赤龍帝の幼なじみ達   作:THIS

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 いよいよ三人目登場。

 そしてさりげなくリアスも原作と大きく違う点がでてきます。

 


鋼の鬼兄貴・・参上です!後編

SIDE 黒歌。

 

 彼は今怒りに震えていた。

 

「鋼ちん・・・・。」

 

「ひっ・・ひいいいいいぃぃぃぃぃ・・・。」

 

 完全に怯えきった一人の悪魔。

 

 四十は軽く超える人間が倒れ伏している。

 

 鋼ちんの中心には・・・巨大な地割れができていた。

 

 今、彼は鬼になっている。三本角の鬼。

 

 鋼の様な色の皮膚に覆われた鬼。

 

 私が知る限り・・・最強の存在。

 

「黒歌・・・その子を頼む。」

 

 其の彼が怒っている。それはそうにゃ・・・。

 

 彼は凄く優しい。そして義理に厚く、愛情深い。

 

 そんな彼にとって、子どもは宝にゃ。

 

 種族関係無しに、大切にしている。

 

 それをこいつらは人質にした。

 

 捕まっていたのは妖怪・・・九尾の女の子。

 

 京都で良くしてくれた人の娘。名前は九重(くのう)ちゃん。

 

 追われている立場なのを分かった上で受け入れてくれた妖怪達の長の娘である。

 

 その関わりを知ったのか、あいつらは人質にとってここまで連れてきたのにゃ。

 

 しかも、結構痛めつけた。

 

 それが滅多に怒らない鋼ちんを本気で怒らせてしまったにゃ。

 

 私も怒りたかったけど、それを止めてしまうくらいにあれは凄まじいものがあるにゃ。

 

 鋼ちんの怒りはまさに鬼神降臨。

 

 冷静かつ・・・容赦がなくなる。普段は抑えている力を遠慮なく出して来るにゃ。

 

 助け出した方法は大変シンプル。

 

 地面を思い切り殴りつけ、地震と地割れを起こし、その隙に助けただけにゃ。

 

 仙術を応用させて、破壊力と移動速度を冗談みたいに引き上げている。

 

 今の一撃で山が割れたにゃ。

 

「外道が・・・・。」

 

 ああ・・・もう知らないにゃ。ここまで怒った彼を見るのは久しぶり。

 

 前に世話になった猛の皆さんが私を狙った連中の攻撃で傷ついた時以来だわ。

 

 あの悪魔・・・確実に再起不能にゃ。

 

 そんな時・・別の気配がこっちに向かっているのに気付く。

 

 転送魔法だ。

 

「鋼ちん!!増援が来るにゃ!!」

 

「そうか・・・。」

 

 全く動じないのね。むしろ・・・ぞの増援に同情するにゃ。

 

 今の彼・・・もしかしたら魔王すら超えるかも。

 

 

SIDE 木場 佑斗

 

 ・・・凄まじい怒気。

 

 現場に辿り着いた僕達がまず感じたのはそれだった。

 

 その場にやってきたのは僕と部長、朱乃さんだけである。

 

 小猫ちゃんとイッセ―君はいない。というのもイッセ―君は転送魔法が使えない。全く魔力が無いと言っていい故にだ。

 

 小猫ちゃんと共に何とかいけるようにしている。

 

 でも、二人がいなくて正解だったかもしれない。

 

 これは・・・強すぎる。

 

 その中央にそれは立っていた。

 

 それは異形の鬼といえるのだろうか。その全身から立ち昇る気は・・・圧倒的という言葉すら足りないくらいに恐ろしい。

 

 その鬼の後ろにいた。SSS級はぐれ悪魔・・黒歌が。

 

 その彼女の手の中に何故か女の子がいた。

 

 狐の耳と尻尾があることから・・・妖怪だろうか?

 

 彼方此方酷い怪我をしており、それを術で治療しているようだった。

 

「ほう、中々の猛者だな。こいつらの仲間か?」

 

 鬼はこっちの方を見る。

 

 視線だけで、凄まじい重圧が僕達に降り掛かってくる。

 

「いえ。でも救援があったから来たのよ。しかし・・・。これだけの数を相手に無傷。」

 

 部長も冷や汗を流している。

 

「ならこいつらをさっさと片付けてもらおうか。殺してはいないが・・・怒りで加減が上手くできなかった。」

 

 相対した相手は全てかなり酷い怪我を追っているが、辛うじて生きている。

 

 意識もある。口から悲痛な悲鳴が漏れている。

 

