いやあの、これお試しなんだけど、こんなに評価貰っちゃっでいいんだろうか…?
いや、うれしいんだけどね?
「っつ……ああ、もう。遅いわね!!」
言って勢いよく屋根から降りる。
と、そこにあったモフモフ()の上に盛大にダイブした。
「な、何でござるか!?」「んな!?」
モフモフが悲鳴を上げる。
ついでに見知った声も聞こえてきた。
思わず瞳を輝かせる。
「あ、会いた……コホン。いえ、丁度良かった。私、待ち合わせをしているのだけれど、貴方、背がそれなりに高くて、色黒で白髪のどことなく頼りなさげな男をみなかったかしら?」
「い、色黒で、白髪……。」
眼に見えて慌てだす漆黒の全身鎧。
モモンガの変装()姿を確認したアスタルテがタイミングを見計らってメッセージを送る。
【驚きましたか。モモンさん。】
【え゛、まさかベアトリーチェさん!?】
【はい!ちょーっと残ってた殻を弄ってついてきちゃいました。】
【驚いたなんてもんじゃありませんよ。SE.RA.PHは?いいんですか?】
【SE.RA.PHは白野とメドゥーサが管理してくれています。それにこれは元々王国との関わりのために生み出した器ですから、気にしないでください。】
メッセージとは裏腹に軽くむくれたかのようにアインズ……ならぬモモンを見るアスタルテ。
慌ててモモンが話を合わせる。
「ふむ……色黒に白髪とは赤い外套の男で間違いないかね?彼ならば今しがた依頼人の方に用があるからと店の場所を聞いて去っていったところだが……。」
そんな丁重な会話()をしていると彼らを囲む住人達の視線と話声に目が行く。
「ちょっと、あの子もしかして……。」
「ああ、服装やらは噂と違うが間違いない。アスタルテだ。」
「ああ、あの。でも何でリ・エスティーゼの冒険者が……?」
「さあな、ただ今回はストッパーのエミヤさんがいないみたいだ……ここも更地になんのかねえ……。」
集まる野次馬から目を逸らしたモモンは咳払いを一つしてアスタルテに視線を戻した。
「あー……あの、アスタルテ…さん。どうやらあなたはリ・エスティーゼの冒険者らしいが…何故此処に?」
「はあ?そんなの会いたいからに決まって……んんっ。じ、実はある薬屋に用があって仲間と一緒に来たんだけれど……あいつ町に着くなりどっかいっちゃったのよね……で、仕方がないから屋根の上から捜索してたんだけど埒が明かないから下に降りようとしたところだったの。まあ、藁の代わりくらいにはなったから一応感謝するわ。」
「はあ……。」
至って普通のあからさまに戸惑ってますと言った態を装ったモモンを、今度は何か興味を持ったかのような視線をわざとらしくよこすアスタルテは口の端に笑みを作ってひとりでに頷く。
「うんうん。対応はちょっとアレだけれど、あなたよく見るとなかなかいい感じじゃない。いいわ、貴方のこれからに期待を込めて私からこれを進呈してあげる。喜びなさい。」
言って、魔封じの水晶を手渡した。
それを見ていたらしき住人たちからはおおっと感嘆の声が上がるがこの際それは無視だ。
というか無視してメッセージのやり取りを続ける。
【ちょっこんなとこで目立つような行動を……というか王国の冒険者?いえそれよりもなんでこんなに有名人なんですか!】
【あー…それはちょっと……不可抗力と言いますか実は来て最初の時かなり王国から冷遇されまして……キレた私が憂さ晴らしに王城半分くらい潰しちゃったんですよね……この肉体で。】
【は!?】
【で、そのまま戦争ごっこ()になったんですけど向こうは既に半死半生みたいな感じで、最後に懇願される形で王国担当SE.RA.PH外交官と王都リ・エスティーゼのアダマンタイト級冒険者を兼任することになって、今に至ります。】
【ま、ぶっちゃけ日本でいうところの御霊信仰みたいなものですねー】と楽し気に語るアスタルテに内心でそうですか……という呟きとともにモモンは肩を落とした。
どう収集をつけたのだろうか……。
そんな会話を続けていると向こうから何やら人が走ってくるのが見える。
息を切らしながら走ってくるその姿をよく見てみるとモモンと先程まで採集任務に携わっていたニニャという名前の可愛らしい少年だった。
「ぜっ…ぜっ…も、げほっ。モモン、さん!!」
「どうしました。他の皆さんは……」
モモンの前で立ち止まり肩で息をしながらも、必死で二ニャは訴えかける。
「た、大変なんです!!実は、荷運び中にみんなが、襲われて!!」
と、ともかく来てください!!とモモンを連れていく。
そして、そのあとを追いかけるハムスケとアスタルテ。
クレマンティーヌの居なくなったこの世界で現れた襲撃者とは―――!?
なーんて、次回予告風()にしてみたり…?
うん、ごめんなさい。あとからまた付け足すと思う。
恐らく次回と一緒に