あ、そうそう。言い忘れてたけど、最終話です、ハイ。無駄にダラダラと続けてもグダるだけだし……ねぇ?
クソ3編は気が向いたら書きます。というか、たいようのなく頃にを見ろ。書こうとしてる話は大体そんな感じだ。書く必要無くない? 無いよね? じゃあまたクソ3で考察するか(支離滅裂な言動)
俺は、アナスタシアが殺されて、その魂を抜き取られていたのでそれを取り返し、彼女の肉体に戻したのだとザックリと説明した。ありがとうございます、と彼女は感謝の意を伝えた。そして、彼女から今の自分について語られた。どうやら記憶の大部分が穴抜けらしい。アストラにいた事、そこで火守女をした事、最後に、ここでも火守女をしていた事。大体そこら辺しかないらしい。そして、再び火守女をしてくれるそうだ。だが、ああ、そうか。これはこれで、彼女は幸せなのだろう。苦しい記憶を捨てる事が出来たのだから。
……でも、そうだな。ああ、辛いな。いつも幸せそうに笑って、奇跡について語っていた彼女が、一切笑みを見せなくなった。それを見ていると、なんだか彼女が『人間味』を喪ってしまったようで、心が痛い。古傷と一緒に人間味を喪うぐらいなら、それなら……いや、もういいんだ。俺じゃあ、ダメだったんだ。
そうだ。主人公じゃなきゃ、ダメだったんだ。
◆
「あっ、ソラールさん!」
「おお、貴公か。久しいな。アノールロンド以来か」
太陽の戦士である二人は、太陽の光の届かぬ、鬱蒼とした森の中で出会っていた。地面は湿気からか、歩くだけで足跡が残る程度にはぬちゃぬちゃと柔らかく、なんだか気が滅入ってしまうような所だ。
「そうだねー。いやー、ジメジメした所ってあんまり好きじゃないから、探索したくなかったんだけど、アルトリウスを探せとかなんとかって言われたから」
「どうやら、同じ理由みたいだな。だが、どうしたものか、この先には話を聞いてくれない者たちが居てだな、事情を理解してくれないのだ」
困ったように言うソラール。実際困っていた。あまり事を荒立てる気は無いからだ。
「えー? 火継ぎっていいことなんでしょー? なんでダメなんだろうねえ」
「うむ。そこで、だ。貴公と力を合わせれば、この森の者たちを返り討ちにし、探索を続けられるだろう」
返り討ちとはつまり、生きたまま返すという事だ。殺しはしない。きっと、何かしらの事情があるのだと考えていた。例えば、そう。墓を守る為、とか。紋章が無いと開かぬ扉の内にいるのだ。それ即ち、何かしらの使命を受け、それを果たすためにいるはずだ。
どうだ? 協力してくれるか? と、ソラールは聞いた。
「もっちろん! ソラールさんの頼みなら、なんでも聞くよ!」
彼女はなんでも無いように、軽く返した。その明るさは、この場所ではとても頼もしい。
「ハハハ! 貴公の好意は嬉しいが、年頃の娘がそんな事を言ってはいけないぞ! ハハハハハ!」
「もちろんソラールさんぐらいにしか言わないのだ! ウハハハハ!」
なんとも奇妙な光景。だが、これが彼らにとっては当たり前の光景だった。
「よし。では、探索と行こう」
「エイ、エイ、オー!」
こうして2人は黒い森の庭の探索を始めた。襲い掛かる盗賊団を返り討ちにし、ニャルガクルガをボコボコにし、気がつけば道順から外れて狭間の森へと来ていた。襲い掛かるクリスタルゴーレムとヒュドラを倒し、とうとう2人は宵闇と出会う。そして、
連れ去られた先には、なんだかよく分からない
話を聞き、ソラールは考えた。深淵歩きアルトリウスに、今なら会える。彼ならきっと、深淵歩きの業を教えてくれるだろう。そして、ウーラシールが深淵に飲み込まれるのを防ぎ、宵闇も救ってくれるだろうと。
ソラールは即座に行動した。単眼の竜に睨まれ、少し怯えながらも探索を進め、自分と同じ境遇のチェスターと出会った。どこか胡散臭い上、販売している消耗品も割高。ソラールは誘い頭蓋だけ買い、その場を後にした。
