聖闘士星矢【魔を滅する転生星Ω】   作:月乃杜

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第11話:聖衣継承! 獅子座の黄金聖闘士レオーネ

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 夕飯の後に、(ユエ)と部屋にて二人きりで会話を楽しんでいた詠だったが、急に真面目な──それでいて柔らかい微笑みを浮かべながら(ユエ)が言う。

 

「詠ちゃん、明日はちょっと特別な日なんだよ♪」

 

「特別? はて、何かしら有ったっけ?」

 

 (ユエ)の言葉に首を傾げて思い出す詠だったが、聖域でのイベントには思い当たらなかった。

 

「誰かしら誕生日とか? (ユエ)じゃないよね」

 

「違うよ〜。実はねぇ……今日、レオーネ様が獅子座(レオ)の黄金聖衣の継承をするんだ!」

 

「レオーネさんが? でも……それじゃ、今の獅子座(レオ)の一輝伯父さんは」

 

 ずっと獅子宮を留守にしていたからリストラか? 詠は失礼千万な事を考えたものの、一輝は確か行方不明とされてはいるのだが、実際には任務に就いていると父親──乙女座(バルゴ)の瞬から聞いていた。

 

「こないだ、一輝様が帰って来て聖衣の継承をするって話を教皇様としてたの。それで、明日が獅子座聖衣の継承式典なんだって」

 

「へぇ……」

 

 レオーネは、先代獅子座の黄金聖闘士アイオリアと従者リトスとの間に生まれた子供で、冥王ハーデスとの最終聖戦の前にユートの画策の末に結ばれる事で、アイオリアの死後にリトスがレオーネを生む。

 

 聖衣は世襲制ではなく、飽く迄も守護星座の導きと修業次第だが、レオーネはアイオリアと同じく獅子座(レオ)を守護星座とする。

 

 今までは一輝という今代の獅子座(レオ)が居たし、それ故に聖闘士の資格を与えられても、聖衣を得る事は無くずっと修業に明け暮れていた。

 

 だけどその一輝本人が、獅子座(レオ)の黄金聖衣を返還すると言ってきた為、今回は急遽としてレオーネを新たな獅子座(レオ)へと任命する運びとなる。

 

 何しろ、行方不明になる前は一輝こそがレオーネの師だったのだ。

 

 自らの後継者を手ずから修業を付け、そして明日にはその結実たる聖衣継承が行われて、新しく獅子座(レオ)が誕生をする。

 

 一輝はこれ以降より聖域に於いて、正式に鳳凰星座(フェニックス)の聖闘士として動く事になるのだ。

 

 この措置をアテナが良しとしたのは、鳳凰星座聖衣(フェニックス・クロス)を纏えるのが現段階で一輝しか居ない事と、レオーネも成人となっている事だし、いい加減で聖衣を与えなければならなかった為。

 

 また、群れるのを嫌っている一輝は滅多に聖域には帰って来ないし、唯でさえ黄金聖闘士が足りていないのに、獅子宮の守護者足り得る者が居ながら、いつまでも雑兵同然としておくのが勿体無いというのも理由だった。

 

「という訳でぇ、詠ちゃんも出席してね?」

 

「判ったよ、(ユエ)

 

 どうやら今日、帰って来てくれというのはこの為だったらしい。

 

 道理で誰もパライストラの詠を一時帰郷させるのを反対せず、アッサリとそれを認めた筈である。

 

 折角の継承式典な訳で、聖域内の出られる聖闘士や雑兵、巫女、侍従、聖闘少女は全員が出席する様だ。

 

 当然ながらフォーマルな格好をせねばならないが、聖闘士のフォーマルスーツとは即ち聖衣。

 

 詠はアンドロメダ聖衣を纏って出席する事になり、(ユエ)は聖衣創成師によって造られた天聖衣(アスクロス)を纏う。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

「兄さん!」

 

「瞬、お前も戻って来ていたのだな」

 

「はい!」

 

 袖を捲った紺の半袖服に赤いジーパン姿、額に傷を持つニヒルな笑みを浮かべる男──一輝に話し掛けてきたのは、乙女座(バルゴ)の黄金聖衣を纏う女性を思わせる顔立ちで、目を閉じた亜麻色の髪の毛の男──

