「悪魔を殺して平気なの?」「天使と堕天使も殺したい」 作:サイキライカ
倒れたりなんやりで遅くなりましたが、エタるつもりはないだよぉぉぉぉ!!(T-T)
なんで短すぎるの繋ぎ回orz
料理人とアルちゃんと本編も近く投稿したいなぁ…
「小猫ちゃんが退学した!?」
放課後、部室へと向かった兵藤一誠は、そこで部長から信じられない言葉を聞かされた。
「どうしてそんな…?」
困惑する一誠に、酷く沈んだ様子でリアスは言う。
「わからないわ。
生徒会の方に退学届けを置いて、そのまま姿を消したみたいなの」
唐突すぎる小猫の行動にソーナも止める間もなかったそうだ。
「コカビエルの事があってからずっと落ち込んでいたから、立ち直れるまで様子を見ていたんだけど、まさかこんなことになるなんて…」
主として間違っていたのではないかと嘔悩するリアスへ、一誠はそんなことはありませんと否定する。
「部長はなにも間違ってません。
小猫ちゃんはずっとあの野郎の事で悩んでました。
もし悪い奴がいるとしたら、小猫に好かれてたのに置いていった奴に決まっています」
自分達はなにも間違っていないと主張する一誠にリアスは僅かに顔を上げる。
「そう、そうよね」
そうして僅かに顔を綻ばせたリアスに一誠は更に言う。
「それに、小猫ちゃんは退部届けを出していかなかったんでしょ?
だったら小猫ちゃんは部を辞めた訳じゃない。
部長の眷属まで辞めるつもりはないっていう証拠じゃないですか」
無茶苦茶な強弁を張る一誠。
だが、それに水を差すものは居ない。
それどころか、その場に居た誰もがその言葉を支持する。
「見てなさい小猫。
帰ってきたらたっぷりお説教して上げるんだから」
そんな、致命的に歪んだ箱庭から立ち去る白音に、李書文はよいのかと問うた。
「別に儂が師事をするからと、古巣を棄てよとは思わなかったが」
体幹を全く揺らすことなくぴんと伸びた背を追いながら身一つの白音は答えた。
「あの場所にもう用はありません」
それにと胸に手を当てる。
「私の大事なものは全部『ここ』にあります」
そう嘯く白音に李はそうかと言う。
「お主にはこれから常に死線を越えてもらう。
そうさな…、早くて三月もあればお主なら太極に至れるだろう」
とんでもないことを告げる李の言葉に白音は異もなく分かりましたと言った。
しかし世界はそれでも回る。
だがそれではただただ舞台が踊るだけ。
それを世界の外側から、『陰』はにちゃりと嗤いながら眺めていた。
『なぁんや?
ちぃっと昼寝ぇしとっとるうちにぃ、えらいおもろうなろうとしてはりますなぁ』
しかし『陰』はあかんと嘯く。
『せやけどたりひんなぁ。
もぉ一押しせえへぇんと、舞台は揺れやしまへん』
そうして『陰』は人の形をとる。
「日の本の神さんもう相当腹ぁ据えかねてる見たいやしぃ、腑抜けた同胞もちぃっと灸を据えたらんとあかんようやねぇ」
くすくす くすくす
『陰』は厭らしく嗤う。
「さぁて、後は名前はどうしたろ。
『玉』はぁ安直やきに『葛』のほうがおもろうなるやろ」
そんなことを呟きながら『陰』は一度闇へと消える。
くすくす くすくす くすくす
まるで玩具箱から玩具を選ぶ童のように純粋な邪悪に満ちた笑い声は、ゆっくりと小さくなっていった。
次回は飛んで京都へん。
こちらはそこで終います。