「悪魔を殺して平気なの?」「天使と堕天使も殺したい」   作:サイキライカ

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これまでご愛好頂きました茶番劇はお終いとなりました。

ここからはあらゆる補正の存在しない物語《愉悦》をお楽しみいただけたら幸いです。


アナザールート【グランギニョル】終3

「はぁむ」

 

 遠くで聞こえる兵藤の悲鳴を聞きながら食べる兵藤のお肉は大変美味です。

 以前なら悲鳴は耳を塞ぎたくなるほど恐ろしいもので、人の形をした物を食べるなんてとんでもないと思っていましたが、今聞いている悲鳴は大変心地よく、衝動のままに口にしたゼノヴィアの血肉はそんな忌避感が吹き飛ぶぐらい美味しいものでした。

 だけど、人間は簡単に食べてはいけませんね。

 ()()()()()()()()()から、他の物を食べたくなくなってしまいます。

 例えるなら血は蜂蜜で肉はケーキで骨はクッキー。 

 天使や悪魔が混じった()()()()()でさえこれだけ美味しいんですから、純粋な人間はもっと美味しいんでしょう。

 そんなご馳走は、そうそう食べてはいけません。

 とはいえ今の私が以前の感性を完全に喪ったわけではありません。

 もう一つの羽化を経て、おそらく私は完全な妖怪になったのでしょう。

 だから、嘗てと今の両方の認識が混ざり合っているのが今の私です。

 故に妖怪の本能は人間は悲鳴が気持ちよくて美味しい食べ物と思うのと同時に、だからといってただ悲鳴を聴きたいから人を甚振るのは良くないことだとも思いますし、お腹が空いたからと何も悪いことをしていない人間を食べて良いとも思いません。

 だから、さっき言ったように無闇矢鱈に食べたりはしません。

 ご馳走ばかり食べていたら太っちゃいますから。

 それにしても、さっき迄の私はどうしてそんなに怒っていたのでしょうか?

 兵藤が舞沢さんを忘れていたからなんだというのか?

 世界が茶番劇だからってどうしたというのか?

 ()()()()()()()()()()()()()()

 会いたいなら探しに行けばいい。

 さっき迄は気付けなかったけど、舞沢さんはこの世界のどこかに必ず居ると識りました。

 だから探して見つければいい。

 何年でも、何十年でも、何百年掛けたって逢えるなら惜しくは無い。

 見付けたら、沢山お話して、たくさん修行して、沢山エッチして、沢山舞沢さんとの子供を産んで、もう逃げられないよう魂を

お腹の中に隠してしまおう(食べてしまおう)

 

 そうすればずっとずっと一緒ですよね舞沢さん? 

 

 そうと決まればこんな所で油を売っている暇はありません。

 先生と再会したら殺し合わなきゃならないので、死なないためにも修行も怠れません。

 兵藤(食べてもいいお肉)を見過ごすのは勿体ないですが、考えれば考えるほど兵藤に構うのは時間の無駄遣いですね。

 そうなればさっさと「グォオオオオオオオオオ!!」ん?

 突然龍の氣が膨れ上がりました。

 それに兵藤の悲鳴も聞こえません。

 

「あ、不味い」

 

 嫌な予感に駆られ地面を蹴って跳べば、さっきまでいた場所が炎に焼かれました。

 

「あれは…」

 

 丁度いい太さの木の枝に着地して炎が来た方向を見れば、そこには赤い龍()()()()()が居ました。

 龍特有の美しさは皆無で、龍というより()()()()()()という感じですが、氣は龍なのであれは龍なのでしょう。

 なんで急にとも思いましたが、氣の様子から兵藤が変異した姿なのだと思うので、おそらく私と戦うためにああなったのでしょうね。

 だというのに、赤い龍はなんでか麓へと向かっていきます。

 

「…まあいいや」

 

 構う理由は無いですが、さっきの様子からして理性は無い様なのでこのまま放置していれば無闇矢鱈に人が死んでしまうでしょう。

 羽化して人が死ぬことへの関心は薄れていますが、それでも手の届く所で何の罪も無い人が理不尽に死ぬ事を見過ごす程私は今も非情ではありませんし、今の()()なら羽化した今の私の調整にはなるでしょう。

 だけど、一つだけ残念に思いました。

 

「大きさはともかく、ああなったら美味しくなさそうですね」

 

 油断だけはしないよう、それだけ注意して私は枝から地面に降りると龍へと一歩踏み込みました。

 

 

〜〜〜〜

 

 

「足が!! 俺の足が!!??」

 

