転生者が仮面ライダーになってヴィランしてるからちょっと殺してくる 作:日本人
だって男の子だもん。
僧坊ヘッドギアというイレギュラーに遭遇し、クソネズミとスマートブレイン社長村上峡児としてのツテを使って俺がいたことを揉み消した翌日。
⋯⋯⋯分かってはいたけど戦ってばっかだなぁヒロアカ世界。でも僧坊ヘッドギアのは仕方ないと声高に言わせて欲しい。オールマイトやエンデヴァーらトップヒーロー達は別の事件で手が離せなかったらしい上、援軍が来る気配も無かったんだからな。
さて、今日は待ちに待ったUSJ襲撃当日。今日の為にわざわざ学校サボって準備してきたので準備は万全である。
それにしてもUSJ⋯⋯⋯USA⋯⋯⋯IS〇A⋯⋯うっ、頭が⋯⋯。
「今日のヒーロー基礎学は俺、オールマイトに加えもう1人の教師で見ることになった。
行うのは
「レスキューか⋯⋯今回も大変そうだな」
「でもヒーローの本分だぜ?むしろ腕が鳴るぜ!」
「ケロ、水難なら私の独壇場ね」
教壇に立つ相澤先生がそう告げる。生徒達はそれぞれ不安を口にする者、やる気を見せる者など様々だ。
「今回はコスチュームの着用は自由だ。訓練所はバスに乗って行く。時間は有限だ、合理的にな。以上だ」
⋯⋯⋯俺に出来るのは死者を1人も出さない事、そして敵が強化されてない事を祈るばかりである。
「こういうタイプだったかくそう!!」
「意味なかったねー」
飯田が無駄に気合いを出して空回りし、芦戸か無自覚に傷口を抉ってくバス内。ちなみに俺の隣は上鳴と最近影が薄いアリア。まあ普通だ。
「木場くん?なんか失礼な事考えてない?」
「⋯⋯気の所為だろ」
何でこういう時、女って感がいいんだろう。結構ドキッとするからやめて欲しい。
「貴方の個性、オールマイトに似てるわね」
「え、えぇ!?」
あ、出久が蛙吹に話しかけられてる。モテるなぁあいつ。なんか無自覚に女何人か落としてそうなんだが(偏見)。
「そ、そうかな!?でも、その、僕のはえーとその」
「まてよ、オールマイトは怪我なんかしねえよ。似て非なるモンだろ」
落ち着け出久動揺し過ぎだ。そんな態度じゃ何かありますって言ってるようなもんだぞ。そして切島ナイスフォローだ。ボロが出る前で良かった。
「しっかしシンプルな増強型の個性はいいよな!派手で出来ることが多いし!
俺の『硬化』は対人戦じゃ強えけどどうも地味なんだよなー。特に応用法もねぇし」
「応用⋯⋯⋯だったら木場っちゃんに聞いた方がいいよ。そういうの考えるの得意だし」
出久がそう言うと俺に視線が集まった。え、ここで俺?
「木場、そうなのか?」
「いや⋯、別に得意ってわけでもないが」
「なんか思いつく事があんなら教えてくれねえか?俺そういうの考えるの苦手なんだよ」
硬化の応用法ねぇ⋯⋯。
「切島、とりあえず個性見せてくれ」
「?おう、いいぞ」
そう言って硬化した腕を差し出してくる。ん⋯⋯⋯これ皮膚が硬くなってるわけじゃねぇな。どっちかっつったら⋯⋯鉄分か?てことは⋯⋯あーそういう事か。
「切島、お前自分の個性についてどの程度把握してる?」
「把握⋯⋯つっても硬くなるぐらいしかわかんねぇな」
「ん、まぁ普通分かるわけねぇから仕方ねぇか」
「どういう事だ?」
「お前の個性を詳細に言えば『体内の鉄分を使って身体に硬度や粘度を操作可能な金属を生み出す個性』だ。副次効果として体内に大量の鉄分を蓄積できる、ってとこか」
「お、おお?」
「き、木場っちゃんそれって⋯⋯」
本人はよく分かってないみたいだが出久はこの個性の凶悪さに気付いた様だ。
「そうだ、上手く扱えば刀剣類や鎧をほぼ無制限に生み出せる」
「しかも粘度を操作して打撃系統の攻撃を無効化できる⋯相手に向かって射出すれば拘束も⋯!」
「鼻っから斬撃系統も効かないし敵の攻撃に合わせて体から金属の刃でも突き出しゃカウンターし放題だ」
「熱とかの絡め手には弱いけどそれを差し置いても強い⋯⋯」
「早い話、物理攻撃が効かない
詳細に説明してやったしこれなら切島でも理解出来るだろ。
「あー、つまり⋯⋯どういう事だ?」
訂正、こいつなんも分かってねぇ⋯!
