イナズマイレブン! 脅威の転生者 ゴジョウ!! 作:ハチミツりんご
遅れてすんまっせんしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
いやほんと、すんません。いろいろ忙しかったんです、はい。え?ゴリラ書いてただろって?・・・すんまっせんしt(ry
ちょっと久しぶりだから文が変かも。気に入らなかったらあとから直す。
某日、都内のとある住宅街の一軒家。
その家の一室に、ピピピ……と電子音が鳴り響く。
「・・・・・うるさい・・・・・!」
バンッ!と目覚まし時計を叩いて止め、モゾモゾと少女は布団から這い出でる。手探りで愛用のメガネを見つけると、それをかけ、カーテンを開ける。雲一つない晴天の光が眩しいが、その光が少女の眠気を吹き飛ばす。
「ふぁ〜あ・・・。」
それでも眠気が残っていたのか、大きな欠伸をして、一度大きく体を伸ばす。僅かに残っていた眠気を追い出し、少女はクローゼットへと足をむける。
クローゼットを開けると、中にはスカートを中心とした様々な洋服がかけられている。歳相応の可愛らしいものもあれば、白と黒のシンプルなもの、ちょっと背伸びして買って貰った大人っぽいものまで揃えている。
「今日は〜・・・これかなっ!」
その中から、お気に入りのワンピースを取り出し、パジャマを脱いでそれへと着替える。
着替え終わると脱いだパジャマを綺麗に畳み、今日の授業の用意をする。昨日の夜に終わらせてはいるものの、念の為だ。
「春奈〜〜?早く降りてきなさーい!」
「はーい!」
確認を終え、満足気に頷いていると、一階から声が掛かる。すぐに返事を返し、荷物を持って階段を降りていく。
リビングに入ると、既に起きていた両親の姿が目に入る。
少女を施設から引き取った夫婦であり、血の繋がっていない少女のことを本当の我が子のように接してきた。多くの愛情を注いでくれた夫婦のことを、少女自身本当の両親のように思っていた。
「お母さん、お父さん、おはよう!」
「おはよう、春奈。」
「おはよう。ご飯出来てるわよ。」
「はーい!」
元気に返事を返すと、荷物のランドセルを置き、いただきます、と言ってから用意されていた朝ごはんを食べ始める。
用意されていたのは、炊きたてのご飯に、味噌汁、焼き魚にサラダ。少々量が多いように感じるかもしれないが、彼女は小さい頃、大好きな兄たちから、「ご飯を沢山食べて、その分しっかり運動しなさい」と言われていた為に、引き取られてからもそれを続けている。
実際に、彼女の身体は健康的な細さを保っているし、何より母の食事が美味しいのでなんの不満もなく続けている。
「(それに、お兄ちゃんと勝君はこれ以上食べてたけど太ってなかったし、大丈夫!)」
そんなことを考えていると、目の前で食後のコーヒーを飲んでいる父が不意に口を開く。
「・・・しかし、帝国学園は凄いなぁ。決勝戦、木戸川を相手に7-1で勝ってるよ。」
「えっ!?」
父の言葉に、彼女は酷く驚いた。何も帝国学園が勝ったことに驚いているのでは無い。むしろその逆。帝国学園が一点を取られたことに驚きを隠せないのだ。
何故なら、帝国学園にはあの二人がいる。自分と血の繋がった兄と、その親友が。同世代の中ではずば抜けた才能を持った、サッカーの申し子。
『鬼道有人』と、『五条勝』が。
「お、お父さん!それ見せて!」
「あ、ああ、いいぞ?」
父からひったくるように新聞紙を受け取ると、一面を使って大々的に書かれているフットボールフロンティア特集を見る。
確かにそこには、【木戸川 1-7 帝国学園】と書かれていた。
「えぇ・・・?なんでぇ・・・?」
困惑した声を上げていると、台所から母がやってきて、話に加わる。
「どうしたの?」
「いや、突然こうなって・・・」
ふーん?と言いながら、母が新聞紙を覗き込む。
「あぁ、フットボールフロンティアの決勝戦ね。この試合、五条君が出てなかったみたいよ?」
「え!?なんで!?」
「よく知ってるな、決勝戦はチケット外れたから行けなかったんだろ?」
「冷泉さんのお宅、決勝戦のチケット当たったそうなのよ。それで見に行ったけど、出てなかったって。息子が五条君のファンだったから悔しがってた、なんて言ってたわ。」
