ここからさらに混迷してきます。
リアスさん大暴れです。
SIDE リアス。
はあ・・・もうすぐ夏休み。
あっという間に一学期が終わったわ。でも、その一学期が、これまでの高校生活、いや私の人生の中で最も濃い時間だったと断言できる。
ああ・・・私は遠い世界にまでやってきてしまった。
「何黄昏ているのよ?」
「仕方ないじゃない。だってねえ。」
思えばこの一学期だけで、私もずいぶん遠くまで来た気がする。
カ―ミラの力が判明してから・・・、いえイッセ―を眷属にしてしまったことからすべてが変わったのだ。
非常識の塊であるイッセ―。私の可愛い下僕・・・というにはあまりに凄まじすぎる存在。
そして・・・私の心を奪ってしまった赤龍帝にして、アギト。前の戦闘で魔王と共にいなくなった神の後継となった子。
私以外の多くの女の心を奪った大変罪な男の子。
「・・・あの・・・この世界の私に何があったの!?」
「・・・現実逃避をさせてもらったわ。」
目の前にはもう一人の私がいる。現実逃避もしたくなるものだ。
「カ―ミラっていうのかしら?私の過去にはそれがいなかったから、タイムスリップしたわけじゃないのは分かるわ、でも・・・一ついいかしら?」
「何かしら?」
「あなた・・・イッセ―に告白したの?」
その言葉に対して溜息を突きたくなる私。顔が赤いのは仕方ないことだ。
悩ましいため息になってしまった。
「そう・・・か。ふふふふふふふふふふふふ。」
だが、それを聞いたもう一人の私は笑う。
優越感を持って。
「なっ・・・何よ。」
「勝ったわ。だって私・・・イッセ―の一番だもの。」
『・・・・・・・・。』
なん・・・だと!?
「今・・・なんて言ったの?」
「私・・・イッセ―の恋人なの。プライベートでは呼び捨てにするくらい。そして冥界でも私達の仲を祝福してくれているわ。ふふふふふ・・・。」
「・・・・・。」
・・・・・・・。
まっ・・・負けた。
私はがっくりと膝をつく。
「ちょっと、なんでそんなにショックを!?」
もう一人の私には分からないでしょうね。
この・・・圧倒的な敗北感は。
「ふふふふふ・・・でも、この様子だと、そこまでの流れはこの世界でも変わっていないわね。せっかくイッセ―と年越しを楽しもうとしたのに・・・。」
年越しだと?
「あなた・・・未来から来たの?」
「ふふふ、そうよ。もう結婚まで考えるほどの仲に・・・。」
「・・・あなた、少し見栄を張っているわね。」
あれ?カ―ミラがもう一人の私を見て断言する。
「なっ・・・何のことかしら?」
「あなた達の性格も癖も全く同じだし!!だから、あなたが見栄を少し張っているのも見抜けるわ!!まあ・・・付き合ってラブラブなのは本当のようね。」
カ―ミラの分析にもう一人の私は軽く表情をひきつらせる。
「すごい・・・。そっちの世界の私って面白い相方を・・・。」
「教えなさい。」
でも、私はそれどころじゃない。
「どうやってイッセ―を落としたのか教えなさい。」
未来の時間から来た別世界の私は、今の私にとって重要な情報を持っている。
イッセ―を落とし、一番、つまり正妻になるための方法を。
「・・・いや・・・そのね。」
「私にはライバルがたくさんいるの。そりゃもう・・・アーシアとユウナと正妻の座をかけて戦っているし、最近は朱乃まで参戦するわ、ブランカやゼノヴィアやまだ未知なるスペックを持つ幼馴染のイリナ。私の勘だとまだまだこれから増えそうなのよ!!そんな罪深いイッセーのハートをこっちの物にしないといけないの。ハーレムは避けられないのはすでに私も、そしてみんなも承知のこと。だからこそ・・・正妻の座が重要なのよ!!」
私は負けられないのだ。
絶対に・・・一番になる!!
