赤龍帝の幼なじみ達   作:THIS

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 いよいよゲーム開始。

 今回の投稿は此処までで申し訳ないです。

 後半はまた執筆次第投稿します。

 
 ここで両眷属がどのように強くなったの分かると思います、


 ただ・・一方の眷属が恐ろしいことになっていますが。


レ―ディングゲーム 前編

SIDR イッセ―

 

 ゲームに課せられた制限。

 

 特に俺には相当な制限が掛かっているが・・・。

 

「これでレ―ディングゲームに参加できるのならむしろ安いわ。」

 

 と部長はむしろ安心していた。

 

 そして、その制限とは・・・。

 

 まず俺は禁手化禁止。ギャー助に至っては神器の使用とゼクターの使用を禁止されている。ゼノヴィアもデュランダルを禁止されている。

 

 そして俺のアギトと龍騎、木場のオーガとナイト、良太郎の電王、ゼノヴィアのゼロノス、部長の紅のキバ、朱乃さんのソーサレスドライバー、小猫ちゃんの鬼の力による変身禁止。

 

 当然ファイナルベントも禁止されている。ソードベントなどは使っていいらしい。

 

 使い魔も無し。この使い魔はミラーモンスターも含まれるらしい。故にアドベントなど、相棒達を呼び出す系のカードも使用できなくなるし、良太郎のイマジン憑依もできなくなる。

 

「・・・今回出番なしか~。」

 

 剣崎さんも出せないのもねえ。剣崎さんに活躍して欲しかったのに。

 

「いっ・・・いや、剣崎さんが参加したら、全力の状態の君とは別の意味でゲームが崩壊する。本当に出てくれなくて良かった。知能戦の切り札になるけど、剣崎さんは強すぎる。」

 

 佑斗が全身を震わせながら断言する。

 

 相当な制限がかかったな。

 

「まあ・・・当然と言えば当然・・・だが、穴だらけもいいところだぞ?」

 

「そうね。」

 

「ははは・・・いいのかな?こっちはそのルールの穴をついても。」

 

『・・・・・・。』

 

 佑斗に至ってはある肝心な力に全く制限が掛かっていない。

 

「あの・・・私は全力を出していいのでしょうか?」

 

 アーシアに至ってもそうだ。俺はすでに感じ取っている。

 

方向性はともかく、純粋な力という意味では、アーシアは俺やヴァ―リとほぼ互角だ。

 

 現時点では眷属でもっとも力を発揮するのはアーシアだ。皆はその脅威を完璧に見誤っている。

 

 アザゼル先生は肩をすくめて言う。

 

「あっちには二枚の切り札がいる。あと、ハルトとポルムの奴があいつらを魔改造している恐れがある。それには十分注意しろ。だが、それ以外で負ける要素は皆無だ!!油断せず・・・なおかつこれまでの修行の成果を存分に発揮しろ!!あいつらを蹂躙してやれ!!」

 

『おう!!』

 

 こっちも本領発揮無理ですし、今回はサポートだけにしようかな?

 

 ふふふふふ・・・さあ、平行世界の同志から教えてもらいさらに昇華したあれを披露してやる。

 

 そして、制限を設けたはずのゲーム運営側の皆は思い知る。

 

 俺達がどれだけ規格外な連中なのか。

 

 そして、アーシアになにも制限を設けなかったという重大なミスを思い知る。

 

 

 

SIDE 匙

 

「・・・あのグレモリ―眷属と戦うのですか!?」

 

 悪魔社会で、すでにあの眷属は怪物揃いと言う事で有名になっていた。

 

 それも全員がだ。

 

 この夏で例外は誰もいなくなった脅威の連中だと俺達は認識している。

 

 制限が掛かるのがむしろ怖い。

 

 今まで認識してこなかった脅威が顔を出しそうで・・・。

 

「みんなビビっているんじゃねえ!!むしろチャンスだ!!」

 

 だが、俺からしたらむしろチャンスだと考えている。

 

「俺達の夢・・・その本気度を見せつけるチャンスだ。」

 

「へえ・・・そんな事を言うの、本来俺の役割なんだが・・・強くなったな。」

 

 仁藤が俺の肩をたたく。

 

 だが、仕方ねえだろう。窮地に陥った時のポジティブさはお前から学んだから。

 

「だが、その通りだぜ?俺達にも制限は掛かった。だが、それでも向うに比べたらまだマシといえる。それがチャンスと言えず、なんて言う?」

 

『・・・・あっ・・・。』

 

「やっぱり仁藤だな。こういう所は・・・。」

 

 ハルトさんとポルムさんがやってくる。

 

「ネタばれはしないようにするが・・・向うは化け物だ。」

 

「よくいうぜ。お前だって大概だろうに。」

 

「そういうなよ。」

 

 ハルトさんと仁藤のやり取りをみると、本当に戦友って感じがある。

 

「でもみんなには力がある。それに・・・今回は制限が掛かってできないけど・・・。」

 

―――――ピーチエナジー。

 

「確かに残念ですね。」

 

 椿姫副会長の手には変わった桃の形をした錠前。

 

 それを使った変身をするけど、今回は見られそうにないか・・・。

 

「まあ、今回はドライバー単独で我慢します。」

 

 俺達にはハルトさんが作ったドライバーによる指輪の魔法・・・。

 

「良い作品ができた。皆使いこなしておくれよ?」

 

 ポルムが作った平行世界で皆が手にする予定の人造神器を神器へと昇華させた者が皆に渡っているのだ。

 

「リバースを神器で再現、創り出すのは面白いアイディアだ。寿命は縮めないけど、消耗は軽い物じゃない。使いどころを考えるように。」

 

「はい。」

 

 リバースと言うもう一つの切り札も用意できた。

 

 さあ・・・向うはどうする?

 

 

SIDE  新

 

 俺達はイッセ―達のゲームをじっちゃん達と一緒に見ている。

 

「楽しみじゃのう。お主の友人、そしてこの勢力の神になるであろう兵藤 一誠。その真価がわかるぞ。」

 

 変身禁止という大幅なパワーダウンを迫られたあいつら。

 

「ふっ・・・その程度、何も問題ない。」

 

 それを俺の隣で観戦しているヴァ―リが断言する。

 

 結構勘違いされそうな性格とみていい。だが、本質はすごく熱い。クールに見えてすごく熱い男だと俺は思っている。

 

 そのせいかすぐに意気投合。呼び捨てし合う仲になった。

 

「何しろあいつはあの仮面ライダ―1号からその技の全てを受け継いだのだからな。むしろ素の状態でその技がどれだけ発揮できるのか楽しみだよ。後で君とも手合せを願いたいがいいかい?」

 

「いいよ。でも・・・姉ちゃんが許してくれたら・・・。」

 

「・・・君の姉上と手合わせを願いたいが・・・。相棒達が・・・。」

 

「・・・さすがにあいつの契約者とまともに戦いたくないわ。」

 

 ヴァ―リの隣にいる紫の女性。それが姉ちゃんの傍にいるあいつを見て戦慄していた。

 

「ベノ、それほどの存在なのか?マグナギガって・・・。」

 

「・・・ミラーワールド最強のゴルドですら恐れるから。」

 

「・・・おい。オーディンのじいさん。なんて奴を・・・・。」

 

 アザゼルさんが呆れかえっている。

 

「ワシも持て余しておる。あいつ単独でスルドや霜の巨人族達の暴走を鎮圧する様な連中じゃから。いまではスルドじゃなく、あいつらが世界を焼き払いかねん。そして、それは向うもそれを恐れておる。あいつらがいる限り・・・ラグナロクは起こせんじゃろうな。」

 

 じっちゃんは溜息をつく。

 

 戦争の神であるはずのじっちゃんが持て余す。それはつまり、マグナ一体で戦争その物が瞬時に終わってしまうからだ。

 

「・・・自分、不器用です。」

 

「おかげで、色々と改良し甲斐があったわ~。まだまだ無駄なところがあるからねえ。もっと改良するわよ~。」

 

「あの・・・自分、これ以上強くなるのですか?」

 

「もちよ!!あなた自身も進化し始めているからまだまだ行けるわよ。ミラーワールドのカードもまだまだ応用が利くし・・・サバイブ・・・作り出したのは良いけど、まだまだ改良の余地ありですから!!」

 

 黄昏のサバイブ。

 

 それを使う時・・・世界が終るとされる禁断のカードとなっている。

 

「・・・これ以上にない最良の契約者みたいね。あなたの力を倍化させ、さらに精度も高める上に、サバイブを意図的に編み出すだなんてどんだけ悪夢よ!?クレア・・・どう思う?」

 

「ノッ・・・ノーコメント。頭が痛いわ。イッセ―・・・あなたの周りに私達の常識すら崩壊する連中が現れ始めたわ。」

 

 マグナギガ。あまりの破壊力に自身も制御できずにいた存在

 

 それが契約者を得ることで、その契約者自身がもう一人と一緒に色々と改良。

 

 その結果・・・北欧神話に問答無用の破壊神降臨となったのだ。

 

 黄昏のサバイブという最終兵器もおまけ付きで。

 

 それを姉ちゃんが本気でブチ切れて、ロキ相手に一回だけ使った事がある。

 

 俺の命を狙ってきたロキ。俺がバルドルの息子だから、命を狙ってきたらしい。

 

 俺の知らないウチに死んでしまった俺の父さん。その因縁という奴だ。

 

そのため俺が大怪我を負った。

 

 それに激怒した姉ちゃんが使ってしまったというわけだ。

 

 その結果?

