなってんだ!?俺が仮面ライダーアギト!?

 

「・・・アギトを知っているのか?」

 

 しかも・・・両手足が可笑しい事になっている。左腕は赤龍帝の篭手なのはわかる。

 

 右腕に変な龍のガントレット。あれって仮面ライダー龍騎のドラグバイザーそのものだ。

 

 右足に同じく黒い龍のグリーブ。

 

 そして・・・左足が白い龍の翼になっとる!?

 

――――・・・あの左足、アルビオンの・・・。

 

 俺は過去に右腕にその力を取り込んだけど、あいつは・・・左足か、

 

 足・・・。

 

 仮面ライダ―だとしたら、それは嫌な予感しかならない!!

 

 あの足でのキックは受けないようにしよう!!

 

 ライダーキックと半減の合わせ技は凶悪過ぎる。

 

「ぐっ・・・だがやるしかねえ!!」

 

「いいぜ。どこからでもこいや!!」

 

 こうして俺は何故かアギトに変身したもう一人の俺と戦う羽目になった。

 

「へえ・・・これや面白い。」

 

 そこにヴァ―リまでやってきやがった。

 

「・・・別世界の僕か。なら・・・こっちが相手するのが筋かな?みんな手を出さないでもらおうか。」

 

 そう言ってあっちのヴァ―リもまた変身しやがった!!

 

 今度は・・・ミラージュアギトだと!?

 

 ・・・あれ?という事はオルフェノクもいるのか?この世界?

 

 なんか仮面ライダー繋がりが多い世界だな。

 

「ふははは・・・あーははははは!!いいねいいね!!まさか異なる世界の俺とも戦えるなんて光栄だよ。」

 

 ヴァ―リの奴。歓喜の声をあげているぜ。

 

「・・・二天龍激突再びか。はあ・・・、どうしよ・・・。これって結界持つのかな?」

 

 レイナ―レが深い溜め息を突いている。

 

「二人ともやりすぎないでよ?・・・また学校が壊れたら、ハルトが黙っていないから。」

 

『・・・ビク!!!』

 

 あれ?その言葉に向うの俺達が固まったぞ。

 

『カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ・・・。』

 

 なんだ?アギトであるあいつらが何で震えているの!?

 

『りょっ・・・了解であります!!』

 

 何で軍曹!?

 

「・・・一体誰なんだ?そのハルトって?」

 

「お前達もあれを受けてみろ。」

 

「あれはトラウマになる。」

 

 向うの俺達が口々に言う。

 

 なんだ?そのハルトってやつ?

 

 しかもそのハルトって名前・・・仮面ライダーで聞いたことがあるような・・・。

 

 でもあのアザゼル先生が恐れる男って・・・何か怖いんですけど!?

 

「さっさとここから脱出して逃げるぞ!!」

 

「何を言っているんだい!!そのハルトって奴と戦うぞ!!アザゼルが恐れる男だなんてそうそういない!!」

 

 ああもうヴァ―リは!!なんでこう自ら危険に突っ込むかな?

 

「無茶せん程度に全力でいくぞ!!」

 

「しかたないか・・・。でも心行くまで戦わせてもらう。」

 

 俺達はこうして違う世界の俺達と戦う事になった。

 

 

 

SIDE 剣崎

 

 人生って分からない。

 

 今、俺はそう思わずにはいらない状態だった。

 

「キャ・・・キャ!!」

 

 思えば俺って・・・あれから遠いところまで来たもんだ。

 

 あの時から百年以上も世界を歩き回り、紛争地帯ではこの不死身の体が役に立った。

 

 助けた相手からも化け物呼ばわりしたけど、それでも助けた事に後悔はない。

 

 むしろ怖がって、危険な場所から急いで逃げてれくれればそれでいいくらいだ。

 

 そんなつもりで戦ってきた。

 

 だが、変な靄みたいな壁のせいで俺はいつの間にか異世界にやってきてしまった。ある時は変なジャングルみたいな世界。そのあとにこの世界に来てエクゾジストや悪魔、堕天使や天使等など色々な人外に襲われるという羽目に。

 

 まあ、みんな返り討ちにしたけど。

 

 みんな未熟すぎて不死身じゃなくても片手間で追い払えた。

 

 でも、あまりに蹴散らし過ぎて、皆から不死身の怪物と言われて恐れられましたよ。とほほほほ・・・。

 

 でも、ある意味人外ばかりの世界で良かったとも思う。

 

 俺みたいな不死身の化け物でもまぎれてしまうので。

 

 その関係か友達もできた。

 

 特にこの日本で九尾の狐さんには世話になったよな。

 

 そして・・・俺はこの街に再びやってきて今・・・。

 

「べろべろばぁー!!」

 

 必死でドラゴンの赤ちゃん達をあやしています!!

