イナズマイレブン! 脅威の転生者 ゴジョウ!! 作:ハチミツりんご
「・・・ほう・・・?」
影山は目の前の光景に、らしくもなく言葉を零した。源田が点を取られた。現世代最強と世間でもてはやされ、それを受けても特訓することをやめなかった、あの源田が。鬼道には大きく劣る程度でしかないが、仮にも影山が鬼道のチームメイトとして認めるだけの実力がある、彼が、こんな無名に破られた。
しかも、警戒していた豪炎寺に破られたのならばまだ分かる。豪炎寺の方が、源田よりも強者だった。ただそれだけ。あの男はその程度でしか無かったという事だ。
しかし、実際はどうだ?帝国の選手達は、雷門中の選手達に翻弄されて、簡単に突破を許した。最初に様子見で一本打たせる手筈だったのに、それを忘れて止めに行ってしまうほどに王者帝国のレギュラー達が焦らされたのだ。シュートに関しても、豪炎寺一人が得点したのではなく、9番と11番ーーーマックスと染岡との連携によって奪っている。あの緻密な連携は、帝国にいても遜色ないレベルだ。
「(豪炎寺や、あのキーパーだけではない・・・チーム全体のレベルが帝国と並ぶ程のものだ。何故だ、何故こんなにも高いレベルのチームが無名でいられたのだ・・・?)」
心の中で分析を続ける影山は、ちらりと横目で隣にいる、自分のチームの少年をみやる。その少年は、いつもと変わらぬ慇懃無礼な笑みを浮かべていたが、額に小さく汗が流れているのを影山は見逃さなかった。
「(困惑している・・・?五条にとっても予想外の事態ということか?豪炎寺が雷門に来たのは確実に五条が絡んでいる。この練習試合を組んだのも、豪炎寺を利用し私に不利益な何かをしようとしているのでは、と考えてのこと・・・目の前で自分の計画が崩れるさまを見ればなにか動くと思ったが・・・思い過ごしか?)」
影山は脳内をフル回転させて考える。しかし、雷門中に五条が関わっているのか、仮に関わっていたとしてもどうやって1年ほどの短期間で、無名のチームを自身が育てた最高傑作、鬼道率いる帝国学園と対等以上に渡り合えるほどのパワーアップをさせられたのか。答えは浮かんではこなかった。
「(考えれば考えるほど謎が複雑になる、とはな・・・これは五条も予想外の事なのか、それとも・・・)」
「(………えぇ……?ちょっ、らいも、えぇ………?)」
モチのロンで予想外のことであった。豪炎寺による雷門パワーアップ計画が進行しているのを五条は知っていた。が、まさかこんなことになってるだなんて誰が予想できるだろうか。
「(油断があったとはいえ、辺見達がほぼ何も出来ずに突破された………てかマックス、なんで既に必殺技3つも使ってるのさ……?半田もジグザグスパーク使ってるし、染岡さんと豪炎寺は既に和解してドラゴントルネードしてるし………)」
パワーアップしているだろうとは思っていた。それがまさかここまでだとは、五条にも予想がつかなかった。帝国のメンバーの具体的な強さは原作において描写されていないが、間違いなく本来よりも強くなっていると断言出来る。いくら意表を突かれたとしても、彼らがあれだけ翻弄されたということはそれだけ雷門が巧みだったという事。
「(……下手したら、アイツらが……)」
今まで一緒にやってきた仲間だ。そんな彼らが、とは思うものの、源田から点を奪える攻撃陣が相手にはいる。もしこれで、円堂がゴッドハンドを習得していた場合はーーー
ーーー帝国が、負けるかもしれない。そんなことを考える五条であった。
「おっしゃァァァァァァ!!!ナイスシュート、豪炎寺!!!」
「あぁ!お前もよく反応したな、染岡!」