 

 瀕死の重傷を負ったロキ達が答えだ。

 

 その心に拭い難いトラウマが出来たとだけ言っておく。

 

「・・・それで、その人があんたの嫁ということか。人間じゃないのは分かるけど・・・。」

 

「はい。」

 

「これはまた美人な・・・。器量も良さそうだし・・・。」

 

 出てきたのはアインさん。ロズヴァイゼ姉ちゃんの最初の相棒。

 

「私は「夜天の魔道書」の管制プログラムでした。闇の書に改造され、その運命から解き放たれ、私はそのまま消滅する運命だったのに・・・この世界にやってきて・・・契約をしてしまって。」

 

「全く・・・変な改造をしていたから直すのに時間がかかりました。でもプログラムが魔法になる世界っていいです。おかげで私の魔法にも革命が・・・。」

 

「闇の書の闇を解析して、逆に応用させるなんて世界って広いですねえ・・・。」

 

 それは運命の出会い、だったと思う。

 

 姉ちゃんが家の魔法を継ぐ事ができないと落ち込んでいた時に出会ったアインさんこと夜天の書。

 

 書の中にある闇と永久結晶を解析し、こちらのあらゆる魔術と称号させ、そして・・・解除。

 

 その中で異世界の魔法体系を完璧に理解した姉ちゃん。そこからすべての始まりだった。

 

 北欧神話における姉ちゃん無双の始まりは。

 

 あのロキが最も恐れる女となるまでに。

 

 調子に乗らないのは・・・まあ、本人はまだまだ満足していないだけである。

 

 だから、姉ちゃんってマグナの破壊力ばかりに恐れが向けられているけど、本当の脅威は誰も知らない。

 

 神すらしのぐ世界最高クラスの魔法の使い手であり、戦略家、分析家。

 

 魔法で姉ちゃんに挑まない方がいい。

 

「グレゴリの指輪の魔法と異世界の呪文・・・う~ん・・・ぜひ教えて欲しいものです。」

 

「・・・流石にこれには驚いたぞ。」

 

 そこにある男がやってきた。

 

「あっ・・・。」

 

 まさかとは思っていた。

 

「天道?」

 

「ああ・・・加賀美。この世界に生まれ落ちてきたか。さらに面白い男になったな。」

 

「・・・天道殿と知り合いか?」

 

「あっ・・・ああ。一応だが」

 

「加賀美とは友達だ。」

 

『!?』

 

 その言葉に天道の事を知ると思われる人物。冥界の魔王達とグレゴリの総督、アザセル達は驚く。

 

「はははははははっ!!流石イッセ―の幼馴染。僕でも予想できないパイプを持っている。面白いよ。」

 

 笑いを止められないヴァ―リ。

 

「ちなみに言うが、天道はイッセ―の師匠だぞ。」

 

・・・・・・なんですと?

 

 驚く俺は天道を見ると。

 

「こっちはお前がイッセ―の幼馴染である事に驚いているが・・・。」

 

 お互い様って顔をしているが、待て待て待て待て待て待て!!

 

「おい天道・・・この世界でお前は何をやらかしている!?イッセ―の師匠ってどういう意味だ!?」

 

 じっくり話を聞かないと。この世界で天道の奴は確実に何かをやらかしている。

 

 それは間違いない。

 

 でもこいつは秘密主義者だから、はぐらかすだろうがな。

 

「・・・本当にどんな人脈をしておるのじゃ?お前の幼馴染は・・・。」

 

 じいちゃんの言葉がすべてであった。

 

 

 

SIDE イッセ―

 

 さあって、やる気満々!!一丁行きましょうか!!

 

『・・・・・・・。』

 

 あれ?なんか女性陣からの視線が冷たい?

 

「イッセ―君、君って本当に罪づくりだよね。」

 

 良太郎の奴が俺の肩に手を置いてうんうんと頷いている。

 

「えっと・・・さっきのことか?」

 

 ゲームに行く前に俺達はレイヴェルが差し入れに来てくれたのだ。

 

 その際・・・すごく熱い視線が注がれていたような・・・。

 

「・・・本当にどれだけの罪を重ねれば君は気が済むのかな?僕の妹といい・・・。」

 

「僕の姉さんといい・・・。」

 

『・・・はあ。』

 

 二人は揃ってため息をついている。

 

「あとで被害者の会を作ろうか。」

 

「そうだね。・・・アーサー君とハルト君、ライザ―さん、黒歌さん、鋼鬼さん達も呼んで。」

 

「・・・・・・。」

 

 被害者の会ってなにするおつもりですか!?

 

「クレアさんも呼ぼう。イッセ―対策にあの人の参加は欠かせない。」

 

「確かに・・・。あと部長の兄様も・・・。」

 

 だからお前ら!!

 

 なんの被害だ!?

 

 

 

 

 ってな感じでゲームは始まる。

 

 

 

 

 舞台は・・・ショッピングモール。俺達の街にある奴だ。

 

 戦いはもうすぐ。

 

 この戦いは物をむやみに破壊したら減点されるらしい。

 

「この戦い・・・イッセ―。貴方の持ち味は完璧につぶされるわね。」

 

 まあ・・・普通ならそうだろうな。

 

「それはどうですかね?こっちも先輩達にしごかれましたし。」

 

「・・・えっと・・・それって生身でも強くなったってこと?」

 

 まだ俺達はそれぞれの修行の成果を知らない。

 

 逆に生身での強さを見せてやろうかな?

 

「それでも確かに持ち味は出せねえ。こっちは補助、そして奇襲をメインにするつもりだ。」

 

「奇襲?」

 

 あの二つはそのためにある。

 

「時間稼ぎ位はできる。メインのアタッカーは・・・良太郎と佑斗、ゼノヴィア、そして・・・。」

 

 小猫ちゃんは前のダメージがあり、本調子ではない。無理はさせられない。

 

 それに俺は感じとっている。

 

「アーシア。頼むぜ。」

 

 アーシアの成長を。

 

「えっと・・・戦うのはあまり好きじゃないですけど・・・。」

 

『えっ!?アーシア!?』

 

 俺の推薦に対して皆が驚くけど仕方ない。

 

「だって、この面々の中で俺を除くと最も攻撃力が高いの・・・アーシアだぜ?」

 

「そうでしょうか?」

 

『・・・・・・・。』

 

 俺の発言に皆が驚いている。

 

――――――それは本当か?

 

 ドライグですら疑問形。

 

 でも間違いない。なんでアーシアになにも制限を賭けなかったのかが、疑問な位だ。

 

「なら一つ質問があります。あの・・・。」

 

 アーシアの質問に皆が驚く。

 

―――――壊した物って直したらそれで問題ないでしょうか?

