赤龍帝の幼なじみ達   作:THIS

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 皆さまあけましておめでとうございます。

 更新遅くて申し訳ないです。それでもできる限り書いていきますのでよろしくお願いします。

 六章はまだ続くことになりそうです。最後の最後でとんでもないイベントを作ってしまったがゆえに。

 さあ・・・六章最終決戦へどうぞ!!


絶望と復活のG

 

 

 SIDE イッセー

 

「がっ・・ごごごごごご・・・。」

 

 ディオドラに対してこちらが抱いた感想はただ・・・下らないということだった。

 

 確かに強化されている。普通の上級悪魔なら圧倒できるくらい。

 

 だが、ただそれだけ。

 

 力は上がっているけど・・・。

 

 その力が薄っぺらい。同じ力でもその質が全然違う。

 

 俺の周りは常に切磋琢磨している。力そのものは今のディオドラに劣るが、その質は間違いなくお前よりうえだ。

 

 積み上げたものがまったくない。

 

 こっちの力は突然得たもの。

 

 だが、俺だってその力と向き合い、自分よりも強い連中たちとともに磨いてきた。

 

 強くなろうと努力してきた。

 

 だから負けない。

 

 こんな紛い物に・・・。

 

「ちぃ、こうなったら認めるしかありませんね・・・。」

 

 おそらく今のままでできる攻撃はすべてやったのだろう。

 

 全く歯が立たないことをあっさり認めた。

 

 それでもあいつは笑う。

 

「でも・・・でもですよ?こっちにだって、とっておきはありますよ!!」

 

 指を鳴らすとそこには…イリナが現れた。

 

「イリナ?」

 

 だが、その様子がおかしい。

 

「さあ…ジョーカーの覚醒の時間ですよ!!」

 

 イリナの姿が変わっていく。

 

 それはアンデット。ジョーカーの姿となった剣崎さんたちと似た昆虫としての要素をもっていた。

 

 だが、体色は金色。しかも、天使の翼が十二枚。

 

「ジョーカーの因子に天使の因子が入ったおかげで、先祖がえりみたいな形になったみたいでねえ。ジョーカーの中でもさらに特別な存在になりました。今の彼女は最初に生まれた二体の熾天使。その因子を受け継ぐ異例の熾天使のアンデット・・・。」

 

 ディオドラは告げる。

 

「セラフアンデットというべきでしょうかね。」

 

 光の槍をまるで雨のように大量に出現させるイリナ。

 

 その数に皆がぎょっとなる。

 

 その数はコカビエルの時よりも多い。

 

「やってしまいなさい!」

 

 その言葉とともにイリナは大量の光の槍を俺に向けてうち放つ。雨のごとき量と密度で降り注ぐ光の雨を俺は眺める。

 

―――――熾天使と同じ力っていうのも嘘ではないようだな。

 

「ああ・・・よくわかった。」

 

 イリナの奴・・・まじですごい。

 

 だが・・・

 

「それで?それで勝てると思ったのか?」

 

 ただそれだけだ。

 

「・・・・・・・・・。」

 

 勝ち誇っていたディオドラの笑みが固まる。

 

 俺はその雨が降り注ぐ中を無傷で歩いている光景を見て。

 

「なっ・・・あ・・・・・・・。」

 

『・・・・・・・。』

 

 行っておくがバリヤーや透過などは一切使っていない。

 

 ただ歩いているだけ。

 

 それだけだ。

 

「ったく、これでフォースが使用できたのならこっちは全力で防御したさ。」

 

 剣崎さんからフォースを学んでいるイリナ。そのフォースを併用させ、こちらの未来位置に攻撃を置いてくるとさすがに禁手化するなり、変身するなどして、防御しないといけない。

 だが・・・今のイリナはただ力を淡々とふるうだけ。フォースは操られているために全く使用できない。

 

 攻撃の鋭さもまったくない。

 

「ばっ・・・。」

 

 そんな見え見えのぬるい攻撃は歩いてかわせる。

 

「化け物・・・。」

 

 ディオドラの奴が青ざめた表情を見せる。

 

 そんなすごいことか?

 

 って、後ろの連中まで表情を引きつらせながら激しく同意してやがる!?

 

――――――相棒・・・もうしゃべらなくていい。無自覚さに頭が痛くなってきたから。

 

――――――アギト、末恐ろしいわ。

 

 相棒たちまで!?

 

――――――もうイッセーに禁手化、または変身しないときの弱さの問題はないも同然。

 

――――――だろうな・・・。

 

――――――変身しなくてこの強さって・・・。この子、恐ろしい速度で強くなって・・・。

 

「勝てるわけがない・・・あんな化け物・・・勝てるわけがない。」

 

「さあ・・・。」

 

「ひぃ!?」

 

 俺が一歩踏み出すと、あいつは悲鳴を上げる。

 

「アーシアとイリナを解放してもらおうか?」

 

「こないで・・・。」

 

 あれ?あいつ失禁している。おまけに顔から出るものすべて出している状態で・・・。

 

「こないでくれええええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

 って逃走!?ったく・・・。

 

「逃がすと思ったか?」

 

あいつの逃走先にあるものを召還し、行く手を阻む。それは・・・

 

「があっ?・・・えええ・・・?」

 

 ドラグシールドの遠隔召還。あいつだけは逃がさん。

 

―――――・・・・・・もうこの程度では驚かないわよ。カードを直接召還器に転送、しかもそれを意図的に別の場所に召還させるなんて・・・はは・・・はははは・・・。

 

 俺はそう決めていたんだからな。

 

ディオドラが慌てふためく。

 

「わかった。僕が悪かった・・・だから!!」

 

 全然足りない。

 

――――はあ、そうね。ついでに言うなら調べてもらったあなたの罪を教えて上げるわ。

 

 クレア?あいつの罪って・・・。

 

―――――こいつ・・・シスターを堕落させるのが趣味。そして眷属とした。

 

 そういえばゼノヴィアや良太郎たちがそんな様子を・・・。

 

 それが二人を見ると、二人は頷く。

 

「・・・そうか。」

 

 アーシアを貶めたのもそれが理由か。

 

――――悪趣味・・・いえ、もはや外道ね。

 

「・・・・・・翔太郎達にはあとで感謝しないとな。」

 

――――あら?情報源、ばれちゃった?

 

 なんとなくわかる。

 

――――本当に神様らしくなってきたね。イッセー。

 

「悪魔なんだぞ!!自分の欲望のままに動いて何が・・・。」

 

「悪いに決まっているだろ!!」

 

「ひっ?!」

 

 そこで俺は初めて怒鳴った。

 

 それとともに俺の目の前で巨大なアギトの紋章が展開。

 

――――――Boost!!

 

左手にブースデットギアが出現。すでにブーストが始まっている。

 

―――――――相棒の怒りに呼応か・・・。勝手に起動してしまっている。

 

 あいつは欲望のままに踏みにじってはいけないものを踏みにじった。

 

「おっ・・・おい。僕を守・・・・っ!?」

 

 あいつがイリナに命令を下そうとするけど・・・俺に気を取られてしまい、何も命令しなかったのが仇になったな。

 

「イリナは返してもらうぜ。」

 

 ほかのメンツがイリナを抑えていた。すでに洗脳の解除に入っている。

 

「イッセー・・・おもっきりやってこい。」

 

「おう・・・。」

 

 弦太郎が背中を押してくれる。

 

「ひっ・・・ひいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

 

 ――――Boost!!

 

「さあ…お前の罪…数えたか?」

 

「つっ…罪だとぉぉぉぉぉ!?この僕に何の罪が・・・。」

 

「そうか・・・、数え切れなかったか。」

 

――――Boost!Boost!boost!boost!boost!!

