イナズマイレブン! 脅威の転生者 ゴジョウ!! 作:ハチミツりんご
本当にすみません、受験勉強やら推薦書の作成やらで時間が取れなくて・・・。当方の受験が終わるまでは、更新ペースがかなり落ちると思います。
感想の返信は、もう少しお待ちください。全部見てます。めっちゃ励みです。
「そうですか、あの子は君の………。」
「あぁ。妹を救ってくれて、ありがとう。本当に感謝している。」
「いえいえ、人として当然のことですので。」
「・・・そうか。」
「ええ。」
「・・・」
「………」
き、気まずい・・・!!
「(よくよく考えたら俺が一方的に知っているだけで豪炎寺は俺と初めて会うし、俺は話し上手ではないし、何より豪炎寺は寡黙だしで会話が続かない!!密室で初対面の相手と二人きり!!気まず過ぎて胃が痛ぁい!!助けて教祖様!!ーーーダメだ知り合ってすらいねぇ!!)」
「・・・すまなかった。」
そんな気まずい雰囲気の中、豪炎寺は心苦しそうな顔で頭を下げる。そんな彼に五条は慌てたような様子で聞き返す。
「い、いきなりどうしたんですか?」
「君の怪我は俺のせいだ。俺がもっと気をつけていれば、こんなことには・・・。」
「………何に責任を感じているのかは分かりませんが、今回の件で、貴方が責任を感じる必要はありませんよ。」
どちらかと言えば今回の件は影山のせいだ、と心の中で付け加える。
「いや、俺のせいだ。俺が夕香を迎えに行っていれば・・・そもそも応援に来てくれと言ったのが間違いだったんだ。俺のせいで、夕香も、君も・・・。」
しまいには、俺がサッカーをしていなければ、などと言い出しそうな雰囲気に、五条は内心、責任感じ過ぎでしょ!?と驚いていた。
五条の知る豪炎寺修也は、口数は少ないものの、その熱いプレーでチームを引っ張っていく、そんな選手だ。だからこそ、目の前の彼の弱気な態度が信じられなかった。
「いやいやいや、流石に飛躍し過ぎでしょう?貴方は決勝戦に向けて集中していたんでしょうし、妹さんもそんな貴方を応援しに来た。それの何処に問題があるんですか?」
こんなキャラだったっけ?などと思いながらも、五条は疑問をぶつけていく。
そんな五条に対し、豪炎寺はその理由を口にする。
「・・・君を巻き込んでしまった。」
「………私を?」
豪炎寺の口にした理由は、怪我をしなくていいはずの五条が、妹を庇ったことで決勝戦に出場出来なかったことに対する罪悪感だった。
本来、妹が怪我をしたのは自分の責任であり、悪いのは注意を払わなかった自分である、と考えている豪炎寺にとっては、五条が怪我をした事ーーーしいては、自分の尻拭いをさせてしまったことに対して大きな責任を感じさせる要因となっていた。
「名門、帝国学園で入学早々レギュラーを勝ち取ることがどれだけ難しいかは俺も知っている。それに、今までの試合を見れば、君がどれだけ努力してきたかも分かるつもりだ。
ーーー俺は、そんな君の努力を無駄にするような事をしてしまったんだ・・・!!」
悔しそうに、心底申し訳なさそうにして豪炎寺はそう呟いた。そんな彼の態度に、五条は感銘を受けーーー
「(・・・なんか、責任感じ過ぎてて見ててウザいと思ってしまった。)」
ーーーているなんてことはなく、ただただこいつアホじゃね?と心の中で思っていた。
確かに豪炎寺の観点から見れば、フットボールフロンティアは日本中学サッカーの最高峰であり、この大会で優勝する為に自分も五条も日々努力してきた、という認識であり、彼の思いもまぁーーー明らかに気負いすぎだがーーー分からなくもない。
しかし、五条の観点から見てみよう。フットボールフロンティアで優勝すること、これに向けて努力しているのは正しい。しかし、五条にとっては、フットボールフロンティアは一つの通過点でしかないのだ。
だって考えても見て欲しい。来年の大会には、40年無敗の帝国学園をボコボコにする世宇子中が出てくる。
さらに原作雷門はこれを打ち倒すが、その後すぐにジェミニストームにボコボコにされる。
