今回は魔法使い二人組です。
それではどうぞ...
真っ白だった視界が色彩を取り戻していく。
そして俺の前にあるのは西洋の住居である。
そう、俺は周囲を木々に囲まれている七色の人形の魔法使い―アリス・マーガトロイドの家の玄関前に立っている。
俺が玄関を開けようと手を伸ばした時、何やら声が聞こえたかと思うと急に玄関の扉が開く。
そこから飛び出て来たのは魔女の様な格好をした女の子―霧雨 魔理沙である。
俺は咄嗟に2m程バックステップする。
「うおっと、危なかったぜ。」
俺が下がった事で衝突を免れた魔理沙が安堵の息を漏らしている。
「魔理沙、しっかり謝りなさいよ。」
開いた玄関の奥からそう言いながら歩いて来る人物がいる。・・・そう、アリスだ。
「分かってるぜ。・・・えーと、ごめんなさいなのぜ。」
「それで良いのよ。それより貴方、人間がこんな所に来ては駄目よ。・・・・・・えっ?貴方、人間じゃないわね、それに妖怪や霊、神の類でもないわ。貴方は一体何者なの?」
(ふむ、どうやら気付かれたようだ。主の体が何を構成しているかまでは不明のようだがな。いやしかし、中々やるなこの小娘。)
そんな神剣の言葉に同意しつつ、
「ああ、俺はエターナルと呼ばれる様な存在で体はナマというエネルギーだけで構成されている。」
「そう、訊いたこともないわね。」
「おいあんた、私と弾幕ごっこしようぜ。」
どうやら魔理沙は俺と勝負したいそうだ。
それじゃあ一つ忠告しておこう。
「俺は八雲 藍を無傷で倒すだけの戦力がある。それでも良いのか?」
と俺は聞く。まぁ魔理沙だからそれでも絶対勝つって言って来るんだと思うけど。
「大丈夫だぜ。勝てばそれで良いんだぜ」
「ちょっと魔理沙、貴方でも藍と碌に戦えないのに、・・・魔理沙、ちょっと待ってなさい。」
「分かったんだぜ・・・。」
数分後、アリスが10体の上海人形を連れてきた。
「待たせたわね。」
「遅いぜ。早く弾幕ごっこしたいぜ。」
「あ、そういえば自己紹介して無かったわね。私はアリス・マーガトロイドで、こっちのだぜ口調のは霧雨 魔理沙よ。」
「アリスと魔理沙だな。じゃあ俺は鷹宮 昴流だ。」
「昴流ね、分かったわ。・・・それで私達は二人とも魔法使いよ。昴流は何?」
アリスの後ろで魔理沙が「おーい。私の台詞をとるなだぜー」と言ってるが、・・・無視ですかアリスさん?
魔理沙を無視し話してきたアリスに見習い俺も魔理沙を無視することにする。
「俺か?・・・んー、強いて言うなら魔法かな。刀もあるけど。」
「おーい、昴流も無視するのかー?・・・これは辛いんだぜ。」
そういい、俺は腰から日本刀を抜く。
やっぱり今見てもこの刀ってかなり切れ味ありそうだな。刀を傾けると刀身が光を反射し眩く輝く。形は普通のと同じなんだけど、柄の色が黒と赤が混じっていて、柄の下部には紐が付いておりその先に一つの透明なガラス玉の様な物が付いている。
今思ったんだがこのガラス玉って何?
