転生者が仮面ライダーになってヴィランしてるからちょっと殺してくる   作:日本人

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原作勢で強化予定は緑谷、爆豪、轟。まだ増えるかは分からぬ。


クソネズミ(校長)をぶん殴りたい木場っちゃん。テストはアリアの独壇場

────さて、あのクソネズミどうしてくれようか。

あの後、そりゃもちろん必死に抵抗したさ。俺はサポート科を受けたのであってヒーロー志望では無いのだから。

が、クソネズミと来たら「キミをサポート科にしておくのは惜しい」だの「何かあったらヒーロー科にいてくれた方が対処しやすい」だのこっちの話なんざ聞きゃあしない。腹が立ったので特性トリモチ爆弾を投げつけてやった。全身がトリモチに埋まっていた気もするが構いやしない。だってドブネズミだし(暴論)。

流石に向こうも無茶苦茶なのは自覚していたらしい。頑なにヒーロー科入りを拒む俺に代用案を出してきた。

それが『ヒーロー科とサポート科の兼科』である。普段はヒーロー科の生徒として行動し、任意でサポート科の授業や設備を使わせてもらえるそうだ。

授業なんぞはどうでもよかったので設備だけ使わせてもらうことにした。流石雄英。米国防総省(ペンタゴン)クラスのコンピューター設備とか凄すぎたろ。

まぁこんな訳で今日は雄英高校への入学初日。かねてから中の悪かったクソ両親に絶縁状を叩きつけ、ラボでの一人暮らしになった俺は意気揚々と雄英に登校しようとしていたのだが⋯、

「翼。何でここにいやがる?」

「ん、ゆーじと一緒に行きたかったから」

ビックリしたよ、イヤホント。朝起きたらベッドの中に入り込んでるんだもん。

 

しかも全裸で。

 

マジで危なかった。血が繋がってなかったら襲ってたかもしれない。翼って俺の好みどストライクな美少女だから尚更。おかげで俺の約束された勝利の剣(エクスカリバー)がフォイヤーしてしまう所だった。

「別にゆーじなら⋯⋯いいよ?」

「駄目に決まってんだろが実の姉弟だぞっ!?」

コテン、と首を傾げながらサラッととんでもない事を言う翼に全力のツッコミを入れる。やべ、朝の翼の裸思い出しちまって俺の約束された勝利の剣(エクスカリバー)がぁぁぁぁあああア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!?

「てめ、何で俺の股間に手を伸ばす!?」

「ん、苦しそうだったから。抜い────」

「言わせねぇよ!?マジで落ち着け!すぐ収まるから!?」

「⋯⋯⋯手がダメなら口で」

「なお悪いわぁぁぁぁああああああ!!!!!!」

待って待って待って?ホントにやめよう?おい、ズボンのベルトに手をかけるなシャツを脱がせようとするなパンツをずり下ろそうとするなぁ!?

「こうなったら、実力行使」

「つばっ⋯!?やめ、んむぐうっ!?」

き、きききききききキスゥ!?つ、翼の顔が目の前に⋯⋯⋯あ、ちょっ、舌を入れるな!?ま、ホントやめ────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アッ────────!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「朝からどっと疲れた⋯⋯⋯⋯」

「あ、あははは⋯⋯⋯」

「なんと言うか⋯⋯ご愁傷様」

あの後全力で翼から逃げてからの登校。校門近くで出久やアリアと合流し、今は俺達の所属クラスの1-Aの教室へと向かっている最中だ。

疲労困憊の俺、苦笑いの出久、ニヤつきながらこちらを見ているアリアと朝っぱらからここまで独特なトリオだと自分でも思う。

てかアリアテメェコノヤロウ何ニヤついてんだコラ。

よし、後でマルタの姐さんに鉄拳聖裁してもらうからな。「ギャーーー!?」という悲鳴を無視しつつ廊下を歩いていくと『1-A』と記された教室を発見した。にしても、扉がデカい。