それを打倒したとしても、イプシロンが、カオスが、ジェネシスが、それが終わっても世界の強豪たちがーーーと言った具合で、ソシャゲも真っ青なレベルのインフレが起こるのを知っているのだ。
そんな五条からしてみると、豪炎寺にはとっとと立ち直って欲しいのである。ぶっちゃけこの際雷門に行くか行かないかよりも、このまま豪炎寺がサッカーを辞めて、来年以降もそのままの方が困るのである。
原作通りの世宇子中ならまだインフレ初期であり、あと1年、必殺技を中心に特訓すれば、帝国学園でも勝てる可能性が残っている。それに、別に戦わなくても影山をどうにかすれば世宇子中は対処可能なのだ。
だが、エイリア学園はそうもいかない。事前対処が不可能に近く、実力も桁違い。これを倒すためには、日本全国の強豪たちを集めなければならない。その中でも最も重要な人物の1人、それが豪炎寺修也なのだ。
一応、原作とは異なり、『鬼道有人』を中心に帝国学園のメンバーのレベルが向上しているし、強力な仲間候補として『吹雪アツヤ』と『白兎屋なえ』、それにパワーアップした上に仲間の大切さを学んだ『比得呂介』と『小鳥遊忍』もいる。
しかし、彼ら彼女らには豪炎寺修也の代わりは務まらない。それ程までに特別な存在、それが彼なのだ。『円堂守』と並び、居なくてはならない、そんな人物。
彼がここで離脱するのは、いささか不味い。
「………それでは聞きますけど、君はこれからどうするんですか?」
「・・・どう、とは?」
「そのままの意味ですよ。私や妹さんに責任を感じているんでしょう?それに、その雰囲気だと、木戸川清修のチームメイトにも迷惑をかけてしまった、とか思ってるんじゃないですか?
それに対して、貴方はどういった行動をとるんですか?」
五条の棘を含んだ言葉に僅かにたじろぐも、直ぐに元の表情に戻り、こわばった口から言葉を紡ぐ。
「俺は、木戸川を離れる。大切な決勝戦にも出らず、自分のことを優先した俺にあのチームにいる資格は無い。妹のーーー夕香の為にも、この病院の近くの学校に転入するつもりだ。」
「妹さんの為にもですか?」
「ああ。・・・言ってなかったんだが、実は夕香は今、歩けない状態なんだ。ーーーあぁいや、君を責めてるんじゃない。主治医の先生によれば、まともにぶつかっていれば意識不明、最悪の場合死んでいたそうだ。そんな夕香が、意識をしっかり保って、元気に話していられるのは、君のおかげだ。本当にありがとう。
・・・話が逸れてしまったな。俺は木戸川を離れて、近くにある学校ーーー雷門中に転入しようと思ってる。
そして・・・サッカーも辞める。仲間を裏切って、何の関係もない君を巻き込んで怪我をさせた俺に、フィールドに立つ資格はない。幸い、雷門中にはサッカー部も無いらしいしな。
ーーーこれが、俺の責任に対する償いだ。」
その言葉を最後に、豪炎寺は口を閉じる。表情は真剣そのものであり、嘘を言っているようには思えない。
そんな彼の言葉に、五条は溜息をつきながら、軽く頭を抱える。
「はぁ………まったくコイツは………。」
「?何処か、おかしかっただろうか?」
五条の額に、ピキリと青筋が浮かぶ。
「………いいですか?まず、1つ。」
ビシっ!と豪炎寺に指を突きつける。
「私の怪我はそこまで酷いものではありません。後遺症も無く、ひと月もすればまた元のように練習に参加することが出来ます。
よって、貴方が何かしらを思う必要性はまっっっっっっったくない!!!」
語尾を強めた五条に、豪炎寺が目を見開く。
「2つ!!!貴方は決勝戦に出なかった自分には木戸川にいる資格はない、と言いましたが、ならば彼らに対して何かしらの行動をしなさい!
私から言わせれば、あなたの行動はただの逃げです。何の解決にもなりません。」
「っ!!そんなつもりじゃ・・・!!」
「貴方はそうでも、木戸川の方々からすればそう捉えることが出来ますので。謝るなり、責任取って来年のフットボールフロンティアの為にチームに貢献するなりしなければ、何も始まりませんよ?
