「悪魔を殺して平気なの?」「天使と堕天使も殺したい」 作:サイキライカ
ハデス「なんで白音を死なせたんだアイツは!?」
蘇生薬使用
ハデス「ファッ!!??」←本気で驚いてる
死神「大変です!!
あの男、失伝させた筈のアスクレピオスの蘇生薬を使ってます!!」
ハデス「メデューサの血も無いのにか!?」
死神「こちらが渡したサマエルの毒から作ったと判明しました」
ハデス「マジで?」
ハデス「い、いや、それだけだとあそこまで効果のある蘇生薬には」
死神「更にエレシュキガル女史よりシーブ・イッサヒル・アメルが盗まれたと」※ギルガメッシュが盗まれた不老不死の秘薬の素材
ハデス「神話を跨いで組み合わせたのか…」(白目)
こんな感じで裏でやりたい放題して準備してた主人公。
ちなみに蘇生薬はアスクレピオスがレシピをバラ撒いたのを主人公が記憶してました。
挑発がてら兜は被らずに戻ってきてみれば髑髏騎士改めストラーダは頭を消し飛ばした白騎士の前で祈っていやがった。
その姿に俺は思ったまま口にする。
「憐れだな」
流石にこの距離で聞き逃す筈もなく、ストラーダはガチャガチャと喧しく鎧を鳴らしながら俺を兜越しに睨んできた。
『…貴様ぁ』
怒りを煮詰めたような感情の籠もった良い殺気だが、だけどそれが益々憐れに見える。
「教会史上最強のデュランダル使いなんて聞いていたが、こうまで落ちぶれると憐れというか、滑稽だな」
そう吐き捨てるといつの間にかストラーダがデュランダルを目の前で振り上げていた。
『神に唾を吐いた罪、ここで死んで贖え!!』
並ならこれで終いだろうが、そうしてやる義理はねえ。
「ふっ!」
呼吸を吐きデュランダルの軌跡にトライデント短く握り添えていなす。
そのまま六合大槍の理を以てトライデントの柄を扱いて伸ばしストラーダの胴を狙い突く。
『その程度!!』
しかし堕ちたとはいえストラーダも卓越した武人。
すかさずデュランダルを片手に持ち替えもう一本の剣を抜きトライデントの穂先を払う。
「…デュランダル?」
いや、刀身はよく似ているが別物だ。
『否!!
これこそ我がデュランダルを基に弟子が鍛え、主より祝福を授かりし我が真なる剣。
デュランダルを越えし最新の聖剣『デュランダルⅡ』!!
このデュランダルⅡを抜いたからには貴様に勝ち目があると思うな!!』
…………。
『くくく。
どうやらデュランダル二振りを前にして漸く己の愚かさを理解したようだな?
しかしもう遅い!!
デュリオの仇、そして悪魔に加担した罪は死以外で贖えるものではないわ!!』
テンション高めに笑ってるストラーダに対し、俺は心底
「憐れだな。
『……何?』
心底憐れみを込めて
「将軍から流れてローランに改悪されたのもまだマシだったんだな。
使い手が脳味噌腐らせた挙げ句、あんな
きっとその爺がマトモなままだったならそんな風にはならなかったろうに。
本当に、神様ってのは傍迷惑極まりねえな。
地上に出てくる時は限界まで力削いで人間の振りしてる日本神話見習えよなったく。
相手にされていなかったと漸く理解して、いい感じに頭の血管切れそうな
「
いい加減返してもらうぜ」
ヴァスコ・ストラーダという男を武人として評価していたからドゥリンダナを使うのもまあいいかと思っていたが、もうそんな価値はない。
『殺す』
と、ストラーダの足元から白音を玩具にしてくれた駄犬が5匹現れる。
『主の慈悲は貴様には無い。
主より与えられし『
怒り過ぎて逆にテンションが下がったらしいストラーダの声と同時に駄犬共が俺に迫る。
「さて、殺るか」
確認のため俺はハデスの隠れ兜を被り右に跳ぶ。
『姿を隠しても無駄だ!!』
言葉の通り、駄犬共は消えた俺を正確に追ってきた。
五感全ての感覚から消え去るハデスの隠れ兜でも逃げ切れないか。
「まあ、想定の範囲内だ」
小周天法で強化した肉体のスペックをフルに駆使し、先頭の一匹をトライデントで串刺しに。
一旦トライデントを手放し次いで迫る駄犬に虎爪掌を叩き込んで頭を潰す。
そのまま理を八卦掌に切り替え走圏を用いて回り込み3匹目の胴を打ち4匹目の背骨を砕く。
そうして5匹目が涎を撒き散らしながら牙を剥いて噛みつこうとするが、走圏から十二形拳『蛇』の歩法に変え真横に移動し喉笛を握り潰す。
『いくら殺そうと無駄だ!!
