東方心神領域   作:aetos

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今回でフラン戦終結です。

ではどうぞ・・・。


第7話 守護神獣召喚!

周囲には動く物など何も無く、辺りには音さえも無である。

だがその灰色の世界に何にも縛られず動く者がたった一人いる。

それは誰かと言うと俺である。

しかし、俺は感じでいる、もう一人この世界の中で動き続けている、と。

俺とその者の距離は刻々と近付いて来ている。

恐らくあちらもこちらの存在に気付いているのだろう。

俺は広い洋館の廊下を歩き、目的の場所へと向かう。

そこへ着くと、そこには一人のメイドがいた。

そう、時を操る程度の能力を持つ十六夜 咲夜である。

 

「貴様は先程妹様に殺された筈だ。何故まだ生きている。・・・いや、それよりも、この世界を止めたのは貴様か!」

「ああ、厳密には違うがな。」

「時を操るのは私だけで充分だ!貴様にはここで死んでもらう。」

 

と、いう訳でメイド長と戦う事になりました。

いや、しかしこの時が止まった世界で時を操るって、時を進める事しか出来なくないか?

 

「では、こちらから殺らせて頂きましょう。」

 

咲夜がナイフを持ったまま走って来る。

ああそうか、投げて来ないのは此処では投げてもそこで物が留まってしまうからか。

じゃあ太極刀の方でやらせて頂くとしますか。

俺は刀を右手に移した後、右からの凪払いでナイフを弾き飛ばす。

すると、咲夜がこちらからの一撃の重さに身の危険を感じたのか、次に放った突きを大きく後ろに飛び回避する。

 

「貴様、その力は?!そんな力を一体どうやって・・・?」

「一先ず俺は人間ではない、という事は言っておく。」

「くっ、侵入者が・・・。」

 

その時俺の後ろから

 

「あ、居た。おーい、咲夜さーん。」

 

と声が聞こえた。

ん?と後ろを振り返ると、美鈴がこちらに走って来るのが確認できる。

その光景に俺も咲夜も予想外の出来事にただ呆然とするだけである。

 

「あれ、昴流さんじゃないですか。此処に居たんですか。・・・と、聞きたい事があるんですが、周りの物が全部灰色に見えるんですがどうしたんでしょうか。もしかして、これが老眼って奴ですか~?」

 

一先ず此処で美鈴が普通に行動出来ている事は一旦考えるのはよそう、と俺と咲夜はそれぞれに結論を出す。

項垂れている美鈴にやや怒り気味の咲夜が、

 

「美鈴、また門番の仕事サボったの?」

 

と言い、美鈴に近付いていく。

美鈴は後退り、

 

「いや~、彼が太極刀を心得ていましたので、つい。」

「つい?・・・つい、で不審者をこの館に入れるの?私は絶対やらないわ。美鈴は?どう?どうなの?」

 

咲夜が美鈴に圧力をかけ、一気に詰め寄る。

その圧力は俺の所にも届き、何か殺気が少量だが混ざってるのは気のせいか?

咲夜の説教タイムに入ったらしいので、美鈴に此処は任せる、と意思を込めアイコンタクトしたら、任せられても困ります~、という思いが込められた視線が来るが、俺は無視しその場から離れた。

美鈴の方に気が行ってる為、当分はこちらの動きには気付かないだろう。

 

咲夜が居る場所から離れ、歩いていると神剣から衝撃の事実が伝えられる。

 

(あの赤髪が行動出来るのは我があやつの時を進めたからだ。)

 

おお、そうだったのかー。

でも、・・・何故?

 

(さあ、如何した物か・・・。それより、もうじきあの場所へ着くぞ。)

 

もうすぐと言われ前方に目を凝らすと、壁や床が所々抉れた場所が見える。

其処はフランと戦った場所のようだ。

近付いて行くとその証拠に赤色の洋服を着た吸血鬼、フランドールが見え、レーヴァテインが今まさに過去の俺が居た場所に振り落とされようとしている所で止まっている。

 

ああそういえば、神獣って普通に名前喚べば出てくれるよな?

 

(ああ、召喚方法は何でも良いであろう。)

 

じゃあ、今喚んで良い?

不満があるからさー。いざ喚んだ時に本当は居ませんでしたーって言うのは嫌だから・・・。

 

(良いだろう。神獣は主の声に必ず応えてくれる筈だ。心配あるまい。)

 

よし、じゃあやってみるか。

 

「・・・顕れよ、『ニューマ』!」

 

その言葉を言い終わると同時に俺の前に輝く大量のマナが一気に塊と化し、段々と蛇の形に変わっていく。

そして、今目の前に居るのは全長10mはあろう大蛇が塒(とぐろ)を巻き、その中心から顔をこちらに向け俺を認識する。

その大蛇は全身が真っ白で、すうっと灰色の線が体の両側に一本ずつ通っている。

 

「ふむ、そなたが我の担い手であるか?」

「そうだ。」

「では、我が如何にして主を守護するか、はどうじゃ・・・?」

「それはまだ聞いてないな。教えてくれ。」

「よかろう。我の力は主の精神の強弱により主の精神強化をするのじゃ。それと我と主の心はリンクしておる。主と我は互いに心を共有しているのじゃ。それともう一つじゃが、我も戦闘を心得ておるから役に立てるじゃろう。」

 

じゃあ大丈夫か・・・。

・・・で『気骨』、時間を下の様に動かせるのか?