 

 倍化がどんどん進む。それとともに拳に力がみなぎっていく。

 

―――BoostboostboostboostboostboostboostboostboostboostBoostBoost・・・

 

 天井知らずに。

 

「やめてくれ!!その拳はやばい・・・やばいですからぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「やめてと言ってお前は止めたのか?」

 

「・・・・・・・・。」

 

 アギトの紋章の力も拳に集める。

 

「さあ、あの世で・・・。」

 

「あっ・・ああ・・・ああ・・・。」

 

 あまりの力の圧についに言葉すら発することができなくなったディオドラ。

 

「お前の罪をかぞえやがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

――――――Explosion!!

 

 その拳に集めた倍化の力の解放とともに俺は拳をふるった。

 

 

 

 

 

side 木場 佑斗

 

 イッセー君の渾身の拳。

 

 その破壊力はあまりに規格外だった。

 

『・・・・・・・・。』

 

 ディオドラの顔のすぐ左を通り過ぎた拳。その一撃は空を切るが、その余波だけで後ろの壁が粉々に・・・。

 

 いや壁だけじゃない。すぐ後ろにあったすべてが吹き飛んでいた。神殿みたいなステージが半壊するほどの破壊力。

 

「あっ・・・あ・・・・・・がく。」

 

 それを見てディオドラの心が完全に折れたのだろう。

 

 口から泡を吹いて気を失ってしまった。

 

「・・・変身も、禁手化もしないでこの破壊力・・・。」

 

 心底、君は恐ろしいよ。

 

――――相棒・・・完璧に心を叩き折ったな。

 

「それくらいしないとな。それにもう殴る価値もない。」

 

――――ふん。私たちの怒りを買ったのよ。来世でもそのトラウマに苦しむがいいわ。

 

――――ドラゴンにおびえる者の目はしていた。もうあいつは・・・。

 

――――再起不能。

 

「それでイリナの方はどう?」

 

「少し苦戦している。」

 

 元の姿に戻ったイリナさんの洗脳解除のためにポルム君が動いていた。

 

「・・・んん?げえ・・・まじで・・・。」

 

 そこでポルム君はため息をつく。

 

「どうした?」

 

「あいつら・・・なんてもんを仕込んで・・・。どうしたもんか・・・。」

 

 考え込むポルム君。

 

「それであれはどうすればいい?」

 

 イッセー君の質問はアーシアちゃんを拘束している謎の機器に・・・。

 

「・・・すでに解析は済ませた。絶霧の禁手化だよ。おかげで神滅具を解析できた。あれはいい。あれのおかげでこっちの切り札の一つが完成しそうだ。ははははははは、この世界は本当にいい・・・。」

 

 切り札?それ一体何だい?

 

「おっと・・・話が逸れたけど、まあ・・・破るのならサイガに頼んで。アギトの力に耐性はあるけど、それ以外は大したことはない。紋章の力を一つ使った一撃で壊せるはずだし。」

 

「また出番ってわけね。一つだけでいいのね。簡単でいいよ。」

 

「または佑斗のあれだね。あれは耐性なんて関係ないし。」

 

 あれって・・・あの魔眼ならたしかに・・。

 

――――――神滅具の禁手化・・・それも上位の奴を簡単・・・。

 

 もう呆れることしかできないよ。

 

 僕の力も。

 

「ったく、結局暴れることはなかったぜ。」

 

 全然暴れていないネロ君。

 

「ええ。でもアーシア。あとで説教ですから。」

 

「あはははははは・・・。」

 

 ぼろぼろのアーシアに少し涙ぐみながらキリエさんは怒っている。

 

「さて・・・ちゃっちゃと・・・。」

 

――――それは困るな・・・。

 

 

 だが、そんなムードを彼らがぶち壊した。

 

 

 

 現れたのは異形だった。

 

 

――――せっかく捕獲したアギトを解放してもらっては・・・。

 

 エイみたいな頭をしたのは、アンノウンと言われている敵と同じ感じがした。

 

 ただ・・・漂わせている力は桁が違う。

 

 そのとき、別の気配がアーシアちゃんの後ろから・・・。

 

 一人の悪魔が姿を現していた

 

 

 

 

 それが手から発生させた魔力の刃でアーシアちゃんの体をつらぬいていたのだ。

 

 

 

 

 

 

 一瞬、時が止まったかのように思えた。魔力刃に貫かれ、血を吐き出すアーシアちゃん。

 

 貫いた部分からも血がでている。

 

「そのまま時空の彼方へ消え去るがいい。」

 

 その悪魔はそのままアーシアちゃんを背後に現れた時空の裂け目に飛ばしたのだ。

 

「くはははははは!!やったぞ!!種族の融和をほざくアギトをこの手・・・真なる魔王たる私の手で!!」

 

『・・・・・・。』

 

―――――――よくやったぞ。

 

 その後ろから現れるのは黒いモノリス。

 

 モノリスの後ろから次々と現れるアンデット達。

 

「…貴様らとは意見が一致しただけのことだ。忌々しいアギトを葬るためには・・・。」

 

 その会話だけであいつらの目的はわかった。

 

 それはアギト。

 

 つまりイッセー君とアーシアちゃん、そしてネロ君・・・。

 

「これであと二人・・・。」

 

 イッセー君が目を見開いたままふらつくのが見えた。

 

「ア・・・シア?」

 

 アーシアちゃんが消えた虚空を見ていた。

 

 残っていたのは彼女が刺されたときの血だけ。

 

 その場にまでふらふらと歩きながらイッセー君は・・・。

 

「どこに・・・いるんだい?」

 

 アーシアを探す。

 

「助けに・・・来たぜ・・・。」

 

 その姿はあまりにも痛々しい。

 

「お前にひどいことをしたやつらはぶっとばした・・・。一緒に二人三脚で走るって・・・。」

 

「イッセー!!」

 

 あまりに痛々しかったのだろう。部長がイッセーを抱きとめた。

 

「さて…二人目をやろうか。この手で・・・。」

 

 水のエルが部長に抱き留められたイッセー君の目の前にいつの間にか立っていた。

 

 手には槍がある。

 

「世界を混沌に導く邪悪なアギト・・・逝くがいい・・・。」

 

 部長ごとその怪物――水のエルは手にした槍を振り下ろした。

 

 僕達全員が助けようとするが、アーシアちゃんのことによる動揺で、みんな反応が遅れている。

 

 無慈悲な刃がショックのあまりにうつろになったイッセー君を守るとする部長に振り下ろされ・・・。

 

「・・・ふざけんじゃないわよ・・・。」

 

 それを部長が片手で受け止めていた。

 

「止めるか。だが、たかが悪魔程度に・・・。」

 

「ふざけんじゃないわよ!!」

 

 押し込もうとするが部長はあの怪物の攻撃を片手で止めつづける。

 

「・・・?」

 

「あなた・・・一体だれを殺したのかわかっているの?」

 

 部長は受け止めたまま怒りをあらわにしている。

 

「アーシアは世界の希望…そして、私たちの希望・・・。そして何より・・・。」

 

 涙を流しながら・・・。

 

「私たちの大切な妹分…家族だったのよ!!」

 

「なっ、なんで押し込めん・・・。」

 

 焦る水のエル。それをよそに部長の体が炎に包まれ・・・。

 

 部長は鬼に変身する。紅の鬼へと・・・。

 

「鬼?小癪な・・・!!」

 

「あんただけは絶対に許さない・・・カーミラ!!」

 

「ええ・・・。こいつにわからせてあげましょう。あなたの怒りと悲しみを!!」

 

 鬼となった部長の腕にすでにかみついていたカーミラ。

 

 腰にすでにベルトが出現している。

 