(それか、・・・良いだろう。それは言うならば世界の塊と呼ぶのが良いだろう。だが今はそんな事はどうでも良い。目前の戦闘に意識を向けろ。)
はい、分かりましたー。
と神剣に答えた所でずっと無視されていた魔理沙が音を上げる。
「早くやろうぜー、昴流。」
「おう、分かった。」
「ちょっ、魔理沙、私を置いてかないでよ。」
「さっき私を無視した罰なんだぜ。」
俺と魔理沙が空に上がった所で、遅れてアリスが到着する。
俺が飛べてるのは、先程俺の能力で空中を飛ぶ効果を自分に付けたからなんだけど・・・、結構高いから落ちた時の事考えると怖いな。まぁ、俺の体は妖怪最上位より丈夫だから大丈夫なんだろうけど。
「よし、やるか。」
「油断してると痛い目見るわよ。」
「やってやるぜ。」
俺が刀を中段で構えると、アリスが10体の上海人形を操り周囲に広げ、魔理沙がミニ八卦炉を取り出し前傾の姿勢になる。
俺の動きを始めの合図としアリスが人形を操る魔力の糸を操作、魔理沙が突っ込んでくる。
魔理沙から星形の弾幕が飛んでくる。
「くっ、速ぇ。」
魔理沙の弾幕はばら撒いた様な感じで精度はないが一つ一つで見るとかなり速く常人ならば視認するのにも一苦労だ。
だが、その相手は身体能力が異常だった。
弾幕全ての弾一つ一つを捕捉しているがそれだけではない。それに加え全ての弾の軌道が視えているのだ。
それは弾の軌道が光の線で視えており、それは武術の熟練者が相手の筋肉の動きや気の流れを視て技の軌道を読むー未来予知のそれと同じであった。
俺は今、前方から来る弾を全て”視て”避けている。
その向こうには魔理沙が俺に当てようと弾を放ち続けている。
そして魔理沙の行動が変わったと思った時、俺は横に飛び出て魔理沙を間としアリスの反対側に着いた時、後ろで魔力の奔流が起こる。
そう、魔理沙が恋符「マスタースパーク」を放ったのだ。
俺はそれを魔理沙の行動の今までとの相違を視て予測したのだ。
「な・・・?!避けられたんだぜ!」
「貴方、無傷でとは。やはり貴方はただ者じゃないようね。それでは私が相手になりましょう。」
「おう、良いぞ。来い。」
「やるわ、戦符『リトルレギオン』」
すると、俺の周りを9体の上海人形がもう準備満タンだ、とでも言うかのように槍を構えている。
「くそっ、行動早いな。」
そう悪態をつき、上下前後左右から来る槍を避ける。
これではジリ乏だと思い始めた時、
「彗星『ブレイジングスター』!」
「なっ、魔理沙か?!」
「そうよ。」
近くにいたアリスが答える。
箒にしがみ付き、星をばら撒いている魔理沙はもう数秒も経たずにここを通り過ぎるだろう。
くっ、スペカを発動するか・・・?
(主、あの札を発動せよ。)
『気骨』から言われたんじゃ、そうする他ない。
おし、やるか。5枚目のスペカを、
「・・・スペルカード、爆符『マナ爆発』!」
すると、刀のガラス玉から青光りするマナが噴き出す。
そして周囲にマナが広がった時、刀にそれらのマナが凝縮され刀身が輝きだす。
刀の先を下に向け足元の空気に刺す。
辺りに広がる輝き、それを最後に俺を中心としバンッと爆音が鳴る。
「「きゃあああ・・・。」」
俺は刀を支えとしていたため吹き飛ばされない。
が、アリスと魔理沙はボロボロになっている。
そして上海人形も数体が壊れたようだ。
アリスの周りには6体残っている。
「くっ、何よ?さっきの。」
「マスパより威力あるぜ・・・。」
「けど、まだ終わりじゃないわ。」
「そうだぜ。」
アリスと魔理沙が戻ってくる。
結構ダメージ与えた様な感じするんだが、まだ気力は萎えてない様だ。
(いくら威力を抑えてあるとはいえ我のマナを喰らっても気力を失わないとは。)
「まだ、終わりじゃない。魔理沙!これで最後よ。紅符『和蘭人形』!」
「分かったぜ。これで終わりだ!邪恋『実りやすいマスタースパーク』!」
アリスは新たな人形を隠し持っていた様だ。
蘭人形が俺の周りを囲む。
俺がこの包囲から逃げようとした時、蘭人形から光が漏れる。
俺は驚きを隠せず一瞬動きを止める。
「なっ?!」