「帝国相手にも負けてねぇぞ!!俺達行けんじゃないか!?」
先制。あの絶対王者から、雷門が先制点を奪った。その事実を認識した観客達は大きく騒ぎ始め、雷門メンバーもハイタッチし合って喜びを露わにする。
「みんなすっげぇよ!!よっしゃぁ!!俺達なら帝国相手でも勝てる!!気合い入れていこうぜ!!」
『おぉ!!!』
円堂の鼓舞を聞き、さらにやる気を出す雷門。先制点を取ったことで、緊張していた一年生たちの心も軽くなり、試合に集中出来るようになっていた。
「ーーー!!!!クソォッ!!!」
そんな雷門とは対照的に、帝国サイドは顔色の優れない選手が目立っていた。特にキーパーの源田は、相手3人がかりとはいえ進化したパワーシールドを破られたことが相当堪えた様子。
「おい咲山、大丈夫か!」
「あ、あぁ……問題ねぇ」
「クソ!!シュートブロックすら掛けられなかった……!!何がDFだ!!!」
「落ち着け大野!!…元はと言えば、安易にスライディングしたFWの俺達も悪いんだ。じっくり見極めるべきだった……」
寺門がジグザグスパークをくらった咲山の身を案じて近づくが、咲山は特に問題は無い様子。軽く身体が痺れているが、プレーには支障はなさそうだ。
逆に大野、万丈、辺見の3人は呆気なく突破された事がかなり悔しいらしく、各々が歯を食いしばっている。佐久間が宥めるが、彼自身雷門を甘く見て安直にスライディングしたことを悔いていた。
「な、何アレ……ほんとに無名校なの!?」
「……ちょっと、これはビックリした………あんなにあっさりボール奪われたの、初めてだ………」
つい数週間前にチームに加わった一年生の洞面は、練習でも高い実力を見せていた先輩達と、リトル時代からその高い実力を知る親友が簡単に突破されたことに目を丸くする。
唯一五条から雷門は強くなる、と聞いていた成神も、まさかここまでとは思っておらず。イマイチ帝国に勝てる者がいると想像出来ていなかったが、ここまで雷門が強くなっているのを見て彼らは自分たちを喰い破れる実力を誇っている、と認識を新たにする。
「落ち着け、お前達」
しかし、そんな状況であってもこの男ーーー天才ゲームメイカーであり、キャプテンの鬼道は揺るがなかった。冷静に全員を諭す。
「この一点は我々の慢心が招いた結果だ。そして認識を改めろ。あのチームは、総帥の気にしておられるFWやGKだけじゃない、一人一人が警戒に値する選手だ」
キャプテンである鬼道から、暗に相手は強いと認める発言。雷門の予想外の強さに焦っていた帝国の面々だったが、あれだけのプレーを見せられてなお落ち着いている鬼道を見て、次第に気持ちを落ち着けていく。
「今の俺達は、帝国の名に恥じるプレーをした。しかし総帥からの連絡は無い・・・つまり、総帥にとってこれは想定内という事だ」
総帥に取って、自分たちが一点取られるのは想定内。その事実に驚きながら、レギュラーでありながらその程度の信頼しか寄せられていない自分達を情けなく思う。
もしこの場に、鬼道に並ぶ実力者がーーー五条がいれば、そんな想定もされなかったのだろう。ひとえに、鬼道と五条以外の面々の実力不足、信頼不足。言葉にこそされていないが、影山から通信がない事がそれを物語っていた。
「ならば、慌てることは無い。大野、万丈、お前達はシュートブロックを意識しろ。あのFWーーー豪炎寺のファイアトルネードは1度飛び上がる必要がある。そこさえ意識してコースを切れば、後は源田が止める」
「おっしゃあ!!」
「分かった!!」
「任せてくれ・・・俺のプライドにかけて絶対に止めてみせる!!」
