転生者が仮面ライダーになってヴィランしてるからちょっと殺してくる 作:日本人
ヘドロ
俺?俺はアリアと一緒に雄英受験の為に勉強三昧だよ。それに加えて俺はサポート科の試験に持ち込むサポートアイテムの整理、アリアは英霊の方々に鍛えられながら戦闘訓練と、休む暇なく過ごしていた。
そして今日────待ちに待った雄英受験日である。俺はアリア、出久と共に雄英の試験会場へと来ている。にしても、なぁ⋯⋯?
「デカすぎじゃね?」
「わかってはいたけどやっぱり大きいねぇ⋯」
「仮にも雄英だしこれくらいは普通だと思うけど⋯⋯」
上から俺、アリア、出久である。1人だけあんまり驚いてなかったのはそういう訳か。唯、一つだけ言わせてもらうけどな?
「試験項目に『戦闘』が含まれてるとか絶対に普通じゃないだろ」
「確かに⋯」
「オールマイトの母校だしこんなものだと思うけど⋯」
「「あぁ、成程」」
不思議と納得してしまった。確かにあんなバケモン排出してんだからこれくらい普通だわな。寧ろこの程度で大丈夫なのか心配になるくらいだ。
俺達がのんびりと雄英の馬鹿でかい試験会場の入口を眺めていると後ろから聞きたくもないクソ野郎の声が聞こえてきた。
「どけ!邪魔だテメェら!!」
「⋯⋯あぁ?朝からウザってぇ騒音がすんなァ?」
「ちょ!木場っちゃん抑えて!」
「ど、どうぞー爆豪くん」
「⋯⋯チッ!」
舌打ちしたいのはこっちだボンバーファッキューめ。朝から嫌なもん見ちまったぜ糞が。
「⋯⋯本当、爆豪くんと仲悪いね木場くん」
「寧ろあんな奴と仲良く出来る奴なんてそうそう居ねぇよ。出久もよくあんな奴と幼馴染やってるよな」
「⋯⋯えっと、かっちゃんもかっちゃんで優しい所はあるよ?」
「「ないない絶対無い」」
「そこまで言うっ!?」
だって爆豪が誰かに優しくするなんて天地がひっくり返ってもある訳ないだろ。そんな時が来たらそれこそ世界の終わりだ。
「っと、こんな所にずっと突っ立っとくのもアレだ。そろそろ俺達も行こうぜ」
「そうだね。それじゃ、試験終わりにまたね」
「おう。アリア達も頑張れよ」
「うん。木場っちゃんも頑張ってね」
「ま、精々サポート科1位を狙って頑張ってくらぁ」
そう言って俺は出久達と別れ、サポート科の試験会場へと向かった。
尚、出久と麗日との出会いを見る事が出来ない事に気づいて地味にショックだった。後でアリアに詳細教えて貰おう。
『今日は俺のライヴにようこそーーーー!!!!
エヴィバディセイヘイ!!!!?』
────シ────────ン。
沈黙が、痛過ぎる⋯⋯。てか何故にプレゼント・マイク?ヒーロー科の方の説明担当じゃ無かったのか?向こうの説明が終わったからこっちでもやってんのか?
『コイツはシヴィーーー!!!受験生のリスナー共!
今からサポート科実技試験の概要をサクッとプレゼンして行くぜ!!アーユーレディ?』
『YEAHHHHHHHHHHHHH!!!!』
シ────────────────ン。
いやもう良いから。これ以上沈黙が続いても痛々しいだけだから早く進めてくれ頼むから。
面倒な前置きから始まり、漸く概要を説明しだすプレゼント・マイク。
『内容は入試要項通り!サポート科志望のリスナー達にはこの後!!持ち込んだ自慢のアイテム達と共に模擬市街地演習を行ってもらうぜ!!!
演習場には1、2、3のPtが割り振られた仮想
演習後にはサポート科の教師に自分の作品をプレゼンして貰うぜ!!演習で実用性を示し、その後のプレゼンでそれを売り込む!!全てはリスナー達の腕に掛かってるって訳だ!!!』
サポート科志望の受験生に戦闘させる意味ある?てかこれある意味ヒーロー科より難易度高いじゃねーか。戦闘はそもそも荒事を想定してない連中からしたらだいぶキツいぞ。売り込みも、口下手な奴は厳しいだろうな。流石雄英。早速ふるいにかけてきやがったか。
『俺からは以上だ!では最後にリスナーへ我が雄英の校訓をプレゼントしよう!!
