【完結】偽りの幸せとクズの結末   作:光の甘酒

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ごめんなさい、最終回にならなかったです・・・・
許してください!なんでもしません!
それにしてこれはいつからさよひな小説になったのかな?かな?
ちょぴりシリアス強めかもしれませんね。





第13話 偽りの幸せとクズの結末Ⅰ

あたしは・・・なにをやってるんだろ。

 

鼻をすする声、嗚咽。

そして嗅覚を刺激する甘さが混じった匂い。

色々なモノが混じりあってこの空間は出来上がっていた。

 

 

「なんで・・・?陽葵くん・・・・!」

「いやです・・・・いやです・・・・・!目を開けてください・・・!」

 

 

沙綾ちゃんも燐子ちゃんも泣いている。でも、あたしは涙一つ流れてこない。

 

 

「昔付き合ってた女の子に刺されたんですって」

「でもその子、今は檻のついた病院にいるって・・・・」

「逃げ出したらしいわよ・・・・」

 

 

おばさんたちが輪を作ってそんな話をしている。

他にも様々な憶測が飛び交い、それぞれ好き放題喋っている。

 

 

 

―やめて

 

 

あなたたちに陽葵の何がわかるっていうの?

 

 

「なんでこんなことになったのかな・・・?」

 

 

あたしは思い返す。あの日、運命が変わってしまった時のことを。

 

 

 

 

「なんで・・・お前が・・・」

 

“キャアアアアアアアアアアアアアア!!!!”

“おい!人が刺されたぞ!”

“あの女の子!刃物を持ってるぞ”

 

 

その場は混沌に変わる。

でも違う。そんな場合じゃない。

 

 

「何してんだお前ええええええええええええええええええ!」

 

 

我に返ったあたしは・・・・キレた

即座にその女の子の腕を掴み、刃物を手から捻り落としたあと、地面にたたきつけて抑え込んだ。

 

 

「違っ!ワタシは・・・陽葵を・・・陽葵を刺すつもりなんてなくて!台無しだ!陽葵!!ワタシはあなたに幸せを奪われて、あんなところに閉じ込められて!だから陽葵じゃなくてあなたを幸せにするものを奪うためにワタシはここに来たのに・・・・!」

 

 

陽葵を刺した女の子はかなり動揺していた。

その服装は病院で入院患者が着るような装いで足にはサンダルと街中に出るにはかなりアンバランスな恰好だった。

 

 

「そんなことはどうでもいいッ!おとなしくして!!!」

「離せええええこの女あああああああ!殺す!殺してやるううううう!!!」

 

 

すると周りで見ていた人たちも取り押さえるのに協力してくれて、あたしはすぐに彼のもとに駆け寄った。

 

 

「陽葵!!しっかりして!!!」

 

 

彼は血が出るお腹を押さえてぐったりしている。

 

 

「因果・・・かな」

「え・・・?」

「あいつ・・・昔俺を刺したヤツなんだ・・・・」

 

 

明かされる事実。

 

 

「そんな・・・なんで今頃・・・・!?」

「恨みに有効期限なんてない。今まで俺がやってきたことを考えると・・・俺はこんな風に報いを受けるのは仕方のないこと・・・なのかも・・・」

「そんなことない!どんなワケがあろうと人が人を刺していい理由にはならないよ!ねえ陽葵、しっかり!気を確かに持って!」

 

 

あたしは上着を脱ぎ、陽葵の傷口に押し当て、圧迫する。

 

 

「おねがい・・・!とまって・・・とまってええええええええ!」

「そんなことしたら上着が汚れちゃうよ・・・・?」

「そんなことはどうでもいい!」

 

 

いけない、陽葵の声がどんどん弱弱しくなっている・・・

 

 

「なあ日菜・・・」

「なに?」

「あいつのことは・・・恨まないでやってくれ。今までのツケが回ってきたってだけの話なんだ。あいつをあんな風にしたのは俺、なんだから・・・・」

「わかった!わかったからしっかりして!!

 

 

陽葵の力がどんどん抜けていく。

なんで?なんでこれが最後みたいな言い方をするの?

 

 

「でもな、日菜。人に迷惑ばっかけて傷つけて・・・助けられてばっかでいた俺が・・・最後に誰かを・・・日菜を助けることができたんだ・・・・よかった・・・・っておも・・・う・・・よ・・・・」

「最後だなんていうなバカ!!!」

 

 

陽葵からついに出てしまった“最後”という言葉。

それに対しとにかく否定したくて、とにかく大声で、はっきりとあたしは叫ぶ。

 

 

「ははは・・・日菜でも動揺するんだな・・・てかお前が刺されそうになったのも俺が原因だから偉そうなこといえないや・・・・」

「弱気にならないで!どうしよう・・・・血が・・・血が止まらないよ・・・・」

 

 

それだけ圧迫しても流れ出る血はあたしの上着を朱く染め上げる。

 

 

「でもやっぱ・・・死ぬのは怖いや・・・せっかく・・・日菜と・・・ちゃんと付き合えるように・・・なったのに・・・な・・・・」

「そうだよ!これからじゃん・・・・コラ陽葵!まだ夜じゃないよ!?寝ちゃダメ、寝ないで!!!」

 

 

その瞬間、救急車が到着し、救急隊の人が駆け寄ってきた。

 

 