「あれ?私の知らない名前が?・・・・・・そうか。そっちは私よりもライバルが多いか。うんうん・・・わかるわ。」
もう一人の私は頷く。すごく余裕で。
かなり癪に障る。
これが・・・これが正妻となった者の余裕というのか?
「・・・だから教えなさい。私とイッセ―が結ばれる方法を。」
「いやよ。そんなの苦労しないと意味ないじゃない。ふふふふふふふ、せいぜい苦しみなさいな。私・・・。」
かなり意地悪な笑みを浮かべてくれますね。
「絶対に聞きだす。カ―ミラ!!」
傍で飛んでいるカ―ミラを問答無用で捕まえる。最近カ―ミラを素手、それも片手で捕まえるのがうまくなったわ。
「ちょっと!!ここで私を使うの!?」
「い・い・か・ら!!情報は鮮度が命!!」
良いから変身させなさい!!
「新鮮な情報を得るためなら、相手がウサギでも私は獅子になるわ。」
なりふり構っていられない!!
「・・・そうか、その意気込み・・・天晴だわ。でも、これだけは彼女に言わせてね。・・・もう一人のリアス、最初に謝っておくわ。」
「へっ?」
どうして謝っているのか分からないでしょうね。
「この子・・・私のせいでとんでもないことになっているから。」
カ―ミラはそういいながら私の手の甲をキスするように噛む。
そこからステンドグラスのような文様が私の頬などに浮かびあがるとともに皇魔力が注ぎ込まれる。
それと共に私の腰にベルトが出現。
「私としては降参を強くお勧めする。」
「変身。」
降参を薦めるカ―ミラをセットして変身。
「・・・・・・・・・。」
紅のキバになった。
変身した私を見たもう一人の私は唖然茫然。
少し魔力を解放させると全身から滅びの力が出てくる。
「げっ!?滅びの力が尋常じゃない!?」
どうもカテナを解放するにつれて力が増しているようだ。
滅びの力がさらに増しているわ。
もう最上級悪魔どころか、魔王クラスだってカ―ミラやお兄様も言っていたし。
そして、おもいきり地面を踏むと・・・。
震度五から六程の地震と共に、大きな地割れが・・・。
「なっ・・・ななんあなな・・・あなたサイラオークにでもなったというの?」
ふふふ・・・もう変身したら中級ドラゴンくらい拳一つで十分よ!!
竜王と互角に殴り合う事が当面の目標よ!!
悪魔としては破格のパワー!!私はもう・・・色々な意味でパワーキャラなのよ!!
最初に鋼鬼さんに会った時にやった広域への地震。夏休みまでに己が出来るようになるなんて・・・ふふふ・・・もう後戻りできないわね。
開き直りって肝心。
大切な何かが次々と失われている気がするけど、もう気にしないことにするわ。
「・・・さあ、洗いざらい吐きなさい。」
「じょっ、冗談じゃないわよ!!自分で言うのもなんだけどあなた・・・怪物になっているわ!!下手したらグレンデルと真正面から殴り合えるような怪物とガチで戦うなんて願い下げよ!!」
すぐにその場から逃げるもう一人の私。
グレンデルって何よ?
