ついに後篇。
グレモリー眷属が誇る三大剣士のとんでもない切り札が明らかになります。
SIDE 新
「へえ・・・あの二人やるねえ。これは手合せをお願いする価値があるか・・・。」
レ―ディングゲームを見ていた皆は驚いていた。
神の後継のイッセ―。
それと互角に渡り合っている匙と仁藤。
ヴァ―リですら感心している。
同じ意見だ。
どっちもすごい。
「これはすごい物を見せてもらっておるわい。互いに枷がある中でこれだけの戦いを・・・。」
「ええ。」
ロズお姉ちゃんも感心している。
「・・・これがクレア達の見染めた契約者。無双龍と契約し、二天龍のアギト。」
「気に入らん。あのような若造が神になるか・・。」
そこに入ってくるのは別勢力の神様だった。
「・・・帝釈天。」
それはインド神話の神。
「天を名乗る存在がいると言うだけでも・・・。」
「そうかい。なら、あいつと正面切って闘ってみるかい?」
「・・・・・・。」
アザゼルさんがそう言うと、
「ふん。戦闘に特化し、あそこまで進化したアギトと正面から戦うわけ無いだろう。」
不愉快そうにしながら、戦う危険性を認識していた。
「神滅具を得たアギトと言うのは本当に恐ろしい。ワシだってまともに戦いたくないわい。力と経験で上回っても、それを補って有り余る意外性と爆発力があるからのう。まさに進化する破壊神じゃわい。」
オーディンのおじいちゃんも戦いたくない程か・・・。
「そう・・・じゃな。じゃが、人間でもあると言うのがアギトの弱点でもある。そう思わないか?」
「俺は逆だと思うが?」
そのやりとりにヴァ―リは不敵な笑みを浮かべる。
「あいつは人間でもある。だからこそ・・・強い。弱さが強さに変わるくらいに。」
神としての力。そして人間としての弱さと、逆にそれを強さとなる力。
それを兼ね備えた存在は恐ろしいということか。
「じゃが、その神の後継と互角に戦うあの二人・・・。」
戦争の神であるオーディンのじっじゃんはいう。
「共に勇者の素質を秘めておる。かの紅の救世主と同じ・・・な。サーゼクスよ。」
じっちゃんは断言する。
「あの二人を大切にしたほうがいい。あの二人、いずれ世界を救う英雄となる。」
じっちゃんが英雄と断言した相手は間違いないだろう。
紅の救世主の名前も聞いたことがある。一人の狼のオルフェノクの話を。
北欧神話のフェンリルの名をじっちゃん達が送った程の。
「・・・ハルト・・・ポルム・・・。」
その救世主のギア・・・ファイズギアを受け継いだ男、巧は顔を真っ赤にさせながらハルトとポルムを問い詰めていた。
「よくも人の恥部を・・・黒歴史を晒してくれたな・・・。」
涙目で二人を問い詰めている。
「いっ・・・いやね!!アザセルの中二病の遺産を見せてもらった時に、それだけじゃ足りないと思ってね。そうしたら、そこに小さい頃の巧君が考えた最強の武器シリーズが書いたノートがあったから。いや~巧は才能あるって。最近の分もあったけど、すごくいいアイディアだったよ。この通りばっちり再現したらすごくいい出来になったし。」
「むしろ今後も意見が欲しいくらいだ。是非・・・。」
「お前ら説教!!そこに正座!!答えは・・・聞いてねえからな。」
『はっ・・・はい!!』
ハルト君とポルム君に説教が出来る。それだけで巧君って貴重な存在なんだね。
巧君が変身する。
それは・・・。
『!?』
紅の救世主と同じウルフオルフェノクに。
しかも、全身の刃がさらに発達した姿、激情体に。
背中から紅い翼のような物も見える。
「まっ・・・まさか、あやつ?そうか・・・ファイズギアはただ親から子へ。」
オーディンのじっちゃんは何かに気付いたようだ。
「わりぃ・・・内緒にしてやってくれ。大切な孫なんでな。」
「お主も因果なものじゃな。」
孫?たしか巧君ってアザゼルさんの義理の息子じゃないのか?
孫ってどういうこと?
「・・・まさかあの救世主の息子まで。なるほど、確かに恐ろしい。今代の赤龍帝は色々とあまりに規格外すぎる。周りに集まる力のあまりの多さもか。これはある意味前の神よりも恐ろしい存在になるかも・・・いや、だがそれはそれであいつへの対抗馬に・・・。」
帝釈天が何やら色々と考えている。
「ちなみに、お前さんの所にもあいつの幼馴染がいるかもしれねえな。」
「そんな馬鹿な事が・・・。」
あいつが否定しようとするが・・・。
「現にワシの実の孫が幼馴染じゃ。」
オーディンのじっちゃんが俺を指す。
「・・・・・・。」
そして、ある名前を口にする。
「孫ってまさか・・・あやつじゃないだろうな・・・。誠の奴が、そんな事を・・・。」
あれ?誠って・・・。
「誠って・・・まさかあいつも?あいつってそちらの関係者なの?」
あいつは普通の人間だよな?