 

 皆元気一杯で、日々があわただしい。

 

 ただいまこの子達の母親は食事を取りにいっている。まあ・・・人間体に変身しての買い物だ。

 

 イッセ―君達がドラゴンの専門家と共に相談し、作っている。

 

 母さんドラゴンズはそれを作れるように日々練習中。二体とも料理はしたことないので、イッセ―やその師匠である天道さんに教えてもらっているという。

 

 ドラゴンアップル。それもヤマタというドラゴンが知り合いからかなり良心的な値段で仕入れており、それを利用した料理も研究中。

 

 そんな風に・・・何かすごい恵まれている環境でこの子達は育てられております。

 

 そのお守を俺がやることになるなんて。

 

 本当に・・・どうしたらこんな風になるの!?

 

 人生って分からない。長く生きれば生きるほど・・・退屈せずに色々と想像もしない事が起こってくる。

 

う~ん。まだ到達点が見えないよ。はははは・・・なんか俺の人生は波乱万丈に満ちているのかもしれない。

 

 でもおかげで退屈だけはない。退屈だけは。おかげで生きることができる。

 

 あの小さなじっちゃんも言っていたな。

 

 まあ、三勢力も和平したことで、こっちもイリナさんの父さんと敵対することがなくてよかったと思う。

 

「ラッセ―本当にありがとうな。」

 

 その過程でなんか・・・ラッセ―と仲良くなった。基本的に俺は懐かれないはずなのに、何となく一緒にいて楽しい友達になった。

 

 ラッセーの奴が少し照れた様子で顔を隠す。でも頭が三つもあるので隠し切れていないのは御愛嬌だ。

 

 ・・・俺自身がこんな怪物になったせいか、あまり種族などで人を見ない。それこそ俺は妖怪やドラゴン共仲良くなった。

 

 九尾の狐さんもそうだ。

 

あとすごく居眠りなドラゴンも。そのドラゴンとは何故か契約までさせてもらったほど。

 

 旅の中で落ちていた契約のカードを拾ってしまい、それがどんなカードかしらないまま使わせてもらったのだ。他の皆がそれを持っているのを見て驚いた。あれは・・・ミラーモンスター達が使うカードだったらしいのだ。

 

 俺が契約しているのは隠しておいた方がいいと、その契約したあいつに諭されたので皆にはまだ明かしていない。

 

その契約のカード越しにそいつは色々と教えてくれる。相談しながら色々とやっているわけだ。

 

 眠ってばかりなのに、眠りながら知識を吸収しているのか、色々な知恵を持っている。

 

 こっちの波乱万丈な人生を楽しいと思ってくれるらしく夢の中で見守っているらしい。

 

 なら・・・今俺が悪戦苦闘しているのはどう見えるのかな?

 

―――――ははは・・・面白いに決まっているじゃないか。夢として見るには最高だよ。

 

 二天龍の子供のお守って言う色々な意味で重要な役目をあいつは面白がっている!!

 

 そうそう・・・今俺が子守をしているドラゴン達の紹介をしようと思う。

 

 みんな女の子だ。

 

 白い蛇みたいな子の名前は撫子(ナデシコ)。

 

 性格はかなりクールで冷静。でもすごく頭がよく、洞察力も鋭い。ついでに言うと額に第三のでかい眼があるためか、空間把握能力が極めて高く、視野も広い。手の代わりに常に彼女の周りに四つの球体が浮いており、それで細かな作業とかする。

 

 ちなみに、すごく器用だ。まるで精密機械のごとく、神業を平然とやらかす。

 

 

 紫のドラゴンの名前は珊瑚(サンゴ)。

 