 そして、カーミラがすぐにベルトに止まり、部長は紅のキバに変身。

 

「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

紅のキバとなった部長はついに水のエルの槍を押し返す。

 

「ぐぐう…なんだこのパワーは!?」

 

 見た目は全く変わっていないけど、中身は以前とは別物だ。

 

 何しろ鬼になったうえでキバの鎧をまとっているのだから。

 

 部長は有無も言わさぬ勢いで水のエルの胴体に拳を叩きこむ。

 

「無駄だ・・・。」

 

 だが、それを受けた水のエルは自身の体を液状化させてかわす。

 

「?」

 

 それを見て赤黒い滅びの魔力をまとった打撃に切り替えるが・・・。

 

 それすらも透過する。

 

「私にその程度の攻撃など通用・・・。すべて受け流せる」

 

 水のエルの力。それはどうやら液体となって攻撃を受け流せるみたいだ。

 

 しかも、属性攻撃すら無力化できるレベルで。

 

「溺れるがいい。わが力で・・・。」

 

 無数の水の塊が出現。それが放たれる。

 

 それを交わすと塊が爆発。地面にクレーターができる。

 

 それがまさに弾幕のごとく僕達にも襲い掛かってくる。

 

「それは超圧縮した水の爆弾。触れたそれだけで体が粉々に・・・。」

 

「ふん!!」

 

 でも部長がそれを片手で粉々に・・・。

 

「へっ?」

 

「ふんふんふんふん!!」

 

 まるでシャボン玉のように超圧縮された水の塊が壊れていく。

 

 ちなみに僕達も全員…各々の技で防ぎ切っている。

 

「ちい・・・だったらこれだ!!」

 

 超巨大な滝のような水を部長に向かって放つ。

 

 その勢いはウォーターカッター並みの恐ろしさ。触れただけで岩が消し飛ぶほど。

 

 それに部長はイッセー君ごと飲み込まれる。

 

 いや、僕達全員に降りかかる・・・。

 

「・・・ふう・・・我らにたてつくから・・・。」

 

「へえ・・・たてつくから、なに?」

 

 でも部長を含め。全員無事だった。

 

「なに?」

 

 ギャスパー君が一斉に水そのものだけを止めていた。

 

「なぜ…わが技が神器ごときに・・・。」

 

「イッセーさんやアーシアさんを止めるに比べたらあくびがでるくらいだ・・・。」

 

「今度はこっちがいくぞ!!」

 

 その言葉とともにゼノヴィアが走り出す。

 

 構えはもちろん牙突・・・。

 

 それを防ぐのはモノリスみたいな管制者。

 

「・・・聖剣程度・・・我らにとって何の脅威も・・・。」

 

 黒い壁のような体の表面にデュランダルの刃先が届いていない。

 

 その周りにまとっていた力場が阻んでいるようだ。

 

 だが、それに弾き飛ばされるのをこらえて、ゼノヴィアは叫ぶ。

 

「穿てデュランダル・・・!!」

 

 その言葉とともにデュランダルが光輝き。刃先が力場に食い込む。

 

「なにぃ?!」

 

「連なれ…わが剣!!」

 

 その叫びとともに莫大なエネルギーの刃が発生。

 

 しかもその数が一度に十本。

 

「へっ?」

 

 立ち止まった状態からゼノヴィアは放つ。

 

 ゼロ距離からの牙突を・・・。

 

「牙突零式。」

 

 空間すら穿つ牙突。

 

「十連!!」

 

それが一点に十発同時・・・。

 

 そんな滅茶苦茶な一撃を防げる手段などこの世に存在するのだろうか?

 

「がばががががががららら!?」

 

 一気に防御が崩壊。黒いモノリスは粉々に砕け散りながら消滅。

 

「なん・・・だと?」

 

 相手は神。その守りを本体ごと粉々にした光景にエルは呆然。

 

「あなた、液体になれるのよね?それで攻撃をすべて受け流すと・・・。」

 

 部長は呆然としていた水のエルの懐に潜りこみ、その胴体に手のひらを押し当て・・・。

 

「だったら、これはどう!!?」

 

「ぶぐす!?」

 

 そう叫んだ瞬間に水のエルの体が粉々になった。

 

 あまりの衝撃に水どころか霧のレベルにまで粉々になったほどだ。

 

 すぐに元に戻る水のエル。でも・・・。

 

「・・・・・・なんだ今のは・・・。」

 

 膝をついていた。相当なダメージを受けた様子。

 

「私なりに・・・ゼロ・インパクトを再現させたのよ。短径に二重の極み、滅びの魔力に清めの音の合作としてね。」

 

 僕たちは研究していた。

 

 イッセークラスの相手との対決する日が来るのではないかと。

 

 イッセー君のような例外が、ほかにいないとは限らない。それに備えていたのだ。

 

「・・・・・・そんな阿呆みたいな技で私にダメージを・・・。」

 

 会得した力のてんこ盛りと言ったらそれまでだけど、うまく融合できると破壊力は思いのほか凶悪である。

 

 清めの音の浄化と滅びの魔力。それを二重の極みと皇魔力が恐ろしいレベルにまでに増幅させる。その結果誕生した防御不可能の一撃。

 

「あなたの水の体にまんべんなく浸透できたようね。もともと、イッセーの液状化能力を見て、敵が使った時の対策の一つとして考案したけど・・・大正解みたい。」

 

 その研鑽が今…炸裂。

 

 ――――ウェイクアップ1!!

 

 部長の左腕のカテナが外れる。

 

「カテナを外し、皇魔力と二重の極みの効果を高めた状態でぶち込めば・・・あなたを確実に仕留めること・・。」

 

「・・・・・・。」

 

「できそうね。」

 

 それを見て狼狽える水のエルが答えだった。

 

「だっ・・・だったら当たらなければいいだけのこと・・・。」

 

「ふん!!」

 

 当たらなければいい。その希望を粉々に粉砕するのは・・・

 

 部長が空間を殴って轟音とともに放つ圧だった。

 

「がっ・・・があ!?」

 

 それは空間を清めの音を放つ太鼓と想定して放つ・・・清めの音と滅びの魔力、そして皇魔力を混合させた衝撃波。

 

 それを受けた水のエルが己の体の動きが鈍っていることに気づく。

 

 鈍っているだけじゃない。

 

 体の液状化が阻まれているのだ。全身をむしばむステンドグラス状の文様に・・・。

 

「っ・・・これは!?」

 

「前見たグラグラの実だっけ?あれを参考に空間殴れるかなと試行錯誤したら・・・なぐれるようになったわ!!思っていたのと違うけど。これはこれで使える。」

 

 空間を殴ることで相手に清めの音などを送り込む荒業。

 

 このおかげで部長は素手で清めの音を出せる。撥など使わず、拳で空間を打ち鳴らすことで。

 

 音とともに送り込まれた清めの音と滅びの魔力、そして皇魔力。それを浴びて、エルの動きが鈍ってしまったのだ。

 

 ステンドグラスのようなものが体を覆い、体の液状化すらも阻んでいる。

 

 この技の恐ろしさは範囲が今後、どんどん広がることだろう。

 

「むっ、無茶苦茶すぎる・・・。」

 

 その意見だけは激しく同意する。

 

「ねえ、知っている?人を仕留めるときってね・・・。」

 

 部長は左腕のカテナを解放させたまま淡々と告げる。

 

「冷静さが・・・大切ってね・・・。」

 

 もっとも僕達全員を含め…あえてそう務めているだけだが。

 

 絶対に仕留めないといけない。

 

 そんな相手だけに・・・。

 

「仕留めるって・・・この私を・・・あの方の使徒、エルである私を本気で仕留めると・・・。」

 