なのに、どうして関わってるの?
その発言に帝釈天が驚いた形相でこっちに迫ってくる。
「なんでお前が誠の事を知っている?」
「誠って氷川 誠だよな?不器用な癖にやるときはすごくやる奴。」
「・・・・・・。」
俺の言葉に帝釈天は目を抱える。
「あいつは劉備の子孫だぞ。」
今何気なくとんでもない事が言われて気がする。
劉備って・・・あの劉備!?
三国志で超有名な!?
「今は駒王町の隣町で高校生やっているぜ。まあ、親を失った所を、保護してな。まあ保護者、孫みたいな奴なのじゃ。警察官になりたいと言っておる。神器も宿しておらず、裏の世界は一切関わらせていないし、あいつも知らないが・・・。」
『・・・・・・。』
誠。お前まで・・・。
「HAHAHAHA―!!こりゃもう笑うしかねえわ!!俺もそうだが、あんたもイッセ―の関係者になるってわけだしな!!あいつを神の後継にしたら外交が楽でいいわ~!!パイプばっちりすぎてもう・・・。今後もイッセ―の幼馴染繋がりでよろしく頼むわ!!」
心底可笑しそうにアザゼルさんは笑う。帝釈天にひと泡吹かせることが出来たのが相当愉快なのだと見える。
「・・・・・・誠っちがあいつの幼馴染だったとは・・・。そんな馬鹿な事が・・・。」
信じられない表情で呆ける帝釈天。
「今代の赤龍帝の恐ろしさ・・・思い知ったか!!これでも氷山の一角だと自負しているぜ。あとどれだけのつながりがあるのか楽しみでもあり、恐ろしくもあるぜ!!」
アザゼルさんの言葉に皆が戦慄しているのが分かる。
「戯れはこれくらいにしよう。またゲームが動くよ。」
ヴァ―リはマイペースにゲームを観戦。
お前は驚かないのか?
「こっちのチームも大概な奴がいる。それにもう驚くのを諦めた。むしろ歓迎するべきだと開き直ったよ。より多くの猛者と手合わせできるのだからな。」
戦闘好き故にむしろ歓迎って、それは間違いなく少数派だよ?
SIDE 裕斗
どうやら、シトリー眷属は皆で立ち向かいに来たみたいだ。
こっちの本陣の場所もばれている。ある意味妥当な判断って・・・!?
すごい冷気が・・・。
「・・・ささやかな対抗手段ですけど、何もしないよりはましでしょう。」
フィールドをあちこち凍りつかせながらソーナ会長が眷属達を連れて歩いていた。
この冷気、凄まじい物がある。
瞬く間にショッピングモール全体が凍てついてしまった。
そう・・・建物全体がだ。
一体これのどこがささやかなの!?
ソーナ会長ってテクニックタイプですよね?どうやったらここまで凄まじい冷気を・・・。
「デモンズブラッドを飲ませてもらって良かったです。レイアを魔改造したポルムさんに問い詰めて、こっちも飲ませてもらった事を感謝しないと。」
ポルム君・・・一体何を飲ませたの?
「これである程度はフィールドを支配することができるはずです。あと出来る限り、アーシアさんと他のみなさんを放すこと。そしてアーシアさんには見かけたら戦闘は厳禁!!大切なのは挑まない、近づかない、即座になおかつ、目を離さないようにして逃げる。その三つを必ず守る事。それが対抗策です。彼女自身も闘争心は極めて薄い。こっちから襲うか、仲間を守ろうとしないかぎり、動くことはないでしょう。彼女から攻めてくることはないと考えてください。」
まるでクマへの対処法みたいだけど、アーシアちゃんに対する対抗策。的確だ。
彼女は自ら攻めることはしない。その優しすぎる性根のために。
「了解しました!!」
「と言うより、アーシアちゃんと戦いたくありません!!兵藤君とは違う意味で勝てる気がしません!!一体何をしたのか、全然分からないし!!」
でも、なんでそこまでアーシアちゃんを恐れている?
「させると思った?」
「来ましたね。しかしキング自らですか。」
そこに部長達が登場。
アーシアちゃんが飛ばしてくれたのだろう。
テレポートって本当に彼女は何でもありだ。
「・・・えっと・・・。」
「アーシアちゃんに挑まないで下さい!!本当に何をしでかすのかわかりませんから!!」
仁村さんと巡さんが震えあがりながら仲間に注意を送る。
いや、何をするか分からないって、本当に何したのさ?
「アーシア。悪いけど、今回は後ろで見ていてくれないかしら?さすがにあなたは強すぎるから。はあ・・・これでアーシアも大幅な制限が掛かるわね。ここまで強くなるなんて予想外過ぎる。これでアギトの力の覚醒も考慮すると・・・想像もしたくないわ。」
「わかりました。えっとフィールドを一応変えておきますね。マザーズロザリオ!!」
アーシアちゃんの背後から何やら変な人型が現れる。
床を触って、フィールドが一気に広くなった。
あれって何!?
僕も初めて見るけど!?
