イナズマイレブン! 脅威の転生者 ゴジョウ!!   作:ハチミツりんご

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勉強の合間を縫ってイナイレ2をやっているんですが、改めて思った。



スカウトキャラの女の子可愛過ぎない?

個人的に、沖縄でスカウト出来る「ぬのか」がお気に入りです。カワイイ。






第十九条 それぞれの変化

「はぁ・・・。」

 

 

思わずため息がこぼれる。

 

 

窓の外を眺めながら、思い起こすのは彼。

 

 

二度と逢えないわけではない。それこそ、逢いに行こうと思えば行ける距離にいる。

 

 

それでも、彼の隣に立つことはもう無い。

 

 

その事を思うと、再びため息がーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なにあれ気持ち悪い。」

 

「同じ顔であんな事されると吐き気がしますね・・・。」

 

 

木戸川清修1-Cの教室でひとり黄昏れる武方勝に、同じクラスの田中と武方友は苦言を零す。

 

 

「まぁでも、勝の気持ちも分からないでもないですけどね。」

 

「転校しちゃったからなぁ、豪炎寺。でも、妹が歩けないんだろ?なら仕方ないよな。」

 

「ですねぇ。」

 

 

彼らの言うように、武方勝が落ち込んでいる理由は至極単純で、豪炎寺が転校したのが悲しいからだった。

 

 

「この間の決勝戦で点決めたとき、これで豪炎寺に1歩近づいたー、って喜んでたしな。」

 

「アレは決めたというより、相手のミスを押し込んだって感じですけどね。」

 

肩を竦める友に、田中はあぁ、と苦笑する。

 

 

「五条の代わりに出てきたやつか。ありゃ酷かったな。」

 

「緊張でガチガチだったのか知りませんけど、指示は聞かないしミスはするし、味方の邪魔してるし・・・。まぁおかげでこちらが1点取れたわけですけど。」

 

「あれがなければ俺達無得点だしなぁ。」

 

 

数日前に行われた、フットボールフロンティア決勝戦。互いのチームが主となる選手を欠いている状態だったが、結果は7-1で帝国学園の圧勝。王者の実力を示し、幕を下ろすこととなった。

 

 

しかし、帝国学園の得点を1桁に抑え、さらには一矢報いた木戸川清修には、多くのサッカーファンがこれからの期待を寄せることになった。

 

 

「そういえば、佐藤くんはまだ練習に参加出来ないんですか?」

 

「ん?あー、本人は参加してぇ!ってうるさいけど、怪我治り切ってないみたいでさ。二階堂監督から止められてるよ。」

 

「あれだけシュート受けてましたからね。先輩達のDF陣がシュートブロックしたとはいえ、【デスゾーン】止めてましたし。」

 

「ぶっちゃけ止めるとは思ってなかったわ。・・・まぁ、もうそろそろ佐藤も復帰するだろうし、転校生も来るらしいし。豪炎寺がいなくても、どうにかなりそうじゃね?」

 

「それもそうですね。・・・ちょっとあのアホのため息がうるさいので引っぱたいてきます。」

 

「おう、いってら。」

 

 

 

原作と違い、豪炎寺に関するギスギスが無くなった木戸川清修。

 

そんな平和な学校に、スッパーーン!!!という快音と、「いってぇし!?!?」という謎の声が響いたとか何とか。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ・・・。」

 

 

帝国学園、一軍寮。選ばれしサッカープレイヤーしか入ることを許されないその場所の大広間にて、試合の記録を見ながらため息をつく男が1人。

 

 

 

「・・・ん?源田じゃねぇか。どうしたんだよ、そんな難しい顔して。」

 

「・・・辺見か。」

 

 

そこにやってきたのは、源田と同じ1年生である『辺見渡』。薄紫色の長い髪をオールバックにした少年で、つい先日3年生たちと入れ替わりで一軍入りしたばかりだ。

 

 

「それ、この間の決勝戦のスコアシート?」

 

 

源田が眺めていたのは、フットボールフロンティア決勝戦、対木戸川清修戦のスコアシートだった。その他にも、コーチ陣やマネージャーたちが各選手の事細かな動きをメモしたシートも広がっている。

 

 

 

「なんか気になるとこでもあんのか?」

 

「あぁ、決勝で1点取られただろ?どうやったらアレを止めれたのか考えていたんだ。」

 