「ええ…仕留められると確信もできたしね・・・。それに神殺しの力に定評のある子がいるし・・・。」

 

「神殺しだと!?」

 

「・・・そういうこと・・・。」

 

 僕も本気で殺そう・・・。

 

 お前だけは・・・。

 

 剣をひそかに構えている僕。

 

「ひっ!?そっ・・・それは死の力!!主様すら殺すあの・・・。」

 

 僕が魔眼を解放させたのを見て、水のエルは悲鳴を漏らす。どうやらこれはあいつらにもとても有効なのがわかったよ。

 

 しかも、あいつらの主も殺せることもわかった。実にいいねえ・・・。

 

「部長・・・それやったら、こっちも二度と復活できないように微塵切りしてもいいですか?」

 

「ええ・・・絶対、殺してあげましょう。」

 

「ひいいいいぃぃぃぃ・・・・!?」

 

 とうとうおびえだす水のエル。

 

「…ぐうう…この私がここまでの被害を・・・。」

 

 粉々になった黒いモノリスがうめき声をあげながら復活。

 

 それを見たゼノヴィアが冷めた目で・・・。

 

「まだ足りないか・・・そうか。なら今度は・・・。」

 

 いつの間にかゼロノスに変身。

 

 デュランダルをゼロガッシャーと合体。一本の剣とする。

 

――――フルチャージ!!

 

 その状態でさらに・・・。

 

――――フルチャージ!!

 

 エネルギーを充電。それも二回も・・・。

 

「だったら今度はこれを十発同時に叩き込んでやる。さっきよりも一発あたりの威力は百倍だ・・・。」

 

 ゼロガッシャーとデュランダルの合体。将来的にそこにエクスカリバーも加わる予定だが、現時点で威力は桁違いに跳ね上がっている。

 

 フルチャージすると、その破壊力は想定をはるかに超える。

 

「・・・・・・やめろ。そんなの受けたらさすがに死ぬ・・・。」

 

「そうか・・・ならむしろ好都合!!お前を殺すでぶち込もうとしているのだからな!!」

 

「ぐうう・・・。」

 

 黒いモノリスはすぐに後ろに下がる。

 

「やらせはせんぞ!!」

 

 そこにもう一人乱入。

 

 それは大地から現れる。

 

 それは空から現れる。

 

「大地のエル・・・風のエル…来てくれたのか?」

 

「主様が嫌な予感がすると聞いてな・・・。いけ・・・。」

 

 大量のアンノウンが出現。

 

 その数は千を超える。

 

「…これだけの数がいれば時間は稼げる。今のうちに・・・。」

 

―――――ウェイクアップ!!

 

 だが、その程度の数・・・無駄だろうね。

 

 こっちの後輩が・・・。

 

「全部…食べてしまいます。」

 

 一斉に止まってしまうアンノウン達。

 

 後ろですさまじい吸引が起き、それとともに動きが止まった千のアンノウンが次々と吸い込まれていく。

 

 それをやっているのはサガに変身したギャスパー君。

 

 胴体の口のカテナを解放、すべて吸い込んでしまっているのだ。

 

 数千体のアンノウン達を一気に・・・だ。

 

「……倒すだけならまだわかるが、まとめて喰らった!?神の使徒である我らを?」

 

「・・・うまい。アギトに似た味がします。でも…悲しい…満足できない。なんだろう…心にぽっかりと穴が空いてしまった・・・。」

 

 変身した瞳から涙を流しながらギャスパー君は三体のエルたちを見る。

 

「お前たちを…食べたら・・・その穴って埋まるの?アーシアさんがいない穴を・・・。」

 

『!?』

 

 エルたちは味わっているだろう。

 

 食べられてしまう。そう・・・殺されるだけとはまた違う脅威に。

 

「馬鹿な・・・我れらが捕食されるというのか!?」

 

「ええい!!お前ら無視するな!!」

 

 もう一人は旧魔王派の幹部・・・。

 

「直接手を下したあんたを逃がすと思った?」

 

 それを迎えうつのは足から炎をロケットのように噴射させる小猫ちゃん。

 

 その炎はただの炎じゃない。

 

 ガメラの力…プラズマだ。

 

「がぶ!?」

 

 そのまま殴り飛ばされた。

 

 あらかじめ展開した結界を手に灯したプラズマの炎で蒸発させたうえで・・・。

 

 しかも小猫ちゃんは変身している。白い鬼へと。

 

 そのうえで全身にすさまじい量のマナをまとっている。

 

「一発では終わらせない・・・あんたが逝くまで何発も殴ってあげる。」

 

「グオ・・・こんな雑魚ごとき・・・。」

 

 だが、明らかに強い・・・いや圧倒してしまっているのは小猫ちゃんだ。

 

 そのうえで地のエルと風のエルはある一人の人物のぼこぼこにされていた。

 

「ばが!?」

 

「ぶぐ!?」

 

 それは良太郎。

 

 二体の攻撃を回転でかわしつつ・・・その後ろを遠心力がたっぷり乗った返しの一撃で吹っ飛ばす。

 

――――みんな・・・いくよ。

 

『おう!!』

 

 彼と契約しているイマジンたち全員、どうしようもないほどの悲しみと怒りで一致。

 

 変身したのは電王――超クライマックスフォーム。

 

 その状態で良太郎はみんなと一緒に全力で攻撃していた。

 

 その有様は・・・。

 

「わっ・・・我らが二人で・・・。」

 

「手も足もでん・・・ぶぐがが!?」

 

 パワー、テクニック、そして何よりも速さで圧倒していた。

 

 一人と五人が一体となった力は神の使徒すら二体とも圧倒。しかも手にしていた剣とデンガッシャーを合体させてさらに破壊力が・・・。

 

「ふん!!」

 

『がばらる!?』

 

 二人が何かする前に素早く攻撃が来て、完全に封殺。

 

 武器をふるっても、大地を隆起させたり、突風を起こしても・・・。

 

 それを先読みされ、回避、または攻撃でつぶされる。

 

 無数の斬撃に切り刻まれながら吹っ飛ばされるエルたち。

 

 耐久力だけは無駄に高い。

 

「こいつ本当に人間か!?」

 

 そこにさらなる化け物が乱入する。

 

 水のエルが何とか拘束を断ち切って復帰したと同時に彼は走っていた。

 

 それはネロ。

 

「うらあああああああああああ。」

 

 怒りに身を任せながら変身。その右腕で水のエルを地面にたたき伏せる。

 

「がば!?」

 

 そして、手にしたアクセルクイーンで三人をまとめて吹き飛ばす。

 

「がらら!?」

 

「これで終わると思うな・・・糞野郎ども。」

 

 そして、姿が消える。

 

―――――――トライアル。

 

 あまりの高速行動で。

 

「うらららららららららららららららららららららららららららららら!!」

 

 背中に現れたもう一体の人型ともに無数のパンチ。

 

 それはまさにパンチとキックの嵐。打撃の壁。

 

 それを三体は同時に受けていた。

 

 まったく反撃も知覚もできないままに・・・。

 

「どうなって・・・・いる?」

 

「うぐ・・・。」

 

「ギルス…ここまで進化をしていたなんて・・・。」

 

「まだ甘いぞ・・・。」

 

―――――トライアル・・・。

 

「今度は必殺だ。キリエ、ポルム、ゆーすけさんもアーシアのことを頼む!!」

 

 そのうえでさらなる高速を得られるマキシマムドライブを発動させようとしていた。

 

「わかった。一応、あらゆる世界の蘇生手段を習得している。それ使えば助けることができる。」

 

 後では空間の裂け目を素手で強引にこじ開けたポルム君。その後ろにはキリエさんもいる。

 