「ふふふ・・・逃がさない。」
私という名の獅子は、情報をもつもう一人の私という名のウサギを狩るために全力を出そうとしていた。
SIDE 鋼鬼。
う~む。これはどうしたものか。
俺は山の中でうなっていた。
『・・・・・・・。』
それは日課となった黒歌と小猫と共に鬼の修行の時に起きた。
もう一人の小猫ちゃんが現れたのだ。
「・・・これはどういうことだ?」
――――私が説明する。
そこに黒歌の首にかけられた鏡から出現する者がいた。
三つの足を持つデフォルメガラス・・・ヤタノガラスだ。
「私が・・・いる?」
「どうなっているの?」
二人の小猫ちゃんがお互いをぺたぺた触りながらお互いが幽霊ではないことを確認し合う。
「・・・いや・・・私は今夢をみているのかにゃね?あまりに白音がかわいすぎて二倍になっちゃうなんて。」
それを見た黒歌は二人をまとめて抱きしめる始末。
――――――んんん・・・なんだ。強い気が・・・。
だが、見分けはつく。何しろこちらが知る小猫の肩の上にある存在が現れたからだ。
「ガメラ、起きたの?」
「ああ・・・。」
「カメさん?ずいぶん凶暴な面構えだけど・・・。」
「うっ・・・。」
もう一人の小猫ちゃんの指摘に少し傷ついた様子のガメラ。
「でも、目は可愛いよ?すごく賢い。」
「撫でていい?」
「どうぞ。」
「・・・異世界の小猫ちゃん・・・いいぞ。」
ガメラの奴はそのまま撫でられることにしたようだ。
「平行世界から来た小猫ちゃんというのか?」
ヤタガラスからの説明ではガメラの事例と同じく違う世界から来た存在らしい。
「ああ。まあ、いきなり戦闘にならなくて良かった。相当仙術の修行を積んでいる。」
「そうね。ねえ・・・あなたもしかして大人の姿になれる?」
「えっ・・・はい。なれます。」
「やっぱりか。う~ん、こっちの世界の白音にも覚えさせようかにゃ。」
仙術により大人の姿になる。それは黒歌から聞かされていたのだ。
そして、平行世界の小猫ちゃんはそれが出来る。
「こっちの世界でもそれが仙術の一つの到達点かもしれんな。」
「うんうん、あとで色々聞かせてにゃ。」
「えっと・・・その前に聞きたいのですが、お姉様?」
別世界の小猫ちゃんは恐る恐る尋ねる。
「この方は誰です?」
「誰って、私の夫にゃ。」
「そうですか・・・・・・・・・ってすみませんもう一度言ってもらえませんか!?」
あまりにあっさり答えたのでもう一人の小猫ちゃんは聞き流しつつ、すぐに驚く。
「だから私の夫にゃ。」
「私の義兄さんになります。」
「まあ、そう言う事だ。」
「・・・・・・・。」
「驚くのはわかる。私も話を聞いた時にはびっくりした。でも実際夫婦だよ。すごく仲もいいし。」
「・・・・・・今私、異世界に来た事をこれほど実感したことはない。万年発情期のお姉様が結婚していたなんて。」
「・・・そっちの私にあったら一言文句をいってやりたいにゃ。」
黒歌が唸る。そちらの黒歌はどうなっている?
「でも、いつ私・・・伯母さんになるのか戦々恐々している。」
『ぶっ!?』
「えっ?」
こっ・・・小猫ちゃん。なんてことを・・・。
色々あってイッセ―の家に小猫ちゃんも来る事になった。
朱乃、木場などのグレモリ―メンバー全員だ。
故に俺達は夜のあれに関しては最新の注意を払っている。
「防音の結界・・・確かに効果覿面。でも故にそれを展開しているということはどういうことかモロバレ。」
「・・・うっ・・・うにゃ////。」
「しかも・・・毎晩改めて展開。仙術を知っていたらすぐに分かる。」
「うっ・・・。」
「振動からしても一晩で十回以上はしている。本当に夫婦の営みがすごい。いつ私、伯母になってもおかしくない。」
「・・・ふっ・・・不潔です///。」
『・・・・・・ああ・・・うう・・・///。』
たっ・・・頼む小猫ちゃん。これ以上暴露しないでくれ。
俺達夫婦の夜の生活を突っ込まれると困る。
「和菓子で手を打ちましょう。もう一人の私の分・・・含めて。」
「わかった。」