ウーラシール市街を探索するソラール。闇の術に対抗して雷の槍を放っていたのだが、途中で拾ったスクロールによると、闇の術は人間性に触れたことによって産まれただとか、元々の魔術や呪術、奇跡を改造したものらしかった。そこでソラールは気づいた。気づいてしまった。これ、なんかすごい奇跡を自分でも作れるんじゃね? と。
ソラールはウーラシール市街の大体中層辺りまで探索した後、篝火へ戻って奇跡の改造に勤しんだ。球状にした雷を作ってみたり、幾つにも分かれて飛んでいく雷を作ってみたのだが、どうにも違う。しっくり来ない。
……そういえば、と。ふと、ソラールは思い出す。フリッツが使っていた、この深淵に飲まれかけている、闇に溺れたウーラシールの市民たちが使っている闇の術に酷似したものを。あれを雷にしたらどうだろうか? もし剣が手元に無くなったとしても、接近戦が出来るではないか。そうしてソラールは試行錯誤を繰り返して完成させた。奇跡【雷の杭】を。ソラールは満足した。そして、フリッツはなぜ闇の術を扱う事が出来たのか、不思議に思った。闇の術について記された書物があったのだから、フリッツがなんらかの手段で手に入れたのだろうと、取り敢えずはそう思っておくことにした。
再び探索を始め、今度は陽の光もあまり届かぬ下層まで辿り着いた。ウーラシール市街の篝火付近へのショートカットであるエレベーターから真っ直ぐ進んだ所にあるちょっとした広間に、人よりも一回り程大きい、そう、竜狩りオースタインと同じ程度の大きさの人影を見つけた。盾を構え、警戒しながら近づくと、向こうから非常に落ち着いた声色で話しかけられた。
「君が何者かは知らないが、離れてくれ。もうすぐ、私は飲み込まれてしまうだろう。奴らの、あの闇に」
ここまで聞いたところで、ソラールはもしやと思い、尋ねてみた。
「もしや、貴公はかの有名な四騎士の一人、狼騎士アルトリウス殿ではなかろうか?」
ソラールの問いに、彼は応えた。
「……ああ、その通りだ。深淵の拡大を防ぐ為、私はここに来た。だが、私には何も出来なかった」
「何も出来なかった? 深淵を歩く業を持っていると聞いたのだが。それに、闇に飲まれてしまうとは、一体……」
ソラールの問いはもっともなモノだった。
「私には……アノールロンドの秘宝の一つ、闇に対するモノを渡された。だが、私はそれを紛失してしまったのだ。私はそれに気づく事なく、奴に……深淵の主に戦いを挑んだのだ」
騎士アルトリウスの兜の房から、ドロリとした黒いナニカが地面へと滴り落ちた。
「私は奴に敗れ、こうして深淵に飲まれてしまった」
よく見れば、全身の至る所に、ドロリとしたナニカが纏わりついていた。だが、今はそれよりも大事な情報がある。
「その秘宝とは、いったい……」
「銀色に輝くペンダントだ。それにソウルを流し込めば、フォースと同じ要領で扱う事ができる」
そこでソラールは、ソウルの業で銀色のペンダントを取り出した。
「もしや、これの事だろうか?」
「ああ、それだ。すまない。私にはもう、あまり時間が残されてはいない。人間よ、君は強い。人間ならば、より純粋な闇に近いはずだ」
ゆっくりと、だが、力を振り絞って、騎士アルトリウスは言葉を紡いだ。
「頼む。お願いだ。深淵の拡大は、防がねばならない! 私に代わり、どうか、頼む」
憧れの騎士からの頼みごと。奮い立たずには居られなかった。だが、それとは別に、もう一つの想いも内に燻っていた。
「……承知した。最善を尽くす」
「ああ……感謝する、名も知れぬ小人よ。名前を教えてもらえないだろうか」
「ソラール。アストラのソラールだ」
きっと、これが最後の会話になるだろうと、分かっていた。
「ソラール。いい名だ。グッ……もう、時間が無い。急いで私から離れてくれ。君を傷付けたくない」
ソラールは騎士アルトリウスの言う通り、ウーラシール市街の上層に戻った。
「ォォォォオオオオオオオオオオオ!!!」
アルトリウスの雄叫びを聞きながら。
ソラールは思考を巡らせる。まず間違いなく、一人では彼処から先へと進めない。騎士アルトリウスが完全に闇に呑まれてしまったであろう今、彼との対話は望めないだろう。つまり、