「死なせない。あなたはもっと、みんなを笑顔できる子なんだから!!」

 

「アマダムを持っているのなら、まだ大丈夫なはず。」

 

 三人はまだあきらめてもいない。蘇生することもできるすべを持っている故に。

 

「そんなことさせ・・・。」

 

「るかと思ったか!!」

 

 その行く手を阻むのはネロ君。

 

「任せた。」

 

 そして・・・両腕と額、三つの竜の紋章を全開にさせているサイガ君だった。

 

「・・・もうあいつらにくれてやる慈悲はない。余の代わりにあいつらを消滅させてしまえ。終わった時にまだいたら・・・・。余が直々に処刑してくれる。」

 

 怒りを隠そうともせずにポルム君はその言葉を残して裂け目の中に入っていく。

 

「久々だな。人の逆鱗に遠慮なく触れられたのは・・・。」

 

 その状態でサイガ君は剣先で上空に円を描く。

 

 それとともに装着される鎧。

 

「はあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

『!!?』

 

 かつてない圧力に三人のエルたちは怯えを見せる。

 

「さあ、全員瞬殺してやる。かかって来いよ。」

 

 両手にそれぞれ真魔剛竜剣とダイの剣を逆手に持っている。

 

 瞬殺してやる。

 

 その言葉だけで多くの言葉を使う必要はなかった。

 

「…あなただけは許さない・・・。」

 

 そして、瞬殺する手段を持っているのはもう一人。

 

 朱乃さんが涙を流しながら背後の何かを具現化させつつあったのだ。

 

 それは黄金の三つ首竜。

 

 バチバチとすべてを消滅させるプラズマをまとった状態で。

 

「この世から・・・魂も残さない・・・。」

 

 それだけでわかるだろう。あれは触れてはいけないなにかだと・・・。

 

「・・・なんだそれは・・・。」

 

 エルたちは驚愕して見ている。

 

「アギトだけが脅威だと思っていた・・・。」

 

 水のエルはようやく思い知ったようあ。

 

「だが・・・実際はどうだ?なんだ…この化け物たちは!?」

 

「われらが殺されるというのか!?アギトを駆逐することもできず・・・。」

 

「ぐう・・・主様が懸念していたのはアギトだけじゃないということか!?あのアギトがいることで力があつまり、さらにそれが増大・・・している。我らが圧倒されるほどの・・・。」

 

「魔王たる我が・・・こんなやつらに・・・。しかも雑魚だと?!」

 

「…見誤った。アギトの影響でほかの連中まで異常な強化を・・・。」

 

 黒いモノリスの視線はうつろな目で膝をつき、弦太郎と渡が必死に支えられているイッセー君に向けられる。

 

 手を出そうとするが・・・そこを剣崎さんたちが阻んでいる。

 

 モノリスが全く違う方向から攻撃を仕掛けてきてもそれを三人は楽々にさばいたのだ。

 

「われらはあのアギトの真の脅威を見誤っていた。もはやあやつの存在そのものが世界を変革する。なら・・・。」

 

 モノリスの背後の空間が裂ける。

 

「こい・・・14。」

 

 空間を突き破って現れるのは異形の魔神。

 

「…いかなる犠牲を払ってでも、こ奴らはこの場ですべて滅ぼす!!」

 

「同感だな・・・我らも本気を出してやらねば、殺される。」

 

「封じられた枷・・・自ら解き放つ時が来るとは・・・。」

 

 その言葉にエルたちの姿も変わろうとしていた。

 

「神としての真の姿で・・・。」

 

「ハッ、そんなのあなたたちの死亡フラグでしなかいわ!!」

 

 部長がそんな彼らを笑い飛ばす。

 

 まったくその通りだ。

 

 僕たちは全くひるんでいない。

 

「隠していた力があるのなら出しなさい。すべて打ち砕いてあげるわ!!」

 

 みんなやる気満々。アーシアもまだ終わったわけじゃない。あきらめるのは早い!!

 

「恐れないとは、まさに規格外・・・。認めてやる。お前たちが我らの最大の敵であることを!!恐るべきはグレモリー眷属よ!!」

 

「ここまで脅威に思った連中は生まれて初めてだ。絶対につぶす!!」

 

 エルたちも含めて僕たちは本気でぶつかろうとしていた。

 

 だが・・・その時にそれは訪れていた。

 

 イッセー君が不気味なオーラとともに立ち上がったのだ。

 

――――――・・・まずい・・・。

 

――――――おっ・・・抑えきれない。

 

 イッセー君の内部で三人の声が聞こえる。

 

――――私たち三人がかりでも無理って・・・どんなばけものなのよ!!

 

 しかも必死だ。

 

――――あいつら・・・とんでもないことをしてくれた。歴代赤龍帝の残留思念と、覇の力が呼応してはいた。それに加え・・・あいつの空虚な悲しさと深い憎しみと怒り。そのせいで遂にあいつが目覚めてしまった。これはもう…手におえん!!

 

――――――だっ…ダメ…取り込まれる・・・。私たちの力が・・・。

 

――――み・・・みんな・・・。

 

 ブランカちゃんが皆に告げる。

 

――――逃げて…今すぐに!!

 

 

 

 

 

その言葉とともにイッセー君は呪文を唱える。

 

―――――我 目覚めるは・・・。

 

 それは覇龍の呪文かと思った。

 

――――怒りの化身たる獣たちの王なり。

 

 だが・・・・二天龍じゃない。

 

―――覇と無限、夢幻すら飲み込み。

 

 これは違う呪文だ!?

 

――――破壊の神となりて・・・世界のすべてを・・・

 

 覇龍の呪文自体は事前に聞いている。

 

 万が一のための対策としてだ。

 

 だが、これは・・・。

 

――――破壊しつくしてくれよう。

 

 まったく別の何かだ。

 

――――Destroyer burst drive GOZIRA!! GOZIRA!!

 

 イッセー君の神器が告げるとともにイッセー君の体が光輝く。

 

 そして、その光の中から黒い巨体が姿を現したのだ。

 

『・・・・・・。』

 

 その大きさ、まさに山のごとし。背中には炎のようで、それでいて刃のように鋭い背びれ。

 

 岩のような黒くごつごつした皮膚。

 

 その腰にはアギトのベルト。

 

 右腕にはブースデットギア。左腕にはドラグレッターが装備されている。

 

 右足には黒のドラグレッター。

 

 それはまさに怪物。

 

 その場にいた敵味方ともに間抜けなように口を半開きにして唖然としていた。

 

「なんなの・・・これ・・・。」

 

 僕たちが唖然としている前でそいつは口を開き・・・。

 

 咆哮。

 

 ただそれだけ。

 

 ただそれだけなのに・・・。

 

 大気が震え、大地すらもそれに伴い震える。

 

 いや大気だけじゃない・・・。

 

「空間・・・そのものが・・・ふるえている・・・だと?」

 

 ただの咆哮で空間が震え、神殿が壊れる。

 

 崩壊していく神殿。その中、その瞳は・・・。

 

「・・・ひっ!?」

 

 アーシアちゃんを殺した例の悪魔に向けられていた。

 

 どうやら狙いは決まっているようだ。

 

――――貴様だけは許せない・・・。

 

 すさまじい怒りの思念とともに背びれが青白く発光。

 

 そして、その口から青白い光が放たれた。

 

 その大きさは巨大なトンネルのようだった。すさまじいくらいに膨大なエネルギーが米らている。

 

 管理者が召喚した14がそれを防ぐべく立ちはだかる。

 

 でも、それはほんの微かな時間稼ぎにしかならない。

 

 飲み込まれ瞬時に蒸発。

 

「ちぃ?!」

 

「馬鹿な一瞬だと!?」

 

