俺が今居るのは八雲屋敷のとある一室。
一度、俺も霊力を込めて放ってみたら弾を射てるという収穫があったため、スペカを作っている。
「はい、じゃあ先ずはこれを渡すわ。」
渡された物は長方形の白い紙で何も書かれておらず、それが5枚ある。
「これでスペカ作るのか?」
「そうよ、それじゃあ早いとこ作りましょう。」
昼になるまでに4枚目まで完成させることが出来た。
「んー。5枚目の案が浮かばないな。」
「あ、今はそれでいいわよ。スペカで闘う時は通常3枚でやってるから。」
「そうか、ならいいか。」
「昴流、出発する前に御飯はどうかしら?」
「ああ、頼む。」
「藍ー、何処ー?!」
「はい、紫様。何でしょうか。」
紫が藍を呼ぶと、藍が何処からか湧いてきた、・・・おぉ、そんなに睨まないでくれ。
「昼食を彼の分も作っておいて。」
「うっ、・・・紫様のご命令ならば従う他ありません。分かりました用意して置きましょう。」
と渋々了承して俺を睨んだ後部屋から出て行く。
「ご免なさいね、昴流。藍は感情を表に出さないから。本当は藍も貴方の事を気に掛けているのよ。」
あっ、誰かがドタバタと音を立てて走って来る、・・・が丁度この部屋の襖の向こうでツルッという音の後、「あぁっ」と短く叫び声が聞こえ、ゴンッと音が鳴った。
かなり痛かったのだろうか、呻き声が聞こえるので廊下に出て音のした方を見ると、藍がうつ伏せに倒れていたので、近付いてみる。
すると、こちらに気付いたのか藍が顔を上げると、鼻が真っ赤に染まっている。少量だが鼻血出てる・・・
「勘違いするなよ。べ、別に貴様がどうなろうと私には関係ないからな、うん。」
「さっきからツンツンしまくってるけど、本当はツンデレなのよ。」
「誰がツンデレですか?!紫様!!私はそんなんじゃありません!」
えー、と言いながらも顔がニヤついてますぜ、紫さん。
そして、藍が「もう知りません。」と言い去って行く。
その後ろ姿を見た紫は、
「心配しなくていいわよ。あの子は自分でやると決めた事は責任を持ってやる子だからね。」
ああ、分かります、その今にも爆笑しそうな顔を見れば。
藍をからかうのってそんなにも面白いんですかね、だったら一回やってみたいな。
半刻後に昼食を食べた後、俺は藍に付いていっている。
何故か俺の転移を見たいとのこと。
まだ藍は俺が転移出来る事を認めたくないらしいが・・・。
そして今、俺の前には藍がこちらに背を向け歩いている。
俺の視線の先にはふさふさとした毛が生えている尻尾がある。
そう、なんと俺は藍の尻尾を愛でる―もふもふタイムなるものを体験すべく隙を窺っているのだ。
そして、その時が訪れる。
俺は瞬時に藍に行動制限の効果を付け、藍の行動を抑えると藍がその場に座り込む。
今だ、と思い藍の九つのふさふさの尻尾へ両手を伸ばす。
触れるまでの間、尻尾の手触りなどを夢想する。
どれだけ心地いい手触りなのかなどを考えていたが、尻尾に触れるまでの時間はかなり長く感じられた。
そして、手が尻尾へと触れる、・・・と同時に手に伝わる心地いい手触り。
これは、と思いつい夢中に尻尾を愛でる。
「くそっ、・・・動かない。」とか「触・・るな・・・。」とか聞こえたけど無視してもふもふし続ける。
数分経った頃だろうか、藍はもうぐったりとしていた。
それに気付き、「ごめん、大丈夫?」と声を掛けた所で、遠くから「藍しゃまー」と誰かが藍を呼んでいる声が聞こえる。
これは・・・と思った所で、「あっ、藍しゃまにちかづくにゃー」と言われたと同時に俺の体に衝撃が走る、が俺はもう衝撃に対する準備は出来ていたので飛ばされる事はない。
声の主の方に顔を向けると、そこには橙がいた。
「きしゃま、藍しゃまをどうしゅる気だー!」
「もふもふした。」
「にゃにっ?!。」
「凄く良い手触りだな。あの尻尾。」
「にゃ"っ、この人こわいにゃー。藍しゃま?おきてくだしゃい。」
すると、気絶していたらしい藍が目覚める。
そして立ったかと思うと俺を睨んできて、
「おい、貴様。橙に何をした?」
「何も、俺はただ藍の尻尾をもふもふしていただけだ。」
「橙、こいつに何もされていないか?正直に言って良いんだぞ。」
「橙はなにもしゃれていましぇん。ただ藍しゃまのしっぽさんをさわったって聞いたらこわくなったでしゅ。」
「そうかそうか。なら橙、ここで待っているんだぞ。私があいつをこ・ろ・しに行くからな。」
「分かったでしゅ。がんばってくだしゃい、藍しゃまー。」
橙の声を聞き満面の笑みを浮かべていた藍の表情がこちらを見た瞬間一変し、冷たく鋭い眼で睨んでくる。
此処は俺も本気で行くか。それ以外でこれを収める方法が思いつかない。
「おい、死ぬ覚悟は出来ているか?」
