ゆりばなし   作:藺草影志(OVERBLOOD)

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I want a big sister(綾乃×あかり)

京子「と言うわけで、今日だけ綾乃があかりのお姉ちゃんになりまーす」

 

綾乃「ちょ、なによいきなり!」

 

千歳「ほら、綾乃ちゃん…ここは歳納さんの頼みなんやし…な」

 

綾乃「で、でもぉ…お姉さんって、私一人っ子だし…」

 

京子「ほら、あかり新しいお姉さんに挨拶して」

 

あかり「あ、えっと…よろしくお願いしますっ!」

 

あかり「すぎっ…じゃなくて、綾乃お姉ちゃん…//」

 

綾乃「うぅ…」 ドキッ

 

綾乃(言い直す所が可愛いかも…じゃなくて何なのよこれは!)

 

京子「ほらぁ~綾乃も新しい妹に挨拶してよ~」

 

綾乃「あっ…うぅ」

 

あかり「あ、あの! いきなりすぎ…でしたよね?」

 

あかり「ごめんなさい、困らせちゃって…」

 

京子「あかりが綾乃みたいなお姉ちゃんが欲しいって言うから連れて来たのにぃ」

 

結衣「お前はやることが突発すぎるんだよ。綾乃も困ってるじゃん」

 

あかり「あ、でも杉浦先輩みたいなお姉ちゃんが欲しいってのは本当で」

 

あかり「優しいけど…しっかり見守っててくれそうだなぁ…なんて」

 

あかり「ご、ごめんなさい! 杉浦先輩にご迷惑おかけしちゃって!」

 

綾乃「えっ~と…」

 

千歳「綾乃ちゃん、優しいって言われとるでほらほら」

 

綾乃「あ、赤座…じゃないか、あかりちゃん?」

 

あかり「は、はい」

 

綾乃「杉浦先輩じゃなくて…綾乃お姉ちゃんでいいのよ? …いいわよ?」

 

京子「そんなぎこちない姉がどこにいまして?」

 

綾乃「うるさいわねっ、大体あんたのせいでしょ!」

 

あかり「わぁ…嬉しいなぁ」

 

あかり「杉浦先輩とお話する事少なかったから…」

 

あかり「あっ! "綾乃お姉ちゃん"とだったよ」

 

綾乃(歳納京子に乗せられてる気がするけど、赤座さんってこんなに…。)

 

綾乃(まぁ…1日くらいなら。別に…)

 

京子「おい、綾乃お姉ちゃん。あかりと外散歩してくれば?」

 

綾乃「だ、誰が…綾乃お姉ちゃんよ!」

 

あかり「京子ちゃんはダメだよ! 私のお姉ちゃんなんだから」

 

ちなつ「すっかりノリノリじゃないの、あかりちゃん」

 

結衣「外…行ってくれば良いんじゃない? 涼しいしさ」

 

千歳「……」 にこにこ

 

綾乃「うん…」

 

あかり「じゃあ行って来るねー!」

 

千歳「綾乃ちゃ~ん」

 

綾乃「わ、わかってるわよ…」

 

~学校裏~

 

綾乃(こんな所まで来ちゃったけど何話せばいいのか…)

 

あかり「はぁ~、涼しいですね…涼しいねーお姉ちゃん」

 

あかり「もう、全然慣れないよぉ」

 

綾乃「無理しなくていいのに、あか…りちゃん」

 

あかり「お姉ちゃんも間違いそうになったよぉ」 クス....

 

綾乃「い、今のはセーフよ! ギリギリだったんだから」

 

綾乃「ふふっ…なんだかあ・か・りちゃんって落ち着いた雰囲気よね」

 

あかり「落ち着いてる?」

 

綾乃「一緒にいると、眠くなってきちゃうような…あくまでも、ゆったりしてる? って意味で」

 

あかり「落ち着いてるなんて初めて言われちゃったかも…えへへ」

 

綾乃「私もあかりちゃんみたいな妹がいたら、毎日楽しいだろうなって」

 

あかり「わた、あかりも…綾乃お姉ちゃんみたいに歳が近いお姉ちゃんも欲しかったなぁ」

 

綾乃「そういえば、あかりちゃん…は本当のお姉さんが居たのよね?」

 

あかり「はい……。ああ、また間違っちゃった…」

 

あかり「うん、お姉ちゃんの事は大好きだけど、歳が近かったら一緒に学校通ったりできたのかな」

 