源田の言葉に、辺見は顔をしかめる。

 

 

「アレか?あれはお前の責任じゃねぇだろ。あのヘッタクソな3年のせいだ。気にすることねぇよ。」

 

辺見の言う通り、誰が見ても点を取られたのは源田の責任ではなく、むしろ『大会中の全ての試合で無失点』という記録を台無しにされた源田自身こそ最も怒りを感じて然るべきなのだ。

 

しかし、源田は首をふる。

 

 

「確かに先輩はミスをしたが、それをカバー出来なかった俺の責任でもある。点を取られた以上、責められるのはキーパーである俺だ。」

 

「いや、それはおかしいだろ・・・。」

 

「そうか?まぁ、そんな感じだ。どう立ち回ればちゃんと止めれていたのか考えていたんだ。」

 

 

ふーん、と言いながら辺見は源田の手元をのぞき込む。

 

 

「・・・お前、全部のシュートに対して必殺技使ってんのか?」

 

「ん?そうだが?」

 

「いや、そうだが?、じゃねぇだろ。なんで普通のシュートにも使ってんだ。だからここの対応遅れたんじゃねぇのか?」

 

 

ほらココ、と言いながらシートを指さしていく。確かにそこには、ノーマルシュートに対して【パワーシールド】を使用したことが書かれていた。

 

それ以外にも調べて行くと、今大会中、全ての試合において源田は必殺技を多用しており、ノーマルキャッチは全く使用していなかったことが判明。源田はポカンと口を開けたまま呟く。

 

 

「・・・し、知らなかった・・・。」

 

「はぁ!?こんなわかりやすい弱点すぐに見つかるだろ!?」

 

「い、いやーそれが・・・」

 

 

源田は思い当たる節があるのか、辺見に説明を始める。

 

 

曰く、リトル時代には、そもそも鬼道の戦術を掻い潜り、大野のパワーディフェンスを突破出来るプレイヤーなぞいなかった為に、たとえ相手がシュートを撃っても余裕を持って対処出来ていた。

 

さらに、帝国学園に入学してからは五条が加わり、タダでさえ堅牢だった守備がより強固なものになったせいかお陰か、連続して技を放つことすら無かったとのこと。

 

 

「【パワーシールド】は発動までの時間が短いのも相まって、そういった部分は意識したことがなかったな・・・。今からキャッチを強化するか?しかし、必殺技の練習時間が削れるのは・・・。」

 

「はぁ・・・苦労もせずに昔っから強いやつと組んでるからそうなるんだよ!」

 

 

呆れたような辺見に、源田はムッとした表情を向ける。そのまま辺見は去っていく・・・と思われたが、何故か源田の向かいに座った。

 

 

「・・・ジャンプ。」

 

「ん?」

 

「ジャンプだよ。お前、【パワーシールド】やる時絶対に跳ぶだろ?」

 

「ああ、それが1番威力が出るからな。」

 

「そのジャンプを無くして、地面に拳を叩きつけるようにすれば、発動時間をもっと短縮出来るんじゃねぇのか?」

 

 

ハッとした表情を源田は浮かべる。

 

確かにジャンプを無くせば、発動時間は大幅に短縮出来る。威力こそ落ちるものの、ノーマルシュート用だと考えれば特に気にならない。それに、【パワーシールド】の強化も同時に行え、まさしく現在源田が求めていた解決法だった。

 

 

「そうか!その手があったか!!辺見!お前良い奴だな!!」

 

 

源田の純粋な感謝に、辺見は少々面食らった。そんな彼のことに向かって、源田はさらに言葉を続ける。

 

 

「なぁ、早速で悪いんだが、シュート練習付き合ってくれないか!?」

 

「お、おう・・・。」

 

「よし!今の時間なら第2グラウンドが空いてるはずだ!先行ってるぞ!」

 

 

そう言いながら、源田は待ちきれない子供のように走っていった。そんな彼を見ていた辺見は、思わず笑いが込み上げてくる。

 

 

「んだよ・・・1年でレギュラーに選ばれたって聞いてたから、どんなやつかと思えば、ただのサッカー好きの子供じゃねぇか。」

 

 

その笑みは、決して悪いものではなかった。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ〜〜〜〜〜〜・・・・・。」

 