「もー!勝君出さないとか意味わかんない!なんでお兄ちゃんもそれをOKしたの!?」
「ははは。相変わらず鬼道君と五条君が好きだなぁ、春奈は。」
「はいはい、そんなこと言ってないで早く学校に行きなさい!」
うがー!と不満を露わにする娘に対し、母は呆れたようにそう言う。彼女がこうなるのは特に珍しくない。大体帝国学園ーーーというか、彼女の兄に関することだとこうなるのだ。
そもそもフットボールフロンティアで優勝している時点で褒め称えられるべきなのだが、帝国学園は今大会を含め、過去40年間負け無し。負けるどころか、圧勝しなければ歴代の卒業生達から総スカンをくらう、という程、他校と比べても戦力が圧倒的なのだ。
さらに今年の帝国学園は、歴代初めて5人もの1年生がレギュラーを勝ち取り、そのほとんどが重要な番号を任されている、ということもあり、期待が例年よりも高かったというのもある。
・・・まぁ、そんな帝国からどんな形であれ一点をもぎ取った木戸川への賞賛の声の方が多く、帝国を非難する声は少ないのだが。
また、そんな中でも非難を飛ばしに来た帝国の卒業生達には、鬼道を筆頭に新一年生&恵那がそんな口も利けないくらい叩きのめした、という裏事情があったりなかったり。
「む〜・・・まぁいいや。ご馳走様でした!いってきまーす!」
「いってらっしゃい。」
「いってらっしゃい!気をつけてねー!」
「はーい!」
元気に返事を返して、ランドセルを背負って玄関へと向かっていく娘の後ろ姿を眺めながら、父親はポツリと呟いた。
「・・・いい子に育ったなぁ。」
「ほんとね。実のご両親と死に別れて、お兄ちゃんとも離ればなれになったのに・・・ほんと、私には勿体ないくらい良い子だわ。」
父親の言葉に、母親が同意する。子宝に恵まれなかった2人は、知り合いを通じてとある児童養護施設に養子縁組の相談を持ちかけ、丁度里親を探していた春奈を引き取った。
最初こそ血が繋がっておらず、兄妹バラバラになってしまった春奈と打ち解けられるか心配していたが、春奈自身が積極的に両親と打ち解けていき、何時しか3人は本当の家族になっていった。
また、生活面でも、兄達の教えを守りながら生活する春奈は、よく食べ、よく学び、よく動き、よく話し、よく笑う子であり、反抗期らしい反抗期も無かった。
強いていえば、何故かゴーグルをつけ不敵に笑うようになった実の兄を見て、「ちょっとお兄ちゃんとは思いたくないかも」と思ってしまったことくらいだろう。
ちなみにその時の我らが五条さんは、相も変わらず慇懃無礼な笑みを浮かべており、それを見た春奈が「勝くんは全然変わってないなー」と呟いて両親を驚愕させた。
ーーーさて、話を戻そう。
通学路を通って学校へとたどり着いた春奈は、見かけた友人達に声をかけていく。
「おはよう、春奈ちゃん!この間話してたCD持ってきたよ!」
「おはよう!ほんと!?見せて見せてー!」
「よう!おはよう音無!サッカーするけどお前も来るか?」
「おはよう!後で行く!先に始めてて!」
男女問わず、彼女に話しかけられた者達、話しかけた者達は一様に笑顔で対応する。彼女が人望を集める証拠であり、また友人の多い理由でもあった。
授業態度も真面目で成績も優秀、交友関係も広く、責任感もある彼女は、教師陣からの信頼も厚い。有名中学への推薦を狙うことも可能であり、成績的にはあの帝国学園を志望することすら可能な範疇だった。
まぁ本人は学費の高い帝国学園に進学するつもりは無く、五条からも勧められている、近くの『雷門中学校』に進むつもりである。サッカー部は存在しないーーー実際はあるのだが知らないだけーーー為、新聞部にでも入部しようかとも考えているらしい。
ーーーさて、ここまで長々と書いてきたが、友人も多く、両親とも仲の良い彼女には、一つだけ秘密にしていることがある。
夜遅く、両親も寝静まった時間に、彼女は携帯電話の前で今か、今かとその時を待っていた。
『ーーー♪』
「ッ!来た・・・!」
携帯電話が鳴ると、素早く音を止め、通話ボタンを押し、電話に出る。
「もしもし?勝君?」