 

 その言葉の意味を皆が知った時、俺ですら驚いた。

 

 ちなみに問い合わしたら直したら問題なしということらしい。前例が無いことだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうして戦闘開始。

 

 

 俺達はそれぞれの王を目指し走りだす。

 

 まずギャー助が無数のコウモリを作り出す。

 

 吸血鬼、ファンガイアとしての力を引き出したギャー助。

 

 その結果、己自身が変身しなくても偵察用のコウモリ等をだせるようになったのだ。

 

 もっとも、パワーダウンが激しいのには変わらない。

 

 ライフエナジーは死なない程度に吸っては良いらしいが。

 

 俺よりも制約を受けている。

 

「・・・・!?どうやら分身が消えました。どうやらいるみたいです!!」

 

 ギャー助の偵察用のコウモリが消えた事らしい。

 

「手はず通り、二枚の切り札は俺がいくぜ。」

 

「ええ・・・。ギャスパーはそのまま分身を密かに配置しておいて。このフィールドを密かにね・・・。ふふふふふふふふ・・・制限された中で色々と考えるのも悪くないわね。」

 

 部長が悪い顔になっています。

 

「では私はこのフィールドを好きに改造します~。」

 

『えっ!?』

 

 アーシア。その力の一端が今発揮される。

 

 

 

 

SIDE 匙

 

 俺達はついにグレモリ―眷属、最強の男と対峙した。

 

 その名は兵藤 一誠。

 

 悪魔の駒の力により、アギトとして覚醒し、亡き神の後継の座までたどり着いた男。

 

 春から今まで、ほんの数カ月で数々の武勇伝を持つ。

 

 その阿呆みたいな破壊力は裏の世界に轟いている。

 

「待っていたぜ?」

 

「へえ・・・アギトの勘ってやつか?」

 

 不敵な笑みを浮かべる兵藤。それに俺達はあえて不敵な笑みで返す。

 

 だが、内心では冷や冷やしている。

 

――――すげえ・・・。すげえプレッシャーだぜ。

 

 この夏であいつはさらに凄みを増している。

 

 厖大な力を発揮する新たな変身を制することができたのも嘘じゃねえ。

 

 だが・・・。

 

「上等。だからこそやりがいがあるってもんだぜ。」

 

 その力を大幅に今回は制限されている。その持ち味は発揮できないはず。

 

「・・・そうかい!!」

 

―――――BOOST!!

 

 あいつの神器が発動。力の倍化が始まる。

 

 最新の情報としてその倍化を応用させた時間加速による高速行動も可能になったと。

 

 あらゆる防御を貫通する透過という新たな力。

 

 あの戦いで情報があるとはいえ、一つ一つが脅威だ。

 

 それに対抗するには・・・同じ力。

 

―――BOOST!!

 

 そう。俺のリバイアサンの神器の力を。

 

「・・・俺と同じ倍化?」

 

「その通り。これが俺の神器の力。あらゆるエネルギーを吸い込み。己の力として自在に行使できる神器。一応、譲渡してもらった事があるからな。その際・・・お前の倍化の力を吸収させてもらった。」

 

 この神器の真価はそこだ。あらゆるエネルギーを吸い込み、己の力とする。その器は天井知らず。無限に吸い込み貯蓄する。

 

「・・・してやられた。だが・・・。」

 

――――BOOST!!BOOST!!BOOST!!BOOST!!

 

「・・・・・・瞬時の倍化はできるのか?にわかのコピーで・・・。」

 

 ぐっ、やっぱり自力が大幅に上がっている。本来なら十秒ごとに倍のはずなのに、意図的に瞬時に倍化させるなんて。

 

 だが、それを待っていた。

 

 一度吸い込んだエネルギーは・・・。

 

―――――absorption!!

 

 発生したその時点で俺の神器が吸い取る!!

 

「なっ・・・。」

 

 どんな力も一度吸い込んだら支配下に置く。

 

 それが俺の神器のもう一つの特性。

 

「へえ・・・面白い。」

 

 兵藤は召喚機にカードをセット。

 

――――Sword Vent!!

 

 剣を召喚しようとするが・・・。

 

「それも対策済みだ!!」

 

 それに対するカウンターも用意しているぜ!!

 

 俺はある指輪を取り出す。

 

――――コンファイン

 

 アザゼル先生からハルト、そしてポルムへと伝わったあるカードの力を指輪として再現したもの。

 

 その効果は・・・カード効果の無効化。正確にはアドベントカードのAP、およびGPの破壊だ。

 

 ポルムさん・・・いい仕事していますよ。

 

 兵藤の奴が目を丸くしてマジで驚いていやがるし。

 

「・・・まじ?」

 

 これで譲渡から来る厄介な必殺技も封じた!!

 

 兵藤の必殺技の一つはソードベントやストライクベントからくる。だからそれを封じてしまえば・・・。

 

「だったら新能力・・・。」

 

――――Accelerator BOOST!!

 

 時間加速の能力を使う瞬間・・・。

 

 俺は合図を出した。

 

「おう!!」

 

――――リバース!!

 

 戦車の由良が現れ、篭手状の人工神器を発動。

 

 それは神器の力の反転。

 

 時間加速の反転。それはすなわち・・・。

 

「ぐっ・・・。」

 

 時間の遅延。

 

 兵藤の動きがゆっくりとなる。

 

 その隙を俺は見逃さない。

 

 あいつの身体を黒い炎で拘束。

 

 四つの神器の力を得て、俺の力はさらに進化した。

 

「・・・平行世界の俺が言うよりも展開が速い?」

 

 平行世界の俺より先に、ヴリトラの神器をすべて移植されていた。

 

 もうその地獄は体験済みだ。

 

「ははは・・・あーはははははははははは!!」

 

 笑わずには・・・いられねえ!!

 

「・・・そうか。地獄だったか。」

 

 兵藤の奴は何故か憐れみの目で俺をみやがるし。

 

―――――だが、そのおかげで俺は早くに分身と会えた。

 

 その地獄のおかげでヴリトラと出会えたし・・・。

 

 このまま兵藤をたお・・・。

 

―――Divide!!

 

「簡単にいくと思うなよ?」

 

 黒い炎が消えていく。

 

――――Divide!!

 

―――これは・・・アルビオンの力?我が呪詛が半減されていく。

 

 相棒が驚いている。瞬く間に黒い炎が消えてしまった。

 

「おいおい・・・その力って相手に触れないとだめなはずだったじゃねえか?」

 

 半減の力についても調べている。

 

 触れた相手の力を十秒ごトに半減するというもの。相手に触れないといけないという制約があるはずなのに・・・。

 

「ちょっとした応用だ。触れて力を奪う対象が者から物になっただけ。ヴァ―リのアイディアだ。お互いに神格を持つ相手に半減がうまく機能しなくなった。それ故に相手が放った力なら関係ないだろうと言う発想でやってみたら、できたわけだ。ヴァ―リの奴なら大半の攻撃を無力化しやがる。」

 

「・・・・・・。」

 

―――――無っ・・・無茶苦茶な理屈だぞ・・・。

 

 ヴリトラの驚きもわかる。だが、ありえる。アギトは神格を持っている。

 

 おそらく進化を続けた結果、その神格が強くなり、お互いに半減が決め手にならなくなったと考えれば・・・。

 

 それに対する力の使い方の変更もあり得るということか。

 

「・・・お前・・・頭いいな。まさにそう言う発想。」

 

「!?」

 

 そう言えば時間加速を使ったのに、すぐにそれが解けた?

 

 あらかじめ時間加速をリバースされることを知り、短くしていたとしか思えない。

 

 どうしてだ?

 

「はっ・・・まさか乳語翻訳(パイリンガル)!?」

 

 平行世界の兵藤が編み出した変態技。女性の乳房から心を読むと言うあの・・・。

 

「はは・・・。」

 

 だがその言葉にあいつは笑う。

 

「はーはははははははは!!乳語翻訳(パイリンガル)?その技なら修行前にとっくに使えるわ!!平行世界の俺が教えてくれたおかげでな!!」

 

「!?」

 

「戦う相手がみな野郎ばかりだったから使う機会がなかっただけでな。」

 

 すでに使用可能だった?

 

「・・・この修行で高まった俺の力はその乳語翻訳(パイリンガル)をさらに進化させた。その力でリバースをしてくることも分かったから対応できた!!」

 

 しかもそれをさらに進化させただと?

 

「その名も・・・」

 

 イッセ―はもったいつけてその名を言う。

 

「乳神予言(パイトラダムス)!!」

 

・・・・・・

 

・・・・・・。

 

 へっ?予言!?

 

 翻訳から今度は予言!?

 

「相手の乳から、心だけでなく、未来を読むことができるようになったのだ!!もちろん、それだけじゃなく予言だから・・・。」

 

――Penetrate!!