「円堂くん、ため息つくと幸せが逃げちゃうよ?」

 

「そうは言ってもさ〜〜・・・染岡も半田も練習来れないって言うし・・・。せっかくサッカー部作ったのに試合どころかまともな練習も出来ねーよ・・・。」

 

 

盛大にため息を吐くのは、オレンジのバンダナを付けた少年。その隣で、外にはねた髪とヘアピンが特徴的な少女が苦笑いを浮かべている。

 

 

少年の名は、『円堂守』。

そして少女の名は、『木野秋』。

 

 

私立雷門中学校サッカー部のキャプテンとマネージャーであり、サッカー部創立の立役者でもある。

 

 

そんな2人が現在いるのは、雷門中から少し離れた場所にある河川敷。近くにサッカーコートがあるのは、学校を除くとここだけだからだ。

 

何故自分の中学校で練習しないのか、と言われれば、2人は口を揃えてこう言うだろう。

 

貸してもらえないから、と。

 

 

雷門中学校サッカー部は創立したてであり、部員もマネージャーの木野を含めて4人しかいない。そんな彼らに貸し出す場所は無い、というのが、学校の判断らしい。

 

 

それゆえ、練習する人数すら揃わない彼らは、河川敷で練習をしている小学生チームの『イナズマKFC』と合同で練習をしているのだ。

 

 

 

「円堂ちゃーん!早くー!」

 

「おーう!!今行くー!!」

 

 

イナズマKFCのキャプテン、如月まこから催促され、円堂は練習へと戻る。

 

うだうだ言ってても仕方ないのだ。とにかく練習していれば、きっとなんとかなる!と考えるのが円堂という男だった。

 

 

 

イナズマKFCの子供たちが、ゴール前に立つ円堂に向けて順番にシュートを放ち、それをキーパーである円堂が受け止める。

 

 

「それー!」

 

「よし、ナイスシュート!!次、まこ!」

 

「いっくよー!そーれ!!」

 

 

順番が来たまこが放ったシュートは、ゴールの隅に当たり、土手の上へと飛んでいってしまう。

 

 

「あー、外れちゃった・・・。」

 

「どんまいどんまい!いいシュートだったぞ!」

 

少し落ち込むまこに対し、円堂が励ましの言葉を送る。ボールを拾いに行こうと土手の方に視線を向けると、白髪を逆立てた髪型の少年がボールを拾っていた。

 

 

「すみませーん!こっちくださーい!」

 

 

 

ボールを拾った少年に、円堂が声をかける。すると、少年は円堂の方を向き、土手の階段を下ってきた。円堂は小走りで少年の元へといき、ボールを受け取る。

 

 

「サンキュ!・・・って、それ雷門中の制服?」

 

ボールを受け取った円堂が少年の格好をよく見ると、見慣れた制服が目に入る。

 

「うーん、でも見たことないよね?もしかして上の学年?」

 

近くに来た木野も、少年のことは見覚えがないようだった。この2人、部員を集める為に、全校生徒ーーー特に同学年である1年生には、ほぼ全員に声をかけていた。

 

・・・まぁ、全員に声をかけて全員に断られているのだが、そんな理由によって、2人は学校の生徒の大多数を見たことがある。そんな2人が揃って見覚えが無いことに首を傾げる。

 

 

「あぁ、つい最近引っ越してきてな。今日は転入手続きの為に雷門中に行ったんだ。」

 

「へぇ!転校生か!!なぁ、サッカーやらないか!?今ならレギュラー確実だぞ!」

 

4人しかいないからな・・・と、だんだん尻すぼみになりながら円堂は言った。自分で言って自分で凹む様子に、木野も少年も苦笑を浮かべる。

 

 

「入部するよ。その為に《河川敷(ここ)》に来たんだ。」

 

 

「っ!?ほんと!?マジで!?