「要するに切島の個性は体内の鉄分から金属を造れてそれを操れる、って事でしょ?」
「あ、あぁ!成程な!芦戸サンキュー!分かりやすかったぜ!」
「おまっ!丁寧に説明してやったのにそれはねぇだろ!?」
「正直二人して何言ってるのか分からなかったわ」
「ひでぇ⋯⋯」
「そ、そんなに分かりにくいかな⋯⋯?」
ショックを受ける俺と出久。え、大分噛み砕いたよ?それで分かりにくいって俺ってもしかして教えるの下手?
「い、いやそんなハズは⋯」
「じゃあ馬鹿な上鳴くんでも分かるように上鳴くんの個性の応用法をどうぞ!」
「しれっとディスられた!?」
上鳴か⋯⋯うん、こいつなら大丈夫だろ。
「電撃系統の個性はやれる事が多いからな。電磁浮遊、プラズマ操作、
「ぷ、ぷらず⋯⋯れーるが⋯、何?」
「すまん、こいつが理解出来る単語が思いつかん」
「ごめん、そもそも馬鹿な上鳴くんが理解出来る訳ないよね」
「え、何、俺が悪いのか!?」
「おい、そろそろ着くぞ。いい加減にしとけ」
⋯⋯うし、切り替えていきますか。
バスから降りて演習場内に入る。
「すっげーー!!USJかよ!?」
「火事、水難、土砂災害その他諸々。あらゆる事故や災害を想定してつくられた演習場。
その名も
(((((ホントにUSJだった!!!)))))
宇宙服を着たヒーロー13号がここの担当教師だ。個性は『ブラックホール』。ぶっちゃけ作中でもトップクラスにチートな能力である。
ん、なんかヒソヒソ話してるな⋯⋯⋯あ、オールマイトか。確か限界ギリギリまで活動して顔出せなかったんだった。
「えーでは始める前にお小言を1つ2つ⋯⋯3つ4つ⋯」
(((((増える⋯⋯)))))
「皆さんご存知だとは思いますが僕の個性は『ブラックホール』。どんなものだろうと吸い込んでチリにしてしまいます」
「それで災害から人を救い上げてるんですよね」
出久の言葉にすごい勢いで首を縦に降る麗日。ファンなんだっけか。その言葉に首肯する13号先生。「しかし」と続ける。
「一歩間違えば簡単に人を殺せる力です。皆さんの中にもそういった個性を持つ人がいるでしょう。
今の社会、資格制度によって個性を管理していますがそれでも人を容易に殺せる行き過ぎた力を個々が有している事に変わりはありません」
知っている。が、思わず13号先生の言葉に聞き入る。
「オールマイト先生の授業で各々が自身の個性の危険性、そしてそれを他人に向ける危うさを理解したと思います。この授業では誰かを傷つけるのではなく、誰かを助ける為に個性を使い、どう活用するかを学んで欲しいと思っています」
彼のように自らの力の危険性を理解している者は希少だ。一般人、
「以上、ご清聴ありがとうございました」
気付けば自然と拍手が漏れていた。現代のヒーローもなかなか捨てたもんじゃない、と彼を見ていると思えてくる。
────視界に、異物が入り込んだ。
黒いモヤの様なモノ。ゆっくりと広がるそれから現れた────途方もない悪意。
「全員一塊になって動くな!!13号!生徒達を守れ!!」
教師達、そして原作を知っている俺とアリア以外は状況を理解しておらず動けないでいた。
そんな中────俺は1人で前に出た。
「っ!?待て!木場!!」
待ってる訳には行かなくなった。手マンこと死柄木弔、これはいい。ワープゲートの黒霧、これも問題無い。連中の切り札の脳無────
(ここで来るかよイレギュラー!!)