乙女座(バルゴ)の黄金聖闘士である瞬だった。

 

 最後の御勤めとばかりに獅子宮に上がって来た矢先だった、一つ上の処女宮からすぐに駆け付けたのだ。

 

「黄金聖闘士になっても、相変わらずだな」

 

「三十路を後半も過ぎて、未だに放浪癖があるお前が言える事か?」

 

「星矢……そうか、光牙はパライストラだったな」

 

 更に瞬の後ろから現れ、一輝に声を掛けたのは背中に翼を持つ黄金聖衣を纏った男、射手座(サジタリアス)の星矢。

 

 嘗てのペガサスであり、義息子の光牙に新天馬星座聖衣(ペガサス・クロス)を与えて、パライストラへと送り出した後は聖域に顔を出す様になった。

 

 因みに、聖衣は黄金聖衣以外を全て造り直されて、旧聖衣を纏うのは一世代前の聖闘士のみとなり、現代の聖闘士は基本的に全員、新聖衣となっている。

 

 形状はΩ版に窮めて近いものだが、決してゴム聖衣には非ず……

 

 アテナ──城戸沙織は、辰巳徳丸と共に三日月島に結界を張って篭っているのだが、今日は新しい獅子座の黄金聖闘士が誕生する事もあって、聖域へと戻って来ていた。

 

 星矢はお供みたいな形でエスコートをしたばかり、詠よりは遅かったが沙織も既に神殿に入っている。

 

 今頃は身を清める為に、水垢離(みずごり)の真っ最中であろう。

 

「フン。放浪癖というが、俺は任務を受けて動いているだけだ」

 

「任務が無くても同じだと思うが?」

 

 やれやれとオーバーアクションで言う星矢。

 

「そういうお前は、アテナと幼馴染みとシャイナの間をフラフラと放浪しているのだろうが!」

 

「なっ! そりゃ、美穂ちゃんとは……」

 

 最後までは言えず口篭ってしまう。

 

「いっその事、開き直って優斗みたいに三人共を囲ったらどうだ?」

 

「うぐっ!」

 

 ナニかが突き刺さり左胸を押さえた。

 

「何をしているのですか、貴殿方は?」

 

「翔龍……」

 

 更に三人へ声を掛けて来たのが、天秤座聖衣(ライブラ・クロス)を纏う黒い長髪の青年の翔龍。

 

 割と最近、義弟の龍峰が龍星座聖衣(ドラゴン・クロス)を継承し、これまで纏っていた翔龍は天秤座の黄金聖衣を継承する。

 

 一輝は逆パターンだが、これも一つの様式美というやつであろうか?

 

「翔龍も明日の事を話に来たのか?」

 

「そうですよ、星矢さん。私は天秤座(ライブラ)として聖闘士の善と悪を計りし要ですし、レオーネは友人なのでそんなのは関係無く何を置いても出席します」

 

「ああ、そうだったな」

 

 翔龍はレオーネと年齢が近い事から、友人としてもライバルとしても切磋琢磨をしてきた。

 

 修業地こそ五老峰と聖域で離れていたが、双子座の黄金聖闘士による聖域改革の一環というか、開校するパライストラみたいな環境を少し整え、テストケースにしてみようと云う話になって、翔龍やレオーネ達の世代の候補生が対象となり実施をされる。

 

 これは星矢の世代に於ける意識を変えようという、ちょっとした試みの一つ。

 

 実際に星矢はギリシアで修業していた頃、シャイナを筆頭に日本人である事から差別を受けてきた。

 

『聖衣はギリシアの大いなる遺産、東洋人の星矢には絶対に渡さない』

 

 これが候補生や雑兵共、そして最初の頃のシャイナの選民意識。

 

 実際には確かに聖衣は、ギリシアの戦女神アテナが聖闘士の為に用意をして、神代の頃から受け継がれてきた物だ。

 

 だが、黄金聖闘士にすらギリシア人が殆んど居ない現状で、余りにナンセンスな事を言っている訳だし、何より東洋人が駄目とか言ったら天秤座(ライブラ)の童虎を非難する事に……