 それを見て彼らはすぐにかわす。14が稼いだ刹那の時を利用し、熱線をかわすのに十分な距離を移動・・・。

 

 だが、その余波だけで・・・。

 

『ぬぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!?』

 

 全身を焼かれながら吹っ飛ばされる。

 

 そして、その光がかなり遠くの山に着弾し・・・。

 

 轟音とともに山一つが消滅。

 

 その余波がこっちに襲い掛かってくる。

 

「きゃあ!?」

 

「なななな!?」

 

 僕達もそれに吹っ飛ばされないようにこらえるのが必至だった。

 

 少なく見積もって、数十キロは離れている山が消滅。しかもその余波の衝撃で超巨大台風の最大風速くらいの衝撃がここまで届くレベル。

 

 全身を焼かれ、すっかりボロボロになった水のエルが倒れたまま告げる。

 

「次元が・・・次元が違い過ぎる・・・。」

 

「まさかこんな力を秘めていたとは・・・。」

 

 まさにその通りだった。

 

「・・・・・・・。」

 

 あの悪魔に至っては痙攣しながら気を失っている始末。

 

 イッセー君が変身したそれはまさに…怪獣だった。

 

――――これって・・・やばいわね。二天龍どころか、神龍クラスは確実。

 

 僕の中でクウが若干の怯えを含ませながらいう。

 

――――確実にオーフィスよりも力だけなら上ね。おそらく・・・この世界最強と互角かまたはそれすらも・・・。

 

 エルたちは震えあがっていた。

 

 あまりに規格外の存在の出現。

 

「・・・あらためて認識を改めるぞ・・・。やはり最大の脅威はあのアギト・・・いや・・・。」

 

 それは最も触れてはいけない部分に手を出してしまったという深い後悔に。

 

「兵藤一誠はもはやアギトという枠すら超えた存在ということか。・・・我らでは歯が立たん。」

 

―――GURURURURURURURURU・・・。

 

 まだ生きている水のエルを見て…イッセー君は瞳に怒りを灯す。

 

――――BOOST!!

 

「へっ?」

 

―――BOOST!!BOOST‼

 

 その怒りとともに、今の状態で最も聞きたくない音声が聞こえてきた。

 

「まさか、倍化しているだと・・・。」

 

 それとともにもともと巨大だった力がさらに爆発的に膨れ上がる。

 

――――BOOST!!BOOST!!BOOST!!BOOST!!BOOST!!BOOST!!

 

 部長が変身した状態で表情は見えないが、おそらく青ざめた表情で頭を抱えていることだろう。

 

 その場にいた敵味方ともに同じ表情をしているだろう。

 

 僕だって・・・そうだ。

 

「冗談じゃないわよ!!あれでまだ倍化してないなんて・・・。」

 

 もはや恐怖。

 

 倍化しない状態で、山をふっとばすほどの破壊力。

 

 ならそれで倍化したのなら・・・。

 

 想像できるレベルを超えてしまっている。

 

――――Explosion!!

 

 背後にアギトも紋章を展開させながら力を解放。

 

 解放された力の余波だけで神殿ごとすべて吹っ飛ばされた。

 

 

 

 

 

 

SIDE アザゼル

 

 それは突然起こった。

 

 神殿から青白い光が放たれ、それととともに山が消し飛んだのだ。

 

 あまりの光景に、戦っていた皆が敵味方問わずに手を止める。

 

 あいつらが向かった神殿が轟音とともに吹っ飛んだのだ。

 

「・・・おい。なんだありゃ・・・。」

 

 それは黒い山のような巨体を持った見たことのないドラゴン。

 

 だが、その内包しているエネルギーが尋常じゃない。

 

 そいつは背びれを発光させたかと思うと、口からすさまじく膨大な量の青白い熱線を放ってきた。

 

 その量…冥界の空、一面を覆わんばかり。

 

 それで大きな被害を受けたのは空にいたスペースパイレーツたちの艦隊だ。

 

 空一面を覆っていた艦隊の大半がその一撃で消し飛んだのだ。

 

「・・・マジかよ・・・。」

 

 軽く見ても戦艦百隻くらいはあったぞ。今まで見たことのない大艦隊だったのに・・。

 

 それがたった一発で全滅。

 

 でたらめすぎる。あまりにも・・・。

 

―――BOOST!!

 

 へっ?なんだ今の音声。

 

――――BOOSTBOOST

 

まさか…あいつから聞こえてくるのか?

 

 よく見ればあいつの右腕にはブースデットギア。

 

 しかもその音声とともにただでさえでたらめなパワーがさらに増大しているし!?

 

 左腕にはドラグレッター。

 

 腰には…アギトのベルト。

 

 右足にはブラックドラグレッター。

 

 あいつの背中の後ろにアギトの紋章・・・。

 

 まさかあいつ…イッセーなのか!?

 

 イッセーが変身したのか!?

 

 あいつの視線はあいつのそばで戦いを繰り広げていた魔王派の悪魔たちに向けられている。

 

 怒りと憎しみが込められたとんでもない視線だ。

 

 それだけで遠くにいるというのに俺達は射すくめられそうになる。

 

――BOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOST!!

 

 怒りに呼応するように倍化の速度が飛躍的に上がっている。

 

 おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおい!!?

 

 やべえぞ!!やばすぎるぞ!!

 

――――BOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOSTOBOOSTBOOSTBOOST!!

 

 怒りのボルテージとともに天井知らずに力が上がっていやがる。

 

 その証拠に高まる力だけで・・・。

 

「地震が起きていやがる・・・。」

 

 大地が震え、大気が轟く。

 

――――Explosion!!

 

 そして、倍化した力を解放。

 

「ぐお!?」

 

 ただそれだけですさまじい衝撃があたりにまき散らされる。

 

 大地が裂け、大気が爆せる。

 

――――争いをしている愚か者どもよ・・・すべて消え去るがいい!!

 

 その思念が頭に響くとともにあいつの背びれが青く発光。

 

 それとともに口の中が青白く発光し・・・。

 

『うおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!』

 

 崩壊したがれきの中から飛び出した二つの影がその巨体の顎を打ち抜く。

 

 そのために狙いが上に反れ、上空に青い光が放たれる。

 

 先ほど艦隊を全滅させた奴よりもはるかに強大で広範囲に及ぶ青白い熱線。

 

 あんなのが地上に放たれていたと思うとぞっとする。

 

 確実に俺たちがいる地域一帯が吹っ飛ぶ。

 

「はあ・・・はあ・・・やべえな。」

 

「そう・・・だね。」

 

 大金星をあげたのはネロとサイガの二人のようだった。

 

――――邪魔をするか・・・。

 

 あいつらだけじゃない。

 

「死ぬかと思った。」

 

 他の連中も次々とがれきの下からあらわれる。みんな無事だ。

 

 グレモリー眷属・・・俺が育成を手伝ったとはいえ、呆れかえるほどに頑丈だな。

 

「…てめえは何者だ。何があってイッセーの体を乗っ取っていやがる!!」

 

―――われに名前はない。

 

 ネロの叫びに、それは淡々と告げる。

 

―――我は幾重の世界に存在していた。そして、様々な理由で死んだ。だが、そんな幾重の世界の我がこいつに惹かれ、一つとなる形で我は生まれた。怒りと憎しみの化身として。こいつが生まれた時からずっと・・・ずっと眠っていた。

 

 あいつがイッセーが生まれた時からずっとともにいたという衝撃的な事実を。

 

――――わが宿主の底知れない絶望・・・悲しみ、そして怒りが我を呼び覚ました。それにこたえるがわが役目。あいつはまだ生きているか・・・。

 

「ひぃ!?」

 

 がれきのそばから出てきた謎の怪人達にそいつは憎しみの視線を向ける。

 

 その圧倒的な殺意にその怪人たちは悲鳴をあげている。

 

――――宿主の代わりに消す・・・。確実にな!!