「やるようになったにゃ。」
うちの義妹は・・・したたかだ。
満面の笑みで脅迫してくる。
「まあ、その和菓子の前にやることで来たようだ。そのあとでいいか?」
俺は街の方を見る。
「・・・良くない気がするにゃ。鋼ちんも感じているのかにゃ?」
「ああ。」
仙術を習った甲斐はある。
『私も感じます・・・あっ。』
二人の小猫ちゃんも同時に声をあげる。
「ふふふ・・・仙術の師匠としてはその領域に到達した白音が嬉しいにゃ。」
「・・・なら俺に乗れ。」
ガメラがその言葉と共に少し巨大化する。
甲羅の大きさで普通自動車みたいな大きさになったのだ。
四つん這いになったガメラの上に小猫がもう一人の小猫と共に乗る。
俺も、黒歌も続く。
皆が乗ったのを確認すると・・・。
ガメラが手足を引っ込め、何と・・・そのからジェットみたいな物を噴き出して宙に浮き始めのだ。
「とっ・・・飛んだにゃ!!」
「空をジェット噴射で飛ぶ亀・・・だと?」
亀が空を飛ぶ。一応小猫から話その物は聞いていた。
だが・・・本当にジェット噴射で飛ぶとは。
「・・・・・・。」
もう一人の小猫ちゃんは驚いて声も出ない様子だ。
「気持ちわかる。でも大丈夫だから。あれ?私、何か大切なことを忘れているような。」
何を忘れているというのだ?小猫ちゃん!!
すごく嫌な予感がするぞ。
「・・・学園に向かうとしよう。皆・・・しっかりとつかまれ!!」
ガメラの奴が頭も引っ込める。
そして・・・回転を始めたのだ。
「あっ・・・あれ?」
その回転は徐々に速くなってくる。
いや・・・早いというレベルを超えて・・・。
しっ・・・視界が・・・遠心力が俺達に・・・。
『うああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
その日、山から学園に向かって悲鳴を上げながら高速回転する謎の飛行物体が目撃されたらしい。
SIDE ハルト
俺は生徒会室で旧交を温めていた。
「いや~本当に久しぶりだぜ。」
「仁藤さんも相変わらずで。」
生徒会室には攻介と俺、そして、マユちゃんとミサちゃんも来ていたのだ。
「あなた達には何と言ったらいいか。本当にありがとうございます。」
「ほんまやわ。」
ソーナ会長が頭を下げる。その隣ではレイも頭をさげてくれている。
「まあ・・・私達の身内のせいでもあるし。」
「こちらこそ、ヴァ―リがやりすぎてごめんなさい。」
「・・・しっかし、ミサちゃんともこうして話せる日が来るなんてなあ。」
攻介はミサちゃんをマジマジと見る。
マユちゃんと初めて見かけ、メデューサと間違えて追跡した事を思い出しているのだろうか?
「なあ・・・お前らってどういう知り合い?」
「えっ・・・そのな・・・。」
匙の質問に応えづらそうな攻介。
俺達からしても何と言えばいいのか分からない。
まさか、あれを言うわけには・・・。
「前世での仲間ですよね?」
だが、その答えをソーナ会長があっさりと言ってしまった。
「そうでないと、あなたと仁藤君とのつながりは説明できません。」
そして苦笑して見せる。
「・・・どうやらあなたの頭脳をこっちは過小評価していたみたいだ。」
俺は肩をすくめる。
「えっ?前世って・・・。」
匙は戸惑っているが、攻介が溜息をついて彼に説明を始めていた。
「一応だが、これはグレゴリのみんなも、イッセ―達も知らないことだ。オフレコで頼むよ。」
「ええ。あなたには大変お世話になっています。こっちもそれくらいの誠意は見せないと。」
ソーナ会長。すまないな。
「まあ・・・デンライナーみたいな訳の分からない事態が目の前で起きたのです。その関係者が異世界からの転生者というのは知っていますし、別の事例があってもおかしくないということです。」
なるほど・・・良太郎達の事例で確信したということか。
「まあ、そう言う事で俺はお前より人生経験は長いってわけだ。」
「ついでに言うなら・・・こいつは苦戦を阿呆みたいに経験している。」
故に攻介の粘りは異様なまでにすごいぞ?