かの英雄ナポレオン・ボナパルトはこう言った!
「真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者」と!!
“
それでは皆良い受難を!!!』
⋯⋯無茶苦茶だなぁ。けど、
「雄英らしいっちゃらしいのか」
思わずポツリと呟き、俺は持ち込んだアタッシュケースを持ち上げて試験会場へと向かった。
────試験会場。例の例のだだっ広い街である。周りには多種多様なアイテムを抱えたサポート科の受験生達。『個性』の影響もあるのか奇っ怪な姿をしている者も居る。
────そんな連中が皆俺を見ていた。
「⋯⋯⋯」
『フッフーン!いやーやっぱりわかる人にはわかるんですねーこの魅惑のアイアンボディが放つオーラが!!マスターももっと可愛がってくれてもっあ痛ったぁ!!?なんでフレームを殴るんですかマスター!?』
このクソうるせぇバイクが原因だよド畜生め。思わずフロントフレームをぶん殴っちまった。
「うるせぇから少し黙ってろ『マリー』。気が散る」
『ぶーぶー!折角マスターの緊張をほぐして差し上げようとしたのにー!殴るなんてあんまあだだだだだ!!?ボディをグリグリするのやめて地味に痛いっ!?』
このバイクの名称は『オートバジン』。仮面ライダー555の専用バイクで通常のバイク状態から人型ロボットへと変わるバトルモードを備えたビックリマシンだ。
で、このペチャクチャとよく喋るのがオートバジンに俺が搭載した
こいつが出来た頃はもうちっとサディーみたいに物静かだったんだが⋯⋯⋯なんでこうなったやら。
『────はいスタートー!』
⋯⋯⋯⋯⋯ん?
『どうしたどうしたぁ!?実戦にカウントなんざねぇんだよ走れ走れぇ!!!
賽は投げられてんぞぉ!!?』
「バカやってる場合じゃねぇ!行くぞマリー!!」
『はいはーい!マリーちゃん頑張っちゃいますよー!!』
プレゼント・マイクの声が響き、すぐ様バジンに跨り、発進する。他の受験生が慌てている中、俺は先頭で市街地へと躍り出た。
『目標発見ブッコロス!!』
早速出てきやがったぜ仮想
『マスター!このままじゃぶつかりますよーー!?』
「構わん轢き殺せ!!」
『ブッコロス!!ブッコロ────〖ドグシャッ〗!!』
鈍い音を立ててバジンに踏み潰される仮想
『ううぅ~~。マスター後でしっかり整備してくださいよぉ?これ痛いんですからぁ~』
「わかったわかった。じゃ、さっさと殲滅するか」
『Rady』
バジンから降りて左ハンドルにミッションメモリーを装填して引き抜く。顕になったのは赤い刀身。ファイズの武器の1つであるファイズエッジだ。
『103 Enter』
『Single Mode』
更にファイズフォンをフォンブラスター形態に変更。ベルトは付けているだけで変身はしていないが充分戦える状態だ。
「マリー。バトルモードだ」
『Battle Mode』
『りょーかいです!連中を蜂の巣にしてやります!!』
「他の受験生巻き込むなよ?」
『失礼な!そんな事しませんよ!?』
オリジナルのバジンは何度もファイズを巻き込んで攻撃してるんだよなぁ⋯⋯。
『目標補足!ブッツブス!!』
「潰されるのはお前だタコ」
近寄ってきた仮想
『さてさてさーて!マリーちゃんもいきますよーー!!』
────バラララララララララララララ!!!!