他の皆も唖然としているって。
「あのビジョンが力の根源ですか。・・・リアス。自重してくれた事を感謝します。でも、そうですか、無意味な策でしたか?」
「いいえ、若干ですが改造しにくくなっています。無駄じゃないですよ。」
「ありがとうございます。でも・・・若干ですか。やはり、アーシアちゃん、あなたが規格外過ぎるだけですね。本当に自重してくれて感謝します。あなたに他の眷属全員で挑んでも間違いなく勝てないですから。」
「同感。でもソーナもすごいことになっているわね。」
「何・・・私もあなたと同じと言う事です。」
ソーナ会長も悲壮な決意をしていた。
「私も前のパーティーの時に悟ったのです。主が眷属に負けていられない。そして、あなたと同じく・・・ゲームのリミッターをぶっ壊すことにしました。まあ、私の夢が壊れるわけではありませんから。」
なんかすごく同情したくなるくらいに。
それと共にソーナ会長に周りに巨大な氷の竜が二体現れ、放たれる。
一体一体が並のドラゴン位の大きさがある。それが部長を飲み込もうと襲いかかってくるが・・。
「・・・心底同情するわ。でもそうよね。」
リアス部長がそれを前にして笑っていた。全然動じていないよ!?
「そうでないと、主として威厳が保てないから。」
その言葉と共に氷の竜を殴って砕いた!?
なんの魔力を込めていない素手で!?
「これ・・・ダイヤモンド位の硬度はあったのですが?」
そんな馬鹿みたいな硬さの氷を素手で砕いたの!?
しかも粉雪のように粉状になったよ?
「なら私も面白い技を披露しましょう。この二重の極みは些細なものだから流しておいて。」
「いえいえ、それで流さないでほしい!!」
部長が目の前で拍手するように手を叩き合わせる。それと共に現れる赤黒い球体。
「平行世界の私が使っていた消滅の魔星(イクスティングイッシュ・スター)。それはリタイアシステムすら意味をなさない程のあまりの破壊力とチャージに時間がかかる欠点があるわ。まあ、夏休み前に訓練を積んで完全に物にしたけど、二つの欠点がどうしても克服できないでいた。でも・・・この夏の合宿で、私はその欠点を補う技を開発したわ!!異世界の忍術の情報に・・・感謝だわ!!」
部長の新たな必殺技。
手にした赤黒い球体の内部では凄まじいエネルギーが渦を描いて回っている。
「それがこの消滅の魔弾(イクスティングイッシュ・マグナム)。威力こそ落ちたけど・・・。」
「いえいえいえいえいえいえ、それでも十分ですよ!?」
小型化したというのか?
でも小型とはいえ・・・。
「安心して。これもまだ欠陥があるから。」
リアス部長がため息をつきながらその新たな技を評価する。
僕から見ても完成度は十分だと思うけど?
手を合わせて、一瞬で作りだせる点といい、小型化して扱いやすいという点も・・・。
「これでも破壊力が強すぎるのよ。小型化しただけじゃなく、破壊力まで凝縮しちゃったから。リタイアシステムなんて意味なさないという点はどうしても変わらないのよ。これ一発で、教室一つ分位なら例え神でも楽に消滅できるし・・・。」
なんかすごく怖い欠点(?)ですけど・・・。
「レ―ディングゲームでは使用禁止確定だからこの場では使えないわ。ふん!!」
作り出した消滅の魔弾を片手で握りつぶす部長。それだけで辺りに凄まじい嵐が巻き起こる。
まるで大型の台風が来た様な嵐。それが狭いショッピングモール内を吹き荒れ。僕達はふっとばされる。
部長は平然と立っていますけど。
『ぎゃああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
なっ・・・なんて技だ。あの球体の中にあれだけの運動エネルギーで滅びの魔力がうごめいて・・。
それを一瞬で作り出すなんて・・・。
まさに必殺技じゃないか。
「でも実戦ではこの上なく頼りになります。文字通り必殺技の完成ですか・・・。しかも爆発させても使えるなんて恐ろしいことこの上ない。」
周囲に張った氷の壁で爆発を防いでいたソーナ会長は冷や汗を流していた。
「ええ。仕方ないからこの姿で出来る・・・。」
部長の左腕から滅びの魔力が放たれ・・・。
「紅のキバの必殺技の再現で戦いましょうか。」
それが蝙蝠の翼を広げたような弓へと変わった!?