 すごく大人しく引っ込み思案な子だ。だが・・・気をつけて欲しい。

 

 この子もまた危険な力を持っている。

 

 その危険な力に加え、凄まじい怪力の持ち主という罠もある。

 

 まだ赤ちゃんなのに、俺だけでなく、車すらを片手で軽々と持ち上げる。

 

 そのパワー・・・まだまだ急成長中。

 

 

 

 朱金の龍の名前は陽菜月(ヒナヅキ)

 

 おしゃれ好きで、綺麗好き。少々気が強いのが特徴だ。でも・・・例にもれず彼女も恐ろしい力を秘めている。

 

 まあ、それで大事にしている宝物が消えてしまわないように細心の注意を払っているだけマシですかね。

 

 でも怒ったら相当苛烈になるのは勘弁してほしい。あの力は不死身だろうが関係なく戦闘不能、または死んでしまう力故。

 

 

 黒いドラゴンの名前は雷花(ライカ)

 

 活発でなおかつ好奇心旺盛。じっとしているのが苦手な子だ。疲れた時に寝るのも速いからスイッチのオン、オフの切り替えが早いのも特徴だ。

 

 この子は・・・とにかく早い。すごく早いのだ。

 

 おかげで逃げられたら一番捕まえるのに時間がかかる子だ。

 

 狭い部屋では一分もかかってしまう。

 

 むしろどれだけ俺から長く逃げていられるか?それを楽しんでいる。

 

 

 

 それでもこの子たちはアーシアちゃんの契約モンスター・アカリちゃんと仲がいい。

 

 アカリちゃんは、すごくマイペースでのんびり、おっとりしている。でも、何か芯が強そうな感じがある。

 

 

 彼女達の個性を把握し、それにうまく合わせられる程度には俺は子守をしている。

 

 結構可愛い子達だ。

 

「んん?えっ?またあれをやってほしいの?」

 

 そして、俺は最近子供達に受けがいいある特技を編み出した。

 

 まずジョーカーに変身。

 

 そして、部長に教えてもらった魔法で大木すら楽に切れそうな位の大型のチェーンソー召喚。

 

 この世界の魔術も面白い。フォースとはまた違うものがある。

 

 ついでにアイスホッケーのマスクをつける。

 

 さて・・・盛大にチェーンソーを吹かして!!

 

「ダァーイ!!」

 

と相手に恐怖を与えるために声色を低くくぐもった感じにして叫ぶ。

 

『キャキャキャキャキャ!!』

 

 それを見て子供達は大はしゃぎ。

 

 いや・・・普通怖がりそうなのに何でこんなに受けるのか?

 

 よく分からん。

 

ドラゴンの子供だからなのか?

 

それとも、無邪気故の怖い物知らずなのか・・・。

 

 ・・・・・・・個人的には後者だと思っている。

 

 これを母親達には見せられないよね?見せたら絶対にお仕置きだし。

 

 あの奥様達のお仕置きは・・・不死身でも嫌だ。

 

 ハルト君を使ってくるんだし。

 

 まあ・・・気を取り直してもう一度。

 

「・・・リアス姉様!!一体何がどうなって!!」

 

 という言葉と共に、戸が開く。

 

 それに気付き、その戸に振り返りつつ、俺はチェーンソーを振り上げて・・・。

 

「ダァァァァァァァァァァイィィィィィィ!!」

 

 と叫んでしまった

 

 我ながらさっきよりもより声が低く、怖く出来た渾身の演技。

 

 そこにいたのはアーシアちゃんだった。

 

「・・・・・・・・。」

 

 まあ、ここに来るのは身内だけだから問題ないって・・・あれ?

 

 何で顔色蒼くしているのですか?

 

「・・・・・・・・・パタリ。」

 

 そして・・・倒れた!!?