「そうですか。そして、そのキマイラが前世からの相方というわけですね。」
「そして、似たような状態に匙がなっているわけだ。」
―――――腹へった。
匙の相方であるマティゴティアの相変わらずな言動に皆は苦笑する。
「あいよ。今回は野菜チップスだ。お前夏バテ気味だからな。」
「気づかい感謝~。」
匙の相方も相当慣れてきた様子。
「もうすぐお前も変身できる。いや・・・もう出来るのか?切り札としてそれを隠しているな?」
「・・・ははは・・・ばれましたか、ええ、切り札としてね。まあ・・・イッセ―達を考えるとこっちもまだまだですし。」
どうも同期のイッセ―をライバル視している匙。
彼は陰で努力し続け、その結果ついに変身を出来るようになったのだ。
「あいつのライバルになるのは大変だぞ。」
アギトとして途方もない進化をしているイッセ―。
まだどの領域にまで行くのか想像もできない。
「百も承知です。でも・・・あれだけの力を持ちながら、それに溺れない。それどころか真っ直ぐと目標を持って進んでいるあいつに俺・・・負けたくないと思う。神になる男とライバルって我ながらいい度胸だと思うけど。」
「ふっ・・・だが、お前の神滅具はある意味アギトにとっても脅威だからな。倍化の力・・・うまく吸収したみたいだし?」
「あとは半減の力を取り込めればこっちの物ですけどねえ。」
今の匙は、手ごわいぞ。油断していると足元をすくわれると思うがいい。
「さあて、俺はガメラさんと会いましょうかね?あの人から何か得られると思うし。」
ガメラって・・・あれか?
「こっちも色々と交流は盛んにさせてもらっているぜ。前のレギオンからは・・・。」
―――――マイクロウェーブ。
「面白い技をゲットさせてもらったし。これ・・・必殺技になるぜ?指輪同志のコンボもできるし。」
攻介の奴も色々と手数を増やしているな。しかしマイクロウェーブか。
「あのアニメ・・・参考になる。」
そう言えば俺もあいつとあれを見たよな。あれを・・・やらかすか。
「・・・あっ・・・丁度よかった。」
そこに副会長の真羅さんまでやってくる。
「あの・・・これってなんです?」
彼女の腕の中には・・・青いひよこのような奴がいた。
「サンダ―バード・・・のようね。」
それは北欧のインディアンの伝承に現れる雷の精霊。
小型の飛行機くらいの大きさはあるとされ、色は黒の場合が多い。
だが、そのサンダーバードは外見が違っていた。まず尾羽がクジャクのようになっていたのだ。
感じるのは雷だけじゃない。転生の力を秘めた聖なる炎と浄化の力を持つ光の風。
ヤタガラスと同等がそれ以上の格を感じる。
もしかしたら、成長したらとんでもない奴になるのでは・・・。
「一応アーシアちゃんに聞こうか。もしかしたら・・・あの類かもしれん。それに・・・契約のカードを使ったな。」
「はい。いつの間にかカードで契約していて・・・何故か私がその契約者。卵は確かに私が孵しましたが。」
「・・・それは怖いな。」
契約モンスターはデフォルメ化して小さくなっている。だが、それはあくまでも仮の姿。
本来なら途方もないでかい奴もいる。ガメラやモスラ、ヤマタがいい例だ。
そして、俺はそれを警戒して良かったと心の底から思うことになる。
「興味深いですね。」
「変な石まで飲み込んでいるのですよ。でも、すごく可愛いと思いますけど?」
『・・・・・・・。』
えっと・・・青いひよこを可愛がるのは分かりますけど。
まあいい。
副会長殿はその変なひよこを可愛がることにしたようだ。