「うわ、でっかいドアだなぁ⋯⋯」

「異形型個性の奴とかもいるから配慮してんだろ」

「あ、なるほどね」

「あの試験を潜り抜けたエリート達か⋯⋯

怖い人達じゃないといいなぁ⋯⋯⋯」

残念だが出久や、その願いは叶わないぞ。あのクソボマーがいるからな。

俺自身あのボンバーマン(爆豪)と関わりたくないのだがここまで来たら仕方ない、腹を括ろうか。

扉を開き、教室の中に入る。で、だ。

「机に足をかけるんじゃない!!先輩方や製作者の方々に申し訳ないとは思わないのかね!?」

「思わねーよ!!テメーどこ中だよ端役が!!」

「ボ⋯⋯⋯俺は私立聡明中学出身の飯田天哉だ」

「聡明だ~~~!?クソエリートじゃねぇか!ぶっ殺し甲斐がありそうだなぁ!!」

「ブッコロシガイだと!?君は本当にヒーロー志望か!?」

ほらいたよボンバーファッキューとメガネ委員長(飯田天哉)。初日から元気のいいこった。

しばらく言い合ってるうちに飯田の方が俺達に気づいたらしくこちらに近寄ってきた。

「俺は私立聡明中学出身の────」

「き、聞いてたよ!僕は緑谷出久でこっちの2人が、」

「アリア・ペンドラゴンだよ!よろしくね」

「木場勇治だ」

「そうか!よろしく頼むよ!で、緑谷くん⋯⋯」

ずずいっと飯田が出久に詰め寄る。剣呑な雰囲気ではないので放っておいていいだろう。俺は───

「テメェが何でヒーロー科(ここ)いやがる馬野郎!!」

「木場だって何度言ったらわかりやがる〇マイン!!」

「どうでもいいんだよんなことはよォ!!いいからさっさと答えろやカスが!!」

「んなもんあのドブネズミに聞きやがれ汚物製造機が!!俺だって元々はヒーロー科に来るつもりなんぞ無かったつーの!!!」

「じゃあさっさと失せろや馬刺し野郎が!!」

「出来たら苦労しないんだよウニヘッド!!」

額をカチ合わせて罵倒し合う俺と爆豪。周りは唖然としてるし出久はオロオロしている。で、アリアは相変わらずニヤついてやがる。お前マジで源流闘争(グレンデルバスター)喰らわしてやろうか。

「き、君達!止めないか!」

「「あぁ!?」」

仲裁に入る飯田を思わず睨みつけたら爆豪と被りやがった。畜生何でこんな奴と⋯⋯。

一瞬狼狽えた飯田だがすぐに持ち直す。クイッと眼鏡を上げ、ビシリと俺達を指さした。

「君達はヒーロー志望なのだろう?ならばヒーローに相応しい言葉遣いと態度を心掛けてだな────」

「るせぇぞクソメガネ!!黙ってろ!!」

「コイツと意見が被るのは癪だが右に同じだ。てか俺そもそもヒーロー志望じゃねぇぞ」

「な、何だって!?」

さっきも言ったじゃん聞いとけよ。俺の言葉に軽くザワつく教室。まぁヒーロー科に居るのにヒーロー志望じゃないとかナメてんのかって話だしな。

「それじゃあ君は何故ヒーロー科に来たんだ!?」

「さっきも言ったがここの校長のクソネズミに入れられたんだよ。あんのクソネズミめ足元見やがって⋯⋯⋯」

「く、クソネズミ!?」

思い出したら腹たってきたから今度校長室にマタタビ大量に送り付けてやろうと思う。

てかよく見たら出久とアリア達普通に麗日と話してんじゃねぇか羨ましい。俺だってもっと原作勢と絡みたいのに畜生め。

「────お友達ごっこがしたいのなら他所に行け」

「え?」

入口付近にいた出久が振り返る。そこには寝袋にくるまってミノムシみたいになっている無精髭の男がいた。

そう、1-Aの担任のイレイザーヘッドこと相澤消太である。てか生で見ると唯の不審者だなこの人⋯⋯。

そのままコロコロと転がりながら教室に入って来た相澤先生はゆっくりと寝袋から出て立ち上がる。

「ハイ、君達が静かになるまで8秒かかりました。君達はどうも合理性に欠けるようだ」

((((いや誰だよ!!!?))))