 

「うーん・・・うーん・・・。」

 

 慌てて抱き起こすと・・・すぐにアーシアちゃんは目を覚ますが・・・。

 

「ヒッ!?・・・ガク。」

 

 と小さな悲鳴をあげて気絶してしまった。

 

 なんか止めさせてしまったような。

 

「あれ?ああ・・・俺ってこの姿のままだった。だが・・・アーシアちゃんは見慣れているはず。どうして今更気絶なんか・・・。」

 

 自分が言うのもなんだが、ジョーカーの姿は初見では怖すぎる。

 

 でもみんなはもう慣れてくれてこっちとしては気が楽だったのだが・・・。

 

「・・・私がいる?」

 

 だが、その答えは扉の向こうから現れたもう一人のアーシアちゃんだった。

 

「?」

 

 さて・・・どうやらまた何かが起きたらしい。

 

「う~ん・・・う~ん。」

 

 まずはうなされているもう一人のアーシアちゃんを介抱しないと。

 

「その前にアーシアちゃんを放してしてくれないかな?」

 

 だがその俺の首元に剣が当てたれる。

 

「?」

 

 それは佑斗君だった。

 

 でも・・・何か違う。

 

「この人・・・違う佑斗さんです!!」

 

「・・・・はあ。オンドゥルは・・・。」

 

 思わず溜め気がでるよ。

 

 やれやれ。とにかくゆっくりと話をしましょうかね?

 

「そう警戒しなくていい。ちょっとこの子を驚かせてしまってね。まあ、こんな見た目で申し訳ない。」

 

 首に突きつけたはずの剣をやんわりとのける。

 

 手も使わずに刃と体の接点だけでだ。

 

 こういうのは円運動が大切なんだよ。あと体の軸とか重心も。

 

 太極拳のそれに近いかな?

 

「驚かせたのは謝る。だから落ちつこうよ。」

 

 そして、彼の目の前でジョーカーの姿から人間に戻る。

 

「いっ・・・何時の間に・・・。」

 

 いきなり剣から俺がすりぬけるようにして立ち上がったように見えるだろう。

 

 まあ・・・本当に長い事闘ってきたから。変な技が身についてしまった。

 

 理に至るといわれる類らしい。まあ無駄な力を使わずに色々できるし楽ですが。

 

 戦い以外あんまり意味が無いのが最大の難点だ。

 

日常生活ではその場の空気を手に取るように読める程度で。

 

 そうそう、ジャングルで余生を過ごしていた小さなじいさんからも「フォース」って奴もならっていたんだ。

 

 あれは結構便利だ。素質があるって言われた時には驚いたけど。

 

 超能力みたいな事が楽にできるようになっている。

 

 別れる前にはもうマスターとして認めてもらえました。

 

 そう言えばこの世界でその素質を持つ奴を見つけて弟子にしないといけないのだった。

 

 騎士の系譜を継ぐ者っているのかね?

 

 この世界で多分骨を埋めることになりそうだし、この世界で弟子に教えましょうかね_

 

 実はあの子供ドラゴン達にも素質がある。アカリちゃんとラッセ―にもだ。故に遊びながら密かに修行させてみたりする。

 

 まだ下地段階だけど、これが十年後になると面白い事になる。

 

 ふふふ・・・。初めての弟子がドラゴンって言うのも面白い。

 

 何となく予感がするんだ。俺はここに来る運命だったと。

 

 そう告げている。

 

「あれ?アーシアちゃんが二人?」

 

 彼もアーシアちゃんが二人いる事に気が付いたようだね。

 

 さて、まずどこから・・・。

 

「うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

「ぐっ・・・敵?」

 

 灰色の魔人・・・ホースオルフェノクが下半身を馬に変えた状態で壁をぶち抜いて乱入してきたのだ。

 

「なっ・・・。」

 

 下半身が馬の状態で翔る彼を見て、もう一人の佑斗君は絶句しながら素早く飛び退く。

 

「なんだ・・・君は。」

 

「・・・それはこっちのセリフだ。」

 

 オルフェノクの姿から戻る佑斗君。

 

 そう・・・彼は俺達の知る佑斗君なのだ。

 

「・・・僕まで二人?でも僕はそんな化け物に変身はしない!!」

 

「化け物は否定しないさ。」

 

「ちょっとお二人とも落ちついて下さい!!って・・・。」

 

 二人の姿が消える。

 

 それと共にあちこちで剣撃が聞こえてくる。

 

「・・・参りましたね。はあ・・・。」

 

 アーシアちゃんはため息をつく。

 

「・・・どうもあちこちで戦闘が起きています。って・・・。」

 

 その激突のせいで壁に大穴が空く。

 