『魔獣創造』で生み出せる獣は無限だぞ!!』
そう言う間にも新たな駄犬が生み出されていく。
まあ、厄介っちゃあ厄介だが、この程度なら
トライデントを回収し、3体を刺殺。
数が増え手数が足りなくなってきたからトライデントから多節棍に持ち替え『滅びの魔力』を発動した三節状態で一回転しながら振り回す。
『おのれ生意気な…』
俺の動きは見えずとも消滅していく駄犬からこちらの居場所を把握したストラーダがパチモンを振りかぶる。
するとパチモンから光力が柱のように伸び、そこそこ見栄えのする光景を発した。
『これならば避けようもあるまい!!』
そう言ってストラーダは駄犬を容赦なく巻き込みながら俺が居た場所を横薙ぎに払った。
「まあ、常套手段だな」
駄犬共が目印になるとはいえ、見えない相手を範囲攻撃で狙うのは当然だ。
経身功で上に避け、少々賭けだが圏境を用いてから剣線が抜けた場所に着地する。
さて、効果があると楽なんだが…
「無くは無いってとこか」
新たに呼び出された駄犬共は、さっきまでと違いまっしぐらに突っ込んで来ずに俺に気付くのにある程度の接近を必要とするようになった。
「とはいえどうするか?」
最初のを荒方始末し、更なる追加分の索敵範囲から一旦退避しどう攻めるか考える。
駄犬の様子で向こうも潮目の変化に気付いたらしく、無闇矢鱈に駄犬を散解させず周囲に配して警戒網を敷いていた。
ここから一番簡単なのは狙撃する事だが、白音の戦いから鑑みるに禁呪弾程度の火力は無いと貫通は期待できないだろう。
とはいえ禁呪弾も残り少ない。
試しで使う訳にもいかない。
となればだ、
「いつも通り真正面から不意打ちだな」
棍から再びトライデントに持ち替え兜を脱ぐ。
「飽きてきたからケリ着けようや」
挑発する俺の声にストラーダは面白いように反応した。
『態々有利を捨てるとは血迷ったか!!
その増長のツケは高く付くぞ!!』
そう叫んで駄犬共をけしかけるストラーダ。
手札を見せないよう迫りくる駄犬を六合大槍で薙ぎ払い、懐まで入り込んだ奴は八極拳で処理する。
小周天法でスタミナも底上げされているから疲れはしないが、流石に百を超える数の暴力の前に徐々に余裕が無くなってくる。
さて、面倒だしいい加減突っ込んできてくれないもんかね?
と、僅かに視線を切った隙にストラーダの姿が無くなった。
『悔い改めろ!!』
威勢よく槍の間合いの内側に入り込んでドゥリンダナを振り下ろすストラーダ。
死角を突いたなら斬り殺してから宣え阿呆。
どう頑張っても間に合わない状態だが、しかしそれを間に合わせてこそ一流の武人。
何よりこの状況は
「揺らせ、トライデント」
トライデントを盾に斬撃を受け流し、流しきれない勢いは石突を地面に突き立てることで相殺する。
そうして石突が埋まった瞬間、トライデントの『権能』が発動した。
直後、地面が跳ね上がった。
『何ぃ!?』
中々知られていないが、ポセイドンは海神であると同時に地震を管理する役割も担っている。
そしてポセイドンのトライデントは地面に打ち込むことで地震を引き起こすポセイドンの『権能』を僅かばかりだが借り受ける事が出来る。
ただし、この
『地震だと!?』
グワンと波打ったと錯覚するほどの縦揺れにストラーダは狼狽えバランスを崩し多々良踏む。
体感マグニチュードは6から7前後で時間は2秒程。
アジアっつうか日本で暮らしていれば地震なんてそれ程珍しいモンでもないが、ヨーロッパ等の内陸部では地震なんて数年に一回あるかどうか。
それ故にストラーダは慣れない地震、それも大災害クラスの振動に平衡感覚を完全に崩した。
しかし敵もさるもの。
生まれた隙は数秒程度ですぐに立て直す。
だがそれで十分。
既に抜いていたニューナンブをストラーダに向けて引き金を絞る。
ぱぁん
軽い破裂音が鳴り響き、悪魔の骨を弾頭に仕込んだ禁呪弾がストラーダに牙を剥く。
『ぬぉぉおおお!!??』
しかしストラーダも堕天使幹部を人の身で追い詰めたと言われる男。
達人でも回避不可能だろうタイミングで放った禁呪弾を躱してのけてみせた。
まあ、
七節状態の棍を握り躱したストラーダに向けて突きを放つ。
ストラーダはドゥリンダナとパチモンの二本で突きを受け止める。
『正直今のは焦ったぞ!!