『………お久しぶりですねぇ、春奈。』
電話に出たのは、彼女にとってもう1人の兄とも呼べる男、『五条勝』。
そう、彼女にとっての、一番の楽しみ。それは、五条との会話であった。
「そっちはどうなの?お兄ちゃん元気?」
『えぇ、怪我も病気もすることなく、懸命にチームメイトを纏めあげていますよ。「サッカープレイヤーは体が資本だ。」……って言いながらね。』
「それ、小さい頃から言ってるね。」
両親と出かけるのも好きだ。友人達と出かけてお買い物するのも、もちろん大好きだ。
しかし、彼女の中で、五条との会話は特別なのだ。
『そちらはどうですか?友達はちゃんと出来ましたか?ご両親に、ちゃんと感謝の気持ちを伝えてますか?勉強サボっちゃいけませんよ?』
「もう!いつも大丈夫って言ってるじゃん!ほんと、心配性だよね、勝君。友達もいっぱい出来たし、お母さんやお父さんにも、いつもありがとう、ってちゃんと言ってるよ。」
『ならよし。他人への感謝を忘れたらいけませんよ?』
「はーい。」
小さかった頃、何時も自分を守ってくれていたのは兄だった。
そんな自分と兄、2人だけしかいなかった空間に、突如として現れたのが、五条だった。
最初は、薄気味悪い人だと思った。怖そうな人だとも。しかし、彼は根気強く兄妹に話しかけ、周りとの確執を解いていき、馴染めるように尽力してくれた。それからは幼かった自分も懐き、兄も彼を信頼するようになっていた。
そして、3人一緒が常だった。特に兄と彼は、正しく親友だったのだ。2人が力を合わせて、屈強な大人をやっつけたりもした。
しかし、そんな時間は長く続かなかった。
彼は、施設の祖父母たちの紹介で別の施設へと行ってしまった。
それでも、兄とは一緒だったし、彼は必ず連絡をくれると約束し、事実連絡してくれた。問題は、その後。
いつも守ってくれていた兄が、何も言わずに自分の前から姿を消した。
裏切られたのだと思った。自分に一言言うどころか、1度の連絡すらしてくれなかった。そんな兄を一時期軽蔑したし、兄妹だとも思いたくなかった。
ただ、それを正してくれたのも、五条だった。
『あの有人が、なんの考えもなく春奈を置いていくはずがない。』
『絶対に何かある。自分や、春奈にも言えないような何かが。』
『自分からなら連絡が取れるかもしれない。だから、せめて春奈だけは、あいつを嫌わないでやって欲しい。』
当時、本当に誰も信じられなかった自分に、彼が懸命に言った言葉。これを聞いて、自分は一度反省し、再び兄を信じる気持ちになれた。
そして、今もこうして兄の様子を聞くついでに、世間話をしているのだ。まぁ、最近は帝国の練習がかなり厳しくなっているようで、なかなか時間が取れないようだが。
「あ、そう言えば、なんで決勝戦出てなかったの?出てれば1点取られなかったでしょ?」
『あぁ、いや、その、まぁ。ちょっとした事情がありまして………。』
「・・・何したの?」
『いや、試合前に事故にあいまして……。』
事故ぉ!?と言いながら、彼女は続きを聞いていく。見ず知らずの子供を庇って決勝戦に出られなくなる、という、なんともまぁ彼らしい理由で、怒る気も失せて笑ってしまった。
「・・・へぇ、相手の子、木戸川のエースの妹さんだったんだ!意外なところで意外な知り合いが出来たんだね。」
『えぇ、とてもいい人でしたよ。妹思いのお兄ちゃんで、きっと有人とも仲良くなれると思います。
ーーーっと、そろそろいい時間帯ですね。それでは、この辺で。ちゃんと寝て下さいね?』
「もう寝るよ!夜更かしはお肌の大敵だもん!じゃあね、おやすみ!勝君!」
『ククク…それなら良かった。おやすみ、春奈。』
携帯を切った彼女は、ベッドに潜り込み、そのまま目を閉じる。本人が思っているより眠たかったのか、存外早く眠気が襲ってきた。
「(あぁ、勝君、元気そうだったなぁ。お兄ちゃんも元気なら、声くらい聞きたいなぁ。まぁでも、いつかまた話せる日が来るよね。たのしみ………だなぁ…………)」
そんなことを思いながら、彼女の意識は深く、深く眠りについた。
きっと明日も彼女は目を覚まし、いつもと変わらぬ日常を過ごすのだろう。
これが、彼女。『音無 春奈』の、日常である。