この時、俺とアリアを除く全員の心が一つになった気がするのは気のせいじゃないと思う。

「初めまして。担任の相澤消太だ。よろしくね」

「たっ、担任!?この人が!?」

知 っ て た。

再びザワつく教室。まぁこんな小汚いオッサンが教師とか誰も信じないだろう。前情報が無かったら俺もそうだ。迷わずに110番通報してた自信がある。

「早速だがコレに着替えてグラウンドに出てもらう」

そうして取り出したのは体操服。受け取ってみると妙に生暖かい⋯⋯⋯。オッサンの懐で温められた体操服とか嬉しくねぇ⋯⋯⋯。

「さっさとしろ。時間は限られてるんだからな」

「⋯⋯⋯出久、行こうぜ」

「あ、うん。それじゃあ麗日さんまた後でね」

「うん、また後でね!」

目の前でラブコメるな甘ったるい。腹いせに軽くからかってやろうか。

「じゃあ出久。ついでにナンパの成果を聞かせろや」

「へ!?べ、別にそんなことして無いよ!?」

「とぼけんなよ。さっきの子と随分親しげだったじゃないか」

「麗日さんには試験の時助けて貰ったから⋯⋯」

しどろもどろになる出久。反応が素直だからついからかってしまう。

⋯⋯別に女子と話してたのが羨ましかったからとかじゃないからな?本当に違うからな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────個性把握テストォ!!?」

グラウンドに出て唐突に告げられて誰かが叫ぶ。こんな理不尽なカリキュラムなので当然ちゃ当然なんだが。

「入学式は!?ガイダンスは!?」

「ヒーローになるならそんな事をやってる暇は無いよ」

麗日の問いをバッサリと切り捨てる相澤先生。

俺としては有難い。あのクソネズミの顔を見て冷静にいられる自信が微塵もないからな!反射的に4000万Vの新型スタンロッドをケツに叩き込んでしまうだろうと思う。

「雄英の校風は『自由』が売り文句。それは教師側もまた然りだ」

一様に?を頭の上に展開するクラスメイト一同。だからなんなんだ、といった風だ。

「これから行うのは『個性』アリの体力テストだ。ソフトボール投げを筆頭とする8種の種目、まずはコレで自分の最大限を知る。それこそがヒーローの素地を形成する合理的手段」

そこで言葉を区切り、俺に顔を向けた。

「木場。中学の頃のソフトボール投げの記録は?」

「382m」

⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯。

「すまん、もう一度言ってみてくれ」

「いやだから382m」

⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯。

「⋯⋯個性は使ってないのか?」

「生憎と俺は無個性でしてね。元々サポート科志望でしたし。

それをあのドブネズミが⋯⋯⋯⋯」

「⋯⋯取り敢えず投げてみろ」

「了解しました、っと」

円の中に入り、グルグルと肩を回す。さて、あれから結構鍛えたがどんなもんになってるかねぇ。

「んじゃまぁ────オッラァッ!!!!!!」

全力で、思いっきりソフトボールをぶん投げる。普通ソフトボール投げは曲線を描くように飛ぶモノ。が、そこはオルフェノククオリティだ。俺の場合ストレートでぶん投げた方が良く飛ぶ。