あの様な隠し玉があった事は褒めてやる。
だが、貴様の様な神を敬わぬ者に儂は負けぬ!!』
そう叫びながら連続して放つ棍の鞭打を捌いていく。
幾度も剣戟を繰り返し、そして
『なっ…!?』
ドゥリンダナを振り下ろしたストラーダが、ほんの僅かにだがドゥリンダナに
何が起きたのか、それは後だ。
七節棍をドゥリンダナに絡み付かせ、更に走圏を用いて一気にバランスを崩させ追撃の蹴りを放つ。
当然ストラーダはドゥリンダナを手放し、追撃を避けるためローリングで俺との距離を離した。
『…何をした?』
パチモン一振りを構えながら唸るようにほざくストラーダ。
だが俺が答えるまでもなく
『デュランダルの柄を‥それでか』
あの時ストラーダは確かに禁呪弾を避けた。
とはいえ無傷では済まなかった。
弾はデュランダルの柄尻を砕き、そのためドゥリンダナの剣のバランスが変わっていたのだ。
極まった達人の領域では得物のバランスが僅かに変わるだけで勝敗の天秤が傾く事は少なくない。
漸く手元に来たドゥリンダナの刀身を撫で、内心でヘクトール将軍に報告する。
『しかし不壊の根源たる聖遺物を失ったデュランダルなど鈍らと同じ。
新たなるデュランダルの糧として叩き砕いてやるわ!!』
「…あ゛?」
何つったテメエ?
不愉快極まりない事をほざくストラーダに、流石にイラッとした俺は棍を懐にドゥリンダナを握る。
「将軍から許可は貰ってる。
力を貸せドゥリンダナ」
俺の言葉に反応したドゥリンダナがその柄を自ら伸ばし槍となる。
『なん…』
絶句する爺を無視しバランスを確認してから背中に括っておいた革のラウンドバックラーを左腕に括り付け、六合大槍ではなくスパルタ式の槍術ファランクスの構えを取る。
最も、装備内容は本家スパルタ式の重歩兵ではなくイピクラテス式の軽歩兵仕様だが、まあレオニダス1世には勘弁してもらおう。
『まさかデュランダルにその様な仕掛けがあったとは。
だが、そうであろうと私の有利は変わらん!!』
またぞろぞろと駄犬を呼び出しパチモンを構えるストラーダ。
しっかしだ。
「幾ら神様に盲してるっつっても、流石に耄碌し過ぎだろ」
呆れてつい漏らしてしまった。
『貴様、この状況でまだ嘲るか』
そんな様がいっそ愉快に思え、笑いながら俺は言う。
「ドゥリンダナのこの機能が封印されたのはヘクトール将軍以降どんな使い手もこの伸縮自在の柄を扱いきれなかったからだ。
だから、聖四文字は聖遺物なんて
お陰様で見つけるまでに散々っぱら時間を掛けさせられたが、代わりにその時間でヘクトール将軍の薫陶を完全にものにすることが出来た。
後は、俺が何処までドゥリンダナを使い熟せるかだ。
『主だけでも万死に値するというのに、主に列することを認められた聖者たちをも貶めるとは、貴様は必ずジュデッカの奥底に沈めてくれようぞ!!』
脳味噌の血管が切れそうな勢いでキレながら駄犬共と一緒に斬りかかるストラーダを、俺は新たに装備した盾とドゥリンダナで迎え撃った。
さあて、そろそろおじいちゃんにもお休み願いますかね。
ストラーダが人滅具持ってるのは聖四文字が与えたから。
現在持ち主不在の神器は聖四文字が管理してます。
余談だけど主人公にとって敵=攻略本を読むように何の感慨も持たず仕留める対象です。
アンケートの締め切りは24日とします。