 

(そうだ、何も問題無い。)

 

じゃあお願い。

と言うと『気骨』がマナの輝きを放ち、世界が彩色を戻して行く。

時が動き出すと同時に目の前のフランも時が動く様になったのか動き出す。

そして、レーヴァテインが床に衝突し周囲に熱風が吹き荒れ、粉々に砕けた瓦礫が吹き飛ぶ。

熱風が止むと其処にはこちらに背を向けているフランが立ち尽している。

 

「あれぇ、人間が居なくなったよー。」

「居るぞ、此処に。」

 

と俺が言うとフランが振り向き、さっき残念そうな顔だったのにも関わらず今は満面の笑みを浮かべている。

尤も、獲物を見つけたからなんだろうけど・・・。

 

「あはは、其処に居たんだ。じゃあ、早速殺してあげるよ。」

「生憎と此処で死ぬ訳にはいかないんでね。・・・全力で行かせて貰う!」

 

その言葉を言い終えると同時に俺は腰の刀の柄に右手を添えフランに肉薄し刀の柄を握って抜き、その勢いで左から薙ぎ払い、それをフランが後ろに下がる事で避けたのを見た後、そのまま走り続け振り切った刀の刃先を前に向け射程内に入った瞬間、全力の突きを放つ。

が、それも翼を使い左に飛ぶ事で避けられる。

其処で俺は『ニューマ』に協力の念を送ろうとする。

だがその前に『ニューマ』がフランを尻尾で叩き付けていた。

その攻撃は予想外だったそうで、フランは成す術も無く後方に吹っ飛ばされ、壁に叩き付けられる。

 

「主、主の心は伝わって来る故、その様な事は無用じゃ。」

「あ、ああ分かった。」

 

俺はどうなったかの確認のためフランが埋まっていると思われる壁の穴に近付く。

その時、俺の視界いっぱいにフランが映っていた。

俺は突然の事に驚きながらも咄嗟にしゃがむ事で何とか回避出来たが、俺に次の一手が襲い掛かる。

だが『ニューマ』があらかじめその攻撃を読んでいた為、その攻撃を俺は刀で弾き返し、返す刃でもう一振りし牽制した後、跳ぶ事で後方に居る『ニューマ』と並ぶ。

 

「どうするのじゃ、主?あやつは狂気に呑まれているのにも関わらずあの頭脳じゃ。」

「そういえば『ニューマ』、神剣魔法を使うのはどうだ?あれは威力が高い上に俺の場合、何も消費する事無く何度も連発出来るんだが・・・。」

「そうじゃったな、ではそれでやるのじゃ。我は蜂の巣には成りたくないのじゃ。だから遠くから見ておるぞ。」

「おう、じゃあ行ってくる!」

 

そう言い終え俺は神剣魔法の準備に取り掛かる。とはいっても全くやる事無いんだけど・・・。

最初っから高威力だ!

俺は「イグニッション」「アークフレア」の順で発動する。

これらの全範囲の魔法によりフランは手加減無しの炎の奔流に蹂躙される。

俺は隙を与えさせまいとアタックスキル「星火燎原の太刀」を使う。

 

「この一撃で終わらせる。はぁぁっ、星火燎原の太刀っ!」

 

俺は今までに無い程の速度で突っ走り、フランが居ると思う所で刀を振るう。

その速さは俺がフランを切り裂いた後に、フランが俺の存在をやっと認識出来る程の速さであった。

 

「あっ、え、何?!えっ、片足が・・・。うわぁ!倒れる~。」

 

どうやら当たった様だ。

俺はフランの下へ行くと、とっくに左足の傷など治ってるフランが横たわっていた。

 

「フランちゃん、俺は人間じゃない。エターナルだ。」

 

とだけ言い、「ハーヴェスト」を発動する。

此処に居る俺とフラン、そしてニューマの体力が全快になった所でフランに言う。

 

「フランちゃん、無理に狂ってる必要なんか無いよ。」

 

俺がそう言った理由は、フランは既に紅魔異変の後に自分の狂気を制御出来る様になったのを覚えていたからである。

 

「あれ、ばれちゃってたんだ。まぁいいや、楽しかったし。それと・・・え~っと、名前教えてー。」

「俺は鷹宮 昴流だが・・・。」

「分かった。じゃあ昴流、また私と遊んでね~。」

「おう、了解した。」

 

そう言い、俺は『ニューマ』を還し刀を鞘に入れる。

それを不思議そうに見ていたフランが聞いてくる。

 

「ねぇ、さっきの蛇さんなぁに?」

「ん~、そっちの言葉で言うなら使い魔?えっと、他には・・・。」

「あ、良いよ、それでも分かるし・・・。」

 

とフラン色々を話し込んでしまったらしく、誰かの声が聞こえる。

それは咲夜の声だった。

 

「貴様ー、妹様から離れろ~。」

「あ、咲夜だー。咲夜、昴流は人間じゃなくてえたーなるって言う種族らしいよ。」

「え、えたーなる?何なのそれは。やっぱり人間じゃなかったの?」

「え~っと、エネルギーがまなって言う物だけで十分らしくて、後は・・・、不老不死に近い存在なんだって~。」

「そうなの。・・・それと妹様が認めたのならば貴方については何にも言いません。それともう遅いですし、今夜は此処に泊まっていきませんか?」

「ああ、お言葉に甘えさせて貰うとするよ。」

 

そうして小さい窓が一つしかないが家具はとても高価そうな部屋に連れてかれ、そこで明日に備え体の疲れを癒すのだった・・・。

だが部屋の隅々まで真っ赤で落ち着けなかった為、中々寝付けなかったのは残念でした・・・・・・。




今回で異変解決まで後半分といった所です。

まぁ特に書く事無いので、
・・・次回もお願いします。
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