空中に飛び上がって仮想
「んじゃ、精々俺らの糧になってくれや」
俺は獰猛な笑みを張り付かせながら仮想
────雄英入試試験会場 モニター室
「どうだ今年は?」
「いやー中々の豊作だな!全体的に動きが良い」
「特にこの爆発の『個性』の受験生。
試験会場のモニター室に響く複数人の声。彼らはいずれもプロヒーローである雄英の教師陣である。いくつかの
「そう言えば、サポート科の方は────どうした?パワーローダー」
1人の教師が困惑の声を上げる。周りの教師が名指しされたヒーロー────パワーローダーを見れば、否、サポート科担当の教師達が、なんというか、困惑というか、呆れというか、とにかく変な表情をしている。
「どうした?何か問題でもあったのか?」
「いや⋯⋯⋯この受験生なんだが」
「んん?受験番号0555の⋯⋯木場勇治?この受験生がどうかしたのか?」
「⋯⋯見てみろ」
それだけ言って端の方にあるモニターを顎で示すパワーローダー。最初に言った教師がそれを見、つられて何人かが同じモニターを見る。
────数秒後、彼らは一様にサポート科担当の教師達と同じ顔をしていた。
────左手の光る剣で仮想
────空を飛びながら弾丸をバラ撒き、仮想
「なんじゃこりゃ⋯⋯」
1人が思わず零した呟きに引かれ、他の教師達も次々と同じモニターに引かれ、一様に同じ顔をする。しまいには殆どの教師が同じモニター同じ顔という状態だった。
「この受験生随分といい動きだな?これでサポート科志望なのか⋯⋯」
「てかこのロボットなんだ?仮想
「その受験生が持ち込んだサポートアイテムだよ。しかもAI搭載と来た。これは決定だな」
「ん?この受験生2年の木場翼の弟じゃないか」
「本当だ。それに⋯⋯『無個性』?」
「おいおい『無個性』でこんな動きされたら俺らの立つ瀬がねーぞ」
概ね好評価の木場。ヒーロー科でも無いのにここまで注目されるというのはある意味偉業である。
やがて、ヒーロー科の受験会場から響いた轟音に教師達は引き戻された。
「お、0Pt
「相変わらずでけぇなぁホント」
「頑張れよ受験生。真価が問われるのは────」
────ここからだ。
「────ふっ、と。これで⋯⋯何Ptだったか」
『これで102Pt!まだまだいきますよーー!!』
「⋯⋯⋯やり過ぎたか」
やっべ、バジンがいるとはいえ、ついつい俺もはっちゃけ過ぎたなこりゃ。原作でも3桁行った奴なんて居なかった筈だろうに。
「仕方ねぇ。これ以上やったら他の連中の邪魔になるな⋯⋯。マリー!もう良いから戻れ!」
『えーー!?せっかく良いとこだったのにー!』
「つべこべ抜かすな!!さっさと元に────」
────ズシン
「────あ?」
地震?にしちゃあ短いが⋯⋯。
────ズシン
『マスター。ちょっと良いですか?』
「⋯⋯⋯何だ?」
────ズシン
『私、モーレツに嫌な予感がするんですけど』
「そうか⋯⋯そりゃ奇遇だな」
────ドガァアアアアアアアアン!!!
「俺もだよド畜生ォオオオオオオオ!!?」
『どひゃぁああああ!?』
ウッソだろお前。ビル群ぶち破って0Pt
「マリー!他の受験生逃がせ!このままじゃ死人が出るぞ!!」
『ええぇぇえええええ!!?マリーちゃんも逃げたいーー!!』
「ごちゃごちゃ言ってる暇があったら急げポンコツ!!スクラップにしてやろうか!?」
『ひぃいいいいいい!!わかりましたよ!やればいいんでしょやれば!!』
他の受験生を抱え、退避していくバジン。その間も0Pt
0Pt
「マジかよクソがっ!?」
あのままじゃ潰されちまうぞ!?雄英側も見てんだろうが!?なんで止めやがらねぇ!?