 

 因みに、今の黄金聖闘士は半数が東洋人だ。

 

 それは兎も角として……翔龍とレオーネは実力の近い者同士だし、交流会ではお互いに実力を確認し合う仲だった。

 

「フッ、確かに友の晴れ姿だからな」

 

 振り向けば、金髪碧眼のクールな佇まいの男が……

 

「氷河さん!」

 

 白羊宮から上がって来たのか、入口の方より氷河が水瓶座聖衣(アクエリアス・クロス)を纏い、マントを棚引かせ歩いて来る。

 

 クールな外見にホットな心を持つ氷河は、カミュの意志と聖衣を受け継いで、氷の貴公子の二つ名を欲しい侭に、水瓶座の黄金聖闘士として活躍をしている。

 

 普段は黄金十二宮(ゴールド・ゾディアック)に詰めているが、基本的に聖戦の無い間の聖闘士は暇を持て余している程ではないにせよ、常に厳戒体制を敷いている訳でもない。

 

 此処には黄金聖闘士以外にも雑兵の皆さんを始めとして、侍従や巫女達などの非戦闘員から聖闘少女みたいな戦闘員、青銅聖闘士や白銀聖闘士も詰めている。

 

 更にはユートが幾人かの聖騎士を送り、黄金十二宮の穴埋めなどに当たらせてもいたから、氷河が何日かを故国で過ごしても問題は特に無く、故に氷河は暫くの間を東シベリアで妻と共に暮らしていた。

 

 正確には妻のナターシャ──氷河の母と同じ名前──はブルーグラード出身であり、追放されたが氷戦士(ブルーウォリアー)となり戻って来た兄のアレクサーによる野心を止められなかった彼女は、父ピョートルを兄が殺した事に心を痛め素肌を晒すレベルの服装で外へ出て氷像となる。

 

 何とか命に別状が無い間に救われて、アレクサーも妹の行為に愚かさを覚って涙を流した。

 

 聖戦を終えて偶々、氷河は任務でブルーグラードへと向かい、ナターシャとの再会を果たす。

 

 それを切っ掛けとして、氷河とナターシャの仲が深まり、数年の交際期間を経て結婚するに至った。

 

 因みに滞在中にはヤコフに修業を付けてやり、その数年で白鳥星座聖衣(キグナス・クロス)を受け継ぐ事となり、一九九九年に於ける【マルスの乱】では、キグナスのヤコフも氷河と共に参戦をしてる。

 

 一九九七年に妊娠発覚、一九九八年にはナターシャとの間に一子を授かって、息子に凍夜と名付けた。

 

 年月を経て益々盛ん……ではなく、仲を深めている夫婦故にか氷河はよく帰郷をしており、今回も詠からは怠慢と言われた訳だが、一足違いでサボり扱いされたなど流石に氷河も思いはすまい。

 

「皆様、お揃いですね」

 

「ん? 確か君は……優斗の擁する聖騎士(セイント)の一人、黄金聖騎士・双子座(ジェミニ)のリゼット」

 

 清楚という言葉が服を着て歩いているみたいな……そんな少女が双子座の聖衣を身に纏って現れた。

 

 双子座のリゼット。

 

 本名はリゼット・ヴェルトールと云い、名前以外の記憶を喪った状態だった。

 

 そんな彼女を、長い黒髪に血玉の如く瞳の少女? により渡される。

 

『どうするべきか悩んだけどね、私は判断に迷ったら面白そうな方を選ぶ事に決めているの。だから貴方にこの子を託すわ。クスクス……記憶を喪っているから嘗ての自分を全く覚えてはいないのよ、若しも貴方と結ばれて万が一にも記憶を取り戻したら(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)きっと笑えるくらい動揺するわね、きっと」

 

 図書館島の主みたいに、常に其処で本を読んでいると聞くが、果たして何者でどんな意図からリゼットを渡したのか?