鬼道からの指示に先程失態を演じた大野と万丈のセンターバックコンビが力強く返事を返す。失点を許した源田は、普段の練習以上に気迫の篭もった顔つきで、先程シュートを決めてきた雷門のメンバーを睨む。
「攻撃陣は時間差を意識していくぞ。成神と恵那も積極的に上がって攻撃参加、辺見は戦況を見て上がるか待機するか、適宜判断しろ。出来るな?」
『了解!!』
「任せてください、鬼道さん!!」
今回DFとして参加している恵那、成神の2人も前線に上げて攻撃の手数を増やす作戦をとった鬼道。帝国の真髄は緻密な連携、攻撃参加の選手が増えればそれだけ連携パターンも加速度的に増加していくチームスタイルだ。公式戦でも滅多にやらない、鬼道の本気。全力を持って雷門を叩き潰すという証だった。
『さぁー、試合再開です!!一点を先制した我らが雷門中!!このまま王者帝国を打ち破ってしまうのか!?』
角馬の実況とともに試合が再開される。ボールを持った佐久間は寺門に軽く蹴り渡し、受けた寺門は背後の鬼道に素早くボールを送る。
「見せてやろう!!王者帝国のサッカーを!!」
ドリブルしながら雷門ゴールをーーー円堂をゴーグル越しに睨みつける鬼道。豪炎寺と染岡が素早く彼にプレスをかけるが、捕まるより早くサイドの洞面へとパスを送った。
「恵那先輩!!」
「成神ッ!!」
「咲山さん!!」
ボールを送られた洞面は、宍戸が寄ってくるよりも早く、ヒールを使って背後の恵那にパスを渡す。
そのボールを受け取らず、恵那はダイレクトで逆サイドの成神へと弾丸のようにキック。それを飛び上がって左足で受けた成神は、そのまま地面に降り立つより素早く右足でボールを蹴り、咲山の足元に正確なパスを送る。
「っ!!速い!!」
「コイツら、一瞬たりとも迷ってねぇぞ!!」
瞬時に互いの位置を把握し、迷うことなくプレーする帝国の連携力に舌を巻く豪炎寺と染岡。並大抵の練習ではこうはいかない。常日頃の猛練習と、それを共に続けてきたことによる自信、そして司令塔への絶大な信頼。これらが合わさってこそ、高いクオリティの連携を持続出来るのだ。
「ここは行かせない!!」
「てめぇ・・・さっきはよくもやってくれたなァ?」
ドリブルで切り込もうとした咲山の前に、先程ジグザグスパークで咲山を突破した半田が立ち塞がる。
「ボールを寄越せ!!」
「ほらよ」
「・・・え?」
ボールを奪うために近づこうとした半田。そんな彼に向けて咲山は、何故か緩やかなパスでボールを手渡す。呆けた声を上げる半田だが、反射的に胸でボールをトラップする。
「【ジャッジスルー………改】っ!!」
「っ!?ごはっ!!?」
しかし、それこそが咲山の狙い。半田がトラップした瞬間、意識はボールに向いた。その隙をついて彼の懐に飛び込みながら身体をゆっくり回転。ソバットの如く右脚でボール越しに半田の腹部を蹴りつけ、吹き飛ばした。もろに食らった半田は後方に倒れ込み、その横を咲山は悠々と通過する。
「半田!!」
「ぐっ・・・だ、大丈夫!!」
まともにラフプレーを受けた半田を心配して染岡が声を上げるが、半田はすぐに立ち上がり問題ない事を見せる。
「・・・ジャッジスルーを受けても倒れないか。なるほど、身体能力はかなりのものだな・・・」
帝国の技の中でも特にダメージの大きいジャッジスルー。しかも咲山のソレは改に進化しており、倒れなかった半田を密かに賞賛する。
しかし、だからと言って手を緩めるつもりは毛頭ない。咲山に指示を飛ばし、ボールを寺門へと送る。
「通さないっスー!!」
「ぐっ・・コイツ、なんてパワーだ!?くそっ、佐久間!!」