 

「させるか!!」

 

 俺も黒い炎を発射させようとする。透過の能力はそれだけ危険だ。

 

 防御不可の攻撃だけじゃない未知の怖さが・・・。・

 

「そこでお前は俺の「透過」を反転させようとする!!」

 

兵藤の奴がいう。

 

――――リバー・・・

 

「えっ!?」

 

 由良の奴の行動を・・・読まれた?

 

「そして透過の力の反転を利用して・・・。俺は新たな力を発動!!」

 

――――――Reflect!!

 

俺の放った黒い炎を片手ではじき返しやがった。

 

「おかげで反射のコツが分かった。感謝するぜ。」

 

『・・・・・・。』

 

――――なっ・・・何と言う化け物だ。

 

「ぐっ・・・だがそれも反転・・・。」

 

「神器を発動させようと思ってあんたは後ろに下がった拍子に石に躓いて転ぶ。ちなみにパンツは丸見え。」

 

「へっ?きゃ!?」

 

 その言葉と共に由良が本当に後ろに下がって転ぶ。

 

 そのパンツ・・・俺も見てしまった。

 

「立ち上がろうと棚を掴んだらその棚が倒れて下敷きになる!!」

 

「へっ・・・きゃあああぁぁぁぁ!!」

 

「・・・・・・。」

 

 兵藤の言ったとおりになったぞ。

 

―――これは・・・因果率操作。

 

「その通り。女性限定のな。」

 

―――気をつけろ!!我が分身よ!!この力は・・・ただ女性の乳から未来を読み取るだけじゃないぞ!!

 

 ヴリトラの警告が響く。

 

「ああ・・・わかっている。」

 

 なんて力を編み出しやがった。

 

「発動すると最後、未来予知だけじゃなく、女性限定だが、俺の言った事が現実になる。それが俺の乳神予言(パイトラダムス)!!」

 

 まさに・・・女性に対して無敵の力。

 

 もはや意味不明のレベルだ。

 

「由良!!お前はさがれ。兵藤と相手にするのはあまりに分が悪すぎる。」

 

「ぐっ・・・グレモリ―眷属は化け物か!?」

 

 それどころか由良の乳から未来を読み取り、自分の思いのままに行動させることができるあたり、こっちが不利だ。

 

「ちぇっ、良い判断だぜ。平行世界の俺が言うに・・・強敵は野郎ばかりだからこの力はあまり役に立たないんだわ。お前の様な・・・な。」

 

 由良を下げ、一対一で俺は兵藤と対峙する。

 

 凄まじいプレッシャーだ。まるで、巨大なドラゴンと対峙しているような錯覚すら覚える。

 

「へえ・・・強敵と思ってくれんのか?」

 

「少なくても、俺にとって警戒しないといけないのは仁藤と匙・・・お前だと思っているぜ?」

 

 そう言ってくれてこっちは心が震えた。あいつ、あえてこっちを燃え上がらせたな?

 

「いいねえ・・・上から目線であるのは癪だけど。」

 

「一応神様の後継だぜ?」

 

「それなら俺もこっちにこないといけねえわな。」

 

 兵藤の足元に銃撃が飛ぶ。

 

 それと共に現れたのは・・・仁藤だった。

 

「相棒、駆け付けたぜ。会長の懸念大当たりってところか?」

 

 流石だぜ・・・。本当に良いタイミングで来てくれた。

 

「・・・わりぃ。リバースを逆に利用されたり・・・予想を遥かに上回る強さだった。正直助かる。」

 

 兵藤とは初めての戦いだけど、大幅に力を制限されている中でもその恐ろしさが嫌ほど分かってしまう。

 

 何をしでかしてくるか分からない脅威的な意外性。

 

 これが制限無しだと・・・正直勝てる気がしない。

 

 絶望しかできねえ。

 

「リバースは切り札に変わりねえ。それを利用するあたり、相手が悪かっただけのことだ。まったく、これだからアギトって奴は・・・。」

 

 仁藤も頭を抱える。リバースはアギトには危険だと分かったからだ。何が起こるかわからない。

 

 おかげで回復役であるアーシアちゃんにもリバースを使うのは危険だとわかった。

 

「まあ、そう切り替えて、アーシアちゃん以外の他の神器使いに使えばいいだけのことだ。俺達は二人で兵藤を抑えるぞ。人数的にもこっちの方が有利だ。」

 

「上等。」

 

 頼りになるぜ。

 

―――イッセ―さん、頑張ってください。

 

「へっ?」

 

 その言葉と共に俺達のいた場所がかわっていく。まるで建物の一部がそのまま作りかえられているような光景。

 

 そして、廊下だったのが、体育館の様なフィールドになったのだ。

 

――――それと・・・アスカロンは使わないのですか?なにも制限が掛かっていないのに?

 

『!?』

 

 俺達に衝撃が走っていた。

 

 聖剣から神の剣となったアスカロン。それは・・・制約の中に入っていなかった。

 

 その剣の力は公開されていない部分が多い。

 

「やめておく。今の俺が振るったらフィールドを壊す恐れがある。」

 

 だが、兵藤は不敵に笑う。それを使わないというのだ。

 

 極めて恐ろしい理由で。

 

「さあ・・・互いに本気でいこうぜ?せっかくアーシアがおぜん立てしてくれたんだからな。」

 

 俺達は、互いに視線を交わし合う。

 

―――――あとでアシュカ様に直訴しよう。

 

―――――当然。制約が全然機能していない!!

 

このあとでルールを決めた連中に抗議することを決めた。

 

 連中があまりに・・・あまりに規格外すぎる。ルール制限が追いつかない位に。

 

 そこで俺達は気付く。

 

 他の連中はどうなのかと。

 

 ヤバいのは兵藤だけじゃないんじゃないかと。

 

 そして不幸にもその懸念は大当たりだった。

 

 

 

 SIDE 祐斗

 

 とりあえずアシュカ様には後で言っておかないと。

 

 僕はある姿になってフィールドを駆けまわっていた。

 

 背中に二人を乗せて。

 

 そして真羅副会長にあったけど・・・。

 

「・・・あら・・・。」

 

 流石に驚いています。

 

 今の僕は下半身が馬のようになった疾走体となっている。

 

「・・・オルフェノクでしたよね。そう言えば・・・その力になにも制限が掛かっていなかったような・・・。」

 

 その通りだった。

 

 僕のオルフェノクとしての力、全然制限掛かっていない。

 

 そのため、常識外れな速度でショッピングモール内を駆けてみたのだ。

 

 意外と気持ちが良い。普段なら出来ないことができるのだ。一階から三階まで踊り場から飛びあがるっていうのもいい。

 

 しかも、以前の格闘体とは違う。

 

 修行の成果で激情体に進化したんだ。

 

 戦闘力は以前の十倍。

 

 防御力の向上は特に著しい。

 

「こんなの勝てるわけないですって!!ただでさえ強いオリジナルのオルフェノクなのに・・・。」

 

 傍にいる花戒さんも青ざめている。

 

「・・・えっと・・・流石にこれは止めておくよ。」

 

 修行の成果の一つと言える。でも今回は止めておく。

 

 オーガギアの禁手化と同じく、別の機会で披露しよう。

 

 向うもきっと通常のオルフェノクであることを前提としていただろうし。

 

 僕は変身を解く。移動を楽しめただけで十分だったし。それに背中に二人を乗せたのもあるし。

 

「えっ・・・でも・・・。」

 

「パワーで押すのは対等じゃない。それに・・・今回は修行の成果を見せたいと思ったからだ。なあ・・・ゼノヴィア?良太郎君。」

 

「その通り!!」

 

「ふふふふふふふふふふふふふ、地獄を見た成果をみせてあげる。」

 

 僕の手渡した剣と刀を持つゼノヴィアと良太郎。

 

 特に良太郎はあちこち包帯だらけである。

 

 ちなみに渡しているのは非常に頑丈なだけの普通の剣と刀だ。

 

 二人曰く・・・己の技に耐えればそれで十分とのことだ。

 

「ではいこうか・・・。」

 

「ああ・・・。」

 

「そう簡単にいきません!!」

 

 無数の仮面が現れる。それを操っているのは草下さん。

 

「人工神器・・・。」

 

「いいえ・・・もう神器よ?それも、ポルムさん謹製の・・・。」

 

 無数の仮面に黒いマントが装着。人型になっていく。手には白い手袋。

 

 怪人達の仮面舞踏会(スカウティング・ペルソナ)

 