だが、予想はしていた。だからこそ用意していた。俺はコートの中から
「は⋯⋯」
「くらいやがれクソ
M134 通称ミニガン。毎分2000発という脅威の連射力を誇る化け物。それが、
────バララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララ!!!!!!!!
弾丸は一応ゴムステン弾。それでも当たり所が悪ければ死ぬだろう。が、脳無二体相手に加減なんぞしてる余裕は無い。下手すりゃこっちが殺られるのだから。
⋯⋯そのまま二、三分程打ち続けただろうか。カラカラと銃身が空回りを始める。弾切れだ。
俺はそのままミニガンとマント内に仕込んでおいた弾倉を投げ捨てる。連中は────健在だった。
「⋯⋯⋯あっぶな。イキナリゲームオーバーなんて笑えない⋯」
その目を見て────怖気が走った。原作の脳無では無い、赤銅色の脳無だ。アレは他の脳無の様な操り人形では無い。ヤツは俺を見て、“
思わず後ろに後ずさる。それ程までに奴の視線が悍ましかった。
「⋯⋯⋯今は何も言わん。下がれ」
肩に手を置かれた。相澤先生だ。
「他の奴らには指示を出しておいた。お前も逃げろ」
「⋯⋯駄目です。相澤先生の個性じゃ相性が悪過ぎる。せめて俺だけでも援護します」
「それこそ駄目に決まっている。お前は“子供”で、俺は“大人”だ。大人には子供を守る義務がある。分かったらさっさと行け」
なおも食い下がろうとするが後ろに引っ張られた。13号先生だった。個性で俺を引き付けたようだ。
「今は相澤先生に任せましょう。さぁ皆さん避難を!」
「⋯⋯クソっ!!」
不味い、このままでは確実に相澤先生は死ぬ。勝ち目なんぞある訳が無い。助けに行こうにも13号先生が邪魔をする。ここに来て味方に邪魔されるとは思わなかった。
「────させませんよ」
避難する13号先生達の進行方向に立ち塞がる黒いモヤ。黒霧だ。
「はじめまして雄英高校の皆さん。我々は
────平和の象徴に息絶えて頂きたいと思っての事でして。
平和の象徴、つまりはオールマイト。この国の最強のヒーローを、殺す。黒霧はそう言った。生徒達は驚愕に包まれる。
「しかし妙ですねぇ⋯⋯先日頂いたカリキュラムではここにオールマイトが居るはずなのですが⋯⋯」
そんな生徒達を他所に呑気に喋る黒霧。そこに、いち早く立ち直った切島と爆豪がせまる。
爆破と硬化した拳が迫る。黒霧は慌てる様子もなくそれを回避した。
「危ない危ない⋯⋯そう、生徒と言えど優秀な金の卵、か。なら────散らして、嬲り、殺す」
「ダメだ!二人とも退きなさい!!」
13号先生は射線に爆豪達が被っていて攻撃出来ない。かく言う俺も為す術が無い。
────黒の奔流に、俺達は何も出来ず呑み込まれた。
「う、おおお!?」
霧が晴れると目の前には地面。咄嗟に受身を取って顔面ダイブだけは回避する。
「うわっ!?」
「きゃっ!」
「ヘブっ!?」
他に飛ばされたのは耳郎、八百万、上鳴か⋯⋯。上鳴が顔面ダイブしてるのはいいとして、だ。
「キシシッ!お前らァ!獲物が来たぞぉ!」
この
俺はカイザフォンからサディーに連絡を入れる。特に時間も掛からず繋がった。
『マスター、例の
「察しが良くて助かる。お前はUSJ外に
『マリーはどうします?』
「アイツはセントラル広場に向かわせろ。戦力不足でかなりピンチだ」
『了解しました。マスターは?』
「俺は山岳エリアに居る。余裕があるなら助けに来てくれ」
『任務了解。命令を遂行します』
「キシシッ。なんだ?家族への連絡でも済ませたのか?」
「上鳴、お前の個性で連絡着くか?」
「ダメだ、全く繋がらねえ」
「恐らくジャミング系統の個性持ちがいるのかと思われます」
「つまりはウチらだけで何とかするしかないと⋯」
「まあ何とかなるだろ」
「お、おいおいなんでそんなに余裕なんだよ!?」