 

 それはユートにも理解は出来なかったが、リゼットという少女は何処かで見た覚えがあった。

 

 その答えはいずれ知る事となった訳だが、取り敢えず現在は関係無い話だ。

 

 彼女──リゼットが何故か欠番だった双子座(ジェミニ)の黄金聖騎士を拝命をしたのは、彼女が双子でこそなかったものの、その内に第二の闇人格を備えていた為で、それ故にか造った侭で放っていた双子座の黄金聖衣が反応を示した。

 

 形状を女性型に変えて、双子座聖衣(ジェミニ・クロス)をリゼットに与え、もう永久欠番でも構わないかと思った十二宮騎士団(ゾディアック)の双子座へと据えたのである。

 

 因みに、ユートは飽く迄も黄金聖闘士だ。

 

 この銀髪碧眼の少女は、聖域にユートが派遣をしていた姫巫女で(アングイス)の栞──ルーナに非ず──と共に在る。

 

 護衛ではない。

 

 単純な実力では栞の方が余程強いのだから。

 

 栞──百野 栞──も実はリゼットとは御同輩で、他にも更に三人ばかり同じ境遇の者が居て、今回で起きる聖戦に向けて冥闘士に誘う心算だ。

 

 冥闘士は冥衣自体が本体と云え、纏えば肉体を冥衣に併せて作り換える。

 

 小宇宙を持って肉体的にも頑強となり、更に必殺技も覚えるだろう。

 

 ユートが造った聖騎士用の聖衣のバージョンアップとも云える機能で、流石は神であるハーデスが創っただけはある。

 

 リゼットが言う。

 

「明日の式典について話がしたいと、我が主ユートが御呼びになっています」

 

「優斗が? パライストラに居たんじゃなかったか? 確か……」

 

「今は貴鬼様を連れて聖域までお越しです」

 

「貴鬼まで? ひょっとしてジャミールに用事でもあったのか?」

 

 星矢は知らない事だが、ユートはジャミールまで赴いて、鶴星座(クレイン)の小町の聖衣の修復依頼に行っていた。

 

 その折に影武者となって双児宮に詰める優雅から、思念通話でレオーネの聖衣受領式典の話を聞き、急ぎ聖域まで貴鬼を引っ張りながら戻って来たのである。

 

 星矢達は第三の双児宮まで降りると、貴鬼も交えて黄金聖闘士で集合をして、明日の式典の話し合いを行うのであった。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 翌日となり、コロッセオには多くの人間が集う。

 

 大々的なセレモニーが開かれ、教皇の法衣を纏ってマスクを被った紫龍が玉座に座りながら、傅く聖闘士や巫女達を見遣る。

 

「これより、獅子座(レオ)の黄金聖闘士の一輝から、弟子のレオーネへ黄金聖衣の継承を行う!」

 

 紫龍が厳かに継承の宣言をすると、ワッ! と雑兵達が沸き上がった。

 

 普段から堅苦しい聖域に詰め、娯楽には飢えているのであろうが、これ程までとはレオーネも思わずに、そのハイテンションっ振りに引いている。

 

「聖闘士レオーネ、前へ」

 

「ハッ!」

 

 射手座(サジタリアス)の星矢が呼ぶと、レオーネは前へと歩みを進めた。

 

 仮免生制度は飽く迄も、パライストラのモノ。

 

 聖域で直接、聖闘士としての資格を与えられていたレオーネは、既に聖衣さえ有れば正規の聖闘士だ。

 

 星矢は白い絹のスカーフを風に棚引かせ、今回の式で進行役を務めている。

 

 一応、黄金聖闘士の纏め役が星矢だからだ。

 

 配置図で云うと、一番高い位置に有る玉座に紫龍が座っており、両隣に氷河と翔龍が立っている。

 

 中段に星矢が司会として立ち、更にその前には貴鬼とハービンジャーと瞬が立っており、双子座の優斗とリゼットがコロッセオ内で立会人をしていた。

 

 そしてコロッセオ中央に獅子座(レオ)の黄金聖衣を纏う一輝と、向かい合って立ったレオーネが居る。

 

 一輝はフル装備にマントまで羽織り、いつものラフさがまるで嘘みたいな格好で佇んでいた。

 