だが、一人では勝てないだろう。相手は四騎士の一人、無双のアルトリウスだ。ソラールは悩み続けていた。
「ああ、やっぱり。ソラールさんも来てたんだね」
「貴公か……」
ソラールの座っていた隣に、逸れていた筈の彼女が座った。
「ソラールさんも、アルトリウスに会ったんだね」
「……ああ。だが、あれではな……」
深淵を歩いたと言われた騎士が、深淵に呑まれていた。誰もが憧れた無双の騎士が、自分に弱々しい姿を見せていた。左腕はへし折れ、闇に汚染された影響か全身から力が抜けており、人の身には余る大きな剣を地面に突き刺し、それにもたれかかる様にして自分と話していた。
伝説に語られる騎士が、憧れの騎士が、それとはまったく逆の姿をしていた。端的に言って、ソラールにはショックだったのだ。
「深淵の拡大を防いでくれって、私達に頼んだ。それはきっと、闇に呑まれた自分も殺してくれって意味よ」
「……そうか」
それを聞いてソラールは、やはりそうか、と思った。だが、どうしても動けない。
「ねぇ、ソラールさん。ソラールさんは何の為にロードランに来たの?」
「それは……」
「でっかくて熱い太陽に憧れて来たんでしょ? 太陽だって、雲に隠れてみんなを明るく照らせない時があるけれど、結局、また顔を出して輝いてるでしょ?」
ソラールは彼女の話を聞いて、己の原点を思い出していた。
「ああ、そうだ。俺は、俺だけの太陽を探しに来たんだ」
「じゃあ、私にとっての太陽はソラールさんだね」
「……なに?」
彼女の言葉に、ソラールは動揺した。自分が彼女にとっての太陽だと? いや、自分はあの光り輝く太陽からは遠い存在だ。だって、今だって、落ち込んでいて、彼女の言葉でやっと元気を貰えたのだから。
「だってソラールさんは、いつも苦しんでる私の事を照らしてくれるから」
「は、ははっ……」
ソラールは思わず、笑いが溢れた。
なんだ。自分にとっての太陽を探すことも、太陽になるってのも、案外簡単な事じゃないか。彼女にとっての太陽が自分だったように、彼女も、いつも突っ込んで行く自分をフォーローして、今だって、こうやって自分を支えてくれたじゃないか。
ああ、そうだな。俺にとっての太陽は、彼女だったんだ。
「は、は、ハハハハハハッ」
なんだ。太陽ってのは、案外近くにあったじゃないか。
「ありがとう。お陰で、やるべき事が分かったよ」
誰かにとっての太陽になるのが、こんなにも簡単だったんだ。なら、みんなの太陽になるのも、そう難しくはない筈だ。
「よかった。いつものソラールさんに戻ったね。その方が、太陽みたいに輝いてていいよ」
「ああ、ありがとう。それでは、行こうか」
「そうだね」
重い腰を上げ、太陽の絵を描いたタリスマンを強く握り締める。
さあ、騎士アルトリウスの願いを叶えに行こう。
▼
ウーラシールの惨劇は、何一つ変わることなく、アルトリウスによって救われたと後世に残された。2人の活躍を知る者は、今や居ない。いや、2匹だけは居た。
「ああ、あんたかい」
人の言葉を話す化け猫アルヴィナ。黒い森の庭にて、アルヴィナと、ウーラシールの本来の英雄が出会っていた。
「あんたには、あの子達が随分と世話になったようだね。いいさ、先に進みなよ」
──あんたには、その資格と貸しがあるからね。
アルヴィナの言葉を受け止めた
そして、
墓石の上から顔を覗かせた灰色の大狼は、
ちょっと嫌だなあと思いながらも、大狼が口から出したものを拾うと、どうやら指輪だったようだ。取り敢えずそれを見せるため、小ロンドへ向かった。イングウァードに確認すると、どうやらその指輪を装備していると深淵を歩けるようになるらしい。胡散臭いと思いながらも、その指輪を装備して四人の公王を倒した。
そこで、フラムトに似た蛇が現れた。蛇は自分をカアスと名乗り、この世界は欺瞞に包まれており、グウィンを殺し、火を継がず、
◆
あれから、ボーッとしてることが増えた。気がついたらカアスに連れられて火の炉への扉を開いていたし、幾ら何でも亡者化が進みすぎだわ。取り敢えず人間性を砕いて頭の中をサッパリさせる。