「名前はヴァルヴァ―レってする予定です。」
ソロモンの魔神の名前を元にしたか・・・。
そんな時だった。
「はあ・・・はあ・・・はあ。」
その部屋にリアス部長が入ってきたのだ。
「この世界のソーナ。助けて・・・。」
息も絶え絶え。
「なんですか?」
そして・・・生徒会室の壁が吹っ飛ばされる。
「み・つ・け・た・・・。」
そこにいたのは・・・紅のキバ。もといリアス部長だった。
「・・・ひっ・・・。」
『ガタガタガタガタガタガタガタ。』
何だろう・・・他のみんなが震えている。
こっちもなんか冷や汗が背を伝う物があるぞ。
「リアス・・・、お願いですから普通に入ってきてください。それにどうして魔王モードになっているのかしら?もう一人の彼女が怯えているじゃないですか。」
「ふふふふふ・・・ソーナ。その子を渡しなさい。」
「だっ・・・だめ。全く勝負にならない。」
色々を粘ったのだろう、でも全く歯が立たずに逃げ込んできたようだ。
「どうしてあなたがそこまで執着するの?」
「もう一人の私は異世界の未来から来ているの。その子がイッセ―の一番となった未来からね。その情報は・・・私が全力を出す価値があるの!!」
「・・・なるほど。しかし未来の情報ってある意味禁断の果実ですね。」
ソーナ会長が呆れた様子を見せている。
「あなたも挑発しないでくださいな。」
その上で事態の収拾しにかかる。
「まさか私の消滅の魔星(イクスティングイッシュ・スター)を相殺されるなんて。」
「・・・私もカテナ三つ解放でないと対抗できなかったわ。未来の私はとんでもない必殺技を思いついているものね。まるでブラックホールじゃない。」
「あなた・・・一度に三つも解放できたの?」
「根性でなんとか。」
こっ・・・根性ですか。
―――――私、驚きを通り越すと呆れになるってことをこの数カ月で思い知らされたわ。
「カ―ミラ姉さん・・・大変ですな。」
腰のベルトではカ―ミラがあきれ果て、それにレイが同情する始末。
「・・・・・・・。」
呆れ、いやもう天晴と言えるレベルの執念。前の戦いで開き直ったがためにカテナを一度に二つ解放するという暴挙をやったばかりなのに・・・。
ソーナ会長がこめかみに指を当てて頭痛を抑えようとしているし。
「・・・・・・あなたも大分染まってきましたね。」
「ふっ・・・それこそ今更よ。」
グレモリ―眷属。人外街道を邁進中ですな。
パワーあふれるとされているけど、リアス部長がその先陣を務めているのはねえ。
「自覚あるだけマシと思っておきます。まあ、こんなやりとりができるだけ冷静になりましたかね。お茶でも飲んで話会いましょう。」
「それもそうね。ごめんね追いかけまわして。ようやく冷静に慣れたわ。」
「お前達がどうしてこの世界に来たのかも気になる。俺達も話を聞くことにしよう。・・・約二名程、心当たりがあるし。」
俺は何となくだが、この騒動の背後に誰がいるのか分かっていた。
昨日の晩に二人が「実験はいつにする」や「どうせなら・・・。」と物騒なことを話していたのを聞いていたから。
あの二人め・・・あとでお仕置きだ。
「・・・たっ・・・助かったわ。私も白状する。なんとか元の世界に帰りたいし。」
「初めからそうすればいいのよ。」
何とかそっちは平穏に終わりそうだ。はあ・・・あの様子だと他の連中も来ていると考えた方がいいか。
「本当に異世界なのね。シトリー眷属に見慣れない顔が・・・。」
「こっちは鎮圧してくるよ。ヴァ―リの奴・・・絶対に戦っているだろうし、イッセ―も熱血過ぎてバトルになっている可能性がたか・・・。」
