イナズマイレブン! 脅威の転生者 ゴジョウ!!   作:ハチミツりんご

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第四十一条 雷門vs野生

 

『さぁ、運命のキックオフ!雷門ボールから、試合開始です!!』

 

 

雷門フォーメーション

 

ーー豪炎寺ー染岡ーーー

ー宍戸ーーーー少林寺ー

ーーー松野ー半田ーーー

ー風丸ーーーーー栗松ー

ーーー影野ー壁山ーーー

ーーーー円堂ーーーーー

 

 

野生フォーメーション

 

水前寺ーー五利ーー蛇丸

ーーー鶏井ーー大鷲ーー

ーー香芽ーーーー猿田ー

ーーーー獅子王ーーーー

ーー魚住ーーーー蛙田ー

ーーーーー猪口ーーーー

 

 

 

 

「ア〜アアァァァァ〜〜〜!!!」

 

 

試合開始と同時に、野生中の監督を務める他山が叫ぶ。その声を受けた野生中キャプテン、2年生の鶏井が両腕を翼のように振りながら、チームメイト達に叫ぶ。

 

 

 

「この試合に勝てば他山先生がおやつ食べ放題だってさ!!みんな、やるコケェー!!」

 

「こいつら、んな理由でフットボールフロンティア参加してやがんのかよ!?」

 

 

おやつ食べ放題という魅力溢れるご褒美に向けて、野生中のサッカー部達が各々声をあげてやる気を顕にする。

 

逆に雷門側は、染岡が至極当然のツッコミを入れていた。ちなみに野生中サッカー部の面々はサッカーは好きだが、フットボールフロンティアの勝ち負け自体はそう重要視していない。勝てばおやつ。それが全てだ。

 

 

 

「まっ、取り敢えず御手並み拝見かな……豪炎寺ッ!!」

 

 

そんな気合いの抜ける野生中の面々。マックスが初手は小手調べの意味も込め、一気に高くセンタリング。ボールを豪炎寺へと送ると、豪炎寺がファイアトルネードのシュート体勢に入った。

 

 

 

「コケェー!!」

 

「っ!?くっ……!」

 

 

しかし、そこに現れたのは先程チームを鼓舞したキャプテン、鶏井。並の選手よりも跳躍力のある豪炎寺の、完全に上をいったジャンプ力を披露した彼は、豪炎寺がシュートするより早くボールを掠めとった。

 

 

「高い……!!」

 

「豪炎寺よりも上かよっ!!」

 

 

雷門屈指のジャンプ力を誇る豪炎寺が上から抑え込まれたことに驚く半田と染岡。土門から話には聞いていたが、実際に目にしてみると驚きが違う。

 

 

「水前寺先輩っ!こけっ!」

 

 

ボールを奪った鶏井は、前線のFWであり、チーターのような見た目をした水前寺へとボールをパス。ボールを受けた水前寺はニヤリと笑うと、一気に加速してドリブルを始めた。

 

 

「ついてこれるもんならついてきてみろチータッ!!飛ばすぜぇぇぇぇぇ!!!」

 

「はやっ……!?」

「追い付けない!」

 

 

ゼロから一気にトップスピードまでギアを上げた、水前寺の高速ドリブル。必殺技とは違う、純粋な彼の身体能力のなせる技だ。クイックドロウを仕掛けようとした半田や、スライディングで虚をつこうとした少林が尽く躱された。

 

 

「やらせないでやんす!!」

 

「邪魔だ邪魔だチタっ!!【ダッシュアクセル改】ッ!!」

 

「うわぁっ!?」

 

 

咄嗟に栗松が水前寺の進行方向に立ちはだかり、コースを塞ごうとする。しかし水前寺は自慢の快足を更に加速させ、弾丸のような速度で栗松を強引に突破。栗松の後ろに控えていた影野がチェックしようとした時だった。

 

 

 

「いかせないっ!!」

 

「チタっ!?」

 

 

水前寺の隣に並走するように現れたのは、雷門一の俊足の持ち主である風丸。自身のスピードについてくる相手がいると思わなかった水前寺が驚きの声をあげるが、さらにスピードを上げて突破しようとする。

