「悪魔を殺して平気なの?」「天使と堕天使も殺したい」   作:サイキライカ

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前回の白音の態度に賛否両論でガクブルしとりますが、すこしだけ考えてください。

GEでソーマ以外にシオを素材にした武器を振り回している奴が居たら腹立ちませんか?

あ、今回はラスボス決定しました。


こんな日が長く続けばいいなと思いました。

 朝方上機嫌で出掛けていった小猫ちゃんが夜中に帰ってきたら溶けました。

 

「えへへ~」

 

 ソファーで舞沢さんの枕を抱いてゴロゴロしてる姿は幸せそうに見えるけど、なんと言うか、ちょっと引くぐらいなのはどうなんでしょう?

 

「あ、あの、こ、ここ、小猫ちゃんは……」

「知らねえよ」

 

 精一杯勇気を振り絞って何があったのか尋ねてみましたが、舞沢さんは朝方と変わりない様子でそう言いました。

 

「と言うより、知らねえ方がいいと言うのが正確だな」

「それって……?」

「要するに、関わらない方が身のためだって話だよ」

 

 と舞沢さんは言いました。

 それよりも……

 

「い、今から、カレー、作るんですか?」

 

 業務用らしい大きなコンロで鍋を回している舞沢さんに香りから正体を察しそう尋ねます。

 

「今から作れば朝にはスパイスが馴染むからな」

「いえ、そうで、ではなくて」

 

 というより、何度見てもキッチンに立つ姿に違和感が凄いんですこの人。

 凄く厳しくて怖い人のはずなのに、エプロンに三角巾までしっかりと身に付けて料理に向かう姿は正直似合わないと思います。

 

「カレー嫌いだったか?」

「大丈夫ですけど!」

 

 そうではなくて、

 

「襲われたっていうのに、だ、大丈夫なんですか?」

 

 二人共無事でよかったけど、だからこそ備えるとか対策をしなくて平気なんですか?

 

「さあな」

「さあなって……」

「来る時は何してたって来るんだ。

 それが飯食ってる時だろうが、風呂浴びてる時だろうが、それこそベッドで一発シケ込んでる時だろうがな。

 一々気にしてたら身が持たねえよ」

 

 そう言うと再び鍋と向き合ってしまいました。

 言ってることはわかるんですが、正直理解できません。

 それが僕が臆病だからなのか、それとも彼が泰然とし過ぎているのか、少なくとも彼が普通ではないのは確かだと思います。

 

「それはそうと、神器の制御は進んだのか?」

「え?

 ……いえ、その」

 

 情況が変わり、環境が変わり、小猫ちゃんも変わっていく中、僕だけが封印されたあの日から何も変わってない事に気付きました。

 だから僕も変わらなきゃ行けないと思い、少しづつ神器の制御が出来るよう努力してるけど、僕の気持ちとは裏腹にその成果は全く出ていません。

 

「あっそ」

 

 自分から振っておきながら舞沢さんはあっさり話を終えてしまいました。

 彼にとっては僕の事は、興味はないけど把握しておこう程度の存在なので仕方ないとは思うけど、お家賃とか払ってないので穀潰しと言われても否定できないんですが、それでも同じ家に住んでいてその扱いは寂しいと思うのは贅沢なんでしょうか?

 

「よくは知らんが、魔眼や邪視の類いの才能は、世界を見据える胆力に左右されるって聞いたことがあるな」

「え?」

「実際んなモンは持ったことはねえから受け売りだけどな」

 

 まるで世間話みたいな風にそう言うと舞沢さんは今度こそ鍋に向かい黙ってしまいました。

 ……もしかして、僕にアドバイスをくれたのでしょうか?