『442m』

「うしっ、こんなもんか」

「⋯⋯まぁこうやって自分自身の限界を測るわけだ」

と、そこでクラスメイト達がザワザワと騒ぎだした。

「何だコレ!すげー()()()()!!」

「個性思いっきり使えるのか!!流石ヒーロー科!!」

「てか無個性で442mて⋯⋯⋯ホントに人間?」

オイコラそこの仏陀風耳たぶ女⋯⋯⋯⋯確か耳郎響香だったか?たしかにオルフェノクだけどキチンと俺は人間だっての失礼な。

「面白そう⋯⋯⋯か。ヒーローになる為の3年間をそんな腹積もりで過ごす気なのか?」

クラスメイトの()()()()という発言に相澤先生の空気が変わる。そこには得体の知れないオッサンの姿は無く確かに、プロとしての風格を感じさせた。

「よし、トータル成績が最下位の者は見込み無しとみなし、()()()()としようか」

「は、ハァアアアアアッ!?」

「そんな無茶苦茶な⋯!?」

「生徒の如何は俺達教師の()()。ようこそ、だ。これが雄英高校ヒーロー科だ」

まさに理不尽。が、理不尽を覆して行くのがヒーローと言う存在だ。望んで来た訳じゃ無いが生憎と除籍されるつもりも無い。

「久々に本気、出しますか、っと」

 

 

 

 

第一種目:50m走

 

「────って、アリアと走るのか」

「ありゃ、嫌かな?」

嫌ってわけじゃ無いんだがな⋯⋯⋯⋯。

()()()()()()?」

「うーん⋯⋯今日は兄貴の気分!」

「⋯⋯⋯先生。巻き込まれたくないので俺とアリアを別にしてください」

「駄目に決まってるだろう非合理的な」

「ですよねー」

俺が相澤先生と交渉し、撃沈してる間に既にアリアは召喚を開始している。

 

 

 

『────来たれ、光の御子よ。

呪いの朱槍を携えし最速の大英雄。

汝が御名はクランの猛犬、大いなる神の血を継ぎし太陽の末裔也!!』

 

 

「来て、()()()()()()()!!」

その名を唱えた瞬間、彼女を中心として赤い光が周囲に放たれる。

が、それも一瞬のことで、光が晴れた先にはそれまで居なかったはずの男が立っていた。

────青タイツに紅の槍を携えた蒼髪の男。その瞳は紅く輝いている。

どう見ても槍ニキですありがとうございました。

「────ようマスター!久々だな」

「兄貴ーー!おひさーー!!」

頼もしげな笑みを浮かべた兄貴に笑顔で抱きつくアリア。取り敢えず周りが固まってるみたいなので説明する事にする。

「アレはアリアの『個性』の『召喚』によって呼び出されたモノです。こちらが敵対行動を取らない限り無害なので安心してください」

「⋯⋯⋯内容は?」

「いわゆるオカルトの権化ですね。いくつかの制約はありますが仮令死人だろうと空想上の怪物だろうと好き勝手に呼び出す事が出来ます」

「とするとあの男もその類か?」

「名前くらいは聞いた事があるでしょう?

ケルト神話の大英雄クー・フーリン」

「本人だと?」

「正確には()()()()()()()()()()()()()()()です」

まさか本人ですと言う訳にも行かないので適当にでっち上げる。

「神話上の英雄達を呼び出す場合、名を冠するに相応しい実在の人物が呼び出される事になっています」

「⋯英雄本人に最も近しい人物、という訳か」

「といってもスペックは10%前後まで落ち込んでますけどね」

どっちにしろバケモンスペックなんだけどね。

「⋯⋯まぁいい。走れ」

「結局一緒なのか⋯⋯」

「おいおい坊主、そんなに嫌うなよ?」

「アンタが一緒じゃ俺が吹き飛ばされかねないんだよ⋯⋯」

「安心しな、手加減はしてやるよ」

「安心出来ねぇ⋯⋯」

「位置につけ。始めるぞ」

相澤先生から催促されたので俺はクラウチングスタートの体勢に、兄貴は槍をしまってアリアを抱える。

「位置について⋯⋯⋯始め!」

「ッ!」

「────っと」

『0:00』

「「「「「は?」」」」」

『4:21』

兄貴から4秒遅れで俺もゴール。周りは兄貴の驚異的な記録に目が点。相澤先生ですら信じられないといった表情をしているから面白い。

「よっと、終わったぜマスター」

「やっぱ兄貴は速いねー。流石最速の英霊」

「ハッ、当然だろ?」

そこ、呑気に会話してないでこの状況何とかしてくれ。進まないから。

 