『マスター!避難完了です!私達も逃げましょう!?』
「マリー!あのデカブツの目を引け!」
『なんでそんなこと言うの!?もう逃げましょうよ!?』
「奴の足元に逃げ遅れた奴が居る!救出すんぞ!」
言うやいなや全力で走り出す。瓦礫が飛んでくるがフォンブラスターで破壊し、ファイズエッジで細かい破片を切り落としながら進む。
『あぁもう!?死んだら恨みますよマスター!?』
後方で射撃音が聞こえる。0Pt
その隙に奴の足元へ潜り込み、瓦礫に挟まれた女子の元へ辿り着く。
「オイ!無事か!?」
「な、なんとか⋯⋯」
俺の問いかけに力無く、それでもハッキリ答えるサイドテールの女子。どうやら最悪の事態は避けられた様だ。
一息つきたいところだがそうもいかない。さっさと救出して逃げちまおうか。
「ふんっ!ぬぬぬぬぬぬぬぬぬ⋯⋯⋯らぁっ!!」
力技で無理矢理瓦礫を退かす。クソ重いがオルフェノク化の影響で上がっている身体能力のお陰で難なく退かす事が出来た。
「立てるか?」
「っ⋯⋯痛っつ~~⋯⋯⋯ごめん、痛くて力が入らない」
「チイッ⋯⋯しゃあねぇ、ちょっと持ってろ」
サイドテールにファイズフォンとファイズエッジを渡して抱え上げる。所謂お姫様抱っこと言う奴だ。
「ちょ!?なんでこんなっ⋯⋯!?」
「悪いが文句は受け付けねぇぞ。これが1番負担がかからねぇんだからな。
────マリー!来い!」
『やっとですかマスター!?ってマリーちゃんが命懸けで時間稼いでたのに何ラブってコメってるんですかっ!?』
「アホな事抜かしてないで逃げるぞ!!」
『Vehicle Mode』
バジンをバトルモードからビーグルモードに変更、サイドテールを抱えたまま跨る。後はコイツが勝手に運転してくれるので俺はサイドテールを抱えて落ちないように捕まっとくだけだ。
『逃げるったって何処に!?』
「デカブツが出てきたヒーロー科の試験会場に向かえ!!サポート科の連中よりゃまともな動きが出来んだろ!」
『わかりました!んじゃさっさと逃げましょう!!』
言うやいなやトップスピードで駆けるバジン。無茶苦茶なスピードだがこれでも配慮している方だ。コイツが本気なら振り落とされてる。唯でさえデカブツのお陰で荒れまくった道を走ってるんだ。なりふり構わず言ってたら耐えきれずに振り落とされてるだろう。
「オイ、サイドテール!」
「それって私の事か!?」
「お前だお前!渡した剣にメモリースティックみたいなのが刺さってんだろうからそれ抜け!」
「こ、これか?」
上手いことミッションメモリーを引き抜いたのか赤い刀身が消えていく。忘れてたが抜き身のままで持たせといたら危ないから消して正解だったな。
そのまま柄を受け取り、バジンの左ハンドルに接続する。次にミッションメモリーをフォンブラスター状態のファイズフォンに戻させて受け取る。
さて、デカブツは⋯⋯⋯ってよそ見してやがる!?
「こっち向けやデカブツゥ!!」
『106 Enter』
『Burst Mode』
フォンブラスターをバーストモードにして撃ちまくる。無茶苦茶に撃ってるので大して当たらないが、何発かは当たって奴の装甲に凹みを付ける。奴は俺を認識したのか、複眼をこっちに向け、ゆっくりと迫ってきた。
よし、上手いことこっち向いたな。
「マリー!このまま引き付けろ!」
『あぁもうAI使いの荒い!?注文多すぎです!?』
「おい!引き付けて、それからどうすんの!?」
「んなもんぶっ壊すしかねぇだろが!!」
「そんな事出来るの!?」
「俺が知るか!!」
「なんなんだよそれぇ!?」
あぁもう耳元で騒ぐなよ!?暫く走り続けていると、前の方に人影がいくつか見える。恐らく他の受験生だろう。どうやら逃げている途中のようで、他の受験生を抱えている者も見られた。
奴らの横を通って追い越し、連中の目の前に停止する。驚いた様な顔をしてるが生憎とくっちゃべっている暇はない。
「オイ!そこの⋯⋯目付きの悪いヤンキーっぽい奴!!」
「お、俺か!?」
どっかで見た事のあるヤンキーが前に出る。俺はヤンキーにサイドテールを渡した。
「コイツ連れて早く逃げろ!例のデカブツが来てんぞ!!」
行ってる間にも轟音が聞こえてくる。見れば既に300m程の距離にまでデカブツが迫ってきていた。
「急げ!!」
「わ、わかったがお前はどうするんだ!?」
「どうするか?んなもん────」
『555 Enter』
『Standingby』
ファイズフォンにコードを入力、そのまま頭上に掲げ、勢いよくベルトに挿入する。
「────ぶっ飛ばすに決まってんだろうが!