俺は窓の外を見て絶句していた。
「なんだ・・・あれ?」
何か回転してきて突撃してくる物体があったのだ。
大きさは普通乗用車位。それがジェット噴射をしながらこっちにやってくる光景を見たら、いくら俺でもあっけにとられる。
「ちょっとこっちに突っ込んできて・・・。」
それがそのまま窓や壁をぶち破って・・・。
『ふん!!』
とっさに変身したソーナ会長とリアス部長が協力して止める。
「・・・この世界・・・ソーナまで変身するのね。」
異世界のリアス部長が遠い目をしている。
回転がようやく止まると・・・。
「・・・ガメラの・・・馬鹿。」
その上に見知った連中がいた。
「・・・すまん。ついいつもの癖で・・・。」
回転が止まると黒い円い物体から手足、そして頭が出てくる。
「うっぷ・・・気持ち悪いにゃ・・・。」
「うう・・・。」
上から二人の小猫ちゃんと黒歌が滑り落ちてくる。
「・・・今度は・・・三半器官を・・・鍛えるぞ。まだ鍛え足りん部分があったとは・・・。」
ガメラの上から降り立った鋼兄も・・・そのまま膝をつく
修行馬鹿は根性がどうも違う。でも流石に限界だったらしい。
「あなた達は・・・どうしてこう普通にやってこないのですか。窓からやってくるのはまだ分かりますが、窓ごと外の壁をぶち抜いて入ってくるなんて非常識すぎます。この世界にやってきたからには・・・クドクドクド。」
ソーナ会長、ガメラに説教し始める図。
「ううう・・・。」
ガメラは反省しているのか小さい姿に戻ってその説教を聞いている。
いや、ソーナ会長。貴方も大分たくましくなりましたな。
「・・・はあ。直ぐに壁を修繕しますか。匙、攻介、マユちゃんにリサちゃんはこいつらの看病を頼む。」
もう修繕に慣れたよ。
懐から指輪を出す。この指輪。レイちゃんが初めて自分で作ってみた物だ。
その効果・・・中々の物だと思っている。それをプレゼントしてくれたのだ。
ようやくそれをここで使える。
「ついでにお菓子を出すよ。レイちゃんが頑張って作ってくれたものでねえ。すごくおいしいんだ。是非みんなにも食べてもらいたい。」
同じくレイちゃんがみんなと一緒に色々と思考錯誤しながら作ってくれたドーナッツ。
俺がドーナッツを好きだと知っていたのか。頑張って作ってくれた一品。・
すごくおいしいので感動したくらいだ。それを皆と分かち合おうとした。
それなのに・・・。
穴から紅いドラゴンのオーラを纏った球体が飛んできたのだ、
それに吹っ飛ばされ、壁に叩きつけられる俺。
それと共に籠に入ったドーナッツまで粉々になってしまう。
その際に指輪も取り落としてしまい・・・。
――――――Half Dimension!!
半分になってしまった。
『・・・・・・。』
いや・・・痛いね。
本当に痛いよ。
それにせっかく修繕しようとしたのに、指輪まで半分にされて使用不可能になったし。
美味しいドーナッツまであったのにな・・・。
「ふふふふ・・・。」
なんか痛くて、可笑しくて笑いがこみあげてくるよ。
せっかくレイちゃんが作ってくれた物なのにねえ。
「・・・おっ・・・おいハルト、落ちつけ。冷静に・・・冷静にな。」
それを見た攻介が必死に俺をなだめてくれる。
「あーはははははははははっ!!」
ありがとう。俺は冷静だよ?
だって・・・何をするべきかよく分かっているから。
――――――ドライバーオン。
俺の腰にドライバーが出現。
―――――シャビドゥダッチ、ヘンシーン!シャビドゥダッチヘンシーン!!