 そこから・・・ドラゴンちゃん達が脱走。

 

 ライカが大人でも走れないと思うほどの速度で皆を引っ張り、あっという間に消えてしまった。

 

 どうも激戦に驚き、思わず逃げてしまったみたいだけど・・・速過ぎる。

 

 その速度・・・子供にして弾丸のごとく。

 

 俺は反射神経も鍛えているので何とか見えたけど・・・。

 

 まだ子供だね。流石に怖かったか。

 

「大変・・・アカリまで連れていかれた!!」

 

 子供ドラゴンズとアカリちゃんはとても仲がいい。それこそ・・・本当の姉妹のように。

 

 故に、危ないと思って一緒に連れて行ったのだろう。

 

 うん・・・いい子たちだ。

 

「ってラッセ―!?」

 

 その後をラッセ―が通り過ぎる。

 

 彼もすごい速度で逃げた子達を追いかけて行ったのだ。

 

「・・・お兄ちゃんとして妹分達を放置しておけないって。」

 

 いや、ラッセ―。君はいい兄をしているよ。

 

「・・・はあ。」

 

 でも、参ったねえ。早く見つけないと。

 

 嫌な予感がするんだ。こんな光景を母親達が見たら・・・。

 

 ドサ・・・。

 

 ああ・・・遅かった。

 

「何・・・これ・・・。」

 

「ねえ・・・私達の娘はどこ?すごく怯えていたのを感じて慌ててきたのに・・・。」

 

 朱金のショートヘアの女性が買い物袋を取り落とす。

 

 そして紫のおさげをした女性が茫然と見ている。

 

 この二人・・・クレアさんとベノさんだったりする。

 

「・・・すみません。あの二人が突然戦い出して、それにびっくりして逃げてしまって。」

 

『へえ・・・。』

 

 二人の瞳の瞳孔が縦に細められながら屋外で戦っている二人の佑斗君達に向けられる。

 

 あれは・・・怒りの目だ。

 

 それも猛烈な怒りの時にしかみせない。

 

「どうして彼が二人に増えているのかはこの際、置・い・て・お・く・わ。」

 

「ええ・・・。そんな些細なこと、ど・う・で・も・いいから。」

 

 やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい!!

 

 あの奥様達を怒らせたらマジでヤバい!!

 

 本来のお姿に戻る前に!!

 

「おっ・・・俺が止めてくるんで。ここは穏便に。」

 

「・・・あなたは娘達を探して、この二人は・・・私が直々にお仕置きする。」

 

「ええ、説教は任せたわ。私はこのあたりを探す!!幸い・・・テレパシーであの子達はただ怯えているだけというのは分かったから。ゲラス、エビル、そしてアルビオンも急いで呼ばないと。ヴァ―リ!!ちょっと来なさい!!ええい、つべこべ言わずに・・・いいわね!!えっ?もう一人の自分と戦うから邪魔するな?ふふふだったらその子ごと話をつけにいってくれるわ!!ちょっとそこで待ってなさい!!」

 

 えっと、契約者を無理やり連れてくるつもりですか?

 

 あの方・・・アギトを顎で使おうとしているよ。

 

「ブランカにはもう伝えたわ。ふふふ、あの子達にお仕置きしてあげる。よくも私達の子供達を怯えさせたわね。」

 

『・・・・・・。』

 

 俺とアーシアちゃんは揃って震えあがる。

 

 いや・・・あんた達の方がよっぽど怖いわ!!

 

 ッてツッコミを心の中でするといアーシアちゃんが頷いてくれた。

 

 直接言えませんからね。火に油を注ぎたくない。

 

『いいからあんたはとっとといけ!!』

 

「うぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

 俺はグレゴリから貰ったあるベルトを腰に巻いて駆けだした。

 

 別に逃げているわけじゃない。あの腕白な子供達を探しに行くだけだ。

 

 そのために俺は必死で走っているだけだからな!!

 

 それでも、俺は思わずにいられない。

 

 二人の佑斗君・・・強く生きてね。

 

 俺・・・二人の事は決して忘れないから。

 

 

 

 

 

 




 さりげなくですが、剣崎さんもとんでもないことになっています。

 残念な部分は相変わらずですけど。

 さて・・・ここから事件はさらにつづきます。
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