 それが神器として昇華した姿。あのジズの神器の力か・・・。本当に神器を生み出すだなんて・・・。

 

 草下さんの周りに現れる無数の仮面と黒いフードで構成された人形達。

 

 その数は三十体。

 

「さあ・・・人形遣いとなった私と踊ってくださいな。」

 

 それは恐るべき神器。

 

 そうなると桃威さんも似たような物を持っていると考えた方がいいか。

 

 先制はさせてもらおう。

 

 僕は剣を作り出し、衝撃波を繰り出す。

 

 それで三体程まとめて切断・・・。

 

「・・・幻魔剣。」

 

 本来なら対魔物などの生物相手に有効な技。

 

 魔剣創成を持つ僕とは相性が良すぎる剣。それに剣を一から鍛え直した僕。

 

 だが、その衝撃波が突然現れた鏡に阻まれ、それ壊れると共に全く同じ技が反射されてきた。

 

 とっさに僕はもう一発、幻魔剣を放って相殺する。

 

 しかも跳ね返してきた衝撃波は・・・聖なる力が込められていた。

 

「・・・私の神器も強化されています。そのまま技を跳ね返したり、逆に変換させることもね。」

 

 真羅副会長の神器の強化!?そんなことまで。

 

「いけ!!」

 

 殺到してくる草下さんの仮面人形達。

 

 それらが僕達を襲ったと思った時だった。

 

「たったそれだけか。」

 

 それらが瞬時に蹴散らされる。

 

「えっ?」

 

 やったのは良太郎君だ。

 

「一対多数の斬り合い。それを飛天御剣流の得意とするところ。ついでに人じゃないから先読みはしにくいけど、その分、遠慮なく斬れるよ。」

 

 戦国乱世で猛威を振るった古流剣術。それを良太郎君は文字通り体を張って体得したのだ。

 

「本当に気持ちがいいくらいにね。」

 

良太郎君の前世のまた前世がその使い手だったらしく、その結果も素質があったので、合宿中に収めることに成功はしたらしい。だが・・・その代償は酷い物だった。

 

「・・・前世の僕ってすごかったんだね。ははははは・・・ははははは・・・。」

 

相当な地獄を見たらしい。前世のまた前世の記憶が一部蘇るほどに。

 

 どうやら何回か生死の境を彷徨ったためらしい。

 

「・・・・・・逝くでござるよ?」

 

 たまにござる口調が混じってしまうのがいい例だ。

 

 あと逝くって字が可笑しくないかい?

 

 実際に技を喰らって覚える方式だったから、そのせいだったのかも・・・。・

 

 まだ最終奥義はできていないが、近いうちに習得させる予定らしい。

 

「まっ・・・まさかあの数を一蹴!?しかも斬った所見えなかったけど!?」

 

 だが、今のままで十分ヤバい。

 

 騎士である僕が形無しなくらいに何もかもが速いのだ。

 

 身のこなしも、剣閃もだ。

 

 すぐに草下さんは新しく仮面人形を召喚し直すが・・・それを瞬時に斬り倒す良太郎君。

 

 まさに無双。

 

「ちょちょちょちょ・・・なんなの!?何かの妖術なの!?」

 

 一振りで一気に数体を斬り伏せる。それを瞬時に一気にされたら妖術か何かと勘違いしてしまうのも無理ない。

 

 でも、信じられないけど、あれは剣術。

 

 ただ先読みと身のこなし、そして剣速が異常に速いだけの。

 

 それを最大限かつ、最小の動きで行った結果が・・・目に止まらぬ無双なのだ。

 

「・・・本当に、グレモリ―眷属はどれもこれも人外ばかりということなの!?」

 

「って危ない!!」

 

 花戒さんがフィールドを展開させ、攻撃を防御。

 

「きゃああぁぁ!?」

 

 でもその防御ごと二人まとめてふっ飛ばされてしまった。

 

「・・・あっ・・・ごめん。」

 

 素にもどって謝る良太郎君。そんなところは変わらない。

 

「大丈夫?」

 

「うっ・・・うん。でも・・・まったく動きが見えないって・・・危ない!?」

 

 そこにゼノヴィアが突進。その突進速度・・・良太郎の動きよりもさらに速い。

 

 しかも、その動きは獲物を狩りにいく肉食動物を思わせた。

 

「なんのぉぉぉぉぉ!!!」

 

 花戒さんが再びフィールドを展開させるが・・・。

 

「ふっ・・・なら活目するがいい・・・・。」

 

 それは師匠直伝の必殺剣。

 

 片手平突き。

 

 それを破壊力重視で昇華させ、偶然にも再現させてしまったゼノヴィアの必殺剣が・・・。

 

――――牙突!!

 

 師匠と同僚であるあるお方が得意としていた必殺剣。

 

 まさに牙。

 

 それがフィールドを粉々に砕く。

 

 貫通ではなく、粉々にしたのだ。

 

「その程度の防御、私の牙突を止めるほどではなかったみたいだな。」

 

「・・・まじですか?」

 

「突きを私なりに極限に昇華させてみた結果だ。沖田先生の教えも良かった。」

 

 師匠がゼノヴィアの突きを見て、ある人物が使っていた技を思い浮かび、試しに教えてみた結果なのだ。

 

 それはまさに必殺。

 

 普通の剣で城塞に使う様な巨大で重厚な鋼鉄の門に大穴があくほどの威力があれば必殺でいいよね?

 

「・・・デュランダルでやってみたかった。沖田殿から禁止されていたから。」

 

『ひっ・・・ひえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!』

 

 その言葉を聞いて三人が震えあがっているって!!

 

 こんな危険すぎる必殺剣・・・あの聖剣でやったらどれだけの破壊力になるのか僕だって想像できない。少なくても大規模な災害になるのは確信している。

 

 それにゼノヴィアはこの剣をさらに恐ろしい進化をさせている。

 

 師匠の必殺剣も使えるのだ。それも牙突と組み合わせた状態で。

 

 どうしたらそんなことができるのか?疑問に思う人もいるだろう。

 

 言えるのは師匠が脱帽したということと聖剣との併用は禁じ手にするようにといったことだけ。

 

 それは・・・披露することが無い事を祈る。

 

 あれはもうすでに人外と言う言葉すら生温い神の領域の必殺技だ。

 

 ゼノヴィアと良太郎。

 

 この姉弟、まさに怪物だよ。

 

「・・・一時撤退!!作戦の練り直しです!!」

 

『はい!!』

 

―――――テレポート!!

 

 腰に掌の形をしたベルトを出現させた草下さん達。

 

 そこに指輪をかざし、そのまま消えてしまった。

 

 引き際は鮮やかである。撤退も想定していたのだろう。

 

 まあ・・・。

 

「・・・とりあえず追い返せたか。」

 

「でも祐斗君・・・君の必殺剣はどうしたの?」

 

「えっと・・・。」

 

 新たに習得した僕の必殺剣は幻魔剣だけじゃない。

 

 そして、習得したすべてを結集させた一応の必殺剣があるのだ。

 

「私からしたらデュランダルを持った状態でも勝てるかどうかわからないとてつもない技なんだぞ?」

 

「あんなの喰らったら、こまぎれになる。どうやったらあんな無茶苦茶な技を繰り出せるの?人間どころか悪魔すら止めているよ。」

 

 あれのことか・・・。

 

 可笑しい。あれってそんなに恐ろしいか?