変身!!」
『Complete』
機械音声が響き、ベルトから赤いフォトンストリームが全身に延びる。赤い輝きに包まれた俺は、1拍置いて仮面ライダー555へと変身した。
「か、仮面ライダーだと!?」
「驚いてる暇があるならさっさと逃げろ!敵は待ってくれねぇぞ!!」
「っ!⋯⋯⋯すまん!!」
そう言って背を向けるヤンキー。やっと行ったかと思ったら今度は馬鹿でかい掌にガシッと捕まれる。何事かと思えば例のサイドテールが手を巨大化させて俺を掴んでいた。
「ま、待てって!?お前も一緒に⋯⋯!?」
「⋯⋯気持ちはありがてぇが答えはNoだ」
「で、でもあんな奴を無理して倒す必要なんて⋯!」
⋯⋯良い奴だなサイドテール。この状況で他人の心配出来るんだから。でもな?
「お前らヒーロー目指して
「────ヒーローは、どんな事があろうと逃げちゃいけねぇんだよ」
そうだ、彼らは────仮面ライダー達は決して逃げなかった。どんな理不尽があろうと、敵が強大だろうと、決して!
仮にもそんな彼らの力を使ってんだ!そんな俺が逃げてたまるかよ!!
「マリー!!やるぞ!!奴の気を引け!」
『ええい、こうなりゃヤケです!!?』
『Battle Mode』
再びバトルモードになって空中へと舞い上がるバジン。
俺はその間に腰のファイズポインターにミッションメモリーを装填、脚部に装着する。
『Ready』
『Exceed Charge』
ファイズフォンを開きEnter。チャージが開始され、ベルトからフォトンブラッドの光点が足のポインターへと装填される。
「マリー、合わせろ!」
『あいあいさーー!』
俺はその場で、思いっきりデカブツに向かって飛び上がる。更に目の前に割り込ませたバジンの背を蹴ってデカブツの全長よりも高く飛び上がった。
サマーソルトの動きで体勢を整えながらポインティングマーカーを射出。赤い円錐が奴の顔面に突き立ち、奴の動きが止まる。
「クリムゾンスマッシュ!!食らいやがれぇええええええええええ!!!!!」
そのまま俺はマーカーを通じて奴に全力のクリムゾンスマッシュを叩き込む。バキバキと奴の装甲が砕け、中の機械部を晒す。
「ハァアアアアアアアアアアアッッッ!!!!」
そのまま奴の顔面をぶち抜き、地面に着地する。デカブツの目の前にΦの文字が浮かび上がり、次の瞬間には奴は爆散し、粉々に砕け散った。
「⋯⋯⋯やった、か」
『し、死ぬかと思った~~~』
俺の横に降り立ち、両手を着いて疲れたアピールをするバジン。一息ついてるとこ悪いんだが⋯⋯、
「どうやらまだ終われねぇみたいだ」
『へ?』
間抜けな声を上げるマリーに顎で指し示す。その方向からは、オールマイトを先頭に雄英の教師陣がゾロゾロとこっちに向かってくるところだった。
それを見たマリーは到頭崩れ落ち、俺は面倒事の匂いに溜息をつくのだった。
「────さて、それじゃあキミについて話してもらっても良いかな?」
あの後、教師陣に囲まれた俺は目の前で変身を解除し、戦闘の意思が無いことを証明するとこのネズミ────じゃ無かった。確か雄英高校の校長の根津⋯⋯だったっけ?の所に連れてこられた。バジンとファイズギアは回収され、俺の周りに待機しているヒーロー達の一人が持っている。
「話すってのは具体的には何を?」
「そうだね⋯⋯色々あるけど、とりあえずはキミの目的、そしてこのアイテムについて。後は⋯⋯正体、かな?」
目的にギアについて、それと正体ねぇ⋯⋯。
「目的は雄英サポート科の受験。そっちは自作のサポートアイテム。正体って言われても⋯⋯プロフィールはそっちに行ってるはずだが?」
「そう、あくまで
裏の顔、あるんだろう?」
⋯⋯⋯やっぱ唯のネズミじゃねぇや。こりゃ隠し通すのは無理かね。
そう思った俺はオールマイトへと目を向ける。
「つー訳で説明頼める?オールマイト」
「⋯⋯⋯やっぱり君だったか」