 もしかしたらワザと殺さず、意識を落とさなかったのかもしれない。

 

 殺さず、動けないのに、激痛で苦しむように。

 

「私は黒歌さんに用事があるの。今の私達じゃあなた達には敵わないわ。だから、話しだけでもいいかしら?」

 

 黒歌。部長は彼女に用事があるようだ。

 

「私?私も有名になったにゃ。ん?紅の髪?・・・・もしかしてあんた・・・・グレモリ―の。」

 

「ええ。私はリアス・グレモリ―。貴方の妹について聞きたい事があるの。。」

 

 その名を聞いた黒歌は眼を細める。

 

「そうか・・。いつの間にかそんなところまで来たのか。」

 

 鬼も気を収める。敵ではなくなったらしい。

 

 安心した。

 

 あの怒気は、傍にいるだけでこっちの精神をがりがりと削り取る。

 

 三人とも身体の緊張を漸く解く。

 

「・・・事件の聞きたいのか?まあ・・・一応サイラオーグに頼んでいるのだが・・。」

 

「えっ?サイラオーグ?なんであなたがその名を・・・。」

 

 確かその名は大王バアル家の次期当主の名だったよね?部長の従兄で。

 

「ふっ・・あいつと拳を交えた仲でな。その際に色々と頼んだ。」

 

 拳を交えた仲。その言葉に、部長は眼を飛び出すといわんばかりに驚きながらも納得する。

 

「冗談・・・・じゃなさそうね。」

 

 目の前の男。それだけの強さを持っていたのだ。

 

 そして、その部長の元に使い魔である蝙蝠が飛んでくる。

 

 まるで蝙蝠をデフォルメ化したような本当に凄く変わった蝙蝠だ。

 

 

「リアス―ゥゥゥゥ!!」

 

「どうしたの?カ―ミラ?」

 

 ちなみに変わった蝙蝠・・・カ―ミラは女の子らしい。

 

・・・・・本当に蝙蝠なのか?何か別の生き物としか思えないんだけど?

 

 そもそも、ただの蝙蝠が人間と同じものを食べている時点でおかしい!!

 

 でも本人(人か?)曰く蝙蝠らしい。リアス部長も喋れるとても賢い相方としていて、それ以外全く気にしていない。

 

 その時点でもう僕はツッコミをやめたよ。

 

「サイラオ―グからの手紙よ。急いでほしいみたいだから直接持ってきたわ。」

 

「ちょうどいいわ。読ませて。」

 

 それに目を通して、部長はため息をつく。

 

「今、そのサイラオ―グから連絡が来たわ。そうか・・・これが事件の真相なのね。」

 

「根回しがいいな。今度茶菓子をおごらないと。」

 

 鬼は全身を炎で包みながら姿を元に戻していく。

 

 そこには・・・全裸の男が立っていた。

 

 部長も朱乃先輩も人間の姿に戻った彼に驚いているようだけど、全裸故に少し恥ずかしそうだ。

 

 というより・・服はどうした!?

 

 人の姿をするのは分かるけど、その際どうして全裸なの!?

 

 素早く着物を着こみ、彼は言う。

 

「すまぬな。変身するとその度に服をダメにする。改めて名乗ろう。鋼鬼という。」

 

 身長は二メートル前後。

 

 でかい。しかも・・・相当鍛え込まれている。

 

 やや黒い肌が黒鋼に見えるほどの肉体だ。一方で髪は白鋼のような銀色をしている。

 

 先ほどの威圧はすっかり無くなっている。

 

 いるのは無邪気な笑みを浮かべる青年である。

 

「済まぬが・・・彼女の手当てを頼めるか?」

 

 彼女・・・黒歌に抱かれた女の子のことだろうか?

 

 よく見ると九尾の狐のようだ。

 

「ええ。」

 

「それとこいつらを処分も頼む。痛めつけたがこいつらなのでな。」

 

 そうか。だからこの人は怒っていたのか。

 

 多分・・だけど、この人良い人だ。それも多分、強きをくじき、弱者を助けるほどの。

 

 ただ・・・絶対に怒らせてはいけない事だけは分かる。

 

 絶対に地獄を見る。

 

「あなた達を匿うわ。兄様の承諾も得ているから、安心して。」

 

「そうか。本当にあいつには感謝しないとな。」

 

「・・・・・・。」

 

 黒歌が躊躇う様子を見せている。

 

「はあ・・・お前な。ここに来て臆してどうする?決めたのだろう、妹と和解するって。」

 

「そう・・・これは嬉しいわ。」

 

 和解したいと思っている。それを聞いた部長も嬉しそうだ。

 

「私もその問題を何とかしたいと思っていたの。渡りに船だわ。」

 

 小猫ちゃんの問題が片付くということだから。

 

 部長にとって眷族は家族同然。

 

 自分の事のように喜んでくれるのだ。

 

「さて・・・黒歌。お前は先にリアス殿達と行け。」

 

 突然先に行くように促す鋼鬼さん。

 

 どうし・・・!?