 

 その声をともに背びれを発光させ、再び口から青白い熱線を放つ。

 

「ひいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃ!?」

 

 だが、その熱線がそいつに届く前に。

 

 熱線が掻き消える。

 

「・・・やってくれるわね。」

 

 その怪人たちの前に現れたのは一人の少女だった。

 

 長い黒髪をした少女。

 

 背中には翼が生えている。

 

 着ている衣装は黒いバレエで使うようなもの。

 

「ほむら殿・・・。」

 

 怪人たちは驚いた様子でその少女を見る。

 

「一体何が起きたの?何がどうなったら艦隊が全滅し。こんなひどい有様になるのよ。旧魔王派・・・ほぼ全滅しているし。」

 

「それは・・・。」

 

 あいつが力を解放させた余波だけでこのあたり戦闘していた雑魚はほとんど戦闘不能になっている。

 

 確かに全滅といっていい。解放した余波だけで全滅ってあたり、もう次元が違う。

 

「・・・だれだ。あんた。」

 

 俺が足元の連中たちのもとへ急いで向かっている間にネロの奴がその少女に話しかける。

 

「あなたがギルスね。そう・・・。」

 

 見た目の歳はおそらく十代前半。

 

 だが、その妖艶なまでのしぐさから見た目と不相応の何かがある。

 

「初めまして。私の名はほむら。禍の旅団の代表を務めているものよ。」

 

『!?』

 

「みな!!」

 

 俺は急いで皆のそばに降り立つ。

 

「ついにお出ましってわけかい。どうしてテロ組織のボスがみずから・・・。」

 

「あなたがグレゴリの総督ね。ふふふ・・・楽しいわね。」

 

 悪女のように笑う禍の旅団のトップを務めているほむら。

 

 だが、あの熱線を防げるだけ、相当な実力を・・・。

 

「それで・・・一体なにがあった・・・って!?」

 

―――BOOST!!

 

 いつの間にか倍化したイッセーがいる。

 

――――Explosion!!

 

「ぐっ!?」

 

――邪魔を・・・するなぁぁぁぁぁぁぁあl!!

 

 倍化した状態で放たれる熱線。

 

 それを受け止めるほむらだったが・・・。

 

「ぐう・・・さっきまでと威力が違う!?」

 

 押し切られようとしていた。

 

 だが、そこにもう一人現れた存在がその熱線を横っ腹から殴り飛ばす。

 

「・・・ほむら、無事?」

 

 それは・・・

 

「助かったわ。」

 

「いい。ほむらには世話になっている。」

 

「オーフィス!?」

 

 無限の龍神様だった。

 

「渡…やっと会えた。」

 

 渡の姿を見て涙ぐむオーフィス。

 

 思わず飛び出し、渡に抱き着く。

 

「・・・ふう。やれやれ。再会の時間を作ってあげたけどそう・・・あなたがオーフィスちゃんの愛しい人・・・か。加えてこの状況じゃなければ最高だったけど。逆にこんな状況だからこそうまくいったというべきかな?」

 

 その光景を優しいまなざしで見ているほむら。

 

「ちなみに私はオーフィス派の代表でもあるの。彼女は大切に保護していたわ。まあ・・・ごめんなさい。まだ一時的な再会しかできないけど。」

 

「それでも…再び会えた。それだけでも・・・。」

 

「本当に会いたかった。」

 

 抱きしめあう二人。それをあいつはほほえましくみている?

 

「私もはやくみつけないとね。まどかを・・・。」

 

「いたか・・・ほむら。」

 

 そこに空間の裂け目が現れもう一人あらわれる。

 

 それはヴァ―リだった。

 

 その腕の中には・・・。

 

「アーシア!?」

 

 アーシアの姿があったのだ。

 

「ほむら。勝手に動くな。おかげでこっちが動くことになったぞ。」

 

「あら?ごめんなさいね。」

 

「アーシア!?」

 

 ゼノヴィアが急いで駆け寄る中、同じく空間の裂け目からポルムとキリエ、ゆーすけが出てくる。

 

「…安心して。治療は終わった。」

 

「たまたまヴァ―リ君が虚無の中を移動していて、よかったわ。」

 

「何・・・彼女には大きな恩がある。それにこの世界に必要な存在だと思っているのでな。」

 

「なっ・・・馬鹿な・・・。」

 

「へえ・・・その子にあなたたちは手をだしたのね。」

 

 謎のエイみたいな怪人の言葉に何かを察したのかほむらはためいきをつく。

 

「その結果、もう一人のアギトの逆鱗に触れてああなった…ところかしら?」

 

「ぐっ・・・。」

 

「だが・・・流石にこれは余の想像の斜め上を行き過ぎている。」

 

 ポルムが冷や汗を流しながらイッセーが変身した存在を見る。

 

「知っているのか?あいつを・・・。」

 

 ポルムは「ああ」と息をのむようにつぶやいてからつげる。

 

「あいつの名はゴジラだ。数々の世界を旅してきたが、その中で様々な形で出会った。その世界における最強の生命体としてな。」

 

『!!?』

 

「みな…気を付けろ。あいつは怒りと破壊の化身。世界によっては心臓だけでも生きているような本物の怪物だ。力はこの世界で言う龍神。それもグレートレッドクラスだと思え!!」

 

 ポルムの警告は皆に衝撃とともに納得をもたらす。

 

 って心臓だけで生きているって邪龍顔負けのしぶとさじゃねえか!!

 

「そう・・・なのね。じゃあ・・・それに・・・。あれってどう?」

 

――――BOOST!!BOOST!!

 

「ブースデットギアの倍化・・・だと・・・。」

 

 ポルムの体が震えあがる。

 

「なるほど…考える限りの最悪の組み合わせだ。はははは・・・これは本気で不味い。しかたない・・・。」

 

 そういいながらポルムはジズの翼を出す。

 

 そこから現れたのは白い霧。

 

 絶霧?まさか、あいつ…この戦いで解析して己の物としたのか!?

 

「まずは被害をこれ以上出さないようにする。出ないと、冥界が滅ぶ。」

 

 その結界を使ってのバトルフィールドを作るか…いいアイディアだ。

 

「でも、あの放射熱線に対しては薄いガラスの壁でしかないよ。」

 

 ・・・まじですかい。

 

 だが、そこでポルムの策は終わらない。

 

「そこで提案がある。幸いなことにオーフィスちゃんの扱いを見てそれを信頼の担保としていいみたい。」

 

 話しかけているのはほむらだった。

 

「共闘を持ち掛けたい。」

 

 ポルムの奴が禍の旅団の首領に共闘を持ち掛けただと!?

 

 驚く俺たちをよそに・・・。

 

「緊急事態ということで頼む。それに、もしかしたらいい機会かもしれない。」

 

 ポルムが何を言いたいのか俺はすぐに悟る。

 

 ボスであるほむらの人柄をある程度見切ったうえで持ち掛けたのだ。そして、この騒動が終わった後、対話の窓口となることも期待して。

 

 正直、俺もしたが回る。

 

 それだけの計算を瞬時にしやがったか。

 

「食えないけど、この際しかたないわね。私としてもあれは放置しておけないし。なら、条件がある。私…探しているひとがいるの。それを見つけてほしい。あなたに協力してもらったらすぐに見つかりそうだし。」

 

「わかった。交渉は成立だな。」

 

――――BOOST!!BOOST!!