 

が、風丸は上手く体を使い水前寺の行きたい方向に行かせないように尽力。スピードだけならば互角に渡り合える風丸だからこそのディフェンスで水前寺を翻弄していた。

 

 

「な、ナイスディフェンスっす、風丸さん!!」

 

「へへっ、スピードで負けるわけにはいかないんでな!!」

 

「ちいっ……大鷲っ!!」

 

 

先日の尾刈斗との試合から見違えるほどのディフェンスを見せる風丸に壁山が賞賛を送る。行く先を尽く潰される、相手にしたくない守備を受けた水前寺は小さく舌打ちすると、ボールを一気に高い場所にまでキックした。

 

 

 

「さすがに高過ぎる、ミスキック………っ!違う!!」

 

 

執拗な風丸のディフェンスを受け、打つ手のなかった水前寺の苦し紛れのミスキックかと思った影野。しかしそのボールに重なるようにして現れた影に、その考えを捨て去る。

 

 

 

「【コンドルダイブ改】ッ!!」

 

 

大空から舞い降りる様に、青い風のようなエネルギーを纏って大鷲がヘディングシュート。あまりにも高い位置だったのでブロックしようにも影野では届かず、そのままボールは急降下してゴールへと向かっていく。

 

 

「させるかっ……っ!?」

 

「【ターザンキック改】ぃぃぃぃ!!」

 

 

当然円堂がシュートを止めるために動くが、それより先に動く人影。どういう原理なのか天空から降りてきたツタに捕まり、勢いをつけた五利が両足でスタンプキック。コンドルダイブの方向を予測した円堂を嘲笑うかのように、チェインを加えて逆方向へと飛ばした。

 

 

 

「させるかっ!!【熱血パンチ改】ッ!!」

 

 

しかし、ゴッドハンドを覚醒させた雷門の守護神にして、本来の物語の主人公はその程度では突破出来ない。咄嗟に方向を転換し、タメの必要ない熱血パンチをボールの横から叩き込み、大きく弾く。

 

 

「ゴリッ!?」

 

「へへっ、そう簡単にはゴールは割らせないぜ!」

 

『円堂、見事な熱血パンチでゴールを守った!!しかし恐るべきは野生中の個人技!昨年帝国学園や木戸川清修と戦った実力は伊達じゃないーっ!!』

 

 

角馬の実況響き渡る中で、円堂がにかっと笑う。一度のチェイン込みでも止めて見せた円堂に、野生中のFW陣が驚きの声を上げる。弾かれたボールは大きく弧を描いたが、影野がジャンプして確保。

 

 

「半田…!!」

 

「よし、少林!!」

 

「染岡さんっ!!」

 

 

流れるように右サイドの半田と少林にパスを繋ぎ、少林が前線の染岡へとパスを送る。ボールを受けた染岡は、ドリブルで切り込みながら敵のゴールを睨み付ける。

 

 

「空中戦がダメなら、こいつはどうだっ!!」

 

 

豪炎寺の代名詞であるファイアトルネードが抑え込まれるなら、自分が強引にでも道を切り開けばいい。雷門の誇るパワーストライカーは、体を捻りながら大きく右足を振り上げて慣れ親しんだ必殺技の体勢に入る。

 

 

「ドラゴンクラッ______」

 

「【スーパーアルマジロ改】ッ!!」

 

「っ!?ぐわぁぁぁぁぁっ!!」

 

 

帝国学園や尾刈斗中を脅かしたドラゴンクラッシュ。地上を進むこのシュートならば確かに鶏井は反応出来ないが、野生中ディフェンスは彼一人で補っているのではないのだ。

 

野生中ディフェンス陣の中央に位置どっていたライオンのような見た目をした選手……大柄な獅子王が、身体を高速回転させながら染岡に突貫。大柄な体躯を生かした強烈なタックルに、染岡がコートの外まで吹き飛ばされる。

 

 

「ぐ、うぅ……!」

 

「染岡っ!!」

 

「きゅ、救急箱!!」

 

 