 

 師匠もそれは禁じ手にしておけといったのがわからない。

 

 まあ、師匠以外の他の人からの評価も欲しい所だし・・・。

 

それでも、披露する機会があるだろうか。一発撃つと流石に疲れると言う難点はあるけど、僕なりの必殺剣ができたつもりだ。

 

 

 

 

SIDE ソーナ

 

 私は本陣にて、椿姫たちの報告を聞いて、戦慄を隠せなかった。

 

「・・・そう・・・ですか。」

 

 グレモリ―眷属の化け物っぷりに。

 

 ルールによる制限もあまり意味が無いとは・・・。

 

「リアスが壊れるわけです。相手にするとこれほど恐ろしいとは・・・。」

 

 今、私達の眷属の二枚の切り札は兵藤君と戦っている。

 

 いや、あの二人でないと相手にならないといった方がいい。

 

 元々押さえてもらう予定だったのだが、頼んで正解でした。

 

 兵藤君は女性の天敵です。

 

 いろいろな意味で。

 

 乳で予言とはまさに乳の神。呆れかえっても、納得もしてしまう。

 

「リバースを利用。アギトの力、まさに恐るべし。問題は他の連中ですね。」

 

 ゼノヴィアさんと良太郎君。この二人の恐ろしさはある程度だが把握した。

 

 でも椿姫が言うには、木場君にもまだ何かあるという。

 

 彼女の勘は鋭い。

 

 まだ・・・どうやら彼らの修行でどのような化け物になったのか把握し切れていないようです。

 

 塔城さんは近接戦闘で予知じみた事ができると聞いています。

 

 他はまだ分かりませんが、一番の問題があります。

 

「気付いていると思いますが、ショッピングモールの内部が作りかえられています。」

 

 ショッピングモール内部が完全に作りかえられていたのだ。

 

 それも壁を新たに作り出したり、消したりする形で。

 

「誰の仕業・・・という点は信じたくもないですが一人しかいません。」

 

 それが一番の問題であるもう一人のアギト。

 

 彼女になにも制限が掛かってないことを発表されたルールを見て、嫌な予感はしていたのです。

 

「・・・一体どんな力を習得したというのです?」

 

 その力の正体は分からない。それに彼女は本陣に可能性が高い。

 

「・・・本陣に送りこんだ仁村さんと巡さん・・・大丈夫でしょうか?」

 

 本陣の場所を知り・・・送りこんだ二人が心配・・・。

 

「・・・しっ・・・死ぬかと思った。」

 

「うう・・・。」

 

 思ったら送りこんだ二人がテレポートで戻ってきました。

 

「何があったのです?」

 

 二人とも疲れ果てていました。だが・・・まったくの無傷。

 

 本陣にはリアス、朱乃さん、塔城さん、そして、アーシアの四人が固まっていたと言う話を聞いたうえで・・・。

 

『私達・・・アーシアちゃんにやられかけました。なんですか!?あれ・・・なんですか!?訳が・・・訳が全然分からないです!!』

 

・・・・・恐れていた事が現実になったようです。

 

 グレモリ―眷属は伏魔殿(バンデモニウム)みたいですね。

 

 

 

SIDE  リアス

 

 平行世界の私は、アーシアを回復役として貴重な戦力と言っていた。

 

 この世界でも私達の大切な妹分だと言うのには変わらない。

 

 でも、この世界の彼女はアギト。

 

 そして、修行相手が神の代理であるイッセ―のお母様。

 

 その結果、どうなるのか想定すべきだった。

 

「・・・あなた、魔法少女になったの?」

 

「はい。」

 

 シスターの着る様な格好。それに十字架の様な物を手にしている。

 

 腰には・・・ベルト?

 

「義母様より、この石を使ってみなさいと言われまして。アマダムという・・・。」

 

「・・・oh・・・。」

 

 よりによって新アイテムですか。

 

「それと・・・何か矢じりみたいな物を頂きまして。それが身体の中に入ったら・・・。」

 

 追い打ちで、おまけまであるのですか!?

 

 なんでかな?

 

 どんなものか分からない。

 

 分からないのに・・・。

 

 アーシアにその二つの組み合わせは極めて危険な気がするわ。

 

 私達はその矢じりが何か聞こうとしたら・・・

 

――――テレポート。

 

 突然の襲撃。

 

『お覚悟!!』

 

「ぐっ・・・・。」

 

「まさか突然やってくるなんて。」

 

 来たのは兵士の仁村さんと騎士の巡さん。

 

 ここは私達の本陣。なら・・・

 

 仁村さんは女王に昇格しているわね。

 

 両足に装着された神器・・・

 

 足だけじゃなく・・・両腕にも何か装着されている!?

 

「一発いきます!!」

 

 超高速から繰り出される拳。それを私は受け止める。

 

「ふん!!」

 

 片手でだ。

 

「えっ?」

 

 私が反撃の蹴りを繰り出すが、それを高速で後ろに避ける。

 

「・・・嘘。片手で止められた?しかも素手で!?しかもびくともしていないんですけど!?」

 

「ふん・・・。私を誰だと思っているの?」

 

 手ごたえからして、おそらく打撃のインパクトの瞬間、加速と衝撃を加える類の追加装備。

 

「どんどん進化していく眷属に、主である私が負ける訳にいかないじゃない!!」

 

 その破壊力はおそらくビルに大穴をあけ、巨大な鉄球すらも粉々にするでしょうね。

 

 でも・・・その「程度」がどうしたの?

 

「・・・あの・・・リアス先輩。もしかして、すごく強くなっていません?その・・・魔力ではなく、肉体的な意味で・・・。」

 

「ふっ・・・。」

 

 私は笑みを浮かべる。

 

「服が消えることや、その他の制限が無かったらこの場で鬼になった私を披露できたのに・・・残念だわ。」

 

「・・・まじですか?」

 

 私・・・皆に内緒ですけど、鬼になれるようになったわ。才能があるみたい。

 

 まだ完全じゃないけど、この後も修行を重ねて秋には完成させる予定。

 

 その発言に朱乃も小猫も目を丸くしているわね。

 

「だったらこれはどうです?」

 

 巡さんが無数の剣を召喚。それをいつの間にか私達の影に刺してきたのだ。

 

「影縛りの剣。私の閃光と暗黒の龍絶刀。これもまた進化しているのだよ。ある付加機能をポルム殿達が再現してくれたおかげでな!!」

 

 ・・・あのアザゼルの黒歴史といえる人工神器か・・・。平行世界の私から話は聞いていたわ。

 

 でも、その割に、いや、逆にだからこそすごいのも知っている。

 

「アザゼルさんに巧君の幼い頃のアイディアが入ったらしい。故にこれは巧君の黒歴史も付加されている。」

 

 えっ?小さい頃の巧君のアイディア追加?

 

余計な人物の黒歴史が追加されていたの!?

 

「巧君・・・やっぱりあの子・・・アザゼルの身内ね。」

 

 まさに二人の黒歴史の結晶を手にしている巡さんに対する同情すら覚える。

 

「同情しないでほしい。逆にダメージが入るから。まさに・・・黒歴史の塊みたいな刀だが、どうだ?無数の分身を作り出し、それを自在に操作、飛ばせる巧君考案の効果は。しかもその剣は指輪の魔法で様々な付加効果が付けられる!!色々な効果が付加できるのはそう言った形で再現したぞ!!」

 

 それで影縛りの効果が・・・。

 

 すごいスペックじゃないの。

 

「でも・・・その程度で私を拘束したつもり?ふん!!」

 

 気合いを発して、私は影に刺さった刀をふっ飛ばす。

 

「・・・・・・。」

 

 巡さんが目を丸くしています。

 

「あの・・・リアス先輩?」

 

「だから言ったでしょ?この程度の芸当・・・イッセ―辺りなら簡単にやってしまうから驚くことはないはずよ?」

 

 なのに何でみんな驚いているの?

 

 単なる気合いなのに・・・。

 

「・・・本当にリアス先輩って場に染まっていますね。あの眷属の主にどんどんふさわしく・・・。」

 

 まだ足りないわよ。私の身内はどれもこれも私とは比べ物にならないから。

 

 知略面でもみんなを引っ張らないと、被害がでかくなるわ。

 

「うん・・・。でも他の皆はこれで動きは止めた。二人でなら!!」

 

 仁村さんと巡さんは同時に私に襲いかかる。

 

 私はそれを迎え撃とうとした。

 

 だが、次の瞬間、私は信じられない光景を見た。

 

『ぷぎゃ!?』

 

 2人が突然前の壁に激突したのだ。

 

 私に飛びかかってきたのに、何故か二人は後ろの壁に正面から激突。

 

「なっ・・・何が?」

 

「起きたの?」

 

 二人は鼻を抑えながらこっちを向く。

 

 仁村さんの姿が消え、私の真上に現れる。

 

「これなら!!」

 

 でも、またおかしなことがおきる。

 

 その拳は私ではなく、何故か天井を殴っていた。

 

「まっ・・・また!?」

 

 天井を蹴り、仁村さんが私に蹴りを繰り出してくる。

 

 加速の入った蹴り。

 

 それが次の瞬間。

 

「えええぇぇぇぇぇぇ!?」

 

 私の真後ろの壁を蹴破っていた。

 

 本当に何が起きているの?

 

 私は一歩も動いていないのに?