 自らの惨状を理解した一誠は狂乱しただ泣き喚く機械に成り下がった。

 さもありなん。

 格上との経験自体はあれど、その誰もが修行として手心を加えるか、さもなくば見下した末に手加減した者が相手ばかりだった。

 だからこそ隔絶した相手からのなんの手加減もない、それこそ虫を払うような無慈悲な暴力による蹂躙を受け一誠の心は折れた。

 アーシアが泣きながら必死で『聖母の微笑み』で癒やそうとするも、彼女の神器は希少ではあるが人が扱える程度の代物でしかなく、一誠を救い上げ失われた部位の再生を叶えるには神滅具への昇格を成せる程の禁手化にでも至らなければ不可能だった。

 

「イヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだ!!??」

 

 避けようも無い死の接近に両手を振り回して泣き喚く一誠。

 どうしてこうなったんだ?

 俺が一体何をしたっていうんだ?

 何も悪い事なんかしていない。

 悪い事なんてしていないのに、なんでこんな目に合わなきゃならないんだよ?

 死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない!!!!!!

 俺は、俺は!!

 

「部長とエッチしてないのに死にたくないんだ!!」

 

 これ以上醜い姿を想像できない程無様に泣き喚き最低の願いを叫ぶ一誠。

 死の間際まで高潔なままでいられる者はそうは居ないだろうが、しかしそれでも一誠の無様さはアーシアが人格者でなければ治療をやめるだろうと思わせるに足るぐらいどうしようもないものだった。

 そんな一誠だからこそ、縋ってしまった。

 

「我、目覚めるは、

 覇の理を神より奪いし二天龍なり!!」

 

 藁でさえない、ありもしない蜘蛛の糸を。

 

『止めておけ。今の状態で覇龍は不可能だ』

 

 留めようとする相棒の声も一誠には聞こえない。

 

「無限を嗤い、夢幻を憂う!!

我、赤き龍の覇王と成りて!!」

 

 とにかくあのバケモノを殺さなきゃ今度こそ殺されてしまう。

 前は何とかなったんだから大丈夫。

 俺は冥界のヒーローなんだから絶対上手く行く。

 おっぱいドラゴンは最強じゃなきゃいけないんだ。 

 

「汝を紅蓮の煉獄に沈めよう!!!!」

 

 体裁も何もかなぐり捨て、周りに持ち上げられ知らずに肥大させられていたプライドを浮き彫りにしながら、ただただ死にたく無いが為だけに覇龍を行う一誠。

 しかし彼は知らない。

 

 自ら発したたった一言が、その幻想を終わらせていた事を。

 

「ガッ!? ギャアアアアアアアアア!!??」

 

 龍のオーラを撒き散らしアーシアを吹き飛ばしながら変身を始めた一誠は、すぐに凄まじい絶叫を上げた。

 

「一誠さん!?」

 

 初めて覇龍を成した際にはシャルバ・ベルゼブブにより『次元の狭間』へと放り出されていたアーシアは、様子がおかしい事は解るが何をしていいかわからずただその様子を眺めているだけ。

 徐々に全身を赤い鱗に覆われていく一誠だが、その内面では歴代赤龍帝の怨念に蹂躙を受けていた。

 

「やめろ!!

 やめてくれ!!??」

 

 魂を侵し千々に引き裂さいていく怨念の群れ。

 

 憎い

 何故お前だけが恵まれる?

 憎い

 そんなこと認めない

 憎い

 お前も俺達と同じになってしまえ!!

 憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い

 必死に抗おうとするも、なんの積み重ねもないただ一つの魂が、数多の時を重ね積もりに積もった負の感情の塊に叶うはずもない。

 

「イヤだ!!

 俺はおっぱいに抱かれて死にたいんだ!!」

 

 そんないっそ哀れとさえいえる願いを吐きながら、兵藤一誠の魂は抵抗虚しく微塵に割かれ、幾多の怨霊の一部分と成って果てた。

 そして、制御基盤を喪った神器は最悪の形で暴走を開始する。

 

「ヒィっ!?」

 

 赤い鱗に覆われた一誠の身体が突如肥大して鱗の生えた肉塊となり、その表面の一部が触手となってアーシアを絡めとった。

 

「止めてください一誠さん!!」

 

 必死に呼び掛けるアーシアだが、肉塊は触手を引き寄せながら身を裂いて巨大な乱杭歯が並ぶ凶悪な顎を開いた。

 

「あ、ああ…」

 

 自分がどうなるのかを察し涙を流すアーシア。

 そして、食べやすいようにか上へと持ち上げられた所で、アーシア・アルジェントは生まれて初めて神を呪った。

 

「主よ、どうして私達に神器(こんなもの)を授けたのですか?」

 

 バクン

 

 死した神に届かぬ呪いごと肉塊はアーシアを喰らいその身を噛み砕いて咀嚼した。

 ぐちゃりぐちゃりと骨と肉が粉砕される気持ち悪い音を響かせながら、『聖母の微笑み』を取り込んだ肉塊は醜悪に肥大しながら本能のままに咆哮する。

 

 グォオオオオオオオオオオオオ!!