「ふっ、何を。死ぬのは藍。貴様だ!」
「・・・戯言を。口だけは達者の様だな。・・・では私から行こう。」
その言葉を勝負の始まりとし、藍がかなり速いスピードで迫ってくる、・・・がこちらも戦闘経験は少ないが、それを補える程の能力を持っている。
藍が迫ってくるまでに、藍に弾を数発放った後、横に軽く飛ぶ。
すると、弾を全て避けた藍がさっきまで俺がいた所に突っ込む。
そこで俺はふうっと気を抜いてしまったが故に藍の次の攻撃に反応するのに遅れる。
咄嗟に右手で腰に提げた鞘から刀を抜き放ち、左手で懐から一枚目のスペルカードを発動する。
「スペルカード、廻符『冥創斬』!」
すると、自らの日本刀が霊力を纏い刀身が2倍になる。
俺はそれを両手で持ち、やや驚いた表情の藍に振り下ろす。・・・が避けられたようだ。
しかし、藍の表情を見るにさっきの一撃を掠っていた様で、顔を顰めている。
そして藍もスペルカードを発動する。
「スペルカード、式神『十二神将の宴』。」
藍が発動したスペカが発動すると、こちらに向かってくる弾幕があった。
俺はそれを右へ避ける・・・が、そのまた避けた方向と左からも弾幕が迫ってくる。
だから俺は前へ走り、それらの弾幕を回避する。
そうして弾幕から逃げ切りスペルブレイクする。
藍は悔しかったのか、続け様にスペカを発動。
「『ユーニラタルコンタクト』!」
細かい針弾が俺に迫ってくる。
これはパターンだな、と判断し大丈夫だと思い新たなスペカを発動する。
「スペルカード、灼符『光炎万丈』!」
スペカ発動後、俺は弾幕を藍に向け放つ。
それらの弾は光、または、炎が付いており、光弾によってその弾の半径1mの範囲の中では眩しくて周囲が見えなくなる。また、炎弾はその弾の当たり判定が増大する。
この弾幕はかなりの密度で、PCの画面でも恐らく画面の半分程は光で真っ白で何も見えない。それに加え、光に見えない炎弾が襲い掛かる。
これを避けるには、巫女の様な天性の才能が無ければ全て避けることはなかなか出来ないであろう。
そして、藍もまた被害者になる。
光が薄れてくると、肩で息をしている藍がいる。
どうやら嗅覚で炎弾は躱せても、光弾は無理だったようだ。
そう判断したのは、焦げてる所は無く弾が当たった痕しかないからだ。
そして藍が最後のスペカを発動する。
「幻神『飯綱権現降臨』!」
最初は薄いが段々と濃くなり、弾の大きさもかなり大きい。
だが、大雑把に飛んで回避せず、軽くステップし微調整をして弾を避けていく。
そして、攻略方法が分かれば簡単であった。
藍の最後のスペカもスペルブレイクに近づいた時、俺が最後のスペカを発動する。
「スペルカード、灼符『十字槍焔』!」
動きが鈍っている藍の周囲に火が付き、それらの炎が藍の上と左右を囲み行動が制限される。檻の中は人が9人は入れる程の大きさだ。藍が少々暴れている様だがこの炎の檻はそんなんでは壊れない。
そして、俺の周囲に長さ2m程の炎槍が左右に3つずつ、・・・合計6本が構成される。
灼熱の槍が藍に標準を合わせ、準備が完了した所でそれらが一斉に発射され対象を貫く。
炎槍は一つ残らず炎の檻に命中したが、・・・さて、藍はどうなっている事やら。
煙が晴れ、藍がいた場所を見るとそこには満身創痍の藍が倒れていた。
藍の傍に走って近付く。
「あー、気絶してる。どうしようか。・・・とりあえず屋敷の中に運ぶか。」
藍を抱えた所で、忘れそうになっていた橙が聞いてくる。
「あなたはだれでしゅか?そういえば紫しゃまが強いにんげんを見つけたって聞いたんでしゅけど、・・・そのおかたでしょうか?」
「おう、多分そうだな。」
「そういうことにゃら、いいでしゅよー。」
そう会話をしながら屋敷に入り、藍を布団を敷いた部屋に入れ、
「橙、俺はこれから出かけるから、誰かに俺の事聞かれたら、異変解決に行ったって言えよ。」
「分かったでしゅ。それでは、いってらっしゃいでしゅ。」
そして、橙に送り出された俺は屋敷を出て、転移をする。
魔法の森のある場所へと・・・。
藍様の尻尾モフモフです。
橙がおかしくなったw
というより戦闘の場面は初めてだったので、これで大丈夫だったでしょうか?
原作のキャラのスペカは原作と一緒です。弾幕がちょっと違うかも知れませんが・・・。
廻符『冥創斬』は妖夢の断命剣「冥想斬」を参考、というよりパクリwww
灼符『十字槍焔』の槍はれみりゃのグングニルと似ています。
灼符『光炎万丈』はオリのつもりです。かぶってたらすいません。
次は魔法の森です。
次話の戦闘は1対2にするかも・・・、ここまで言ったら分かりますよね。
はい、魔法使い二人です。名前は挙げませんが。
まぁ次話もよろしくお願いします。