ぃやったー!!!新しい仲間だー!!!!」

 

 

やっほーい!!!と叫びながら喜びを露わにする円堂に、イナズマKFCの子供たちも我がことのように喜ぶ。

 

 

「じゃあじゃあ!!早速練習しようぜ!!!サッカーやったことある?」

 

「前の学校ではFWをやっていたが・・・今からか?」

 

「FW!!じゃあストライカーか!!なら、俺と勝負しようぜ!!ほら、早く!!」

 

 

 

そう言うと、円堂は言うことも聞かずに強引に少年を連れてコートに立ち、少年の足元にボールを転がす。

 

相手が制服を着ていることにも気が付かないくらい、新しい仲間が嬉しいのだろう。

 

 

「さぁ!何時でも来い!!」

 

 

グローブをつけた両手を鳴らしながら、どこからシュートが来てもいいように、油断なく相手を観察する。

 

対する少年は、苦笑していた顔を引き締め、一度深く呼吸し、集中を高めていく。そして、その集中が極限まで高まったその時、ボールを高く蹴りあげる。

 

 

「っ!?あのシュートは・・・!!」

 

 

傍らにいた木野が驚愕を露わにする。

 

 

ボールを蹴りあげた少年は、一度深くしゃがむと、その左足に熱い炎を纏いながら回転して上昇する。

 

 

 

 

 

「【ファイアトルネード】!!!」

 

 

 

 

 

そして、ボールが最高点に達した時、少年は爆炎をまとった左足をボールに叩きつけ、振り抜いた。

 

 

ゴール前に立っている円堂が、全く反応することが出来ずに炎がゴールネットへと叩き込まれる。

 

それを目の前にした円堂は呆然としていたが、しばらくすると興奮を隠しきれないと言った様子で少年に詰め寄る。

 

 

「すっげぇ・・・すっげぇよ!!!!なんだよ今のシュート!!!お前すっげぇよ!!」

 

 

まるで子供のようにはしゃぐ円堂に、少年は思わず苦笑する。そこに、脇で見ていた木野が近づいてくる。

 

 

「さっきのシュート・・・あなた、もしかして『豪炎寺修也』君?」

 

 

そう質問した木野に、少年ーーー豪炎寺修也は頷いて肯定の意を示す。そんな中、ポカンとした顔の円堂が木野に問う。

 

 

「え?秋の知り合い?」

 

「違うわよ!彼、この間のフットボールフロンティアで準優勝した、木戸川清修のエースストライカーよ!?」

 

「でぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!??!?準優勝校のエースストライカーぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!」

 

 

 

 

ビリビリと腹の底に響くような大声で、文字通り目の玉が飛び出るほどに驚いた円堂。

 

イナズマKFCの子供たちも当然驚いたが、それよりもスゴい!という感情のほうが勝ったようで、全員が豪炎寺にまとわりついていた。

 

 

「でも、なんで雷門に?決勝戦にも出てなかったし・・・。」

 

 

「・・・少し事情があって、な。」

 

 

 

 

不思議そうに首を傾げる木野に対し、少し話しにくそうにしながらも答える。木野も特に気にした様子も無く、話を終える。

 

 

「・・・ひとつ聞きたい。お前達は、フットボールフロンティアで勝つつもりはあるのか?」

 

 

ふと、豪炎寺がそう尋ねる。その表情は真剣なものであり、嘘は許さない、とばかりの鋭さがあった。しかし、円堂は間髪入れずに答える。

 

 

「何言ってんだ!!当然そうに決まってるだろ!!

今はまだ、部員も揃ってないけど・・・でも!目指すからには優勝だ!!」

 

 

力強く断言する円堂に、豪炎寺は目を細め、次いで小さく笑った。

 

 

「分かってるのか?この地区でフットボールフロンティアを目指すということは、あの帝国学園を倒すということだぞ?」

 

「あったり前だろ!!相手が強い方がワクワクするじゃないか!どんなシュートでもドンと来いだ!!」

 

 

 

ニカッと笑う円堂。そんな彼に対して豪炎寺は、ふと最近知り合ったばかりの友人を思い浮かべる。

 

 

「(・・・五条と同じくらいのサッカー馬鹿だな・・・。)」

 

 

「ん?どうかしたか?」

 

「・・・いや。友人に似てるなって思ってな。」

 

「へぇ!そいつもサッカーやるのか!?」

 

 

 

そう言って目を輝かせるあたり、円堂はやはり根っからのサッカー馬鹿なのだろう。豪炎寺はそんな彼に興味を抱きながら、友人である五条について話し出す。

 

 

「あぁ。俺たちと同じ1年生で、帝国学園のレギュラーになった男だ。」

 

「すっげー!!一年で帝国学園のレギュラーか!すごいプレイをするんだろうなぁ!」

 