獅子王のタックルをモロにくらった染岡が、足を押さえて蹲る。近くにいた宍戸が慌てながらベンチに伝えると、審判が笛を吹く。一時試合中断だ。ベンチから駆けてきた木野と音無が救急箱を持って染岡の治療にあたる。

 

 

「染岡っ、大丈夫かー!?」

 

「ぐっ……だ、大丈夫だ!こんぐらい……!」

 

「ダメだよ染岡君!右足を軽くひねってるし脇腹の辺りに打ち身もある……下がるべきよ!」

 

 

円堂からの心配の声に強がりを言うが、獅子王のタックルは強烈だった。まともに受けた右足は大事には至っていないものの赤く腫れているし、受け身を取れなかったので全身の幾つもの箇所にアザが出来ている。試合の続行自体はできるだろうが、やめておいた方が懸命なのは言うまでもない。

 

 

「だがよ……!」

 

「心配すんなって染岡!!お前の分まで、俺達がズババーンっと頑張るからさ!!」

 

「そうだぜ染岡!これからもお前のシュートは必要なんだ、今は休んでくれよ」

 

「円堂、半田………」

 

 

試合に出れるならば無理してでも出場したい。そう思う染岡に、円堂と半田が肩を叩いて休むように言う。木野も含めて、豪炎寺よりも早く入部しており交流も深いメンバーたちからそう言われては、染岡も下がらざるを得ない。

 

 

そんなやり取りをベンチで眺めていた目金は、少し声を震えさせながら隣の土門をちらりと見やる。

 

 

「ど、土門君、今回は君に譲ってあげるよ……!け、決してビビってるわけじゃあ、ないからね……」

 

「譲ってあげる、ねぇ……へいへい、やりますよっと」

 

 

後ろを向いて説得力の欠けらも無い目金を見ながら、呆れた様子で土門が立ち上がり、フィールドへと向かう。

 

 

 

『さぁー、野生中ボールから試合再開です!雷門イレブンは負傷した染岡に代わり、新加入の土門が入りましたが……これはーっ!?』

 

 

雷門フォーメーション

 

ーーーー豪炎寺ーーーー

ー宍戸ー壁山ー少林寺ー

ーー松野ーー半田ーーー

ー風丸ーーーーー栗松ー

ーーー影野ー土門ーーー

ーーーー円堂ーーーーー

 

 

『なんと!!ディフェンダーの壁山がトップ下!!豪炎寺のすぐ後ろ、攻撃的なポジションに陣取っている!これは雷門の作戦かーっ!?』

 

「ちょ、ちょっと待ってくださいっす!!俺が、トップ下ァ!?」

 

「イナズマ落としするなら、そこが一番でしょ〜?サポートするから、頑張ってね壁山」

 

「ま、松野さぁん!!」

 

 

コンビを組むFWの染岡が抜けた為、FWは豪炎寺のワントップに。そして豪炎寺の後ろ、トップ下と呼ばれるポジションに本来はDFの壁山を投入。イナズマ落としをやるのなら、確かにこの位置取りが一番だ。代わりにフィールドに入った土門が壁山のポジションへと入った。

 

 

 

「ゲコッ、ゲコッ!香芽先輩!」

 

 

野生中ボールからのスローイン。ボールを持った蛙田が、緑色の髪の毛の整った青年へとパスを送る。香芽と呼ばれた彼にボールが送られると、野生中女子から黄色い歓声が上がる。どうやら人気者のようだ。

 

 

「ボールは貰った!【クイックドロウ】!!」

 

「カメカメカメメ………【透明フェイント】カメっ!!」

 

「っ!?消えたァ!?」

 

 

そんなイケメン香芽に向かって、地味顔の半田が必殺技を仕掛ける。しかし香芽は小さく笑いながら小さく纏めるように身体を曲げると、モザイクのようなものが現れて香芽が消える。ボールのみがポンポンとドリブルされる様子に半田が驚いていると、あっという間に横を抜かれて香芽の姿が現れた。

 

 

「カメカメ……甘いカメ。そんなディフェンスで止められるほどヤワじゃないカメ!」

 

『おおっと半田、抜かれたァ!!野生中香芽、端正な容姿に違わぬスマートなプレーだァー!!』

 