よし。じゃ、取り敢えず黒騎士マラソンでもしようかね。そう思って火継ぎの祭壇から階段を降りて火の炉に入ると、いつぞやの2人が居た。
「どうやら、ここまで辿り着いたようだな」
「……ああ。どうやら貴公も辿り着いたようだな」
「……あ、久し振りだね。元気してた? 前会った時は項垂れてたけど」
そう言う2人の方が元気がない。
「どうした。何か嫌なことでも知ったか? 例えば、グウィンが人間の事をただの薪としてしか見ていないとでも教えられたか?」
「「な、なんでそれを!?」」
2人してハモるな。
「なんだ、やっぱりか。で、どうするんだ? 欺瞞に満ちた神の時代を続けるべく、神の狗として無様に走り続けるのか。それとも、神に復讐すべく、神の時代を終わらせ、人の時代を迎えるのか」
「それは……」
悩むねえ。
「……貴公は、どうなのだ?」
絞り出すように、ソラールが問いかけてきた。
「私か? 私はどっちだっていいさ。貴公たちの手伝いとして来ただけだからな」
俺としちゃあどうだっていいさ。俺は火を継ぎたくない。かといって、殺される可能性の高い闇の王にだってなりたくない。ただ、手伝いをするだけだ。どっちに転んだって、俺は、幸せにはなれない。
「亡者達で溢れかえる真の世界にするも良し。偽りの平穏に満足するもよし。好きにするといい。よく悩め」
さーて、どうするのかね。
「……私は、火を継ぎたい」
彼女が覚悟を決めたようだ。
「ほう? 理由を聞こうではないか」
「例え偽りの世界だったとしても……それでも、私は美しいものを見る事ができた。それに、太陽の無い世界なんて、あり得ないから」
太陽の無い世界なんてあり得ない、か。
「そうか。それもまたよし、だな」
「く、ハハハ! どうやら、俺はまた貴公に救われたようだ。そうだな、太陽の無い世界なぞ、あり得ないものな。ハハハハハ!」
なんだ。やっぱり、こいつらは太陽の戦士じゃないか。そうだ、それでいいんだよ。お前らは、そうしてる間が一番輝いてるよ。
「覚悟は決まったようだな。後は、向かうだけだな」
「ああ、そうだな」
「うん、そうだね」
じゃ、火を継ぎに行こうか。
黒騎士を難なく倒し、最初の火の炉の最深部へと入る。
「来たか」
かなり離れた距離だと言うのに、その声は体の芯まで届くものだった。
「火を継ぐに値するか、試させてもらうぞ。もしダメだとしても、そのソウルで以って、火を守るだけだ」
俺たちが盾を構え、衝撃に備える。
「いくぞ、不死の勇者よ」
バチバチバチ、と激しい稲妻の音と共に、大王グウィンの手に雷で出来た大きな槍が作られる。
「古の竜の鱗をも貫いた我が槍、受け取るといい!」
グウィンの腕が振るわれる。放たれるのは、太陽の光の槍。
盾で受け止めてはダメだ。避けの一択。
「くうっ!」
彼女が避けきれず、下半身が吹き飛んだ。
「これで回復しろ!」
人間性をぶち込んで、強制的に元の体へと戻す。
「近づけるものなら、近づいてみるがいい!」
今度は左腕が真上に振るわれる。槍が上に飛び、そして──
「んなっ!?」
「マジか!」
「嘘でしょ!?」
──幾つもの雷の大槍が、俺たち目掛けて降って来た。
明らかにオーバーキル。確実に殺す気だ。そして、これでグウィンは燃えカスだと言われている。全盛期のグウィンを考えると、恐ろしい。
全力で槍を避け、人間性を砕いてスピアに纏わり付かせてグウィンへと投げつける。
「ヌッ!?」
軽く剣で弾かれたが、かなり動揺したようだ。
「ウォォォォォォォ! 大王グウィンよ! 私の
グウィンが此方を向いている間に、ソラールが雷の槍を作っていたらしく、バチバチと激しい聞こえた。ソラールの方を見てみると、それは、雷の槍ではなかった。
「嘘だろ?」
思わず声が漏れた。
雷の槍の様な黄色ではなく、太陽の様に明るく照らし、全てを包み込む優しさを持ったオレンジ色。それが、ソラールの右腕、肩までを覆い尽くし、まるで、杭の様な形を取っていた。
「面白い! 面白いぞ! あのボンクラを思い出す!」
グウィンが両手で剣を構えた。マズイ!