 

 僕もある事に気付いて手に二本の剣を取り出す。

 

「あいつらの仲間か?」

 

「ああ・・・。よくも仲間達をやってくれたな。」

 

 僕たちはいつの間にか無数の悪魔達に囲まれていた。

 

「それはこっちのセリフだ。」

 

 仲間と聞いて、鋼鬼さんから再び怒気があがる。

 

 うっ・・うわ・・。さっきよりも酷い。

 

「俺の妹分を痛めつけてくれた礼はまだ完全に返せていないようだしな!!」

 

 その迫力に怯む連中だったが、すぐに気を取り直す。

 

「なんの。こっちには切り札があるのだ!!」

 

 どうも何か用意しているらしい。

 

「行け・・・バケガニ。」

 

 そして、悪魔達はある存在を召喚する。

 

 それは幅だけでも軽く十メートルを超えるような赤いカニの化け物であった。

 

 何だ?あの怪物は?

 

「魔化魍(まかもう)!?お前ら・・・こいつがどういう存在か知っていて!!」

 

 鋼鬼さんは知っているのか?この怪物を・・・。

 

「育てるのに結構な数の餌が必要だったよ。くくくく・・・。」

 

 餌という言葉に、鋼鬼さんから怒気が引っ込む。

 

 表面上ではそう見えた。・

 

「そうか。おい・・こいつら外道はお前に任せていいか?」

 

「外道って・・・。」

 

「こいつの餌は人間だ。多分・・・これだけの大きさに成長するまでに何十人の人間が犠牲になっている。」

 

・・・・・・ッ!?

 

 そうか。それは確かに堪らないね。

 

 だからこそ、冷静になろうとしたんだ。

 

「そして、こいつを倒せるのは俺達鬼だけだ。」

 

 ああわかったよ。ならここは専門家にお任せしようか。

 

 僕は剣を作り出し、構える。

 

「こんなところで魔化魍と戦う事ににゃるか・・・。」

 

 黒歌も鋼鬼の傍に立つ。

 

「いいのか?もうすぐ妹と再会できるのに?」

 

「・・・こいつらを放り出すなんて、鬼の一人としてできない。白音にも顔向けできないにゃ。それに・・・・。」

 

 黒歌は鋼鬼の方を見て言う。

 

「言ったはずにゃ・・・。私はあんたの相棒だって。いつも隣にいて、一緒に戦うって。背中を預け合うって。」

 

 その瞳に迷いはない。とても・・・とても綺麗なものだった。

 

 そうか。この二人は・・・・。

 

「・・・そうだったな。なら任せるぞ。お前のタイプじゃ相性は良くねえが・・。」

 

「それでもやりようはあるにゃ。」

 

 黒歌さんはそう言いながら小さな笛のような物を取り出し、それを吹く。

 

 鋼鬼さんは小さな琴の様な物だ。その弦を弾いた。

 

 二つの音が響き、それと共に二人の額に鬼の顔の様な物が現れる。

 

 それにそれぞれ響きを奏で続ける笛と琴を重ねる。

 

 それと同時に二人の姿が代わる。

 

 鋼鬼さんは炎と雷に覆われながら先ほどの鬼に。

 

 そして黒歌さんは風と氷に覆われ、それを手刀で切り裂き、鬼となった姿で現れる。

 

 黒い二本角の鬼。黒髪は銀色に変わっている。

 

「黒歌こと・・奏鬼(そうき)。久々に暴れさせてもらうにゃ。」

 

 そしてトランペットのような銃から白い石の様な弾丸を発射する。

 

 それはバケガニの甲羅に命中するが、その硬さに弾かれてしまう。

 

 相性が悪いとはこのことか。

 

 黒歌さんが変身する鬼は見たところスピードに優れた遠距離攻撃タイプ。このような硬い装甲を持つ相手はその弾丸を弾く。それ故にということか。

 

 バケガニのはさみが僕達に襲いかかる。だが、それを鋼鬼が片手で受け止めた。

 

「・・・この程度か。」

 

 バケガニが必死で力を入れるが、全く動かない。

 