 

 此れこそが、『茶番劇』を粉砕し三大陣営の終わりを告げる黙示録(葛が描いた茶番劇)の喇叭の音だった。

 

 

〜〜〜〜

 

 

 歯車が砕ける音を聴き、葛は袖で隠した口許をきゅうと歪めながら嘯く。

 

「もしここでぇうち達があんさん等と仲良ぅしたら、間違いなく日本の神さんはうち達を許しぃはしまへんやろなぁ。

 せやから、うち達京のもんは表ぇも裏もぉ手ぇは貸しまへん」

 

 それが最初の言葉の真意だとそう語る葛。

 

「つまり何か?

 日本神話は俺達と戦争を始めるって言いたいのか?」

「さてなぁ?

 日本の神さんはこうするぅやろなぁって想像は出来ますけどぉ、実際どぉ動くかまでぇはわかりまへん」

「ふざけるな!!」

 

 立ち上がり怒鳴るアザゼル。

 

「俺達がどれだけ世界の均衡を保つために奔走したか、それを知らないなんて言わせねえぞ!?」

「そない言われてもなぁ、今のご時世妖怪は隠れ家から早々出まへんしなぁ。

 それにぃ、聞ぃてる限りぃ堕天使っちゅう連中は、そっちの神さんが余所の神さんの力やら武器ぃやらをあっちゃこっちゃからかき集めぇてばら撒いた挙げ句ぅ、それを持たされたぁもんをいてもうて回ってるって聞いとりましたけど、それってうちのぉ聞き間違いですぅん?」

「其れは…確かに昔は他に手段が無いからそうしていたが、今は違う!!

 そもそもだ。

 今更俺達との戦争を起こして、一体何になると言うんだ!?」

「少なぁとも、日本の神さんの鬱憤は晴れますわなぁ。

 それにぃや」

 

 と、セラフォルーを見遣る葛。

 

「悪魔はんは悪魔はんで日本の神さんにぃ散々喧嘩売りはってますしぃ、そろそろ堪忍袋も破あけるんとちゃいますぅ?」

 

 その言葉に意味がわからないとセラフォルーは眉を潜める。

 

「…どういう事かな?」

「『悪魔の駒』のぉ事や。

 知らへんとは言いませんよなぁ?」

 

 減った同胞の数を補う為とアジュカ・ベルゼブブの手によりばら撒かれた『悪魔の駒』は、冥界の人口増加とレーティングゲームという新たな市場開拓を為したが、その反面で他神話との決定的な溝を産んだのもまた事実。

 

「日本の神さんは人やろぉと妖やろぉと、手前の某ぃで悪魔になるぅは構わへんって考えやけどぉ、にしたってちいっとばかし()()()()と違いますぅ?」

 

 そう問う葛に、セラフォルーはそれは穿ち過ぎだと反する。

 

「確かに残念な行違いからはぐれ悪魔になってしまう者や、強制的な転生を強いる『悪魔の駒』の悪用が目に着くのは確かよ。

 でもそれは極一部の話。

 殆どの人は自分の意志で私達の同胞になって幸せに暮らしているわ。

 貴女達も私達と地平を共にしてくれれば必ずそれが間違いだと分かってくれる筈よ」

 

 そう言い切りさり気無く食い下がるセラフォルー。

 

「まぁ、そないに言ぅならそうなんやろなぁ。

 せやけどや」

 

 サンッ!!

 葛の言葉が終わる直前、まるで鋭い刃が風を斬ったような音が響く。

 

「日本の神さんのぉ鬱憤は、そないにぃ悠長にしてると思いますぅ?」

 

 そう言った直後、葛の身体が左右に別れた。

 

「なっ!?」

 

 突然の事態に驚く二人。

 左右に倒れる葛の身体の背後に、一人の偉丈夫がいつの間にか立っています。

 

「お前は…」

「お初にお目に掛かる。

 我が名は大国主大神。

 此度は日本神話の見解を告げに参った」

 

 遅参の件、お目溢しを頂こうとそう告げた。

 

「一体いつの間に…」

 

 話に集中していたとはいえ誰かが入ってくれば気づかぬ筈はない。

 しかし大国主大神は忽然と姿を表し手にした直剣で背後から葛を斬り殺した。

 その言葉が余りにも頓珍漢だと大国主大神は小さく鼻を鳴らす。

 

「葦原中國は我の守護せし地。

 その中であれば何里離れようと、如何な結界が阻もうと我に辿り着けぬ場所はない」

「……」

 

 その答えに言葉を失う。

 今が神代の頃ならそうだろうと頷ける。

 だがしかし、『システム』によって定義され直された現代でそれを成せる神がどれほど居るというのか?

