【完結】偽りの幸せとクズの結末   作:光の甘酒

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SFチックになっていますが真エンドってことで大目に見てくれると嬉しいです。
わかりにくかったごめんなさい!
今回は陽葵視点です。





-Grand Finale-
EX1.偽りの幸せとクズの結末-HAPPY END-Ⅰ


気が付いたら体が動いてた。

俺の腹部に鋭い痛みが走り、力が抜け、その場に倒れこむ。

 

 

「なんで・・・お前が・・・」

 

 

そういった瞬間-

 

すべて、すべてを思い出した。

あの時の光景を・・・・

 

 

 

 

「おいおい、前を向かないと危ないぞ」

「へーきへーき!ほら、陽葵も早く早く!」

 

 

俺は調子に乗ってた。

日菜に告白し、受けいれてもらえた。その事実がなにより嬉しかったんだ。

しかしその幸せは突然幕引きを迎えた。

 

 

ドンッ!

 

 

「あっすみません・・・・・・!?」

「ほらみろ日菜、人にぶつかったじゃないか・・・・日菜?おいどうしたんだ日菜?」

「は、陽葵・・・・」

 

 

日菜らしくもない弱弱しい声で俺の名前を呼ぶ。

その刹那―

日菜は倒れこみ、その背中からは真っ赤な鮮血があふれ出し、ぶつかった女の手には血に染まった刃物があった。

 

 

「ひ、日菜ああああああああ」

「あはははははははは!ざまーみろ陽葵!ワタシに・・・ワタシにやったことの罰だ!ねえねえ、突然幸せを奪われてどんな気持ち?ねえねえ?」

「お前・・・ッ」

 

 

そこにいたのはかつて俺を刺した女。

確か檻のついた病院に入っていたと聞いていたが・・・

服装を見るに逃げ出したのか・・・・?

 

 

「日菜!日菜!しっかりしてくれ!日菜ああああああああああああ」

「あはははははははははははは!」

 

 

バカ笑いをしながら周囲の人に取り押さえられる女。

狂った声で、ただひたすら・・・気が狂ったように笑い続けていた。

 

 

わずか数秒。その短い時間の間に・・・

俺は氷川日菜を失ってしまった。

 

 

 

 

「あなたが!あなたがしっかりしていないから日菜は・・・・!」

「紗夜やめなって!その人を責めても日菜は喜ばないよ!?」

「今井さん・・・ですが・・・日菜・・・ううう・・・日菜ああああああ・・・」

 

 

今井さんと呼ばれる友達になだめられ泣き崩れるお姉さん。

病院に運ばれたが日菜の双子のお姉さんが駆け付けることには日菜は遠いところへ行ってしまっていた。

 

 

「ねえキミ。今日は疲れてるだろうしもう帰ったほうがいいよ。それに・・・君がいると紗夜が落ち着けないからさ・・・」

「・・・そう、ですよね。わかりました」

 

 

その一言だけ言って俺は病院を後にする。

無心。ただひたすら、何も考えずに俺は岐路についた。

そして自宅に帰ると、机の上には―

 

日菜に渡すはずだった誕生日プレゼントが寂しげな眼で見ている気がした。

 

 

はじめて心を込めて書いた手紙。

初めて“好き”と思えた人のために選んだプレゼント。

箱を開けると霊石でつくられたという太陽の形をしたペンダントが顔を出した。

怪しげな露店のばーさんから買ったもの。怪しげのはずなのになぜか惹かれて買ってしまったもの。

これもすべて・・・すべて無意味な物と化してしまった。

 

 

「なんでだよ・・・・日菜・・・なんで俺を置いてっちゃうんだよ・・・」

 

 

今になって涙が出てきた。その涙はボロボロと落ち、手に持っていたペンダントへと落ちる。

 

 

“お前に日菜を守れるのか?”

 

 

なんだ?今の声は・・・・俺の声・・・?

それを聞いた瞬間、光に包まれたかと思うと・・・俺は暗闇の中にいた。

 

 

“このままでいいのか?”

 

 

いいわけがないだろ。

暗闇から響く”俺の声”に返答する。

 

 

“ならば目指すか?ハッピーエンドを”

 

 

「あたりまえだ。目指すなら良い終わりの方がいいだろ」

 

 

“ならばいけ”

“本当にいいのか”

“後悔しても知らないぞ”

 

 

「これ以上の後悔があるかってんだ」

 

 

そして俺は言う。

 

 

「日菜に―

 

     もう一度会いたい   」

 

 

刹那、俺は光に包まれ、3月20日の朝に戻っていた。

ここまでに至る記憶を失った状態で。

 

 

 

 

そっか・・・俺は・・・やり直したんだ。

そして日菜は・・・・うん、ケガはない。それどころは敵を押さえつけるパワフルっぷりを見せている。

そして周りの人に敵を預けた日菜は駆け寄ってきた。

日菜が叫ぶ声が聞こえる。

でもこれは俺が生んだ結果だ。俺がやったことであの女は襲撃をかけることを決意し、俺がいたから日菜は危機にさらされた。

そう、これは因果。これで収束するなら・・・日菜が生きていてくれるなら・・・

俺は喜んでこの命を差し出そう。

 

 

そう、思ってたんだけど。

 

 

「でもやっぱ・・・死ぬのは怖いや・・・せっかく・・・日菜と・・・ちゃんと付き合えるように・・・なったのに・・・な・・・・」

「そうだよ!これからじゃん・・・・コラ陽葵!まだ夜じゃないよ!?寝ちゃダメ、寝ないで!!!」

 

 

寝るなって無茶をいうな・・・

眠い・・・眠いというより何か怖いものが近づいている感じがする。

その予感は的中し、やがて日菜の声は聞こえなくなる。

そして俺はそのまま眠りについた。

 

 

永遠の、眠りに―

 

 

 

 

・・・・・・・・・朝か?

 

 

目を覚ますと3月20日の朝。日菜とデートをする日。

しかしこの違和感はなんだろう・・・?

無意識で腹部を押さえてしまうが、特になにもない。

 

 

「・・・まあいいや。今日は張り切っていくぞ!」

 

 

俺は出かける準備を終わらせ、家を出る。

 

俺が出た後の部屋の机の上に・・・

日菜へのプレゼントを置き忘れていることに俺は気が付いていなかった。

 




はじまりましたHAPPY END
引き続きよろしくお願いいたします!!
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