 

「ぐっ・・・だったら・・・。」

 

 巡さんが無数の刀を召喚。

 

 でも、次の瞬間。

 

 その刀がすべて同時に粉々に砕けた。

 

「これって何?」

 

 そう・・・すべて同時に砕けたのだ。

 

 しかも、それだけじゃない。

 

「あっ・・・脚が!?」

 

 仁村さんの足がいつの間にか拘束されていた。床に足が沈みこむ形で。まるで床が液状化し、再び固まったような様子。

 

 それに加えて、巡さんの身体が無数の植物の蔦にいつの間にか拘束されている?

 

「なんだ?一体これは・・・なんだ!?」

 

「リアスお姉様・・・大丈夫ですか?」

 

 そうか。

 

 このおかしな現象ってやっぱりあなたの仕業なのね。

 

 アーシア。

 

「何をしたの?」

 

「正確には私ではなく・・・もう一人の私の力です。」

 

「?」

 

 アーシアが何を言っているのか皆、分からなかった。

 

「みなさんは悪魔ですから見えるはずですよね?では紹介します。」

 

 その言葉と共にアーシアの背後から現れる人型があった。

 

 胸と両腕、両脛、そして顔の十字架が目に入る。

 

 腕はアシュラのごとく六本。

 

 背中には天使のごとく白い翼が生え、頭の上には天使の輪っかのようなものがついている。

 

 まるで天使。

 

 その背にはアギトの紋章が輝いています。

 

 その身にはシスターが着る様なローブを纏っているが、アーシアと同じ金色の髪をしていた。

 

「マザーズロザリオ、もう一人の私です。」

 

 後にそれがアーシアの文字通り分身にあたるものだと知る。

 

「これがこのおかしな現象の正体!?」

 

「だが・・・原因が分かれば!!」

 

 2人が拘束を引きちぎり、同時にアーシアに向うが・・・。

 

「マザーズロザリオ!!」

 

 その攻撃をマザーズロザリオが優しく受け止める。

 

 繊細で、なおかつ包み込むようにそれぞれ腕一本で止めたのだ。

 

 二人とも押し切ろうとするが・・・。

 

「動かない!?」

 

「なんてパワー、そしてスピード・・・。おまけに精密な動き・・・。」

 

 ビクともしない。

 

 そして、その隙に拳が繰り出され、二人がまとめて吹っ飛ぶ。

 

「あれ?怪我はない?」

 

「凄まじい威力だったのに?」

 

 でも、二人に怪我はない。

 

「怪我は直しました。安心してください。」

 

 殴った瞬間に同時に治癒・・・。ある意味アーシアらしいわね。

 

『へっ?ぐっ!?』

 

 だが、二人の様子がおかしい。フラフラしていたのだ。

 

「撤退をお勧めします、今あなた達の感覚はすごくスローです。その状態で痛みを伴うことをすれば・・・。」

 

 軽く小石がはじかれ仁村さんの腕にあたると・・・。

 

「ぐぁぁぁぁぁ!?」

 

 過敏に反応した?ものすごい激痛を味わっている?

 

「これ・・・はっ・・・!?」

 

「・・・仕方ないので送り返します。」

 

『えっ!?』

 

 その言葉と共にアーシアの姿はいつの間にか仁村さん達の後ろに出現。

 

 ポンと優しく手に肩を置いて、そのまま二人を転送させてしまった。

 

 訳が分からないと思う。私だってそう思うから。

 

 でも、事実なの!!

 

 トリックとかそんなチーフなものじゃない。もっと根源的な恐怖に触れた気がするわ。

 

 同じことを証言する人が私の傍にもいるわ!!聞いてみて!!

 

「・・・・・私達出番あるかしら?」

 

「イッセ―先輩の予言的中。でも、さすがにここまでとは・・・。」

 

 アーシア・・・大活躍。

 

 二人を完璧に翻弄していたわ。

 

 ああ・・・活躍しすぎてめまいが・・・・。

 

 イッセ―の義母様。

 

 アーシアに何をしでかしたのですか?

 

 本当に訳が分からない。

 

 

SIDE ソーナ

 

 さて・・・二人の報告を聞いた私は、何処からそれを突っ込めばいいのか悩んでいた。

 

 リアス・・・あなた。本当に人間・・・いえ、悪魔を止めていたのですね。

 

 力技で大抵の事を解決している。例え滅びの魔力無しでも、拳ですべて解決できそうな勢いです。

 

 そして・・・アーシア・・・。

 

 想定を超える力の様ですね。

 

 二人の証言が間違っているとは思えません。

 

 でも、そうなると・・・その力の正体が気になります。

 

 指輪の魔法でもない。そしてアギトの力も加わっているようですが・・・。

 

 でもその前に私は気付いてしまった。

 

「みなさん・・・本陣を移動させます。それと迎撃の準備を。本陣の位置がばれています。」

 

 アーシアさんがこちらに転送させた。

 

 それはつまり・・・この位置がばれているということだ。

 

「・・・これはどこまでやれるか、きついところですね。」

 

 私達はとっさに移動するが・・・。

 

「・・・見つけました。」

 

「へっ?」

 

 無数のコウモリがそこにいた。

 

「・・・しまった。リアス・・・ギャスパー君の分身をあちこちにばらまいて・・・。」

 

 力だけでなく、ずいぶん狡猾になりましたね。リアス。

 

 眷属の特性を把握して、網を張っていただなんて。

 

「ついでに少しライフエナジーを・・・う~ん。でも女性の首筋を噛むのってエロテックで少し苦手です。」

 

「!?」

 

 いつの間にかギャスパー君の本体が花威さんの後ろに!?

 

「・・・ほにゃ・・・。」

 

 力が抜けてひざをつく花戒さん。少しライフエナジーを吸われましたか。少しにした辺り、加減してくれたのでしょうね。

 

「・・・う~ん。もう一人の僕もあまり満足していないか。でも・・・あっちの激闘に手を出すつもりもないし・・・。あっちなら美味しそうなんだけど。」

 

 私達・・・勝てるのかな?

 

 だが、そこで・・・。

 

―――――諦めんじゃねえ!!

 

 と、匙君の声が辺りに轟く。

 

 このフィールド中にだ。

 

――――だったら、こっちは意地で勝負だろ?現にまだ、二人とも健在だぜ?

 

――――本当にきついけど・・・。まだ・・・まだいける!!

 

 仁籐君の声まで・・・。

 

 二人ともまだ粘っているのですね。

 

 あの兵藤君に対して・・・。

 

「ふっ・・・。」

 

 あの二人は本当に私達の切り札だ。

 

「花戒さん!!刹那の絶園を全開。ギャスパー君を分身ごとふっ飛ばしなさい!!」

 

「はい!!うおおおおおぉぉぉぉぉ!!」

 

「えっ?うぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 結界がギャスパー君の分身と本体をまとめて弾き飛ばす。

 

「・・・こうなったら意地です。みんな・・・この戦いは勝つ事が目的じゃありません。」

 

 私は決意する。

 

「私達の夢にたいする意地・・・みせてやりましょう。」

 

 こちらも持てる力の全部を賭けてやらせてもらいます!!

 

 

 

Side イッセ―

 

――――部長・・・みんな!!気をつけろ!!向うは開き直った。

 

 俺は匙と仁藤の言葉を聞いて皆に言葉を送る。

 

――――こういう奴ほど恐ろしい奴はいねえ。こっちも全力で相手にしてほしい。それが礼儀だと思うぜ!!

 

 そう言って目の前の二人と再び対峙。

 

 俺はボロボロだ。

 

 だが、それは向うも同じ。

 

「やっぱ・・・規格外だわ・・・。お前は・・・。」

 

「だが、檄を飛ばすのを見逃したのはどうしてだ?」

 

 その二人に対して俺は笑う。

 

「そんな無粋なことできるか?その代わり俺も檄を飛ばさせてもらったがな。」

 

 俺は構える。

 

「さあ・・・続きいこうぜ!!」

 

 二人は手ごわい。こうやって互いにボロボロになっているのがいい証拠だろう。

 

―――――カッカッカメレオン!!

 

――――ケルベロストライファング!!