 

「あ、ありがとうございます」

 

 お礼を言っても舞沢さんはなにも言いませんでした。

 必要はないということなのか、それともどうでもいいのか僕には分かりません。

 だけど、小猫ちゃんが好きになった人なんだし、きっと厳しいだけじゃないんだとそう思いました。

 

「次のニュースです。

 世界規模で温暖化が進んでいるという統計が発表され、それに伴い各地でのゲリラ豪雨の発生や雨量の増加が懸念されています」

 

 つけっぱなしにしてあったテレビのニュースに僕は出掛ける時には晴れていても傘を持っていこうと思い部屋に戻りました。

 

 

~~~~

 

 

 ヘラクレスの挺身により夢の国から逃げおおせた曹操達であったが、一息吐く暇さえ与えられることはなかった。

 

「アロハ~。

 初めましてテロリストの皆々様ぁ~」

 

 帰還を果たした曹操達を待ち受けていたのは、全身を同胞の血で朱に染めた白髪の男だった。

 

「貴様ぁ……」

 

 虐殺の惨劇を前に言葉を失う曹操の前に立ち、怒りで顔を赤くするジークフリート。

 

「おやぁん?

 どこの誰かと思いきや遺伝子の提供元(パパん)じゃありますぇんかぁ?

 丁度いいや。

 お小遣いちょうだぁい」

 

 嘲りに満ちた声で甘ったるくそう手を出すフリードにジークフリートは斬撃の答えを返した。

 

「あひゃあん?

 欲しけりゃ力尽くって?

 俺っちそれだぁい好き!!」

 

 完全に正気を無くした体で黒塗りの匕首を逆手にジークフリートとの剣劇を開始するフリード。

 亜種禁手化までを発動し五本の魔剣を振るうジークフリートに対しフリードは余裕さえ見える様子でゲタゲタ笑う。

 

「クキャキャキャキャキャ!!

 パパんと遊ぶのはたぁのしぃ!!」

 

 完全に馬鹿にした態度で嵐のごとき斬撃をいなし、猿染みた体捌きを発揮して上空を取ると鞭のように脚をしならせ爪先で首筋を狙う。

 

「ウオオオオオ!!」

 

 辛うじて剣の腹で蹴撃を防いだジークフリートは、獣染みた叫びを上げ更に剣速を高めるも、それすらフリードは狂笑を張り付けたまま受け流す。

 純粋に五倍の手数を相手に寧ろ優位を保つフリードにジークフリートは叫ぶ。

 

「その力を何処で手に入れた!?」

 

 教会の暗部に属する研究機関の一つ、『シグルド機関』の完成体として最高の性能を叩き出した自分の全力さえ凌駕しようと見せるフリードに、理解できないと叫ぶジークフリート。

 

「そぉんなぁん、決まってんだろ」

 

 突如狂気を納めたフリードに恐怖を感じたジークフリートが距離を取ると、フリードは血みどろの髪を掻き上げ歪んだ笑みを浮かべる。

 

「地獄だよ。

 今日を生きるため殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して!!

 全部ぜぇんぶぶち殺し続けて俺はここに来たんだよ」

 

 それを誇るつもりはない。

 だが、たかが優秀なだけ(・・)のジークフリートには絶対に到れないドン底の地獄(絶望)こそがフリードに力を授けた。

 その事実を刻まずに死なすつもりはない。

 そう狂ったように笑うフリードにジークフリートは認めないと叫ぶ。

 

「魔帝剣グラムに認められなかった貴様に俺は負けない!!」

 

 咆哮を上げ斬りかかるジークフリートだが、フリードはあっさりとそうかいと言い、

 

「じゃあ、夢想のままに溺死しろや」

 

 五本の魔剣を掻い潜り、ジークフリートの首を掻き斬った。

 

「がぁっ!!」

 

 首の致命的な血管を両方同時に裂かれ、ジークフリートは溢れた血で肺を満たして溺れ死んだ。

 

「ジークフリート!!」

 

 手を出す隙間がなく見ているしかなかった曹操が悲鳴を上げた直後、突然ゲオルグの身体が爆ぜ、ジャンヌが燃え上がった。

 

「ぎゃああああああああ!?」

 

 数千度の炎に焼かれ絶叫を上げてのたうち回るジャンヌだが、数秒と経たず全身が炭となってしまった。

 

「いい感じでっしょ~う?

 摂氏三千度のテルミットの炎の味は」

 