 

『7:02』

やはり出久はワンフォーオールを使わない。いや、使えない。強大すぎるパワーに肉体が耐えきれていないせいで体を壊してしまうというデメリット。残りの種目を骨折した状態で過ごす訳にもいかず、封印せざるを得ない。

⋯⋯⋯ちと早すぎる気もするが、今後の事を考えればこれが最適か。

「出久」

「あ、木場っちゃん⋯⋯」

元気が無い様子の出久。焦っている様にも感じる。そんなキミにアドバイスってな。

「出久。2Lの水を500mlのペットボトルに押し込めようとしても無駄だぞ」

「⋯え?」

分かりにくいかもしれんがあえて直接的な表現は避ける。俺としても出久には成長して欲しいからな。

「入れるなら、2Lのペットボトルにだ」

「木場っちゃん⋯?」

「あとは自分で考えろ」

さて、どうなる事やら?

 

 

 

第二種目:握力

 

『349kg』

「よし、こんなもん────」

「やっちゃえ、バーサーカー!!」

「■■■■■■■■■ーーーーー!!!!!」

 

────バキャバキャバキャァッ!

 

「⋯⋯⋯⋯」

「おいこれ3tまで測れる奴なんだけど!?」

「壊すなよ。タダじゃないんだから」

「ご、ごめんなさーい」

「■■■■■■⋯⋯⋯⋯」

 

 

 

第三種目:立ち幅跳び

 

「うおらっ!!」

『82m』

「マスター 行こう」

「よっし!哪吒ちゃんGOー!!」

『∞』

「⋯⋯⋯⋯」

 

 

 

第四種目:反復横跳び

 

「フッ!フッ!フッ!」

『217回』

「マーリンバフお願い!!」

「お任せを。夢の様に片付けよう」

「よっし、それじゃとわばァ!!?」

「うわ、足滑らせたと思ったら木に頭から⋯⋯」

「⋯⋯⋯」

 

 

第五種目:ソフトボール投げ

 

「いや自重しろよマジで!!!」

「えー」

何で呼び出してるのが揃いも揃って神代の英霊ばっかなんだよ!?マーリンは違うけどどっちにしろグランドじゃねーーか!!

今ならマジでこいつ一人某A国落とせると思う。これで10%ってんだから笑えない。

「なあなあ!お前らスゲーな!」

「お?」

「えっと、君は⋯⋯」

「俺は切島鋭児郎!よろしくな!」

「俺は木場勇治。こっちがアリア・ペンドラゴンだ」

「よろしく!」

ツンツン髪こと切島が話しかけてきた。断じてマイクチェックをする方ではない。

「なあ、木場って無個性なんだろ?」

「ああ」

「何でそんなに身体能力高いんだ?強化系の個性って言われた方が納得出来るんだが⋯」

「無個性の俺を『出来損ない』とかぬかしたクソ両親を見返したかったのと憧れてる人に近づきたかったから、だな」

「お、おう。なんかすまん。聞いちゃいけねぇ事聞いちまったな⋯」

「気にすんな。今じゃもう他人だからな」

なんたって顔面に手切れ金の500万と一緒に絶縁状叩きつけてやったしな。

⋯⋯+で言えば翼から貞操を死守するためと言うのもあるが。

その後も上鳴や芦戸などのメンツが話しかけてきたので互いに自己紹介する。耳郎にはさりげなく人を人外扱いした恨みがあるので耳たぶを思いっきり弄ってやった。時折艶めかし声が聞こえてドキリとしたのは内緒である。