そう、それぞれの蘭人形が十字にレーザーを放ったのだ。
逃げ場を失った俺はどうしたものか、と考える。
そこで魔理沙に目を向ける。
魔理沙が発動したあのスペカ。
そう、それは俺が知っているものである。
あれは発生が遅いが、威力がかなり高い事を。
あれを喰らったら俺でも傷を負うのは確かだ。
あれをやるか・・・。
「スペルカード、灼符『十字槍焔』!」
対象は魔理沙に選択。
魔理沙の周りに炎が付き、それらの炎が移動を防ぐ。
「くそ、何だこの炎は?!」
「あっ、魔理沙。逃げて!」
そして魔理沙に襲い掛かる6本の炎槍。
だが、炎の檻から魔力の奔流が迫りくる。
そう、魔理沙が今まで溜めていたマスタースパークを放ったのだ。
俺の放った炎槍と極太のマスタースパークがぶつかりお互いに牽制し合う。
が、俺の放った槍は一点集中を目的とした攻撃、対してマスタースパークは面積を広くした攻撃。
よって、一瞬の内に6本の炎槍がマスタースパークの中心のみに押し寄せマスタースパークの中心を貫く。
軸を失ったマスタースパークの魔力は周りに拡散しその姿を消す。
次に魔理沙に襲い掛かるは、先程の炎槍の生き残り。
だがそれらは力の大半を失い、威力が衰えている。・・・がそれでも威力は十分にある。
「な・・・?!私のスペルが・・・。」
「あっ、魔理沙。逃げて!」
そして、槍と魔理沙に入り込む小さな影。
それはアリスの人形である。
人形の体を張った防御により全て消えた炎槍。
だが、自分の持てるだけの人形を先程使ったのかアリスは現在、人形を1体も持っていない。
魔理沙に目を向けると、気を取り直したらしく俺に俺に突っ込んで来る。
なので俺は最後のスペカを使う。
「スペルカード、灼符『光炎万丈』!」
俺から放たれた紅白の弾幕はアリスと魔理沙に襲い掛かる。
それらの弾幕が晴れた時、そこにはもう力を使い果たした、という感じのアリスと魔理沙がいた。
俺は二人に近づく。
「アリス、魔理沙。よく耐えれたな。」
「・・・、はぁー、もう疲れたわ。」
「うー。負けちゃったんだぜ。」
そう短く言葉を交わした後、二人をアリスの家に送る。
そして、二人ともの怪我を治すため神剣魔法を使う。
「神剣の主が命じる。マナよ、癒しの風となれ。『ハーベスト』!」
「何?これは。これがマナなの?」
「おお、これは凄いぜ。」
よし、・・・でこれからどうしようか。
今は夕方だからいくら俺でも夜に妖怪がうようよしてるとこ探索したくないんだが。
そう考えていた時、アリスが
「昴流、今から外に出ないわよね?」
「ああ。そうだ。」
「その・・・、もし良かったら、私の家に泊まる?」
「えーと、別に良いんだが。良いのか?」
「別に良いも何も魔理沙の我が侭聞いてくれたんだから、何かしてあげたいだけよ。」
「じゃあよろしく頼む。」
「アリス、私もここに泊まるぜ。昴流にもっと聞きたい事があるしな。」
「はぁ、・・・良いわよ。魔理沙も今日はここで泊っていきなさい。」
「やったぜ!」
まぁこんな感じで進んで同じ部屋で3個のベットに寝て話して夜を明かすのは、運命なのか・・・。
翌日俺はアリスに用意してもらった朝食を終え、家から出る。
「じゃあ昴流、何かあったらまた来てね。」
「昴流ー。また弾幕ごっこしようぜ。それまでは特訓の日々だぜ!」
「おう、またな。」
それぞれの言葉を聞いた後、俺はそう答え背を向ける。
後ろで何か言い合ってる様だが、俺は転移の準備をする。
『気骨』、転移よろしく。
(承知。)
そのやり取りの後、俺の体は青白く光り次の目的地へ転移する。
後ろで「おおー。」という声が聞こえる。
まぁ普通はそうなるな、と思った後、
俺は真っ赤な館の前に転移する。
そう俺の次の目的は紅魔館だったのだ・・・。
今回もやはり主人公無傷です。
でも次はどうなるか分かりません。
そういえばこの異変解決は原作を意識して、ボス6体です。
5体までは原作キャラなんですが、知ってのとおり6体目があれです。
一応、現在はステージ2と呼ばれる所です。
それでは次話もよろしくお願いします。