「・・・本当にいい加減にしてほしいですよ!!あなた達は一体どれだけ切り札を隠し持っていると言うのですか!?」
ソーナ会長はもう呆れる事も出来ずに、怒りだす。
まさに逆切れ。
でも仕方ないと思う。
リアス部長・・・引き出しが増えてきましたね。
「あなただってレイちゃんと合体しなくてもいずれ、できるようになるわ。何度もウェイクアップを使っていると体が覚えていくのよ。」
部長・・・あなたはもう人外の仲間です。
体が覚えていたからってあの技を簡単に再現できる時点でね。
「私・・・段々常識が分からなくなってきました。」
会長。貴方ももうその仲間入り確定です。その現象は部長が最初に通った試練。
今までの常識の破壊から統べて始まりますので。
「さて・・・僕たちも逝くか。」
「ああ。」
良太郎とゼノヴィアがやる気満々だし。
良太郎・・・また逝くっていっているよ?落ちつこうよ。
ゼノヴィアが凄まじい突進と共に牙突を繰り出してくるけど・・・。
「手出しはさせません!!ミラーフルオープン!!」
そこに真羅会長が立ちはだかる。
眷属達一人一人に鏡の盾を展開させてきたのだ。
「なっ!?ぐっ・・・。」
元々砕けてから反撃するカウンタータイプの神器。
迂闊に砕いてしまい、それが衝撃波となってゼノヴィアを襲う。
「・・・やってくれる。」
あちこちボロボロになるゼノヴィア。だが、まだ立っていた。
「・・・まさか一撃離脱でカウンターから逃げますか。」
そのカウンターで出た衝撃波をあえて突きで突破してダメージを最小限にとどめた。
一撃離脱。
カウンターの対策の一つだ。
「それでも有効なのに変わりはありません。禁手化はまだですけど、これでも皆を守るくらいはできますよ!!」
「そして・・・私達の本慮もここからです!!花威さん!!」
「ええ!!
花威さんの周りの空間から無数のシャボン玉みたいな球体が無数現れる。手にしているのはウィザードソードガン?
「独自に開発した禁手化・・・。」
えっ?人工神器の禁手化!?
それって、暴走状態じゃ・・・。
「無数の性質の違う結界を作り出して、攻撃と防御、補助すらもできる・・・虹色の泡宝玉(レインボー・シャボン)!!」
彼女が目の前に現れたシャボン玉に弾丸を放つと・・・弾丸が曲がった?
しかも砲弾みたいにすごくでかくなって・・・。
「これは三年前の巧君のアイディアです。その発想のおかげで人工神器を神器に、そして禁手化へとランクアップできたよ!!」
巧君のアイディア!?しかも人工神器の禁手化再現って、何とんでもないことを。
まさに神への挑戦・・・。
「・・・また巧君なのね。中々シャレにならないアイディアを・・・。」
リアス部長・・・しかも、またといいましたね!?
巧君のアイディアがシトリー眷属に反映されているのかい!?
「私のこれも巧君のアイディアだよ?まあ・・・一年前に書いたアイディアノートからハルトさんが本人に無許可で採用したみたい。」
『・・・・・・。』
無数の仮面人形も巧君のアイディア・・・。しかも無許可って。
ハルト君、やりたい放題だね。
「その禁手化をみせてあげる。」
草下さんの身体が黒い影に沈む。
そして、現れたのは黒いドレスを纏った草下さんの姿。その後ろには黒い巨大な影の人形が現れていた。
ピエロの様な帽子に白い表情のない仮面。そしてその全身を黒い闇のようなローブをまとっている。
手は白い手袋になっている。
それはまるでアーシアちゃんの後ろに現れたもの似ている。でも、大きさが桁違いだ。
手だけで人の胴体を丸々納めることができそうなほど。
その手から無数の糸が伸びており、纏っている闇の衣からも無数の闇色のリボンみたいな物が伸びる。
「闇人形師の戦闘衣(ダークドールマスターズ・バトルドレス)。攻防一体の私の鎧よ!!」
また派手な奴を・・・。
草下さんの纏った衣から無数の闇のリボンがあらわれ、こっちに向かってくる?
それを慌ててかわす。
紙一重で避けた良太郎君が草下さんの懐に入る。そこに巨大な人形の腕が突きだされ、良太郎君をふっ飛ばそうとするが・・・。
それを刀で受け止めつつその腕の勢いに逆らわないように回転、勢いを流しつつ、さらに軸足を変えて回転。
刀に先ほどの攻撃の勢いに、遠心力を上乗せした強烈な一撃を草下さんにお見舞したのだ。
―――飛天御剣流・・・竜巻閃!!
その隙に僕も、そしてゼノヴィアも攻撃を仕掛ける。
――――牙突!!
「・・・流石に自動防御が無かったらヤバかったわ。」
その攻撃すべてを草下さんの目の前に現れた黒い布が阻んでいる。
だが、あまりの勢いに草下さんの体も若干だが浮いていた。
「これ・・・十トントラックの激突だって余裕なのに・・・。三人ともすごすぎるよ!!」
体を宙に浮かせながら無数の闇のリボンで攻撃。
僕達は散開してかわす。
「・・・この一撃すら防御されるか・・・。」
かわしながら良太郎君がため息をつく。その足に糸が絡む。
「おろ!?」
「・・・糸も使えるのよ?」
そこに殺到する闇のリボンと仮面人形達の一斉攻撃。
その勢いにふっ飛ばされた良太郎君。
すごいギミック。
「これに魔法まで併用可能だからいいわね。糸や布に特殊効果も付属できるよ。」
草下さん・・・すごい。
これは明らかに一体多数を想定した禁手化だ。
「私のも巧君のアイディア搭載よ?」
仁村さんの手足の装甲もか・・・。
なんか僕達、巧君と戦っている気分になってきたよ。
「今度、巧君にこの類のアイディアをお願いすることにします。アザゼルの身内だけあって、研究者、いや発明家として才能が突出しています。これは面白いことです。」
「・・・巧君。おそるべし。」
会長と部長も戦慄していた。
これはまた意外な才能・・・。そう言えばハルト君と研究に関して色々と話しこんでいたのを思い出す。
あの時点で巧君も研究者としての才能があったんだ。
ハルト君と互角のやり取りができるレベルの。
発想だけで言えばおそらくグレゴリ随一・・・。
「さあ・・・私の神器も切り札お披露目といきましょうか!!」
仁村さんの両手足の装甲が変化する。それはまるで獅子の手足を思わせる様な拳と足。
背中と腰では尻尾の様なタービンが回っている。
どんな発想があればあんな禁手化を思いつくの?
