私の名前はグレイ。一般的家庭の下に産まれた一般的少女である。
他の人とちょっと違うことと言えば、転生者であることと……
「お邪魔しまーす」
今我が家にやってきた魔神と、親友であることかな?
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ジズー・オリンピア。
それは、この世界ビータスを創った魔神の名前であり、私の親友の名前でもある。
そんな彼女であるが、性格は至って普通の少女であり、お姉さん大好きっ子のシスコンである。
「なんか失礼なこと考えたでしょ」
「いやいやまさか」
そう、私はそんな彼女と友達なのである。
「で、今日は何の用?それにその服……」
「服はラーニングしたらこうなった。
それで用事なんだけど、最近オールド諸島のシェガーが無くなっててさ、誰が持ち去って何処に保管してるのか知りたいわけ」
「成程ね……」
ジズーの言葉は、私にある事を考えさせられるものだった。
魔神少女。
3DSが初出のゲームで、外伝作品合わせて(私の知ってる限り)5つの作品が世に出ている。
そのゲームは、云わばハイファンタジーものの世界観と、独特なゲームシステム、そして少女たちが織り成すドラマによって、プレイヤーを魅力に閉じ込めた作品だ。
その魔神少女の世界に、私は転生した。
死因や方法はどうでもいいだろうから省くけど、大事なのは、魔神少女という作品の世界に転生したということ。
それが意味するのは、つまり死ぬ危険性が低いということ。元日本人としては、それはとっても素晴らしいことなのだ。
そんなわけであるが、実はこの世界、割と頻繁に危機に陥りかけたりする。
まぁそれを事前に防ぐのがジズーなわけだけど……
「まぁそれなら、私の知り合いに3人ほどそういうのに詳しい子が居るよ」
「おっ。やっぱり最初にグレイの所に当たって正解だった」
ジズーに私の知り合い。クリンスィー、ソラ、ブラッドの事を教える。
クリンスィーは、天園図書館という世界でも最大規模の図書館の司書長をしている。その情報量でもってジズーの助けになるはず。
ソラは親が高名な研究者であり、そしてその娘であるソラ自身も研究者気質の性格をしている。シェガーの使い道なんかに心当たりがありそう。
ブラッドは情報屋をしており、誰も気に留めないような情報を持っていたりする。そのちょっと一風変わった価値ある物は、きっと彼女の下に集まる。
「事前に伝法は送っておくけど、あまりいい返事は期待しないこと。ただでさえ貴女はトラブル体質なんだから」
「分かってるって」
「絶対分かってない」
「そんな事ないのにー」
「はいはい。
まぁ、私に出来るのはこれくらい。後は自分で何とかしてね」
「おっけー、この私に任せておきなさい」
そう言ってジズーはワープし、まるで最初から居なかったかのように消えた。
「あ、ワープしたら伝法が先に届かないじゃない。やっぱりジズーって、どこか抜けてる」
私はため息を吐きながらも、そんな親友に苦笑するのだった。