 ジークフリートと交差する刹那、ゲオルグが開こうとした絶霧へと手榴弾を投じ、更にジャンヌの足元にテルミット焼夷弾を放っていたのだ。

 

「残りはおたく一人でしゅねぇ?」

 

 守るべき者も並び立つ者も失った曹操へと悪辣に笑い掛けるフリードに、曹操は茫然とたたずんだままどうしてだと呟く。

 

「俺達は、這い上がる事さえ許されないのか?」

 

 不幸があった。

 絶望があった。

 怒りがあった。

 だから戦おうと拳を振り上げた。

 なのに、その拳を叩き付けることさえ碌に叶わぬまま『禍の団』は、『英雄派』は終焉を迎えようとしている。

 そんな燃えることすら叶わなかった曹操に、フリードは邪悪に笑う。

 

「あったりまえでしょう?

 おたくら、望んでこっち側(・・・・)に残ったんだから、何も遺せなくて当然なんでちゅよ~?」

 

 ゲラゲラ笑いながらフリードは嘯く。

 

「その気になりゃあ私どもと違いあんさん等は日の当たる場所に帰れたものを、意地張って蹴っ飛ばして暗闇の中に居続けたからボクちゃんみたいな悪党の餌になっちゃったんですぅ。オホホホホ!!」

 

 砕けて腐り落ちる様が堪らないと笑うフリード。

 その言葉を聞き、漸く曹操は悟る。

 

「諦めれば良かったんだ」

 

 オーフィスが消えた時点で諦めるべきだった。

 怒りを飲み下し、悲しみを耐え、絶望に膝を折ってつまらない日常に埋まることを選んでいれば、少なくとも仲間だけは手元に残っていた。

 だが、それさえも失わせる選択を選んだのは、間違いなく自分だ。

 

「く、アハハハハハ!!」

 

 腹の底から沸き上がる冷たい絶望に曹操は笑う。

 そんな有様の曹操にフリードは匕首を手にゆっくりと近付き、なんの躊躇もなく首を裂いた。

 

「中々いい喜劇だったぜ」

 

 愉悦に満ちた笑みでそう吐き捨て、その場を後にしようとしたフリードだが、不意に走った悪寒に思わず切り殺した曹操を確認する。

 

「……おんやぁ?」

 

 そこに居たのは、首から血を流しながらも立ち上がる曹操の姿であった。

 しかしその目には生気はなく、どう見ても立ち上がってくる者の目ではない。

 いぶかしむフリードの前で曹操は『黄昏の聖槍』を手に、濁った声を放つ。

 

『槍よ、神を射貫く真なる聖槍よ』

「なぁにが始まるんですかねぇ?」

 

 フリードの顔から笑みが消え、匕首では足りないと判断し足元に転がっていたグラムを蹴り上げ手に構える。

 

『我が内に眠る主の理想を吸い上げ、祝福と滅びの間を抉れ』

 

 槍を中心に沸き立つ聖なるオーラにフリードは知らず汗を流す。

 

「こりゃあ、コカビエルの二の舞踏んだかもしんねえな」

 

 ふざけた口調が鳴りを潜め、今すぐ逃げろと警鐘を鳴らす勘を捩じ伏せ其れを見届けた。

 

『我の遺志を語りて、輝きと化せ『真冥白夜の聖槍(トゥルー・ロンギヌス・ゲッターデメルング)』』

 

 その変化は余りにも乏しいものだった。

 豪奢とさえ形容できた槍は、穂先は青銅になり握りはただの木へとなった。

 ただし、槍の穂先からは誰のものかも分からぬ赤い血が滴り続ける異様な状態になっていたが。

 

「…………」

 

 その結末を見届けたフリードは目を見開き硬直していた。

 

「マジかよ?」

 

 そうして漸く動き出したフリードの顔には、喜悦もなく、ただ怒りの貌が刻まれる。

 

「殺ってやるよ」

 

 ギチリと柄が軋むほどにグラムを握り、フリードは踏み出す。

 

「テメエだけは、生まれた時から殺したくて堪らなかったんだ『Yahweh』!!」

 

 曹操の身体を糧に現世へと復活を遂げた『聖四文字』へとフリードは渾身の殺意を込め斬り掛かった。




Q、なんでこうなった?

A、ダイスの女神の思し召しだ。

いや、本気でフリードとどっちにするか迷ったので某愉悦部の作者様(凍結中のあの方)に倣いにダイスの女神に御願いしたところ、マジでこの結果だったんです。

因みに候補は曹操、聖四文字、フリード、李先生、聖天太聖、白音でした。

次回は……
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