あかり「あかりが小学校に入っても、お姉ちゃんは中学生で通学路が同じじゃなかったから」

 

あかり「でも、京子ちゃんと結衣ちゃんが居たから…寂しくなかったです」

 

綾乃「そう…なんだ」

 

綾乃「私もね、誰かと小学校に通いたかったかな…」

 

綾乃「小学校の時は人見知りでね…あんまり友達がいなかったの」

 

綾乃「だから、あかりちゃんみたいな可愛い妹が居たら…ね」

 

あかり「……」

 

綾乃「あかりちゃん、明日わ、私と登校してみないかしら?」

 

綾乃「良かったらだけど」

 

あかり「で、でも、今日だけの約束のはずじゃ…」

 

綾乃「そ、そんなの歳納京子が勝手に決めた事よ!」

 

綾乃「だから、明日私と…じゃなくて、お姉ちゃんと学校に行きましょ?」

 

あかり「ほ、ほんとに!」

 

綾乃「うん♪ だからそろそろ、帰らないとね」

 

綾乃(こういう時って手、繋いだ方がいいのかしら…)

 

あかり「皆のところに帰る前に…その、杉浦先輩と手繋ぎたいな、なんて」

 

綾乃「あかりちゃん、杉浦先輩じゃなくて…ね?」

 

あかり「そうだったよぉ…」

 

綾乃「ほら、手出して」

 

ぎゅっ....

 

あかり「え、えへへ…」

 

綾乃「暖かい…冬だったらずっとこうしてるかも知れないわね」

 

あかり「冬だったら…」

 

あかり(今日と明日で…終わっちゃうのかな)

 

あかり(なんだか、本当に杉浦先輩がお姉ちゃんになっちゃったみたい…)

 

京子「おお、やっと帰ってきたかね」

 

あかり「えっへへ、綾乃お姉ちゃんと手まで繋げたよぉ」

 

結衣「綾乃もどうだった?」

 

綾乃「た、楽しかった…本当に妹が出来たみたいで」

 

綾乃「悪くは無いわね、妹って…」

 

千歳「綾乃ちゃん、顔が緩みすぎやで~」

 

綾乃「―――!」

 

綾乃「も、もう千歳ー!」

 

京子「もう、こんな時間かぁ、帰りますかな」

 

結衣「そうだな、あかりも満足しただろ?」

 

あかり「実はまだ、満足してないんだよ~」

 

あかり「ね、お姉ちゃん。また、明日ね!」

 

綾乃「うん、あかりちゃんの家まで行くから」

 

京子「あかり、また明日って何があるんだよ?」

 

あかり「え~、京子ちゃんには秘密だよぉ」

 

結衣「私には? あかり、私は信頼あるよな?」

 

あかり「う~ん…結衣ちゃんでも…秘密だよ♪」

 

綾乃「~♪」

 

千歳「綾乃ちゃん、歳納さんと居るときと同じくらい機嫌ええなぁ」

 

綾乃「と、歳納京子は関係ないわよ!」

 

綾乃「でも…赤座さん。あかりちゃんとね…」

 

千歳「また明日って言うとったけど、何かあるん?」

 

綾乃「ふふっ、千歳でも内緒よ♪」

 

綾乃「じゃあ、また明日ね」

 

千歳「ほな、またなぁ綾乃ちゃん」

 

……

 

千歳「これもアリかも知れへん…」

 

綾乃(赤座さんと登校かぁ…)

 

綾乃(歳納京子に呼び出されたときは何事かと思ったけど、良かったわ…)

 

綾乃(明日の朝は、あか…りちゃんの家に行って…。なんだか可愛いのよねあの娘)

 

綾乃(手…繋ぐより腕組んだ方がいいのかしら…、でもでも、そんなの歳納京子に見られたら――

 

綾乃(ってなんなのよ歳納京子ってぇ!)

 

綾乃(まぁ、いいわ。取りあえず明日.........