「玉兎と嫦娥(プロセラルム・ファントム)の禁手化。合成獣の獄宴(キマイラ・イグニッション)!!
キマイラ?
「・・・仁藤君の頑張りに私も応えたいから!!匙君と一緒に今・・・あのイッセ―君と戦っている。だったら私たちもここで踏ん張らないでどうすんのよ!!」
・・・堂々と言ってのけますね。
それだけで皆察したみたいだ。仁村さんの想いに。
「そう言うの・・・嫌いじゃない。」
小猫ちゃんが前にでてきた。
「来て。私が相手になってあげる。」
「今の私を簡単に止められると思わないでよねぇぇぇぇ!!」
「こっちこそ・・・波動拳の極意を見せてあげる。」
二人の拳がぶつかり合う。
「やれやれ・・・読みにくい攻撃で苦労する。」
そして吹っ飛んだはずの良太郎君が首を鳴らしながら登場。
あちこち傷だらけだけど・・・その怪我の程度は驚くほど軽い。
「・・・こっちも遠慮する必要はないな。」
首を軽く鳴らし、良太郎君は告げる。その左ほほに浮かび上がるのは十字傷。
「ここから本気を出す。」
「へっ?本気?」
その姿が消える。
「うぐうううううううううううっ!?」
草下さんの自動防御が発動。でも・・・それでもふっ飛ばされていた。
壁に激突した衝撃そのものは防御されていたからなんともないだろう。
でも・・・精神的な衝撃はどうしようもなかった。
「ちょちょちょちょ・・・さっきのは本気じゃなかったの!?」
「正確にはさらにギアをあげることができるということでござるよ!!実戦で前世の感触をだんだん思い出してきたでござるからな!!」
良太郎君が駆ける。
「このぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
まるで雨のように放たれある無数の黒い布や糸達。
それをかわすかわすかわすかわす・・・。
「なぅ・・・なんであたらな・・・。」
貫いたと思ったら、それは残像だったりなど・・・一発のかすりもしない。
一体多数用の攻撃の弾幕をたった一人に集中しているのにもだ。
「視線で・・・読める!!」
「それでもその動きは明らかに可笑しいでしょう!!ひいいいいいいいぃぃぃぃぃ!!」
再び放たれる強烈な一撃。それを自動防御。
でも、吹っ飛ぶ。その防御を粉々に打ち砕いて。
周りには先ほどよりも遥かに多い人形達もやってくるが・・・。近づいた瞬間に斬り飛ばされ、消滅。
「先読みの補助にフォースを覚えただけ。気にすることはない。」
「ちょちょちょちょ・・・!!」
「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
弾丸の雨も大量にやってくるがそれをすべてかわすか刀で切り飛ばすなどして、全然当たらない。
「いやぁぁぁぁぁぁこっちこないで!!」
『・・・・・・。』
草下さん、もう涙目になっている。
「ちぃ・・・この!!」
巡さんが加勢にやってくる。
無数の刀を飛ばしながら切りかかる。
「私の禁手化発動!!」
その刃が突然消える。
良太郎君が慌てて動くと、先ほどいた場所に刃が刺さっていた。
「私の禁手化は四枚の切り札(フォーカードジョーカズ)。一枚目の切り札・・・空断の刃(テレポートソード)そして・・・。」
巡さんの右腕にオーラと共に装甲が出現。右腕が巨大な装甲に覆われ、手にした刀も巨大化。その大きさ・・・軽く見積もって五メートルはある。
重さは無いのか、それを巡さんは軽々振るってくる。
「二枚目の切り札。荒魂の刃(オーバーソウルブレイド)!!」
突然現れる無数の刃。それに加え巨大化した剣。そこに・・・。
「巡さんナイス!!」
草下さんの攻撃が加わる。
「これもしのぐとは・・・。」
それでもなかなかとらえきれないが・・・。
足元にしかけた刃に足を引っかけた良太郎君がよろめく。
「隙ありぃぃぃぃぃ!!」
それを見逃さず、巨大化した剣による縦一閃を放つ巡さん。
その剣閃。間違いなく一流。
人間どころか、ダンプカーですら両断できそうなほどの見事な剣撃だった。
だが・・・放つ相手が悪すぎた。
「その程度でござるか?」
それを良太郎君は白刃取りしていた。
それも、両手ではなく、左手の人差し指と中指で挟み込むようにして止めていた。
片手、しかも指二本による白刃取り。
「・・・嘘。」
「こう見えて、白刃取りも心得があるでござるよ?神谷活心流と言う名の・・・。」
そのまま素早く詰め寄り、刀の柄で殴り飛ばされる巡さん。
「・・・大丈夫!?」