 雑兵や白銀聖闘士や青銅聖闘士はコロシアム内の席に着いており、アンドロメダの聖衣を纏う詠の場合、オリーヴァの姫巫女アリアと三日月(クレスケンス)姫巫女・月(ユエ)、それに(アングイス)の姫巫女の栞の三人を護る位置だ。

 

 ある意味で一番の特等席だったが、別の意味でなら針の筵とも云う。

 

 尚、(オウル)は故人であるが故に今は空位だ。

 

 一巡目はどうか知らないのだが、この二巡目に於いて星矢と星華の母であり、神域に居た頃のアテナへと仕えていた(オウル)──パルティータ。

 

 残念ながら星華と星矢を産んだ後、彼女は病に侵されてしまい死んでいる。

 

 それ故にユートは姫巫女として、新しい(オウル)を誰かしら捜して来て任命する必要があった。

 

 次の聖戦までには……

 

 それは兎も角、聖衣継承の儀式(イニシエーション)が始まる。

 

「レオーネ、手を出せ」

 

「はい、師匠!」

 

 瞑目をする一輝に命じられて、素直に手を差し出すレオーネ。

 

 その手を取ると、一輝は獅子座聖衣(レオ・クロス)の聖衣石の填まる腕輪を、レオーネの手首に手ずから装着させてやる。

 

 聖衣が光を放つと一輝から分解離脱して、聖衣石を身に着けたレオーネへ次々と装着されていき、最後にマスクが頭に装備された。

 

 いつの間にか羽織られた純白のマントを靡かせて、一番高い所に座る紫龍へと膝を付いて頭を垂れる。

 

 紫龍は玉座から((おもむろ)に立ち上がり、法衣を掻き乱しながら右腕を横へと伸ばし……

 

「今、此処に獅子座の黄金聖衣は新たな聖闘士としてレオーネを選んだ。アテナの名の許に新しい獅子座の黄金聖闘士を祝福しよう」

 

 力強く、そして高らかに宣言と共に言祝(ことほ)いだのであった。

 

 それに再び沸き立つ周囲の雑兵達。

 

 雑兵の多くはギリシア人であり、仮にそれでなくとも東欧人が聖闘士を夢見て挫折をした者。

 

 他の地域で候補生となった場合は、駄目なら駄目で別の生き方──とはいえ、聖闘士の関係者──をする場合が多い。

 

 だからだろう、やっぱりギリシア人が聖闘士の頂点たる黄金聖闘士になったのは嬉しい様だ。

 

 雑兵は戦闘要員でなく、警備員に過ぎない。

 

 戦闘要員としては現代に於いて雑兵などではなく、今は鋼鉄聖闘士(スチールセイント)が担っている。

 

 鋼鉄聖闘士の方が、機械仕掛けとはいえど聖衣を纏う分は、雑兵よりもマシに闘えるのだ。

 

 ユートはそんな雑兵の考えを理解した上で、マスクの下の表情は渋いものとなっていた。

 

 選民意識はユートが嫌う一つであるが故に。

 

 人種も種族も闘士などにしても、優秀なのは所詮は個人に過ぎないのだ。

 

 自らの所属を誇るのは良いだろうが、傲るのは同じ『プライド』でも意味合いは全くの別物で違う。

 

 まあ、今は構うまい。

 

 今日はレオーネの門出、目出度い日なのだから。

 

 ユートは黒曜石(オブシディアン)も斯くやな漆黒の宝玉が填まる腕輪を手に持ち、それを見つめながら渡すべき二人(・・)の聖闘士を思って瞑目をする。

 

 星座の聖衣石、原典とは異なって形は一定の球状、色は聖衣のと同じだ。

 

 青銅聖衣と精霊聖衣だとカラフルな色で、白銀聖衣は銀色、黄金聖衣は金色、そして黒鍛聖衣は黒色。

 

 同一規格としては、石の中に聖衣の星座や精霊紋様が浮かぶ。

 

 ユートの構築した聖衣石は特別製で、一度でも聖衣を仕舞うと星座や精霊紋様が浮び、その聖衣の専用のモノとなるのだ。

 

 漆黒の聖衣石に浮かんだ紋様はアンドロメダ星座と獅子座、つまりこの中身は黒鍛アンドロメダ聖衣と黒鍛獅子座聖衣(ブラックレオ・クロス)