 それどころか、そのままその巨体を片手で持ち上げている。

 

 それも軽々と。

 

 常識外の・・・めちゃくちゃな怪力だ。

 

「動き止めてくれてありがとねん。」

 

 その隙に上に飛び上がった黒歌が大きく踵を振り上げ、それをバケガニに向けて思い切り振り下ろす。

 

 その一撃でバケガニの固い甲羅の巨大な亀裂を伴わせながら、地面に叩き伏せる。

 

 並の悪魔を簡単に蹴散らすわけだ。戦闘力の桁が並の悪魔と全く違う。

 

「お見事。仙術の応用で、威力を高めたのか?凄まじい物だな。苦手だとしていたバケガニの殻を打ち砕くか。」

 

「鋼ちんの技の応用にゃ。そして、その砕いたところに弾丸を撃ち込めば・・・。」

 

 砕けた個所に弾丸を撃ち込む黒歌。

 

「これで仕込み完了にゃ・・・。」

 

 それで彼女は腰もベルト中央にある円状何かを銃の先にくっつける。

 

 すると、銃はそのままトランペットのような物に変わる。

 

 そして、そこに息を吹き込み演奏を始めたのだ。

 

 すると演奏に撃ち込まれた弾丸が共鳴し、バケガニは苦しみ出す。

 

 そして、そのまま爆発。落ち葉となってあちらこちらに散ってしまった。

 

 こうやって退治されるのか。

 

「・・・・嘘だろ。バケガニが全く相手にならねえだと?」

 

 召喚した奴らも驚いているよ。まあ・・・こっちも頼まれた仕事をしておきましょうか。

 

 素早く奴らに近づき、剣を振るって仕留めて行く。

 

 だが、残った奴らがひきつった笑いをみせる。

 

「ぐっ・・だが・・・誰が一体だけだと言った?」

 

 其の言葉に対する答えは部長達の悲鳴であった。

 

 そこには・・・もう一体巨大な蜘蛛の様な化け物がいたのだ。

 

「バケグモだと?そんな奴まで・・・。」

 

 雷と滅びの魔力によって二人は応戦している。

 

「何なのこの怪物!!」

 

「でも・・・いじめがいはありそうですね。ほら!!」

 

 特に滅びの魔力は流石に応えているらしく、バケグモと呼ばれた怪物は後ろに下がる。

 

「あの二人・・・やるものだな。ウィザードタイプだったのは分かっていたが。並の悪魔なら食べられてしまうぞ。」

 

 何せ部長と朱乃さんですから。それでも瞬殺出来ないところを見ると相当な怪物だね。

 

「だが、ここでもう一体。」

 

 あの怪物を使役していた悪魔達はまだ嫌らしい笑みを浮かべている。

 

 もう一体だって!?

 

 部長達の上空から迫る巨大なエイのような怪物。翼は普通の鳥のようになっていると異形。

 

「イッタンモメン。こんな奴まで・・・。」

 

 完全に不意を突いた格好の怪物――イッタンモメンが部長達に迫る。

 

「まずいにゃ!!」

 

 銃を撃ちながら黒猫さんが駈けるがそれでもイッタンモメンは止まらない。

 

 僕たちも駈けようにも・・間に合わない。

 

 そう思った時だった。

 

――――――Guard Vent!!

 

 不思議な音声と共に部長の前に二枚の盾が現れ、イッタンモメンの突進を止めたのだ。

 

 止めただけじゃない。赤いオーラに包まれたその盾は異様なまでに固いのか重いのか、まるで巨大な壁に激突したかのようにイッタンモメンが怯み、身体をのけ反らせたのだ。

 

 のけ反ったイッタンモメンの上に彼はいた。

 

―――――Strike Vent!!

 

<BOOSTBOOSTBOOST!!>

 

 右手には竜の頭を模した武器が出現している。

 

――――Transfer!!

 

 その音声と共にその右手が猛烈な赤いエネルギーに包まれる

 

『Dorgon fire break!!』

 

 そして、彼は右手に龍の頭を模した武器を出現させて、そこから炎を噴き出せしながら思い切り、のけ反ったイッタンモメンを殴りつけたのだ。

 

 大爆発と凄まじい衝撃と共に地面に叩きつけられるイッタンモメン。

 

 相当強力だったのだろう。その一撃でぐったりしているイッタンモメンの上で・・・。

 

「あちちちぃぃぃ・・・ちゃ・・着地成功・・・。部長!!朱乃先輩!大丈夫ですか?」

 

「えっ・・ええ・・。」

 

「あらあら・・・思ったよりもやんちゃする子なんだ。」

 

 とんでもない登場をしでかした一誠君がいた。

 

「先輩・・無茶する。」

 

 その後ろで小猫ちゃんがやってくる。

 

「ナイスコントロール。いや・・・気持ちいいくらいに飛べたよ。」

 

 そうか・・・小猫ちゃんにぶん投げてもらったのか。

 

 ・・・・・無茶苦茶としかいいようがないよ!!