 

 

 

 

 

 

 

「そうこう言ってるうちに出久の番か⋯⋯」

「あ、ホントだ」

⋯⋯マズイな、表情に余裕が無い。完全に追い詰められて思考の袋小路に陥ってる時の顔だなありゃ。周りもマズイと思っているのか、麗日や飯田も不安気な顔だ。

「緑谷くんこのままではマズイな⋯⋯」

「たりめーだろが。無個性の雑魚だぞアイツは!」

「無個性だと!?彼が入試時に何をしたのか知らんのか君は!?」

ボンバーファッキューが何か言ってるが無視。飯田も律儀に答えんで良いのに。

そして出久がボールを投げる。結果は────

 

『46m』

「な!?今確かに使おうと⋯!?」

「個性を()()()

動揺する出久に告げる相澤先生。出たなヒーローとしての顔が⋯⋯!

「消した⋯⋯⋯そうか!視るだけで他人の個性を消す『個性』!!

抹消ヒーロー『イレイザー・ヘッド』!!」

説明どうも。クラスメイトの大半は知らないようなので有難いだろう。

そして相澤先生による出久への説教。そして決定的な言葉を放った。

「────緑谷出久、お前はヒーローにはなれないよ」

さて、ここからどうする出久⋯?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出久side

 

相澤先生に言われた事は、悔しいけれど正しい事だった。僕は所詮オールマイトの力を手に入れただけの無能。勇気と蛮勇は違うという事を改めて見せつけられた。

────オールマイトは勇気を持ったヒーロー。僕は蛮勇を振りかざす事しか出来ない約立たず。

分かってはいた。それでも直視したくなくて目を背けていた事実に、僕は押しつぶされそうだった。

「ボール投げは2回だ。早く済ませろ」

(どうする?どうするどうするどうする!?)

力の制御なんて出来ない。かといってこのままでは何も結果を残せない。

完全な詰み、諦めろ。と心の中で誰かが言う。

お前には無理だ。と誰かが罵る。

お前はヒーローにはなれない。と告げられる。

(僕は⋯⋯⋯⋯ヒーローに、なれない?)

いやだ。

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!

『君は、ヒーローになれる』

(オールマイトが!そう言ってくれた!!)

だからこそ僕はこんな所で終われない。終わる事が出来るはずがない。

ふと、僕の夢を応援してくれた親友の言葉が思い浮かんだ。

『オールマイトに?あんまりオススメは出来ねぇけど⋯⋯⋯でもまぁ────』

 

 

 

 

 

『────夢を語るお前は、すげぇカッコイイと思うよ』

 

 

 

 

 

「ッッッッ!!」

全身に力がみなぎるような感覚。錯覚だってのは分かってる。でも、確かに木場っちゃんの言葉に後押しされた。

『入れるなら、2Lのペットボトルにだ』

あの言葉の意味も、ようやく理解出来た。

僕はこれまで一部分にのみワンフォーオールを発動させてきた。それも100%の力を。それを僕の腕が耐えきれるはずもなくバッキバキに折れるのみだった。

要するにキャパシティオーバー。容器に収まりきれなかった。

(なら、容器を大きくすればいい!!)

右腕のみではなく、全身。赤いラインが全身に広がり、今度こそ全身に力がみなぎってきた。名付けるなら〝フルカウル〟といった所だろうか。

「S────MASHっ!!!!」

『1472m』

全身が痛い。でも骨が折れてるわけでも筋繊維が断裂している訳でもない。まだ、立ってる。

「先生⋯⋯まだ、やれます!!」

「コイツ⋯⋯⋯!」

見れば木場っちゃんが満足そうな笑みを浮かべてこちらを見ている。僕は無言のサムズアップ。木場っちゃんも返してくれた。

「どういう事だテメェ訳を言えやデクコラァ!!!」

「うわっ!?」

唐突にブチ切れたかっちゃんが襲いかかってきた。

が、相澤先生の包帯に絡め取られ、拘束される。

「んだこれ⋯っ!固ぇっ⋯!」

「ったく、何度も個性を使せるな⋯⋯

 

俺はドライアイなんだよ」

((((凄い個性なのにもったいない!!))))