追撃を草下さんが防ぐ。
「駄目だ・・・敵わない。」
だが巡さんの驚愕はまだおさまっていない。
「次元が・・・次元が違いすぎる。」
巡さんのそのコメントの通りだろう。良太郎君の剣の腕はもう異常としかいえない。
夏休みの間に凄まじい潜在能力が開花したものだ。
「巡さん!!気を取り直して!!気を抜いたらやられて・・・げっ!?」
「大まかの攻撃の概要はわかった。理屈さえわかれば大したことはない。」
『・・・・・・。』
二人の攻撃を見切ったといった良太郎君の衝撃発言。
現に二人は全力で攻撃を仕掛けるが・・・。
今度は全く当たらない。涼しい顔で、紙一重、必要最小限の動きでかわしていく。
無数のリボンの雨も・・・。
突然現れる刃も。
巡さんの斬撃も。
草下さんの人形たちも・・・。
もはや掠りもしなかった。
『・・・・・・。』
二人の表情に浮かぶは・・・恐怖。
「さあ・・・。今度はこっちの番でござる!!」
刀を構え、走りだす良太郎君。
『ひぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!?』
二人の悲鳴に皆は心底同情していた。
「・・・私、良太郎君とだけは絶対に戦わない。そう決めたわ。」
二人の神器。それも両者は神器の禁手化をつかっている。それなのに、ただ頑丈なだけの普通の刀を持った良太郎君一人に圧倒されているのだから仕方ないよ。
本当に化け物だ。
純粋な剣の腕と身体能力なら良太郎君が間違いなく一番だろう。
洞察力と先読みが凄まじすぎるけど。特に先読み。
フォースも加わって、もはや予知能力のレベルに・・・。
「・・・良太郎が本気見せるのならこっちもとっておきを見せてやる。」
ゼノヴィアが剣を手に歩きだす。
「あなたまで、まだ何か持っていると言うの!?」
その言葉に他の皆も戦慄する。
「そうか・・・あれを見せるのか?」
「ああ・・・。」
そのとっておきが何か、僕は知っている。
「ぐっ・・・そんなのさせるわけないでしょう!!」
三発の弾丸がゼノヴィアの上、右斜め下、そして後ろと放たれる。
花威さんの仕業だろう。
展開させたシャボン玉状の結界を使った歪曲。しかも、弾丸を巨大化、砲弾クラスにまで質量を増大させるおまけつきだ。
一発位なら今のゼノヴィアでも斬り落とせる。
でも三発同時は無理だろう。
普通ならば・・・。
その普通じゃない要素を今のゼノヴィアは会得してしまっている。
三発の砲弾は同時に叩き斬られる。
三つ同時に放たれた斬撃によって。
「・・・へっ?」
なにが起きたか皆、理解が追いつかないだろう。
「良し・・・斬撃を三発だせるようになったか。」
「三発同時に斬撃を放つ?」
ゼノヴィアに秘められた恐るべき才能。それがこれだ。
それを発見したポルム君の驚き様が半端じゃなかった。
師匠ですら「恐るべき魔剣。」と称する程に。
ポルム君は多次元魔術だとか、第二魔法とか言っていたけど・・・。
「難しいことはない。たった三発同時に放てるだけだ。」
『いやいやいやいやいやいやいやいや!!』
悲しい事にゼノヴィアは己がやらかしている事が人外の剣技だと全く自覚していない。
「さて・・・これで放ってやるぞ。私だけの・・・必殺剣を!!」
それによりゼノヴィアが放つは・・・
「受けてみるがいい・・・三発の牙突!!」
三発同時に放つ牙突。
そして、師匠直伝の必殺剣。
「牙突連式・・・。」
それに牙突を加えた異常な剣。防御も回避も不可能な絶技。
「無明三段突き!!」
三発同時に、それも一点に向かって放たれた牙突。
それが真羅さんの鏡を粉々に打ち砕く。
その余波で花威さんと真羅さんが吹っ飛ぶ。
「そっ・・・そんな無茶苦茶な剣・・・反射できるわけないでしょう!!」
「あと訂正。四段突きになっていた。はははは・・・一段増えたぞ!!」
『!?』
三段と言っておきながら四段突き!?
「どうやらもっと修行を積めば同時に放てる剣撃が増えそうだ。まだまだ強くなれる・・・。」
全然自覚していないけど三発同時の時点でもう防御不可能だからね!!
斬撃なら下手したら回避すら不可能になる。
それでまだまだ増える余地がある辺り、剣士としてふざけているとしか思えない。
「・・・グレゴリ―眷属は化け物か!?なんなのその不可能技!?」
いやいや・・・それだけで僕達まで巻き込まないでよ!!
多分あの姉弟が可笑しいだけだから。
『・・・・・・・。』
どうしたの?どうして良太郎君とゼノヴィアが一斉にこっちを?