 

 ポルムの交渉はそこで終わる。

 

 ゴジラの奴がまた倍化を始めたことで。

 

「俄然やる気が出てくるわね。でも…これは流石にきついわ。」

 

「同感。」

 

 はあ・・・しかたねえ。冥界が滅ぶかもしれない時だ。

 

 腹をくくろうか!!

 

「あいつの熱線は背びれの発光の後に放たれるよな?ならまだ解決策は・・・。」

 

 俺はヴァ―リを見る。

 

「俺が近づいて半減させる。」

 

 ヴァ―リもやる気だ。

 

「それにいい機会だ。グレードレッドクラスなら今の俺の実力がどれだけの物か図れる。」

 

 途方もない強い相手に対してむしろ高ぶるあたり、大概戦闘狂だ。

 

 この場合は頼りになることこの上ないが。

 

 だが、この後、あいつは想定外の行動に出てきた。

 

――――Guard vent!!

 

 今度は召還器が発動したのだ。

 

 それも・・・。

 

――――Strike vent!!

 

 一気に。

 

――――Sword vent!!

 

 光輝くとともにゴジラはとんでもないことになっていた。

 

 赤と黒のドラグクローが両腕に装備。

 

 頭に一本角のように、そして尻尾の先に尾びれのようにドラグセイバーが出現。

 

 最後にドラグシールドが両脛と両肩に装備される。

 

「・・・・・・うわ・・・・・・そんなのありか・・・。」

 

 結果、完全武装モードのゴジラが爆誕する。

 

 さすがのポルムの奴も頭を抱えてしまっている。

 

「最悪がさらに最悪に・・・。まてよ・・・ということは・・・。」

 

―――――transfer!!

 

 倍化した分のエネルギーが両腕のドラグクローに譲渡される。

 

――――BOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOST!!

 

 さらに倍化を早め・・・。

 

――――Explosion!

 

 本体も力を解放…譲渡と力の解放を同時という、無茶苦茶な力の運用をしている。

 

 そして両腕のドラグクローからも青白い光が集まっていく。

 

 さっきの熱線を今度は三発同時放つつもりか!?

 

 そんなの放たれたら余波だけでも俺たちは確実に全滅するぞ!!

 

「・・・・・・あの時、余に挑みかかった勇者達の決死の気持ちがわかる気がする。絶望したくなるよ。」

 

「・・・・・・。」

 

 それを今言うなよ・・・。はあ、大魔王としては逆の立場に置かれることに感慨深いものがあると思うが・・・。

 

 今まさに熱線が放たたれようとしていた。

 

 その時だった。

 

 巨大な二つ矢が放たれ・・・ドラグクローを上へと打ち上げる。

 

 別のアギトの紋章が展開され、その顔面に向けて何かが飛び込んできた。

 

「!?」

 

 放たれようとした一撃はその二つにより上にそらされる形で放たれる。まるでロケットの発射のような爆炎と衝撃があたりを襲い、冥界の空を青白く染める。

 

 夜空しかない暗闇の世界がしばし青白い空模様へと変わる。

 

 地上に向けて放たれたら一撃で冥界が・・・滅ぶかもしれない。

 

 よく防げたぜ。

 

 あれを行ったのは・・・あの二人か。

 

 大変いいタイミングで心強い応援がきたもんだ。

 

 一人はアギトだった。

 

 アギトシャイニングフォームとなったイッセーの父親――兵藤 翔一。

 

 そしてもう一人は・・・。

 

「まどか・・・。」

 

 俺の隣でほむらが呆然としている。

 

「どうして・・・まどかが・・・?」

 

「・・・ほむらちゃん・・・。」

 

 何?

 

 一方、兵藤 まどかは少し悲しそうにほむらを見ている。

 

「やっと…見つけた。でも…なにがどうなっているの?どうして・・・。」

 

「どうしてって・・・怒り狂った息子の怒りを鎮めに来ただけだよ。」

 

「息子?」

 

 ほむらの視線がゴジラに向けられる。

 

「・・・・えっ?息子?まどかの・・・息子?子供・・・・あかちゃん?あの新しい神となる子があかちゃんでまどかの赤たんで・・・!?」

 

 なんかすごく混乱している。赤たんって・・・さっきの堂々とした態度はどこにいった?

 

「うん・・・おなかを痛めて生んだ自慢の息子だよ。」

 

「・・・・・・・。」

 

 そしてついに固まった。

 

「えっと…もしかして探していた人って・・・まどかさんなの?」

 

「・・・・・。」

 

 ポルムは固まったほむらの態度がすべての答えだと悟る。

 

「あらら・・・。でも、これは僥倖か。戦力は増えたから。」

 

 何がどうなっているのかわからない。

 

 並行世界にいた俺から聞いた話よりもいろいろな規模でひどいことになっているし。

 

「・・・みんな。イッセーを救うぞ!!言っておくが殺す気でやらないとこっちが死ぬ。しかもファイナルベントで瞬殺に冥界滅亡のおまけつきだ。」

 

 ファイナルベントという言葉に、いよいよ皆の緊張が限界までに張り詰める。

 

 今のイッセーがファイナルベントを使ったらもう・・・俺たちは終わる。

 

「はあ…イッセークラスと戦うことを想定して修行していたけど、まさかイッセーと戦うことになるなんて・・・。」

 

 リアスの奴が嘆く。完璧に開き直りやがった。

 

「それも…ここまでくると驚くことすらできず、もう…今度は何って悟れるレベルだわ。」

 

 俺もこんな事態は流石に想定していない。

 

 並行世界の覇龍だったら、今のメンツで簡単に、しかも手早く、力づくで取り押さえることができる自信はある。

 

 だが、さすがにこれは想定外にもほどがある。

 

 おそらく敵もそうだろう。

 

「主殿に伝えねば…奴、兵藤 一誠に手を出したら、滅ぶのは我らの方だと!!」

 

これが終わったら間違いなく、エルたちの報告で、敵はイッセーを恐れるだろうな。すべての世界で最も逆鱗に触れてはいけない存在として。

 

 まさに歴代最強にして最凶の赤龍帝だよ。それもダントツで!!

 

―――――邪魔をするのなら・・・消し飛ばしてくれる!!

 

 こちらを敵と認定したのか、咆哮をあげるゴジラ。

 

「みんな・・・イッセーを救うわよ!!」

 

『おう!!』

 

 みんなはイッセーを止めるための戦いを始める。

 

 俺はその中で意識をうしなったままのアーシアを見る。

 

「…おそらくカギはアーシアか。」

 

 世界でイッセーとは違う方向に進化しようとしているアギト。

 

 その彼女がカギなのは間違いない…と思ったとき。

 

 彼女の腰にアギトのベルトが出現。

 

 横たわっている床に黄金のアギトの紋章が現れていた。

 




 ということで六章最終決戦・・・まさかのイッセーがラスボスです。

 この作品史上最高の強敵だと確信しております。

 モンハンのクエスト風になるとこんな形になります。


   六章最終決戦。

 アギトゴジラを倒し、イッセーを救え!!

 達成条件  あるイベントが起きるまでに、誰一人死なないこと。

       十ターン全員生き延びれば勝ち。

 失敗条件  誰か一人の死亡。

 誰が一人死んだ時点で、イッセーの絶望が頂点に達し、限界までの倍化と透過を併用させた状態でファイナルベントが発動。問答無用で冥界ごとすべてが終わる。


 なお毎ターンごとに味方の増援あり。

 なおこのターンから放たれる攻撃はすべて透過による防御不能効果が付加される、

 ターン経過ごとにゴジラはアギトの本能がなじんでいくことで、つぎつぎと新たな能力を発揮していく。十ターン後には…最悪なことになる。



 解く形です。ぶっちゃけ増援がカギです。また次の投稿を楽しみにしてください。
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