多分この時は全員の心がひとつになっていたと、僕は思う。

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これにて一件落着ってな」

どうやら上手い事行ったらしい。出久サムズアップしてきたので俺も笑顔で返しておく。

爆豪?勝手にキレて勝手に拘束された馬鹿なんぞ知るか。今はあんな奴の事なんぞ忘れて出久のフルカウル習得を祝う事にする。

 

で、結局長座体前屈は普通で上体起こしは94回とまあまあの結果だった。アリアもこればっかりはどうしようも無いので素直に受けていた。

ラストの持久走で、またやらかしやがったよアリアのアホ。

兄貴を再び呼び出して1:00とかアホみたいな記録をたたき出しやがった。俺は15:20。やりすぎどころじゃねぇだろオイ。

そんなこんなでテスト終了後、結果発表なのだが⋯⋯、

「ちなみに除籍は嘘な」

「「「はーーーーーーーーーー!!!!!!?」」」

数人、主に出久がスゲー顔してた。もうお前お化け屋敷やれよというレベルでスゲー顔。

ハァッと溜息を着いたのは八百万だった。

「あんなの嘘に決まってますわ⋯⋯⋯少し考えれば分かることでしょう?」

リアルお嬢様言葉キターーー!!!おっとゲフンゲフン平静を保たねば。

呆れた様に言う八百万だが残念ながら本気どころかもっとヤバかったんだよな俺ら。

「確かあの人去年1クラス丸々を1人除いて除籍にしてるぞ」

俺の一言に固まる一同。と同時に顔を青ざめる者もいる。自分達が相当ヤバかったのを理解したようだ。

ちなみに当然ながら除籍されなかった1人は翼である。ウチのねーちゃんマジTUEEEE。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、全ての授業を終えた俺たちは帰路についていた。メンツは俺、アリア、出久、飯田、麗日だ。自己紹介も済ませてるので話はスムーズだった。

「デクくん凄かったよね!こう⋯⋯バビューン、て!」

「あ、うん⋯えっと」

「麗日。デクじゃなくて出久だ」

「え?でもあの爆豪て人がデクって言ってたけど」

「デクってのは出久の読みを爆豪くんがバカにして読んでるだけであだ名って訳でもないよ?」

「つまりは蔑称か」

「つーわけさ胸糞悪ぃ」

「うーん⋯でも私は好きかな。ほら「頑張れ!」って感じがして」

「デクです」

「「「緑谷(出久)くん!!!?」」」

それでいいのかお前は⋯⋯⋯。




オリキャラスペック紹介その2

木場翼
容姿:黒髪ロングのスレンダー系美少女。主人公の好みを全て備えている最強のヒロイン(てか作者の好み)。
性格:無口、という程ではないが基本無表情で感情の起伏に乏しい。が、勇治曰く、「機嫌がいい時は時たま犬の尻尾が見える」とわかりやすいらしい。
個性:銃翼
・広げると全長8m近い大きな翼を背中から生やして空中を飛び回ることが出来る。羽は弾丸として使用可能。威力はウッドチップ弾からアンチマテリアルライフルまで幅広い。
備考
・木場勇治の実の姉で、木場両親が勇治を『出来損ない』と蔑む一方で深い愛情をそそいでいた。
そのせいで勇治を一人の男性として愛しており、将来の目標は姉弟間での結婚をする為に憲法を改正すること。
雄英高校の2年生で、相澤による除籍祭りを唯一回避した猛者。並の(ヴィラン)ならワンパンKO出来るくらいの戦闘力を誇る。
好きなものは木場勇治。
嫌いなものは両親。













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