「見た感じ三下のチンピラばかりだ。俺達なら充分倒せる」
「⋯どっちにしろ戦うしかありませんわ」
『Code 913 Enter』
『standingby』
「そういうこった。変身!」
『Complete』
俺が変身するとザワりと
「お前らは3人で背を向けあって戦え。そうすりゃ隙も最低限で済む。八百万は2人のために武器創ってやれ。特に上鳴は長期戦に向かねぇからな」
「分かりました!木場さんは!?」
「自前のモンで充分だ!」
言うやいなや俺は動揺している
「ギャブゥ!?」
あっさりと他を巻き込んで吹っ飛んでいったそいつから隣の大柄な異形型
ふむ、他の連中含め武器持ちが多いな。俺はミッションメモリを引き抜いてブレイガンに挿入、ブレイガンをソードモードに変更する。
「どうした?かかって来いよ」
「ナメてんのかガキィ!!」
ハンマー持ちがハンマーを振り下ろす。それを横に躱してフォトンブラッドの弾丸を叩き込み、後ろから近寄ってきた鳥
「ハッ!隙だらけだ!!」
「お前がな」
態々声掛けてたら奇襲の意味がねぇじゃねぇか。ご丁寧にテンプレな奇襲を仕掛けてくれたモヒカンゴリラに回し蹴りを叩き込んで
うん、やっぱり大した事ねぇな。
「このまま全員始末して早く救援に────」
────ビビビッと虫の羽音の様な音が後方で聞こえた。
「っ!」
反射的にその場にしゃがんで後ろからせまるナニカを回避する。それを好機と踏んだのか
ナニカが向かった方向を見れば────羽音の正体らしきカブト虫型の機械を手に持った男が立っている。その腰には、見覚えのあるベルトが巻かれていた。
「おま⋯⋯えは!」
「よォ兄弟。早速で悪いが────死んでもらうぜ」
男が、カブト虫────カブトゼクターをベルトにセットする。
「変身」
『HENSIN』
鋼色の装甲が男を包む。間違いない。ああ、間違いないとも。こいつは俺が探していた者の一人────転生者だ。
男は更にゼクターを操作。その動作に見覚えのある俺は咄嗟に叫んだ。
「全員伏せろォ!!」
その言葉に反応出来たのは、上鳴達や数人の
「キャストオフ」
『CAST OFF』
その言葉と共に奴の装甲が弾け飛ぶ用にパージされる。俺の叫びに反応出来なかった者達────全員が
『CHANGE BEETLE』
「へぇ、避けたのかよ。やるじゃん」
「そう言うお前は味方だろうと容赦無しかよ。えぇ?」
「ハッ、こんなゴミ共が味方?んなわけねぇだろ精々が捨て駒だっつの。つまんねえ冗談はよせよ兄弟」
「誰がテメェなんぞと兄弟だ?反吐が出るぜゴミ野郎が」
「オイオイつれないねぇ」
おちゃらけた態度に腹が立つがぐっと堪える。こいつには、聞かなければならない。
「1つ、聞かせろ」
「あん?」
これだけは、聞かなければならないのだ。
────正直、仮面ライダーの力を使って
「お前は、なんで仮面ライダーの力を使っているにも関わらず
「⋯⋯なんだよ、そんな事か」
誰もが“ヒーロー”としても仮面ライダーを愛している。そう思っていた、否、思いたかった俺の希望は────
「楽しいからに決まってんじゃん?」
────あっさりと打ち砕かれた。
「こんなすっげぇ力があるんだぜ?そりゃ好き勝手に使いたいと思うだろ?てかあるんだから使わなきゃ損じゃん」
⋯人間、極限まで怒りが溜まると一周まわって冷静になるという事をこの時俺は学んだ。腸はとうの昔に煮えくり返っている。それでも思考は不自然なくらいクリアだった。
「⋯⋯お前の言いたい事はよく分かったよ。俺から言う事は一つだけだ」
「お、なになに?なんか面白い事?」
冷静な心の奥底で、ドロドロとして怒りのマグマが噴火寸前まで煮えたぎって居る。俺はそれを────
「死に晒せクソ転生者」
────目の前のゴミに向けて一気に解き放った。
感想評価、誤字脱字報告お願いします。