それもすごいジト目で。
「ならお前のあの剣を見せてみろ。」
「裕斗君も大概だとみんな思うから。」
すごく失礼なコメントだった。
「・・・・・・二人に比べたら大した剣じゃないよ。」
僕は剣を振るう。
放たれるのは幻魔剣。
「フン・・・その程度の衝撃・・・波・・・!?」
驚いてくれたようだね。
一度にしかも別方向から放たれたことに。
「異世界には面白い剣がある。隼の剣というのがね。」
僕は修行しながらポルムからあらゆる世界の不思議な力を宿した剣を見せてもらっていた。
その一つがこの隼の剣。
この要素をこっちは解析と言う魔術を習得し、それを使って把握。剣の糧としたのだ。
投影と言うのに近いらしく・・・それを覚えてみたら・・・。
「こんな風に・・・。」
僕の周りに無数の剣が一度に多数現れる。
剣を作る時の消費が恐ろしいほどまでに減った。
「そして、僕は二刀流を鍛え、逆手二刀流のある必殺技も会得した。」
僕に向かって一斉に襲いかかってくる仮面人形達。
それを僕はかわす。
ゆっくりとした動きで。
「攻撃が・・・当たらない!?」
まるで舞う様にゆっくりと動く。
「その動き・・・流れる水のごとく。とある隠密の頭の技さ。」
この域に達するのに相当苦労した。
そこからは僕は回転し・・・逆手による高速三連撃を放つ。
――――――回転剣舞!!
それもただの三発じゃない。
幻魔剣を付加した三連発の衝撃波。
それを辛うじて花威さんの結界が阻もうとするけど、関係なしに切り裂く。
「さて・・・これを二刀流、しかもアバンストラッシュも加えてで放つ。使う剣は隼の剣。そして・・・。」
僕のもう一つの剣技。
それは・・・。
作り出したナイフを近くの物体に投げる。刺さると・・・。
十七に分割・・・。
『えぇぇぇぇぇぇ!?』
「・・・目に魔力を込めると変な物が見えるんだ。あちらこちらに変な紅い線が・・・。」
その際目は蒼く輝くらしい。
ポルムがそれを見た時。ゼノヴィアの時と同じくらいに戦慄していた。
将来、とんでもない怪物になると。
目に魔力を込めないと出来ないのは、ポルム曰く、リミッタ―らしい。
彼は言っていた。
この眼はあらゆる物に死を与える魔眼だと。
「この目を併用させて放つ必殺剣・・・。」
はじめて放つ。今僕が習得したすべての技を合わせた必殺剣。
「何か分からないけど止めなさい!!あなたが今から放とうとする技はすごく嫌な予感が・・・。」
部長が言い終わる前に僕は放つ。
アバンストラッシュ、幻魔剣、隼の剣 回転剣舞 そして・・・直死の魔眼。
これらをすべて同時に組み合わせて放つ・・・。
「ダースウィングスラッシュだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
周囲に無数の衝撃波をまき散らす僕の秘剣。
必殺の十二連撃。
その刃は周囲に見える赤い線を一つ一つ捉えて切断していく。
その結果・・・。
SIDE アザゼル
俺達は信じられない物を見ている。
それは切断され、崩壊してくショッピングモール。
『・・・・・・・・。』
目を点にしているのは俺だけじゃない。他の皆も一緒だ。
佑斗の奴・・・なんて技を・・・。
純粋な剣技でショッピングモールを崩壊させるか。
「やっぱり禁じ手にしてよかった。今回は試しに一発だけ許可したけど・・・まさかこれほどとは・・・。」
あいつの師匠である沖田総氏はやれやれとため息をついている。
「あれは神すら殺す禁断の剣。みなさん・・・神殺しの騎士の誕生ですよ。」
『・・・・・。』
この時から裕斗は神すら殺す騎士として、その名が世界中に轟くことになる。
後悔はすでに遅いのは分かっている。だが、思わずにはいられなかった。
俺・・・・・・とんでもない連中を育て上げてしまったんじゃねえのか?
