この話はオリジナル設定が入っております。
主人公がとある芸術的なものに固執します。
ではどうぞ...
俺は今とある衝動に駆られている。
だが、その抑えきれない程の欲求を頑強にした理性で思考を繋ぎ止め、今にも目の前で揺らめく物を掴まんとしている前に伸ばした両手を気合いで抑え付ける。
そうしている内に重厚感のある扉の前に着いていた様だ。
「さぁ着いたよ。此処が地霊殿だ。」
俺を此処、地霊殿に連れて来た火車の妖怪―火焔猫 燐が振り向き様に言う。
「ありがとうな。・・・で、相談なんだが、一つ聞いて欲しい事があるんだが。」
「?・・・あたしに聞いて欲しい事って?別に良いけど。」
燐が不思議そうな顔をしているが、次に言う言葉により、驚愕の表情へと一変する。
「君の尻尾を触らせてはくれないか?」
「なっ?!お兄さん何言ってるのさ!」
「そのままの意味だが・・・、そうか!人か猫のどっちが良いか、か。モフモフだけじゃ駄目だ。クンカクンカするのも良いじゃないか。」
「まだ触れるとも言ってないよ!それと何?!そのクンカクンカって!モフモフは分かるけど、それはあたいの貞操が危なそうだから絶対やらないでよ!」
「そうか、ではモフモフ一回。」
「その言い方だと一体何処をモフモフするのか分からないよ!尻尾だよね?そうだよね?!」
ちっ、意外と手強いな。
「それで耳にはいつモフモフさせてくれるんだ?」
「いつの間にか耳に変わってるし?!」
「ではこれでどうだ?俺は耳と尻尾をモフモフする。」
「はぁ、もう良いよ。好きにしておくれ。でも耳と尻尾だけだからね。」
よし、と諦めた表情だが頬が少しながら紅潮している燐に悟られない様に笑みを浮かべる。
「じゃあまずは尻尾からにするか。」
そう言い燐の背後に回り、目の前の二股に別れた尻尾を一本ずつ手に持ち擦る。
「おぉ、手触り良いな。」
「ちょっ、変な事しないでよ。」
流石に擦られるのは予想外だった様だ。
仕方なく擦るのを止め、毛並みを解くだけにする。
まぁ、これでも十分なんだけれど。
しっかりと尻尾の手触りを堪能したので、次は燐の頭の上でピクピク動いている猫耳に手を伸ばす。
そして、その耳を手でちょっとだけ掴む。
「ひゃうっ?!」
お、もしかしてこの猫耳が一番感じるのか?
それじゃあ・・・。
「あっうっ、にゃ、んぅ・・・、ふみゃぁ?!」
はっ!力加減を間違えたか?!
「・・・はぁ・・・はぁ。今のはちょっと力強かったよ。」
「すまん。痛かったよな?」
「ははは、良いよ。許したげるよ。・・・お兄さんの死体をくれたらね♪」
おぉ、最後の言葉だけ一瞬寒気したし。
いつか俺を暗殺して来るやもしれん、此処で殺っとくか?親方。
「はは、冗談だよ、じょーだん。別にお兄さんを襲ったり喰っちゃしないよ。」
「そうか、良かった。・・・俺も冗談だ、冗談。」
「ん?何か最後に言った?」
「いや、何も言ってない。・・・それより、地霊殿に入らせてくれないか?」
俺の言葉に燐が「そうだったね。」と返し、扉に手を掛けると、扉がゆっくりと開き段々と館内洋装を明らかにしていく。
「お兄さん、あたいに付いてきな。さとり様との対面だ。」
そして、歩き出した燐だったが数歩進んだ時、不意に此方に顔を向ける。
「そうだった、忘れるとこだった。」
「何だ?」
燐の忘れていた、という声に返した俺だが大体の予想はついている。
恐らくさとりんの能力だろう。
「そのさとり様の能力なんだけど、・・・心を読む程度の能力、さとり様の前では考えてる事が筒抜けになるんだ。」
「そうか、なら楽だな。何にも言わなくて良いし。」
燐の多少強ばった顔で言ってきたが、知っていたので驚く事など無い。
むしろ、自分としては会いたかったくらいなんだけどな。
「そうかい。お兄さんは変わり者だね。ほとんどの人間や妖怪は気味悪がるんだ。」
燐は再び歩き出したのでそれに付いて行き、さとりんが居るであろう部屋へと向かう。
地霊殿...