 

「小猫ちゃん!!その盾を使って!!」

 

「わかった。」

 

 小猫ちゃんは突然出現した盾を二つ手にとる。

 

「思ったより軽い。これであの怪物の突進を止められるの?」

 

「これがあなたの神器なの?一度に複数の武器を出せるタイプなの?」

 

 僕の神器と似たタイプなのだろうか?後で色々と聞かないといけないね。

 

「凄いな。一撃でイッタンモメンを気絶させるか。」

 

 鋼鬼さんはイッタンモメンの上にいる彼に向けて話しかける。

 

「・・・ってその篭手。お前・・名前は?」

 

 彼の左腕の篭手を見て、彼は声をかける。

 

「兵藤 一誠だ。」

 

「・・・そうか。お前・・・イッセ―だな。」

 

 鋼鬼さんがなぜか、親しげに彼に話しかける。

 

「・・・・えっとだ。俺だ。鋼鬼。」

 

 顔だけ元に戻って見せる鋼鬼をみて、彼は眼を丸くする。

 

「ええええ・・・あんた・・まさか鋼兄か!?」

 

「ああ。強くなったな。驚いたぞ!!」

 

『・・・・・・・。』

 

 二人のやりとりに、僕を初め皆は絶句していた。

 

「また幼馴染なのね。」

 

 ここ二、三日彼の幼馴染である連中に三人も会っている。

 

 部長のその言葉は、それに付随する色々な要素とそれに対する思いを全て凝縮している。

 

「・・・・・・・今度祓ってあげようかしら?何かに憑かれているとしか思えない。」

 

 朱乃さんが何を言いたいのかよく分かるよ。

 

 絶対に可笑しいからね。こんな幼馴染ばっかり!

 

 そんな時だった。

 

 忘れ去られていたバケグモが怒りの雄叫びと共に突進してくる。

 

 皆が迎え撃とうと構えた時だった。

 

――――――Wake UP!!

 

 その声と共にバケグモの上から何かが飛来。

 

月をバックにしてムーンサルトを決めて、そのまま強烈な飛び蹴りを見舞ったのだ。

 

 凄まじい衝撃と共に声なき悲鳴をあげながら、地面に叩き伏せられるバケグモ。

 

 その後に少し時間をおいてから、光と共に地面には巨大な蝙蝠の羽を模したようなマークが刻まれた。

 

 なんだ今の一撃は?

 

「お疲れキバット。」

 

「おう。だが・・・派手な登場したな。」

 

 そして、それをやらかした相手が土ぼこりが舞う中で変身を解く。

 

 それは渡君。

 

 彼の傍には蝙蝠をデフォルメしたかのような何かが飛んでいる。

 

 あれ?部長のカ―ミラとなんか似ているような・・・。

 

「あれ?お前・・・カ―ミラか!?」

 

「久しぶりね。キバット。元気してた?」

 

 二匹の蝙蝠(?)があいさつしあっている。

 

「いや・・・なんかとんでもないことになっているみたいで。助けにきたけど、いらなかったかな?」

 

 呑気な声で、彼はとんでもないことしてくれるよ。

 

「はっ・・はははは・・・いえ、本当に助かったわ。」

 

「バケグモが一撃で行動不能か。」

 

 ああ・・。今僕は思い知ったよ。

 

 彼の幼馴染という存在には気をつけないといけない。

 

 彼の幼馴染全員・・・人外という言葉すら生温い怪物ばかりだ!!

 

「もう私・・・イッセ―の幼馴染と聞いたら人外だと思う事にするわ。」

 

「部っ・・部長!!どうしてそんなこと思うのですか!!」

 

「いえ・・・。リアスの言うとおりだと思うわ。」

 

 悪いけど僕もそう思う。

 

 だって・・・・そのままじゃないか!!

 

 

 




 ここでグレモリ―眷族内にイッセーの幼なじみ=人外という図式がうまれました。


 この図式・・イッセーの中の基本として扱っていく予定です。

 もう人外ばかりです。どれも彼も・・ははは・・。

 
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