 

 いつの間に姿を消していた仁藤が、右肩のカメレオンの口から舌を伸ばし、俺を拘束。

 

 左肩に現れた三つ首の犬・・・ケルベロス。

 

「トライファングクラッシュだ!!」

 

 左手のダイスサーベルと呼ばれる剣。それから同時に繰り出される三つの炎の斬撃。

 

 それを俺は軌道を見切ってかわそうとするが・・・。

 

「そう簡単にかわせると思うなよ!!」

 

 匙の本来の神器・・黒い龍脈が作り出したラインが俺を拘束したのだ。

 

「そのまま血を吸い出してやる!!」

 

「ぐっ・・・。」

 

 黒い龍脈から血が出てくるのがわかる。なるほど・・・中々えげつない・・・だが・・・。

 

「だったら・・・。」

 

 俺は旋回する。

 

 両手を振り回し続け、その勢いで竜巻を起こす。

 

 それに匙が引っ張られつつ、俺を縛った黒い龍脈のラインを利用して仁藤の三つの炎の刃を防ぎつつ焼き斬る!!

 

「ぐああああぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 そのまま上に巻き上げられる匙。その隙を逃がさない。

 

 猛烈な竜巻で仁藤も外から手だしはできない!!

 

 足元にアギトの紋章を発動。

 

「ぐっ・・・や・・・ば・・・。」

 

 確実にリタイアさせる。

 

 そのつもりで蹴りを放とうとするが・・・。

 

――――ドリュ―ライジング!!

 

「なっ・・・ぐっ!!」

 

「そうさせるか!!」

 

 仁藤がいきなり足元から強襲。キックが失敗してしまって、俺はふっ飛ばされた。

 

「きりもみシュートをこんな形で破るなんて・・・。」

 

 竜巻の死角。それは真上か、真下。

 

 仁藤は迷うことなくその際短距離である真下から床に溶け込むようにして移動してきたのだ。

 

 この二人は本当にいいコンビだ。テレパシーとかそんなの使っていないのに、この連携。

 

 隙がない。

 

 上空に巻き上げられる俺。

 

 逆にピンチになってしまう。

 

 仁藤がダイスサーベルに指輪を当てる。

 

 出てきた数字は・・・四。

 

「うおおおらぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 一方黒い炎を纏った匙が・・。

 

――――キックストライク!!

 

 空中で指輪を腰のベルトに当てて・・・キックを繰り出してくる。

 

 一方仁藤が四体のモグラの形をしたエネルギー体を放ってきた。

 

 二人の必殺技に挟み込まれる形になる俺。

 

「ぐっ・・・。」

 

 二人の必殺技が同時に俺に襲いかかる。

 

 

 

 

side 仁藤。

 

「やったぜ!!」

 

 二つの必殺技が交差し、爆発したのを見た。

 

 決まった。

 

 そう俺は思っていた。

 

 キックを繰り出し、俺の後ろに着地した匙。

 

 労をねぎらおうとしたが・・・俺はすぐにそれをやめる。

 

「・・・まじかよ。」

 

 その表情は驚愕に染まっていたからだ。

 

「仁藤!!防御だ!!」

 

 必死の表情の匙。

 

その言葉に俺はとっさに指輪を交換。

 

―――――タートルディフェンス!!

 

 亀型の防御壁を作り出す。

 

 それと同時だった。

 

 爆発の向うで・・・

 

 天井に足をつけ、そこにアギトの紋章を展開させている兵藤の姿・・・。

 

 あいつは何故か無事だったのだ。

 

 不敵な笑みがこっちを見据えていた。

 

「今度はこっちの番だ。」

 

「おいおい、嘘だろ?!!」

 

 天井が砕けるほどの勢いで蹴りだす兵藤。

 

 そのまま弾丸のごとき勢いで、必殺キックを繰り出してきた。

 

「ぐおおおおおぉぉぉぉぉ!!」

 

 俺が展開させた防御壁がそれを防ぐが・・・。

 

――Divide!!

 

「げえっ・・・こっ、ここで半減!?」

 

 そのタイミングで半減してきやがった。

 

「くそぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 魔力を込め、防御を半減させないようにするが、奪い取った力と・・・。

 

――――Boost!!Boost!!

 

 倍化により、向うの威力が増してくる。

 

「やっ・・・やばい!!」

 

 このままじゃ、防御が突破される!!

 

「ここでさらに・・・!!」

 

 まっ・・・まずい、その上ここで透過を使われたら・・・。

 

「仁藤ぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 だが後ろで俺の相棒が構えていた。

 

――――スペシャル!!

 

 巨竜の顎に集中させた黒い炎と、

 

―――――absorption

 

――――BOOST!!

 

 とっさに神器を発動させて、奪い取った倍化の力。それこと瓦礫を吸い込み、ボウリング状の砲弾を作り出す。

 

 黒い炎を纏った砲弾。それを必殺キックで押しつつある兵藤にぶつける。

 

 その結果、大爆発が起き、俺と匙は吹っ飛ばされる。

 

「ぐああああぁぁぁぁぁ!!」

 

 ふっ飛ばされ、転がる俺達。

 

「ぐう・・・荒っぽい方法だぜ。」

 

「あのキックの直撃よりは遥かにましだろう!!」

 

 まったくもってその通りだ。なんとかあの必殺キックを相殺できた。

 

 変身していない素の状態で、とんでもない破壊力だった。

 

 これほど全力で防御しても突破されそうになるとは・・・。

 

「しかし・・・何故無事だった?」

 

 俺はどうやって必殺技の挟撃をしのいだのかわからないでいた。

 

 かわしようのないタイミング。転送を使うにも間にあわない不意打ち。

 

 すべて揃えていたのにな。

 

「あいつ・・・二つの必殺技がぶつかる瞬間、透過を使いやがった。絶妙なタイミングで俺のキックとお前の必殺技をすり抜け、俺を踏み台代わりに上へ飛び上がったんだ。おかげで俺のキックはお前の放った必殺技にぶつかって相殺される始末。俺だって信じられない物を見て驚いているぜ。」

 

 ・・・透過で切り抜けたのか。

 

 だから匙は気付けたのか。キックに手ごたえが無く、すり抜けた瞬間を見たから。

 

 おそらくそれはとっさの判断。アギトの本能によるもの・・・なんだろうな。

 

 発動のタイミング、透過する相手の対象。その刹那の発動時間。すべてを本能的に行ったということか。

 

 アギトの本能、恐ろしいにも程がある。

 

「あれでも駄目なんて・・・。」

 

 立ち上がる兵藤を見て、ぞっとしたね。

 

 どうやったらこいつを倒せるのだろうって・・・。

 

 何をしでかすのか本当に分からない。

 

 それがどれだけ怖いか初めて思い知ったぜ。

 

「やっぱ・・・簡単にいかねえな。俺のキックが防がれるなんてショックだわ。」

 

 俺達と同じくボロボロのイッセ―。

 

「それはこっちのセリフだ。あれで倒せないって、お前どんだけ化け物なんだ?」

 

 認めよう。

 

 目の前にいる男、兵藤 一誠。

 

 俺がこれまで闘ってきたどの猛者よりも手ごわいと、

 

 一人だったら瞬殺されていてもおかしくない。

 

「俺は認めるぜ?お前ら二人は本当に名コンビだ。俺も正直勝てる気がしねえわ。他の連中と戦わせなくてホント良かった。」

 

 それもこっちのセリフだ。

 

 他の連中に戦わせたら、瞬殺される。

 

 相棒と一緒でも、正直勝てる気がしない。

 

 まあ・・・

 

 俺達は互いに視線を交わし、神器などを手に取る。

 

 俺は・・・いや、俺達は!!

 

諦めるつもりなど微塵もないがな!!

 

「諦めねえか・・・。上等だぜ。」

 

 お互い遠慮なく戦えるのが唯一の救いだ。

 

 お互いの目的は達しているのだから。

 

 お互いの切り札を封じる事。

 

「焦ったら負け。こうなったら腰据えてじっくりと行こうか!!」

 

『上等!!』

 

 俺達の戦い・・・長期戦になることは確定のようだった。

 

 だが俺達は知らない。

 

 この戦いで、冥界の上層部の人達や、神々達から俺達の評価が急上昇していたことに。

 

 




 オリジンルの技・・・どうでしたか?

 乳語翻訳を超えるのって、これしか思い浮かばず、くだらない技になりました。


 次話・・・祐斗とゼノヴィアの真の必殺剣が明らかになります。

 二人とも、本当に洒落になりません。

 あとアーシアの新たな力。いくつ能力があるのかわかりますか?

 またこれも徐々に明らかにします。

 ではみなさんまた会いましょう!!
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