 否、主神クラスでさえ簡単には成せるものではない。

 それを当然と口にした大国主大神に、アザゼルは背筋に冷たいモノを過ぎらせた。

 と、そこに聞こえるはずの無い声が響く。

 

「なんやぁ?

 野分はんが来るぅ思っとりましたぁけどぉ、あんさんが来るぅは予想外どすぅオオナムチはん?」

 

 左右に分かたれた姿で嘯く葛。

 アザゼルもセラフォルーもそれに驚く暇すらない。

 まるで輝きを放つような美しさを形にしたような大国主大神は、能面のように感情を表さず静かに言う。

 

「義父上はお忙しい身だ。

 このような些事にお出で頂く必要はない。

 それとして、布津御霊で斬って死なぬとは相変わらずしぶとい狐だ」

 

 忌々しそうに葛を睨む大国主大神。

 

「そぉでもありまへんよぉ?

 もう一時もせんでもこの身体ぁは使いもんにならなくなりますぅ」

「減らず口を叩かず狭間に戻れ」

 

 取り付くしまもない態度に葛は半身の身体でにちゃりと嗤う。

 

「せやねぇ。

 仕込みぃも終わりましたしぃ、こっからは狭間でじぃっくり愉しませて貰いますぅ」

 

 そう言うと同時に葛の体が崩れ、黒い泥のようなナニカとなって畳に染み込むように消えた。

 まるで悪い夢のようなやり取りに完全に置いていかれていた二人を大国主大神は視界に収める。

 

「では告げる。

 我々日本神話は「待ってくれ」」

 

 静止の声をアザゼルが上げるが大国主大神は構わなかった。

 サンッ!

 直剣を、神剣『布津御霊』を振るいセラフォルーを逆袈裟に切り裂いた。

 

「なっ…」

 

 斜めに斬られ、瞠目したまま声を発する暇すら与えられずセラフォルーは殺された。

 そして剣線を翻しアザゼルをも斬り裂こうと袈裟掛けに振るわれたが、なんとか回避を試みた結果奇跡的に即死は免れる。

 しかし、その代償は安く無かった。

 

「ガァァァァッ!?」

 

 即死は免れたが、肩から通り抜けた布津御霊はアザゼルの肺を始め背骨の半分までを切り裂いていた。

 神経を断たれ崩れ落ちるアザゼルに、今度こそトドメを刺そうと柄を握り直す大国主大神。

 

「何故だ!?

 なんで俺達に刃を向ける!?」  

 

 大国主大神は告げた。

 

『我々日本神話は天使と悪魔を滅す』

 

 寄り道は幾度もあれど、主亡き後も均衡を崩さぬため身を粉にして来たと胸を張って言えるアザゼルは、そんな自分達がどうして罰せられるのだと叫ぶ。

 その問いに大国主大神は眉間を僅かに寄せ告げた。

 

「貴様達大地に降る人外が世界に()()だからだ」

「なん…」 

「この星全て、遍く全て神の手より離れた。

 それに気付かない貴様らこそが世界を歪めていると知れ」

 

 そう吐き捨て布津御霊を心臓に突き立てた。

 

「ガバッ!?」

 

 衝撃に血と悲鳴を吐くアザゼル。

 

「ふざ‥けるな…」

 

 視界が暗く狭まる中、アザゼルは力無く手を振り上げながら末期の台詞を零す。

 

「にん…げんだけ‥で…せか‥いを…まわせ…る…はずが……」

「それこそが貴様等の傲りだ」

 

 死体となったアザゼルが抱いていた人間への愛を勘違いと言い切り、大国主大神は布津御霊を腰に提げる。

 

「そこの小狐」

 

 一連の出来事を腰を抜かしへたり込んで眺めていた侍女のふりをしていた八雲に向け、大国主大神は告げる。

 

「貴様達妖は人間の影だ。

 人がいる限り貴様達影は消えようと無くなりはしない。

 ゆめゆめ忘れぬ事だ」

 

 そう言うと大国主大神は忽然と姿を消した。

 

「私達は、人間の影…」

 

 それがどういう意味なのか、年若い八雲にはまだ解りかねるものであった。




 正直言うと、一誠だったものは白音のサンドバッグにしかならないしだったらカットしてデザートとコーヒーに移ってもいいよね?

 

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