「お兄さん着いたよ。此処がさとり様の部屋だ。ちょっと待っててよ。」
そう言うと、さとりんの部屋へと入っていく燐。
そしてしばらく経つと燐が戻って来る。
「お兄さん、入りな。」
燐はそう言うと俺を室内へと促す。
室内に入った俺は目の前でソファーに座っている桃色の髪の毛の妖怪に話し掛ける。
「初めてましてだな。俺は鷹宮 昴流だ。」
「初めまして。私は古明地 さとりです。貴方の事はお燐の心から視させて頂きました。余り人のペットで遊んではいけませんよ。・・・あ、謝らなくて良いですよ。それとこいしとも会ったんですね。もう前の宗教争い以来ほとんど此方で姿を見ていません。」
と、長い間喋っていたさとりんが「もっと私に会いに来て欲しいわ」と最後に付け足し、テーブルに置いてあった紅茶に口を付ける 。
「それはそうとさっきぬえが来たわね。それから帰っていないと言う事は今こいしが此処に居るのかしら。」
恐らく居ると思いますよ、さとりん。
「って、その『さとりん』って何ですか?幻想郷の新たな流行語ですか?何か受賞でもしたんですか?」
残念な事に古明地 さとり=さとりんです。
それと、これは
「何か引っ掛かりますが良いでしょう。でも、心の中でだけですからね。万が一声に出したら・・・。」
はい、ご心配無く。
心の中ではそう言うだけですので。
だが俺を灼熱地獄へ・・・。
「まぁそれで良いです。・・・それと焼け死ななければ行っても良いですよ。」
なら、即刻行かせてもらおうではないか。
と決めたのは良いが、何故か俺はまだ数時間前に会っていた二人に足止めされている。
「こいしちゃん、行くよ!」
「ぬえちゃんも頑張ってー。」
この今にも俺に飛び掛かろうとしているぬえとこいしに、だ。
まず、何故こんな事になってしまったかだ。
俺が最初に二人を見つけた時は一対一で弾幕ごっこをしていたので、邪魔をしてはいけないと思い通り過ぎ様としたのだ。
しかし、二人共俺に気付いてしまい、ご覧の通り俺は二人の連携の取れた攻撃を避けているという事だ。
「ちょっと!避けてないでちゃんと戦いなさいよ!」
「・・・分かった、なら全力だ。」
ぬえの要望に最大限に応えたいと思ったので鞘から抜刀し、そのまま逆袈裟斬りで振るい、その軌道から霊力弾を連射で二十発放つ。
それらの弾は偶然近くに来ていたこいしの隣を通り過ぎ、ぬえへと襲い掛かる。
が、それは予想内だった様で身を翻す事で避けられる。
続けざまに刀に霊力を込め、こいしに向けて振るい霊気の斬波を放つことで牽制する。
「お前ら、結構やるな。」
と俺は言ったが二人共エクストラボスだからそうか、と心の中で結論を出す。
ならばと思い次の行動に移ろうとした時、二人がスペカを掲げる。
「妖雲『平安のダーククラウド』!」
「夢符『ご先祖様が見ているぞ』~!」
「初っ端からか!?」
ぬえの周囲に暗雲が漂い、こいしもその近くなので二人共が雲に隠れ視認する事が出来ない。
そして、暗雲の左右に3mはあろう透明っぽい人型の影が3体ずつ出現する。
「どっちが先だ?」
ぬえかこいし、どちらの攻撃が先に来るかを考えるが、実際にやってみないと分からないと結論を出したが、まずはぬえからのレーザーを警戒すべきだろう。
暗雲より雷が迸りレーザーの様な物が俺の進む道を埋める様に押し寄せて来る。
レーザーの隙間を探しそこから脱出を試みるが、それを実行する前に人影2体が俺に飛来して来て、刀を振るい影を切り裂く為に足を止めなければならない。
そういう訳で、逃げ場を失った俺は一時足を止め、リメイクしたスペルカードを掲げる。
「スペルカード、旋符『解き放たれし神剣の力(ヴィス リベルタ・クシポス)』!」
自分の力が段々と下がってる事から霊力が半分くらい消費されているのが分かる。
それと刀のガラス玉からも白い光が流れ出し、刀身に吸収される。
そう、このスペカは己の霊力とマナを刀に限界まで溜め放つという事だ。
溜め終わったので、いつの間にか目前に来ているレーザーや影に向かい、刀を思いっ切り縦に振るいエネルギーを解放する。
白と青―霊力とマナ―が互いにぶつかり合い弾けながら前方の障害物を巻き込む。
その刃は鋭さなど微塵も無く荒々しい津波の様で、通り過ぎた跡には元から何も無かったとさえ錯覚してしまうだろう。
「どうだ?!」
先程の移動中に思いつき即席で作ったスペカにしては上出来だった為、どれだけダメージを与えられるかが問題なんだが・・・。
そして、霊力とマナが石壁に抉った痕を残し消滅する。
それらが消えると黒色と黄色の妖怪が座り込んでいるのが見える。
俺は二人の処へ向かうと、どちらもぐったりとして疲労困憊の様だ。
「大丈夫か?」
あのスペカは幾ら威力を抑えてあっても余り変化は無い様だ。
「さ、さっきの何?」
「うわぁ~、目ーがまーわるー。」
疑問の声を上げるぬえと、あの言葉を発するこいし。
「まぁ、勝負あり、だな。」
「う~、頑張ったのにー。」
「まだまだ~。」