それこそ後世に間違いなく名を上げる様なとんでもない化け物どもを・・・。
共犯であるポルムも目を丸くしている。
「おい・・・。」
我に返ったのかポルムは頭痛そうな表情で応える。
「ごめん・・・流石にあれはこちらの想定を遥かに超えている。ここまでのレベルになるなんて・・・。特にフォースを加え、予知能力と言っていいレベルになった飛天御剣流に第二魔法、そして、あの魔眼が・・・。あれは僕ですら殺される。」
「それでこそ我が好敵手。それくらい出ないとむしろつまらない。」
隣でにやりと笑うアーサー。あれみてそのようなリアクションってことはこいつも大概ってことかい。
「・・・グレモリ―眷属はアギトがいる。そして、そのアギトが一番の脅威としていた。それは今でも間違いだろう。」
俺は悟る。
「だが・・・すまねえ。俺のせいで他の連中も大概なレベルにしちまった。これほどまでに化けるなんて想像もしなかった!!」
間違いなく俺の名も後世に残るな。こいつらを育て上げた男として。
俺の育成論も相当なレベルだぜ・・・はははははは・・・はあ。
「はっ・・・はは・・・。」
サーゼクスの奴、乾いた笑い声しか出ていねえな。
「・・・この連中をどのように制限かけるべきか・・・悩ましいものだ。せっかくだから皆も相談に乗ってくれないかい?まだ引き出しもありそうだし。あのような・・・。」
アジュカの奴が画面を指す。
それを見た俺達はもう・・・驚きすら通り越してあきれ果てた。
「もう・・・いい加減にしてくれ。」
驚くことに疲れてきた。
SIDE 椿姫
まさかのエリア崩壊に私達は慌てていた。
でも・・・。
「みなさん!!」
花威さんがとっさに結界を展開。私達を守ってくれた。
ソーナを庇えなかったけど・・・まあ大丈夫でしょ。
現にあそこに凍てついたエリアがあります。
「・・・ゲームとしてもう成り立たないです。」
「ぐうの音もでないわ。」
リアスさんは・・・素で平気だった。
他の皆はぐずれた瓦礫の下から次々と出てきた。
朱乃さんなんか・・・。
「やれやれですわねえ。こんなことでウィッチタイムを使う事になるなんて。」
服すら汚れていないってどんだけ!?結界の類を使った形跡がないのに・・・。
うん・・・みんな大概ですね。特にグレモリ―眷属一同は結界など一切使用せずにぴんぴんしていたのだ。
「あれ?肝心の彼は!?」
大崩壊をやらかした佑斗君はいつの間にか上空にいた。
手には槍。そしてその身体にマントみたいな物が纏っていた。
「まっ・・・まさか。」
私はそれをデータで知っている。
それは仮面ライダ―ナイトのファイナルベント「飛翔斬」
でも・・・ファイナルベントカードは使っていないのに!?
「そんな・・・ファイナルベントを・・・。」
嫌な予感がした。
「はああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
槍を下に向け、高速回転しながらこっちに突っ込んでくる!?
マントが身体を覆い、まるで黒いドリルのようになるところまで!!
まさかとは思っていたけど・・・
ファイナルベントを自力で再現したというの!?
「この余に及んでまだ!!?」
「そんな手札を!?」
「破壊力は本家に劣るはず!!皆防御に集中!!」
「もう二度と戦くないぞ!!グレモリ―眷属とは!!」
花威さんと草下さん、巡さんに由良さんがとっさに前に出て各々の神器で防御。私も鏡を展開させるが・・・。
その防御を簡単に破って私達四人を弾き飛ばす。
「きゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁ!?」
地面に着弾した衝撃で辺りが大きく揺れた。
ひび割れた地面から槍を手放し立ち上がる佑斗。黒いマントがゆらゆらと揺らめく。
「あっ・・・ああ・・・。」
勝てるわけが無い。
ファイナルベントを、自力で再現させてくる相手に・・・。
確かにファイナルベントは禁止されている。だが、それを自力で再現してはいけないとはどこにも書いていない。あのマントもガードベントではない。槍もそうだ。
自力で生み出した物だ。どのようにして魔剣創成でマントも創成できたのか分からないけど。
だが、間違いなく破壊力は本家に迫る者がある。
私達五人の全力の防御を簡単に打ち破ったのだからそれは間違いないだろう。
倒れた四人の周りが剣で囲まれる。
「・・・身体がうごかせない。」
「そもそも、さっきのダメ―ジが・・・。」
「良太郎君の言葉の意味が・・・よくわかった。」
「非常に嫌な意味で・・・こっちも大概だ。」
あの姉弟がいうことに私も納得していた。
むしろ破壊力ならこのメンバーで最強じゃないかと。
私も剣を首筋に・・・。
「チェックメイト・・・ですね。」
爽やかな笑みで降参を進める裕斗君。
戦神の様な強さを発揮したのと思えない爽やかであどけない笑み。
「あっ・・・。」
心臓が高鳴る。
一体これって何?
「・・・ごめんソーナ。」
降参するしかなかった。私の方はもう手札も尽きた。
それになんか・・・負けてしまった。心がそう言っている。
「・・・はあ。」
ソーナは手を挙げる。
「今回は私達の負けです。これ以上は戦う意味すらない。」
それはリサイン。
「すぐに直しますね。ほいと!!」
アーシアちゃんがそう言うと・・・瞬く間に崩壊したショッピングモールが直る。
それも新品同様に。
『・・・・・・・。』
本当に規格外だ。
これで私達の初めてのゲームは終わった。
―――――グレモリ―眷族・・反則負け
なぜか私たちの反則負けと言う形で。
「えっ?」
――――兵藤 一誠
――― 匙 元司郎
――― 仁藤 攻介
―――――リタイア・・・。
『・・・あれ?』
そして、その直後にリタイアをした三人という謎を残して・・・。
この三人は変身しないでこの破壊力です。
制限を外し、本来んパワー、本来の武器で放った時の破壊力はいまだこっちも想像できていません。
本当にレーディングゲームでどのように制限かけようか真剣に悩んでおりす。
もう一話だけ投稿します。
8月30日一部内容修正