俺は変身する。
――――――ドラゴン
いつものフレイムスタイルじゃなく、その上位の変身。
フレイムドラゴンスタイルに。
「・・・お前、絶対に怒っているだろう?」
攻介の指摘に対しての俺の答えは・・・。
右腕に出現させたドラゴタイマーである。
―――――――ドラゴタイム。
「ふふふふふふふふ・・・。」
――――――ウォータードラゴン!!
青の魔方陣が現れてそこから青の俺が出現。
「ふはははははは・・・。」
――――ハリケーンドラゴン!!
緑の魔法陣からは緑の俺。
「あーはははははははっ!!」
――――ランドドラゴン!!
黄色の魔方陣からは黄色の俺。
「・・・お前絶対に怒っているな。完全にイカレタ笑いをしてやがる。」
「・・・ハルトさんが四人・・・。」
匙の奴が今の俺をみて目を点にしている。
『ほう・・・。』
俺は破壊された壁の向こうを見て、底で戦っている奴らをみて犯人を知る。
『あの二天龍共・・・お仕置きだ。』
『ガタガタガタガタガタ・・・。』
お仕置きのために笑っているだけなのにどうしてみんな震えているのかな?
「・・・何か朱乃を思い出すわね。」
「いい眼しているわ、もう一人の私。まだ朱乃には内緒だけど彼・・・その朱乃の実の弟なの。」
「・・・はあ?」
「ついでに言えば・・・血筋のせいなのかものすごくドS。あのように本気で怒ったらドS魔王になるから。ついでに言うとグレゴリ最高幹部。同じ立場にいたコカビエルはもちろん、総督のアザゼルでさえ彼を怒らせるのは絶対に避けた程よ?」
「・・・・・・。」
「グレゴリ最強にして最凶。それが彼よ。」
もう一人のリアス部長がこの世界のリアス部長とソーナ会長の説明を聞き、俺をまるで化け物を見る様な眼で見る。
「この世界・・・すごいわね。」
向うの世界は一体どんな感じなのだろうか?興味はあるけど今は・・・あいつらの処刑が先だ。
『さあ・・・ショータイムだ。』
俺達はそう言って壁の向こうから飛び出す。
「ああ・・・惨劇のショータイムの始まりだぜ。」
「・・・俺、絶対にハルトさんだけは怒らせないようにする。今そう決めた。」
攻介と匙のそんなコメントを最後に聞いた。
SIDE ???
どうやら俺達に運が向いてきたようだ。
思えば本当についてない。
フェイゾンを発掘していた時も常に脅威にさらされていたし、あそこで憎き、でも脅威過ぎる相手・・・サムスがやってくるし。
採取したフェイゾンと共に逃げたかと思えば、そのフェイゾンの中でダークサムスが復活し、俺達を洗脳してきやがるし。
俺達は呪われている。結果としてほぼ全滅したと言っていい。
だが、俺達が乗った戦艦はワープを行い。奇跡的にある星に不時着していた。
文明レベルの低い惑星。
座標を見ても銀河連邦から相当離れているらしく、反応が無い。
ここで資源を採集して、しばらく我慢し、我らの復活ののろしを上げて・・・。
そこで俺達は珍しい生物を見つけた。
それは・・・リドリー様に似ている部分がある。
一体は白い蛇。
二体目は紫。
三体目は朱金。
四体目は黒。
そして五体目は・・・昆虫みたいな要素が見られるこげ茶色。
だが、内包しているエネルギーは半端なものではない。
「・・・捕まえるぞ。」
もしかしたらメトロイドに変わる我らの新しい兵器になる可能性すらある。
俺の提案に皆は頷く。
どうやら本当に運が向いてきたようだ。
ふははは・・・これで我らスペースパイレーツは復活できるぞ!!
さあ、行くぞソルジャー共!!あの生命体を捕獲するぞ!!
俺達は動き出す。
それが俺達の死亡フラグだとは知らずに。
いよいよこちらの世界の必殺処刑人ハルトさんが機動しました。
彼の処刑を楽しみにしてください。
あと・・・今回の生け贄は彼らです。