 

 

――――――――

―――――

 

 

~翌日~

 

綾乃「ん~、朝…」

 

綾乃「って! 今何時…」

 

AM 8:26

 

綾乃「なっ…なんですってぇええ!」

 

綾乃「こんな時に電池切れなんて…」

 

綾乃「とにかく、赤座さんの家へ向かわないと―――

 

綾乃「来てみたけど…そうよね」

 

綾乃「…居る訳ない」

 

綾乃「取りあえず学校行かなきゃ……」

 

―――――

 ――

 

~校門前~

 

綾乃「あれは…赤座さん」

 

 

あかり「あ…おはようございます」

 

綾乃「ほ、本当に、ごめんなさい…言い訳なんて出来ないわよ遅刻なんてして…」

 

綾乃「ごめんなさい…」

 

あかり「い、いえ! そんな、あかりも遅刻しちゃいそうになって!」

 

あかり「今さっき家を出てきたので…"杉浦先輩"のせいじゃ、ないですよ」

 

綾乃「で、でも」

 

あかり「教室こっちなんで…また」

 

綾乃「あっ…うん…」

 

綾乃「って事があって、どうしたらいいか分からなくって…」

 

千歳「それは、災難やったね綾乃ちゃん」

 

千歳「うちは、誰も悪くないとは思うけど…」

 

綾乃「でも! 私から一緒に登校しようって…赤座さんも楽しみに――

 

千歳「綾乃ちゃん、"赤座さん"やなくて"あかりちゃん"やないの?」

 

千歳「まだ赤座さんのお姉さん役は終わっとらへんで…」

 

綾乃「……」

 

綾乃「そっか…」

 

綾乃「そう、ね。1日延長するって言ったのも私よね…」

 

 

綾乃「なら、私はやり通すわよ! 歳納京子の言われたからじゃなくってよ!」

 

千歳「それでこそ、綾乃ちゃんや~。やっぱり理想のお姉ちゃんやねぇ」

 

綾乃「なっ…。や、約束だから守るのよ!」

 

~放課後、和室前~

 

綾乃「姉らしく…姉よ。」

 

綾乃「なんて、入って行けばいいのかしら…ち、千歳ぇ」

 

千歳「いつもみたいでええんちゃう?」

 

綾乃「いつも…」

 

綾乃「この時ばかりは、歳納京子に…感謝するわ」

 

綾乃「すぅ~…はぁ…」

 

 

ガラッ.....

 

綾乃「歳納京子ーー!」

 

 

綾乃「じゃなくて、あかりー! 帰るわよ!」

 

京子「うわっ、綾乃!」

 

あかり「あっ…!」

 

あかり「杉浦先輩…」

 

綾乃「ほら、帰るわよあ…かり」

 

京子「どうしたんだよ~綾乃、遊びに来たと思ったらあかりをさらって行くし」

 

あかり「ああ~ちょ、ちょっとぉー」

 

 

――――――

――

 

綾乃「連れ出してしまった…」

 

綾乃「あの…」

 

綾乃「ごめんね、あかりちゃん。約束…」

 

あかり「……もう、良いですよ」

 

綾乃「……」

 

あかり「もう良いの…」

 

あかり「その…恥ずかしいけど…」

 

あかり「帰りに、"綾乃お姉ちゃん"が迎えに来てくれて嬉しかったから…」

 

綾乃「えっ…」

 

あかり「だから、一緒に帰りたいな…」

 

 

綾乃(そうなんだ、本当に良い娘で、本当のお姉さんが羨ましくなるくらい…)

 

綾乃「あかりちゃん、手繋ごうか」

 

綾乃「途中までだけど、帰って……」

 

あかり「…?」

 

綾乃「いや…」

 

綾乃「帰るわよ! あかりちゃん」

 

あかり「う、うん!」

 

~数ヵ月後~

 

結衣「京子、全身入るなよ邪魔だから」

 

京子『いいじゃ~ん、寒いし。みかんとってくれんかの』

 

ちなつ「ちょっと、コタツから出てから食べてくださいよ。中が汚れるじゃないですか」

 

ちなつ「明日、私が掃除当番なんでやめてください」

 

あかり「もう、京子ちゃんってばぁー、あかりのスペースが端の三角だけだよぉ~」

 

 

京子『お、足音がする。また綾乃達か』

 

綾乃「としのー京子!」

 

綾乃「と赤座さん、こんにちわ」

 

あかり「わぁ杉浦先輩だぁー!」 

 

綾乃「あ、赤座さんってば…って歳納京子がいない」

 

綾乃「まったく寒いなか来たって言うのに…手が悴んじゃったじゃない」

 

あかり「じゃあ、あかりが…」

 

ぎゅっ...

 

綾乃「手…あったかいわね」

 

あかり「本当に冷たいよぉ…」

 

綾乃「まだ離しちゃダメよ、”あかりちゃん”

 

    ずっとこうしていたいくらい暖かいんだから…

 

-----------------

 

end.

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