俺の言葉に騒ぎ出す二人。
それをかなりの時間を費やし、やっとの事で
実は二人共、何も出来ずにいた訳では無い。
事実、旋符『解き放たれし神剣の力(ヴィス リベルタ・クシポス)』』を使われた二人は当然の如くスペルカードを使い、置かれている状況から脱しようとしたのだ。
ぬえが、正体不明『義心のグリーンUFO襲来』こいしが、『サブタレイニアンローズ』により迎撃したのだが、それらの弾幕はする弾はあれど、大方の弾は弾き飛ばされ、あるいはその力を取り込まれ津波の拡大を促すだけに留まる。
しかし、ぬえによるスペカは他のものとは違う働きを見せた。
それは緑のUFOが放つ持続性のあるレーザーの多面的からの射出は多少なりとも津波の勢力・速度を低下させたのだ。
だが、それも力で押されUFOもまた巻き込まれ消滅する。
これだけ見れば抜け道の無いこの旋符『解き放たれし神剣の力(ヴィス リベルタ・クシポス)』』は抜け道が無いので弾幕ごっこのルールに違反しているのではないか、と思われても仕方ないが実際の所はルールに反していない。
ではこのスペルの攻略法とは?・・・それは津波と言う物は一見逃げ道が無い様に見える。
だが、一ヵ所を重点的に狙い放ちその部分を拡散させていけば崩壊―抜け道が現れるのだ。
そう、津波とはある一点を崩せばその辺りの密度が薄くなり一気に脆くなる、というものなのである。
旋符『解き放たれし神剣の力(ヴィス リベルタ・クシポス)』』はこれと似たように緑のUFOのレーザーがあらゆる所に当たった為、密度が低くなり進行を遅らせたのだが、やはり一ヵ所に狙わなかったのがスペルブレイク出来なかった事の最大の原因だったのだろう。
灼熱地獄に行きお空に会ったのだが、現在言語使用怠慢化しているのか、「うにゅ~うにゅにゅにゅ~」とうにゅ~としか言わないので、偶然にも灼熱地獄に降りて来たお燐に聞いてみると、「心意は分からないさ、ただうにゅーが好きな事は間違いなさそうだね。」との返答だった。
さとりん曰く、「それに近いものですね。」とのことだが、詳しい事は教えてくれはしなかった。
それだけ分かれば良いと判断しこれ以上の詮索を止めるとしよう。
そうして、こいし、ぬえと共にさとりんの部屋に居た俺は情報収集をする為、ドッペルゲンガーについて聞く事にする。
そして、それらの返答がこれだ。
こいしは、数日前にこの近くで暗雲の様なものが見えたのでぬえと思い声を掛けると、その雲は慌てた様に逃げて行った、との事。
さとりんは、全く外出しないのでその様なものは見た事など無い、との事。
そして一番有力な情報がぬえから聞く事が出来たのだ。
ぬえ曰く、それは私のお友達、という一言だったのだ。
「ぬえ、それ本当か?」
「本当も何も事実なんだから。」
「・・・じゃあそいつは何処にいるんだ?」
「ん~。良いけどさぁ。他の人に話しちゃいけないって約束したから。あんまり言いたくないよ。」
(むむ、約束か。かつては我も主としたものだ。契約に近いがな。)
約束という言葉に、久し振りに反応する『気骨』。
その後に感じる一つの視線、それはさとりんである。
「貴方から心が複数感じられるのは何故かしら。」
そういう事か。
さとりんの能力は心を持つもの全てに適応されるので、神剣の心も読んでしまうのか。
(主、どうする?我が干渉して我の意思を感じさせない様に出来るが。)
まぁもしもの事があると駄目だからやっといて。
すると、さとりんが「勘違いかしら。」と呟き疑問の顔を静める。
そこで再びさとりんが此方を向く。
「そういえば、その妖怪は商店街とヤマメが住む洞穴の中間程にある石垣の山辺りに居る様ですよ。」
「へ?!さとり、何私の心を読んでるのよ!」
「えっ?これでいけないですか?貴方が言ったんじゃないんですよ?」
「まぁ良いや。・・・でも、誰が言ったかって聞かれても私の名前は出さないでよ。」
「了解した。」
まぁ他にその事を知ってる者が居なければ即バレると思うけどな。
それと石垣というのは、かなり古く―鬼が移り住む前―から存在しているらしいがただの場所と認識されいたので全く気にも留められていない場所らしい。
そうして夜が来たかもしれない程まで談笑などをして、案内された部屋のベッドに寝転がりまだ妖怪化していないさとりんのペット達をモフモフしつつ眠りについたのだった・・・。
―それはもう天国の様で至福の一時であった。
まだ異変編は2話程続きます。
この作品は知ってない人は全く分からない元ネタ(東方じゃないよ~)が多少含まれています。
現段階では少ないですけど・・・。
それと今回リメイクで出たスペカは元があの爆発のスペカです。
この作品でのスペカは勝負時以外なら何回もやり直しがきくという設定にしています。
名前が普通過ぎたせいもあって変更しました。
逆に厨二な気がするのは何故なのか?
此処に悩むばかりですwww
レイセンのスペカも厨二だから別に良いか。
まぁ次回もお願いします。