「おや、オールマイト。彼とは知り合いかい?」
「はい。3年前、そして昨年私が遭遇した仮面ライダー。その正体が────」
「────俺、って訳で」
「へぇ⋯⋯それがキミの裏の顔、って訳かい」
もう1つ別の顔があるんだが別に言うことでもないので黙っておく。
「で、俺が持ち込んだあのベルトがライダーズギア3号のファイズギア。
俺が発見した新エネルギー、流体光子エネルギーフォトンブラッドをエネルギーとする対
「新エネルギー⋯⋯⋯そして3号という事は⋯」
「3年前の奴がプロトタイプの1号のデルタギア。
ヘドロの時のが2号のカイザギアだ」
「まさか学生の身でそこまでの⋯⋯⋯」
「信じ難いな⋯⋯」
周囲の教師達から声が漏れる。正直超人だらけのヒロアカ世界じゃそんな驚くような事でも無い気がするけど。
「ふむ⋯⋯⋯では何故あの姿なんだい?」
あの姿────仮面ライダーの姿の事を言っているのだろう。
「そりゃあれがコピーだからさ。オリジナルの姿を真似た、限りなく本物に近い劣化版、とでも言おうか?」
「⋯⋯⋯その口振りだとオリジナルは元からあの姿をしているのかい?」
「ああ。ちなみに言うが、世間を騒がせている仮面ライダー共も同じだ。スーツのスペックは知らんが、中身は偽物だよ」
「⋯⋯本物は彼らの様な人物ではない、と?」
(来た!)
その質問を待ってたぜネズミさんよ。俺はここぞとばかりにまくし立てる。
「たりめーだ。そもそも『仮面ライダー』ってのは
それが仮面ライダーだ。間違っても自分の欲望のままに好き勝手してる連中とは一緒にすんな」
「⋯⋯⋯そんな話は聞いたことがないがね?」
そりゃそうだ。特撮番組の中の話なんだから。しかも異世界の。だけどな、彼らが抱いていた信念は本物だ。それを『聞いたことがない』の一言でスッパリと切り捨てさせるつもりは無い。
「そりゃそうだ。彼らはいずれも大半が、仮面ライダーになった事が原因で命を落としているからな」
────ある者は身体を改造され、代償として寿命の大半を失った。
────またある者は守るべきもののために、己の存在が消え去る事を承知で仮面ライダーとして戦った。
その生涯は、まさに壮絶。俺如きでは憧れることすらおこがましい生き様。彼等の事を『男が惚れる漢』と言うのだろう。
彼らの生死は、この場においては真実ではなく、かと言って嘘でもない。というか正直関係無い。が、こうやって彼らがいかにも存在したように言えばコイツらの中では、
『仮面ライダーとは、人知れず
となってくれる。これが今の俺に出来る最適解だ。
話し終え、一息着いてみれば部屋は静寂に包まれている。この時ばかりは、常日頃から笑顔を絶やさないオールマイトですら神妙な顔つきだった。
しばらくして、沈黙していたネ⋯⋯根津が口を開いた。
「⋯⋯⋯キミは、サポート科に入ってどうするつもりだったのかな」
「まだいくつか再現しきれてないものかあるんでね。製作費用の削減と『雄英入学者』と言うハクを付けたかったってのが本音。卒業したらヴィジランテにでもなって偽ライダー共を狩るつもりだった」
あ、余計な事言っちまった。何か言われるかと思ったが根津は黙って考え込んでしまった。何を悩んでるか知らんけどさっさと帰らせて欲しいのが本音だ。
「校長」
帰っていい?と続けそうになるが自重。話しかけたのは、オールマイトだった。
そのまま根津の耳に口を寄せ、何かを囁く。ん?根津がこっちを見た?
そのままオールマイト達は二言、三言話すと唐突に笑顔で向き直った。なんかもう嫌な予感しかしないんですけど?
「木場勇治くん。我々雄英はキミを歓迎しよう!」
────唐突な合格通知。いやまあ早い事に越したことはないんだが、
「
⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯なんて?
感想、評価、誤字報告などよろしくお願いします。