「こっちを向けっ!!!」
人間性を砕いて、捨ててもいい武器に纏わり付かせて、ひたすら投げる。
「小癪!」
グウィンが思い切り剣を振るう。熱波が俺へと向かい飛んで来た。投げつけた武器はあらぬ方向へ飛ばされ、俺は盾を構える間も無く吹き飛ばされ、壁に叩きつけられた。
「カハッ!」
肺から空気が溢れる。多分結構な骨をやられた。でも、不死人はその程度じゃあ行動不能にはならない。元々持つ回復力で神経を繋ぎ直し、右手で人間性を砕いて傷を癒す。
ソラールがグウィンに辿り着くまで、後4歩。
グウィンが返す一振りでソラールに対応しようとしている。ソラール、頼む! 当ててくれ。
そこで俺は気づいた。彼女が居ないことに。
「背中がガラ空きだね」
「ッ!?」
グウィンが気づいた様だが、振りかぶり始めている剣の軌道を変えることは出来ない。
彼女によって思い切り振り抜かれたグレートクラブが、背後からグウィンの脇腹を思い切り打った!
「グオ、オッ!」
姿勢が崩れ、グウィンの剣の軌道がブレる。
「俺の思い! 受け止めてくれ!」
グウィンの剣を潜り抜け、ソラールの右腕が、グウィンの心臓のある位置へ向けてぶつけられる。
──バチィ!!!
激しい雷音と閃光。そして、焦げ臭い匂い。
「……ああ、そうだな。」
両膝を付き、項垂れる様な姿勢のグウィンの胸には、大きな穴が開いていた。
「あいつの事を、もう少し考えるべきだったか」
自嘲するように言葉を紡ぐグウィン。
「よくやった、不死の勇者よ。我を殺し、ソウルを吸収するといい。そして、火を継いでくれ」
グウィンはソラールの方を見つめる。だが、ソラールは動かない。
「大王グウィンよ。俺は、火を継ぐには値しない。俺はまだ、未熟だからだ。だから俺は、彼女に継いでもらいたい。俺は、彼女のお陰でここまで来れたからな」
「私はソラールさんの方がいいと思うけど……いいの?」
「ああ。貴公に継いで貰いたいのだ。貴公は、俺の太陽だからな」
そう言ってソラールは「ワハハハハ」と大声で笑った。
「そっか……じゃ、そういう事だから。不本意だろうけど、ゴメンね」
そう言って彼女はグレートクラブでグウィンを叩き潰した。莫大なソウルが彼女の肉体へ吸い込まれていく。
「これで火を継げば、不死の呪いが解けるんだね」
「フラムトによれば、そうらしいな」
彼女が螺旋剣に向かって歩き出した。
「色々あったけど……まあ、いい旅だったかな」
「そうか。それはよかった」
ソラールと彼女のやり取りを、俺はただ見るだけだ。
「じゃ、火を点けるね」
彼女が螺旋剣に触れた。火が灯り、そして、彼女の肉体をも燃やしていく。
「なに、これ……? 嘘、やだ、死にたくない! やだ、やだやだやだやだ、やだ! やめて! お願いだから!」
「な、何が起きているのだ!?」
ああ、やはりか。
「熱い、熱いよ。なんで、そんな、火を継げばいいって、そういう事なの? やだ、やだ、やだよう。死にたくないよう。私だって、まだ、ソラールさんと一緒に──」
そこから先は声にならなかったのだろう。火の勢いが爆発的に増加し、火の炉最深部が炎に包み込まれる。
「熱い! 熱い! フラムトは騙したと言うのか!? クソッ! これなら私が火を継ぐべきだった!」
ソラールの言い分もわかる。でも、主人公が注がなきゃダメなんだよ。
恐らく、火を継いで直ぐは不死の呪いが消えていないはずだ。だから君は、後世に伝えなきゃあいけないんだ。
火の炉最深部が火で包まれ、そして、爆発。
──ああ。やっと死ねた。
もう痛覚も無い状態で、俺は、それだけを思っていた。
──これにて火継ぎの物語は終わり
──そして、王を狩る物語が始まるのさ
そうさね
そこはロスリック
火を継いだ、薪の王たちの故郷が、流れ着く場所さね
だから巡礼者たちは北に向かい、そして、予言の意味を知るのさ
”火は陰り”
”王たちに玉座なし”
継ぎ火が耐えるとき、鐘が響き渡り
古い薪の王たちが、棺より呼び起こされるだろう
深みの聖者、エルドリッチ
ファランの不死隊、深遠の監視者たち
そして、罪の都の孤独な王
巨人のヨーム
けれどね
きっと王たちは、玉座を捨てるだろう
そして、火の無き灰たちがやってくる
名も無き、薪にもなれなんだ、呪われた不死
けれど、だからこそ
灰は残り火を求めるのさね
Sunrise for me