ボールをトラップした寺門が正面を向こうとするが、近くにいた壁山がそれを阻む。雷門の中でも頭一つ抜けたパワーの持ち主である彼から押され、思うように動けない寺門。堪らず横にいたもう1人のFW、佐久間へとボールを送る。
「よしっ、鬼道さーーー」
「【コイルタァァァァァン】!!!」
「なっ!?うわっ!!」
佐久間が体制を立て直すために鬼道へとボールを預けようとした佐久間。しかしそう簡単にはいかせないとばかりに、気配を殺して近づいていた影野が必殺技を使用。佐久間の周りを高速で回転し、視界を眩ませると共に巻き起こした風で姿勢を崩し、よろけている内にボールを確保。
「このっ!!【キラースライド】!!」
「・・・【のろい】・・・!!」
「うわわぁ!?なにこれぇ!?」
洞面がフォローに入りキラースライドで取り返そうとするが、影野の背後から現れた複数の人型の影により拘束され、突破を許す。
「マックス・・・!!」
「よっし!もっかいーーー」
「させるか!!【スピニングカット】!!」
「うわっ!?」
影野は松野にボールを預け、攻めるために正面を向く。しかし行動するよりも先に鬼道が右脚を振るい青の衝撃波の壁を生成。松野を吹き飛ばしてボールを確保する。
そして、前を向いた時、鬼道は雷門中の違和感に気がつく。
「っくそっ!!なんなんだこいつら!!」
「これ以上好きには!!」
「させないでヤンス!!」
「よし!宍戸、栗松、コイツにパスを受けさせるな!!」
「はい!!」
「了解でヤンス!!」
先程止められた佐久間。彼の周りには、風丸、宍戸、さらには本来逆サイドの栗松。3人も動員して徹底的にパスコースを塞いでおり、さらには影野も明らかに寺門よりも佐久間の方を警戒している様子。
エースストライカーである寺門のシュートを警戒して彼を抑えるなら分かる。しかし、雷門中がマークしているのは寺門ではなくもう1人のFW、佐久間。
何故、と思った鬼道の脳裏に、ひとつの答えが導き出される。
「っ!!まさか、連携シュートを警戒しているのか・・・?」
そう、雷門のーーー正しくは豪炎寺の狙いは、帝国の連携シュートを封じる事。その為に、帝国でも特に連携シュートへの参加率の高い佐久間へのパスを潰しにかかったのだ。
「(帝国の大きな強みは、強力な連携シュート・・・だが、あの選手を封じれば、選択肢は大きく減らせる!)」
帝国の連携の要は鬼道。それは事実だが、この緻密な連携を支えている大きな要因の1つは佐久間だ。どんな時でも仲間の力を引き出せる彼のプレーは帝国の戦術にマッチしており、一軍に合流してからはまさしく鬼道の右腕的存在として動いてきた。
そんな佐久間を人数を割いて自由にさせない戦法。通常ならばあまり有効とは言い難いが、豪炎寺にはこれで止められるという確信があった。
「くそっ!!鬼道、こっちだ!!」
「っ!寺門!!」
無理やり壁山を引き剥がした寺門は、手を挙げてボールを要求する。鬼道がパスを送ると、間髪入れずにボールを高々と蹴りあげ、同じく寺門も跳躍する。
「佐久間さえ止めれば怖くねぇってか!?舐めやがって・・・!!!」
雷門中の戦術。佐久間を止め、連携シュートを制限すればいいというその考えは、自分を馬鹿にしている。お前単独のシュートならば怖くないと、暗にそう言っていると、寺門は感じた。そんなことをされて大人しくしていられるほど、彼のーーー帝国のエースストライカーの証たる9番を背負う男のプライドは安くなかった。
飛び上がった寺門はその長い足のバネを存分に生かして、ボールへと連撃を叩き込んでいく。一発一発が全力のシュートに匹敵するその蹴りを、何度も、何度も、何度も、絶え間なくひとつのボールへと注いでいく。
「【百烈ショット……V2】ッ!!!」