「けが人は!?」

「こっちです!もう意識が・・・・!」

「・・・!これはいかん。すぐに病院へ。おい!止血と応急手当だ!あなたはお知り合いですか?」

「は、はい!」

「では一緒に病院まで」

「わかりました!」

 

 

ちょうど警察も到着し、あの子は確保されたようなのであたしは救急車に乗り込む。

 

 

「お願い・・・頑張って、陽葵・・・・!」

 

 

 

 

―そして今に至る。

 

・・・でもあの時のことを思い出しても仕方がない。

もう、過去は変えられないんだから。

 

あたしはやがて考えるのをやめ・・・・目を閉じて横たわり、話すことのできない陽葵を背に歩き出した。

そのあとしばらくして自分の部屋に閉じこもってしまったんだ。

そう、まさにあの時の陽葵のように。

 

あの時は腑抜けになった陽葵をあたしが叩いたけど、逆はない。

あたしがどれだけ腑抜けになろうとあたしを叩きなおしてくれる人は―

 

 

もう、いないんだ―

 

 

 

 

ここはどこ・・・・・?

ああ、あたしの部屋だ。

部屋からほとんど出ず一日中虚無を感じているあたし。

あれから何日たったんだろう?

充電をしていないスマホはとうに電池が切れており何日かも、何時かもわからない。

でもどれだけ落ち込んでいてもお腹は空く。

その瞬間だけはキッチンに誰もいないのを見計らって適当なものを拝借して部屋で食べる。

そんな生活が続いていた。

 

 

「陽葵のこと言えないや」

 

 

ふとよぎる陽葵の顔。

しかしその瞬間。陽葵のことを思い出した瞬間、突然涙があふれだしてしまった。

 

 

「え・・・?あれ・・・?おかしい・・・な。涙が・・・うう・・・ぐす・・・・」

 

 

そこからはダムが決壊したかのように涙があふれ、そして声を上げて泣き始めてしまった。

 

 

「陽葵・・・・!なんで・・・なんでえええええええええ!あああああああ!」

 

 

一度解かれた制御は収まらない。

あたしは泣く。ただひたすら声を上げて泣く。

 

 

「日菜!!!」

「・・・ぐすっ・・・おねえ・・・ちゃん?」

「日菜!大丈夫!?ってなによこの部屋!?」

 

 

おねーちゃんはあたしの部屋を見回して一言。

そう、あたしの部屋はかつての陽葵の部屋のようになっていたからだ。

そんな惨状になっていることすらあたしは自分自身で気づいていなかった。

 

 

「日菜・・・あなたの悲しみの深さは痛いほどわかるけど・・・でもこのままじゃあなたが壊れてしまうわ!」

「・・・あたしは大丈夫だよ」

「こんな状況を見せられてはいそうですかとはいかないわ。日菜、一度部屋から出ましょう」

「・・・・っといてよ」

 

 

あたしは・・・いってはいけないことをいってしまった。

 

 

「もう放っておいてよ!おねーちゃんに何がわかるの!?」

「ひ、ひな・・・?」

 

 

ダメだ。これ以上は言っちゃダメ。

 

 

「あたしが・・・・・」

 

 

やめて。とまって、あたし。

 

 

「あたしが刺されてればよかったんだ」

「-ッ」

「あたしが刺されていれば!そうすればこんなことには・・・・こんなことにはならなかったのに・・・・!!!!」

 

 

バシッ!!!

 

 

刹那。大声を上げたあたしの頬にすさまじい衝撃が走り、目を開けると―

 

 

「・・・・・!!」

 

 

そこには大粒の涙を流して手を挙げているおねーちゃんの姿があったんだ。

 

 

「お、おねーちゃん・・・・?」

「言っていいことと・・・悪いことがあるわ・・・」

 

 

これは同じだ。

 

 

「あなたがその人を想うように・・・ここにあなたを想う人がいるのをどうしてわからないの!!!!!」

 

 

あの時の・・・・ボロボロだった頃の陽葵と一緒なんだ。

 

 

「どうして私をもっと頼ってくれないの・・・?せっかくまたちゃんと話せるようになって、たった二人の姉妹なのに。あなたがいなくなったら私は・・・・私は・・・!だから冗談でもそんなこといわないで」

 

 

 

絞るような声で言われたあたしは気が付いた。

あの時の陽葵と同じってことはこの現状はダメってこと。

今のあたしはあの時の陽葵でおねーちゃんがあの時のあたしってこと。

 

 

「・・・・ごめんね、おねーちゃん」

「ひな・・・?」

「あたし・・・勝手に一人で、全部諦めて・・・おねーちゃんに迷惑かけちゃった」

「・・・妹は姉に迷惑をかけるものよ。でもいなくなるような迷惑のかけ方はしないで」

 

 

涙を流しながらもほほ笑むおねーちゃん。そしてそのままあたしに歩み寄り、そのままおねーちゃんのあたたかさがあたしを包んだ。

 

 

「おねーちゃん・・・・おねーちゃあああああん・・・・」

「好きなだけ泣きなさい。今日は全部・・・私が受け止めてあげるわ」

 

 

あたしは大声でひたすら泣いた。

その間おねーちゃんはずっと抱きしめていてくれて、しばらくしてあたしはその胸の中で眠ってしまっていた。

 

 

 




うーん、日菜キャラなんだこれ!
まあ最初から違ってたしいっか!


次回も引き続きよろしくお願いいたします!
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