「直接対決したことは無いが、ビデオを見る限りシュート力は俺と同じかそれ以上だ。」

 

「本当にすっげー!!!きっと帝国のエースストライカーなんだな!!」

 

「いや、DFだ。」

 

「・・・へ?」

 

 

円堂がポカンとした顔を見せる。まわりで騒いでいたイナズマKFCの面々も、豪炎寺の発言に円堂と同じようにポカンとした顔をしていた。

 

 

「DFで、凄いシュートを打つ選手・・・あ!もしかして、それって五条勝君?」

 

 

唯一ポカンとしていなかった木野が、思い出したかのように豪炎寺に尋ねる。

 

 

「そうだ。やっぱり知っていたか。」

 

 

 

当たり前だよ、と木野は返す。

 

今回のフットボールフロンティアにおいて、全国に名を轟かせた選手は数多く居る。その中でも特に注目を集めたのは、とある3人。

 

 

1人は、『鬼道有人』。1年生にして帝国学園のエースにしてキャプテンである、言わずと知れた世代を代表する天才ゲームメーカー。

 

もう1人は、『豪炎寺修也』。リトル時代から通称【炎のストライカー】として有名だったが、今大会でその名は一気に全国区のものとなった。

 

 

このように、上記の2人は元々有名であった少年であり、少年サッカー界ではその名を知らぬものはいない程の実力者なのだ。

 

 

しかし、最後の一人だけは少しばかり違う。

 

 

名門【帝国学園】に特待生として所属しながらも、その経歴は謎に包まれている、正体不明の天才プレイヤー。

 

曰く、帝国学園の隠し玉。

 

曰く、影山総帥の秘密兵器。

 

曰く、鬼道有人の無二の親友。

 

曰くーーー世代最強。

 

 

凄腕のDFでありながら、フィールドを縦横無尽に駆け巡り、ボールを奪い、敵を躱し、ストライカー顔負けのシュートを放つ彼は、瞬きの間に全国のサッカーファンを虜にした。

 

 

その少年の名はーーー『五条勝』。

 

一年生にして帝国学園のディフェンスリーダーを務める、稀代の傑物である。

 

 

 

「〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!すっげぇ!!!すっげぇよ!!そんな奴がいるのか!!早く対戦してみてぇ!!」

 

 

「流石に気が早いんじゃないかな・・・?」

 

 

その話を聞いて怖気付くどころか益々目を輝かせる円堂に、思わず木野は苦笑する。

 

 

「よしっ!!そうと決まれば早速練習だ!!豪炎寺!お前も一緒にどうだ!?」

 

 

「すまない、練習には参加するが、ひとまず着替えてきていいか?」

 

流石に制服で練習する訳にはいかないからな、と言う豪炎寺。そう言われて円堂もようやく目の前の彼が制服だったことを思い出した。

 

 

「あ、そうだった・・・。なら、俺たち先に練習してるからさ!」

 

「あぁ。すぐ戻ってくる。」

 

 

豪炎寺は荷物を手に持ち、帰路へと着く。

 

 

「豪炎寺ーーー!!!!」

 

 

そんな彼の背に向かって、円堂が呼びかける。振り向くと、円堂は満面の笑みで、こう言った。

 

 

 

 

 

「一緒に、サッカーやろうぜ!」

 

 

 

 

豪炎寺は小さく笑い、片手を振ってその呼び掛けに答えるのだったーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃・・・

 

 

 

 

「見てみて!!ここでお兄ちゃんがシュート打ってドカーン!!って決めたんだよ!」

 

「ほんとですね。相変わらず凄いシュート打ちますねぇ、彼。」

 

「でしょ!夕香の自慢のお兄ちゃんなんだよ!!」

 

「はいはい、お二人共リンゴが剥けましたよ。」

 

「わーい!食べるー!」

 

「ありがとうございます、頂きます。」

 

 

 

何故か病室で始まった豪炎寺の妹、夕香による『お兄ちゃん自慢』を隣で聞く五条。

 

嬉嬉として話す夕香と、それを相槌を打ちながら聞く五条、それを優しい目付きで眺めているフクさん、という構図が出来上がっていた。

 

 

豪炎寺曰く、「まさかここまで仲良くなるとは思って無かった。」 との事。

 

 

 

 

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