そして充分に力を溜めた後、両足でスタンプキックしてボールを打ち出す。進化した寺門の百裂ショットは、全国的に見ても上位に位置する威力を誇っている。並のキーパーなら、動くことすら叶わないだろう。
「ーーー【爆裂パンチ】ッ!!」
そう、並のキーパーなら、だ。
残念ながら雷門のゴールを守るこの男は並ではない。両手に熱気を込めた円堂は、ボクシングのラッシュのように連撃をぶつけていく。そして、進化した寺門のシュートを弾き飛ばした。
「なっ!?」
「へへっ、いいシュートだな!!」
目を見開く寺門に向けて、いいシュートだとはにかむ円堂。全国に名を馳せるストライカーのシュートを、無名のキーパーが止めた瞬間であった。
なにも円堂は特別なことはしていない。仮に相手がキック100発分のシュートをしたのなら、こちらも100回殴ればいい。子供でも出来る、単純な計算であった。ただ単に一発分の威力が円堂の方が高かった。それだけの事なのだ。
「・・・よしっ!」
「風丸、上がれ!!」
弾かれたセカンドボールを回収したのは、陸上部からの助っ人、風丸。未だ初心者ながら、持ち前の俊足を飛ばして一気に帝国ゴールへと迫っていく。
「やらせっか!!【キラースライド】!!」
「っ!染岡!!ーーーぐあぁっ!?」
「風丸!!」
「よそ見してる場合か!?【キラースライド】!!」
「ぐっ、半田!!」
そんな風丸を妨害するためにキラースライドで迫る恵那。そのスピードを見て風丸は避けるのを諦め、キラースライドを受けつつも染岡へとボールを繋ぐ。風丸の思いを受けた染岡は、辺見のディフェンスに何とか耐え、サイドから上がっていた半田へとボールを送る。
「【ローリングキック】!!豪炎寺!!」
「【ファイアトルネード】!!」
「これ以上点はやらん!!【パワーシールドV2】ッ!!!」
半田が身体を捻り、その勢いを込めてボールをシュート。空中にて待機していた豪炎寺がさらにチェインし、ゴールを破るために打ち放つ。
が、源田も負けていない。事前に拳にパワーを溜めていた彼は飛び上がり、全力のパワーシールドを使用。衝撃波の壁とボールが拮抗するが、直ぐにはじき飛ばして見せた。
「まだだ!!【ドラゴンクラッシュ】!!」
弾かれたボールを取った染岡は間髪入れずにドラゴンクラッシュでゴールを奪いにかかる。が、その前に帝国のセンターバック2人が立ち塞がった。
「舐めてんじゃねぇ!!!行くぞ万丈!!」
「おう!!行け、大野!!!」
大野が万丈に呼びかけると、万丈は左足に風を呼び込んで、大野に向けて振るう。
「おおおおおお!!!!」
竜巻となったソレの気流に乗って、大野の巨体が高く舞う。空中で風に身を任せて横に回転する大野は、高速で加速しながら空中から飛び下り、ボールを真上から踏み抜いた。
「【サイクロン…クェイク】!!!」
「っ!?俺の、ドラゴンクラッシュを踏んで止めやがった!?」
サイクロンによって大野の巨体が回転することにより、通常よりもさらに高いパワーを発生させるブロック技。五条が事故にあった後に、大野と万丈が協力して生み出したシュートブロック技だった。
「そう簡単に源田までいけると思うな!!」
「帝国DFの誇りにかけて、これ以上は通さない!!」
大野と万丈がそう吠える。ディフェンスリーダーたる五条がいなくとも、彼らは日本トップの学校でレギュラーを掴み取った男達。並大抵のシュートを通すほど、甘くはない。
その後も、雷門と帝国、一進一退の攻防が続いて行った。
「【グレネードショット改】!!!」
「【熱血パンチ】!!」
恵那の放ったシュートを円堂の拳がはじき飛ばし。
「【フーセンガム】!!」