 

 黒鍛獅子座聖衣はムウとシオンに基部となるモノを渡して、其処から聖衣修復の要領で構築をした。

 

 要は貴鬼と同じである。

 

 与えるべきは愛しい娘の星那、そしてパライストラの学園長ミケーネ。

 

 星那とミケーネも同じく聖闘士の資格を持ちつつ、聖衣を与えられていないという状態だった。

 

 しかも星那は選りに選ってアンドロメダが宿星で、ミケーネはレオーネと同じ獅子座(レオ)

 

 年長のミケーネは闘う為にも先に聖衣を──雷帝の精霊聖衣を与えられてしまったが故に、獅子座聖衣をレオーネに譲る形になってしまったが、そのミケーネにユートは黒鍛獅子座聖衣(ブラックレオ・クロス)を与える事にした。

 

 この後、彼は疾風迅雷──黒獅子ミケーネとして、その勇名を馳せる。

 

 

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【聖闘士名鑑28】
名前:龍峰
年齢:13歳
階級:青銅聖闘士
聖衣:龍星座
誕生日:10月?日
血液型:A型
身長:?cm
体重:?kg
出身地:中国・廬山五老峰
修業地:中国・廬山五老峰
必殺技:水燐撃 廬山龍飛翔 廬山昇龍覇 廬山百龍覇 水発勁 鏡花水月 水龍円舞 明鏡止水 廬山亢龍覇
備考:紫龍と春麗との間に生まれた実子であり、翔龍の義弟。水属性による攻撃や防御を得意としており、紫龍から廬山昇龍覇と廬山百龍覇を受け継ぐ。水燐撃や廬山龍飛翔はユートが使ったのを見て覚えた。


【聖闘士名鑑29】
名前:栄斗
年齢:13歳
階級:青銅聖闘士
聖衣:狼星座
誕生日:?月?日
血液型:?型
身長:?cm
体重:?kg
出身地:日本・富士山の麓
修業地:日本 パライストラ
必殺技:魔狼氷壊(フェンリルクラッシュ) 土燐撃 変わり身の術 金遁の術 土遁の術 火遁の術 十文字岩石崩し  青龍鉄砲水 火炎の舞い乱れ撃ち 秘伝咆哮天狼崩し 土遁・双牙咆狼陣 野槌崩し 土遁・鳳仙花 鬼荒斬り 土遁土塁天井 水遁・絶対零度 白狼拳・伝神無双 岩戸返し 分身の術 狼牙拳・羅刹旋風刃 秘伝・地人一体 土遁・砂塵の舞 白狼拳・闘牙疾走 回転投石(ローリングストーン) 狼突両爪(ウルフルズクロー) 餓狼咬拳(ウルフガング・バイク・ブロー) 狼牙鉄槌(ウルフス・ファング・ストライク)
備考:富士流忍術の使い手たる忍者の末裔で元・狼星座であり現・蜥蜴座の芳臣の実弟。忍術を合わせる事により、属性の枠を越えて攻撃が可能となっている。普段は眼鏡を掛ける。魔狼氷壊と土燐撃はユートが使ったのを見て覚えた。


【聖闘士名鑑30】
名前:エデン
年齢:15歳
階級:青銅聖闘士
聖衣:オリオン星座
誕生日:?月?日
血液型:型
身長:?cm
体重:?kg
出身地:?
修業地:ギリシア・聖域 パライストラ
必殺技:雷燐撃 フォルゴーレ・ルネッサンス トニトルイ・フェラカーラス トニトルス・サルターン ヒーリア・マシティーラ トワノ・トルナード 參・雷帝荒涼(オリオンズ・デヴァステーション) トニトルイ・サルターレ 參・無之終焉(オリオンズ・エクス・ターミネーション) 輝光新星(ブリッラーレ・ノーヴァ)
備考:元・戦乱の神マルスであったルードヴィグと、魔女メディアとの間に生まれた子供。ソニアとは腹違いの姉弟に当たる。ユートの直弟子として聖闘士として修業をしていた。それ故にユートの技も使える。



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