………そして3つ目。これが一番大切です。
一番あなたのことを応援していたであろう、妹さんの気持ちはどうなるんですか?」
妹の気持ち。
その言葉に、豪炎寺は大きく目を見開いた。
「わざわざ試合に駆けつけるほど、貴方のことを応援していたんでしょう?それなのに、自分のせいでお兄ちゃんがサッカーを辞めたと知ったら、妹さんはどうなるんでしょうね?」
「・・・違う!!夕香のせいじゃない!!俺が、俺のせいで・・・!!!」
「だから、それは何の解決にもなっていないんですよ。………言い方は悪いですが、貴方の行動は自己満足に近いんですよ。確かに貴方はそれでいいかも知れませんが、周りがどう思うかを考え無さすぎです。」
豪炎寺は表情を歪める。自身の言動を振り返りーーー確かに、五条の言うように独りよがりだったかもしれない、と思い至ったから。
元来、豪炎寺修也という少年は理解力が高い。実際は何の罪もなくとも、自分のせいだと思い込んでしまうほどの危うさがあるものの、普段は責任感が高く、聡明だ。
だからこそ、冷静になって自身の言葉を思い返すと、自分がついた間違いをーーー責任を取ったつもりになって、大切なことに目を背けていることを、認められたのだろう。
「・・・俺は、どうすればいいんだ?」
力無く呟かれた豪炎寺の言葉に、五条はかぶりを振って答える。
「それは、貴方の選択です。………ただ、私からはあと一つだけ。
豪炎寺君。ーーーサッカー、好きですか?」
豪炎寺の頭の中を、とある風景が駆け抜ける。
幼い妹が、自分のプレーを見て、スゴイスゴイ!!とはしゃいでいる光景が。
今よりも随分若い父が、試合に勝ったことをまるで我がことのように喜んでいる風景が。
そしてーーー
『頑張ったね、修也。』
ーーーそう言って優しく微笑んでくれた、母が居た日常が。
ああ、そうか。
自分はどうしようも無く。
「サッカーが、好きなんだな・・・。」
豪炎寺が、俯いていた顔を上げる。憑き物が落ちたかのような、晴れやかな顔だった。
「ありがとう。君のおかげで、大切なことを思い出せた。」
「ククク………いえいえ、私は何もしていませんよ。豪炎寺君自身が思い出したんです。」
「そんなことはないさ。それと、豪炎寺で構わないよ。」
「なら、私も五条で構いません。………それと、口調も楽にしてもらっていいですよ?無理してるでしょう、それ?」
「・・・バレてたか。なら、そうさせてもらおう。
これからよろしく頼む、五条。」
「………えぇ。こちらこそ、豪炎寺。」
どちらともなく差し出した手を、ガッチリと掴む。
手を離すと、豪炎寺は立ち上がる。
「長々と済まないな。失礼する。今度は、妹も連れてくる。」
「えぇ、楽しみにしていますよ。」
フッ、と軽く笑みを浮かべ、豪炎寺は部屋の外へと出て行った。
1人残された五条は、起こしていた上半身をベッドに倒しーーー
「(無理だわ。完全に木戸川居残りルートだわ。いやサッカー辞めるよりはいいけどさぁ・・・でも夕香ちゃん意識不明になってないならいっかぁ。でも原作がぁ・・・。)」
ーーーこれからの為に頭を悩ませていた。
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ガラリと扉を開け、病室に入る。
ベッドには妹である夕香が眠っており、傍らには家政婦のフクさんが座っていた。
「フクさん、来ていたんですね。」
「あぁ、修也さん。ええ、電話を聞いて、いてもたってもいられず・・・。夕香ちゃん、大丈夫なんでしょうか・・・。」
豪炎寺は医師から伝え聞いたことを伝える。しばらくは車椅子で生活をすることになるが、時間をかけて治っていくだろうとのことだ。
それを聞いたフクさんは、少し安心したように顔をほころばせた。
そんな中、不意に豪炎寺が口を開いた。
「なぁ、フクさん。相談があるんだ。」
「?はい、どうしましたか?」
基本的に家族に心配をかけないように振舞っている修也から相談を持ちかけられるのは珍しく、フクさんは少し不思議に思っていた。
豪炎寺修也は、言葉を紡ぐ。自分の決意を、確認するように。
「これからは、夕香は病院で寝泊まりすることになるだろう?そしたら夕香、不安がると思うんだ。フクさんも毎日つける訳では無いし・・・。だからさ、
俺、雷門中に転校しようと思うんだ。」
豪炎寺の選択が、運命を変える・・・。