「【クイックドロウ】!!」
「【ジャッジスルー】!!」
「【コイルターン】!!」
洞面や辺見がドリブル突破を試みるが、半田や影野がすぐさまブロック技で奪い返し。
「【イリュージョンボール】!!」
「【サイクロン改】!!」
「【アースクェイク改】!!」
松野や少林、宍戸が突破するのを大野、万丈が気迫の篭もったディフェンスで防ぎ。
「【ファイアトルネード】!!」
「【パワーシールドV2】!!」
隙を見て豪炎寺がシュートを仕掛けるが、源田のパワーシールドの前に阻まれる。
そんな互いに譲らぬ攻防を繰り広げ、互角かに思われた時。状況が動いた。
「ーーー今だ!!鬼道さん!!」
「っあぁ!!」
「し、しまったでヤンス!!」
長い間、目まぐるしく攻守の入れ替わる激戦を繰り広げていた両チーム。だが、チーム全体が高いレベルを誇る帝国と違い、雷門には明確に劣る者達ーーー入部したての一年生たちと、助っ人として参加した風丸の計5人のスタミナが尽き始めたのだ。マークが甘くなった佐久間は素早く三人を振り切ると、鬼道へと声を掛ける。
「よし・・・行くぞお前達。ーーーデスゾーン、開始」
それを見逃す鬼道ではない。すぐさま合図を飛ばしボールを蹴り上げると、佐久間と寺門、そして洞面が順番に飛び上がり、空中で両手を広げて回転。ボールを中心に三角形を形成し、暗い闇色のエネルギーが中心へと充填されていく。あまりの力の大きさに、外から目に見えるほどのエネルギーの奔流が周囲へと迸る。
「っ!あれは!!円堂!!!」
豪炎寺が気づき、すぐさま円堂に呼びかける。が、もう遅い。空中で回転していた三人はボールに向けて、同時に両足で押し出すようにして打ち放った。
「「「【デスゾーン】!!!」」」
「止める!!【爆裂パンチ】!!!」
巨大なエネルギー塊があたりを吹き飛ばしながら円堂へと迫る。あまりの風圧に影野と壁山は立つのが精一杯で、シュートブロックをかける余裕はなかった。
デスゾーンを目の当たりにしても、円堂は怯まない。強力なシュートを目の前にして、今までよりも更に熱気を強めながら両拳に溜め込み、連続で殴りつけていく。
「どわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」
だが、止められず。あまりの力に拳を弾かれた円堂の腹部にデスゾーンが直撃。彼ごとゴールネットへと叩き込んだ。
『な、なんとぉぉぉぉぉ!??圧倒的破壊力!!これが帝国学園の必殺技、デスゾーン!!前半終了間際、帝国が追いついたァァァァァァ!!!』
雷門 1-1 帝国
オリジナル技解説
【サイクロンクェイク】
カテゴリ:ブロック・SB
属性:山
習得者:大野伝助
特徴:2人技
→使用者がLサイズである
→相方がサイクロンを使用出来る
消費TP:40(無印3基準)
説明文
回転を加えたアースクェイク!
竜巻のパワーが大地を揺らす!
解説
大野と万丈が編み出した連携必殺技。単純にお互いの持ち技であるアースクェイクとサイクロンを組み合わせただけ・・・といえば簡単そうだが、サイクロンで綺麗に上昇しつつ、空中でバランスを保つ必要があるため結構難易度の高い技。五条が事故にあった際、彼の負担を減らすために大野が万丈に声を掛けて習得した。
ただし、ゲーム的にはアースクェイクを習得していなくてもLサイズならば習得出来る。ようはぶっ飛んでから地面を揺らす技だから、サイクロンは必須でもアースクェイクは必須でない悲しさ。使用者はぶっ飛ぶ方なので、大野が習得した
記念すべき初のオリジナル技解説が五条さんではなく大伝という。帝国みんな好きだからいいんですけどね