「てめぇ半田ぁ!!何抜かれてるんだ!!」

「顔で負けてるのにサッカーでも負けてどうすんだよ!!」

「イケメンは潰せー!!お前は雷門非モテの星だ、半田ーッ!!」

 

「うるっせぇ!?お前ら黙って応援しろコノヤローっ!!」

 

 

小さく笑みを浮かべながら余裕で上がっていく香芽。野生中女子達の声援を浴びる彼が活躍するのが気に入らないのが、雷門中応援団の男子達が半田に激を飛ばす。なお、女子達に白い目で見られていることには気がついていないが。大谷はそっと夕香ちゃんの耳を塞いでおり、幼い彼女は首を傾げていた。こんな汚い男どもの言い分なんぞ夕香ちゃんの教育に悪い。

 

 

「さーてと………見せてやりますかね!」

 

 

ドリブルで上がってきた香芽をチェックしたのは、フィールドに入ったばかりの新入部員、土門。不敵に笑った彼は、上がってくる香芽に駆け寄りながらスライディングの体勢に入った。

 

 

「【キラースライド改】ッ!!」

 

「カメっ!?」

 

 

一気に加速し、残像が見え隠れするほどの高速スライディング。帝国学園のものがまず身につけるブロック技で、土門は香芽からボールを掠めとった。

 

 

「あれは、帝国のブロック技…!?」

 

「土門さん凄いでやんす!」

 

「へっへー、これでも結構やるんだぜ俺!」

 

 

帝国学園伝統のブロック技を使用したことに豪炎寺が引っ掛かりを覚えるが、キラースライド自体は極端に難しい技では無い。帝国が使用するので見る機会も多く、スピードに乗るので使い勝手も悪くない。個人で練習して身につけていてもおかしくはない技である。

 

すぐそばにいた栗松が見事な土門の必殺技に感動の声をあげると、土門は自慢げにそう言う。帝国学園サッカー部にて、プレースタイルが合わないだけで実力は一軍と遜色ない土門ならばこれくらいのことはやってのける。

 

 

 

「いかせねぇゴリっ!!」

 

「っと、あぶねっ!」

 

「ゴリィっ!?」

 

 

五利が素早く土門をマークするが、土門は軽くボールを蹴りあげるとアクロバットのごとくバク転。ボールを両足に挟み込み、五利を飛び越えるようにして突破してみせた。

 

 

「さて、やることはやったぜ!豪炎寺ッ!!」

 

「行くぞ、壁山!」

 

「は、ハイっすー!!」

 

 

五利を躱してドリブルで切り込んでいった土門が、高くボールを上げる。ファイアトルネードよりもさらに高いボールだが、イナズマ落としならば届く絶妙な高さのセンタリング。豪炎寺は壁山に声を掛けると、二人同時に飛び上がった。

 

 

「コケェー!!」

 

「っ、だが、イナズマ落としなら越えられる…!」

 

 

当然ながら鶏井が止めに来るが、イナズマ落としの二段ジャンプなら越えられる。そう判断した豪炎寺が飛び上がってきた壁山を土台にして跳躍しようとするが………

 

 

 

「ひいいいいっ!!や、やっぱり怖いっす!!」

 

「っ!?くっ……!」

 

 

どうしても下を見てしまい身体が竦んでしまう壁山。体勢を崩した状態では豪炎寺も上手く飛び上がることは出来ず失敗、ボールは野生中が確保し、一気に攻め上がってくる。

 

 

「【コンドルダイブ改】ッ!!」

 

「【ターザンキック改】ぃぃぃぃ!!」

 

「【スネークショット改】ッ!!」

 

 

「止める!!【爆裂パンチ改】ッ!!」

 

 

 

空中の大鷲から蔦を使って勢いをつけた五利、更に10番を背負う蛇丸が左右に蛇のように振れるスネークショットをチェイン。必殺技3つ分のパワーが込められたシュートだが、スネークショットが横に振れる分時間が稼げた。熱血パンチと同じエネルギーを両手に溜め、何度もボールを殴り付ける円堂。

 

 

「だァァァァ!!」

 

「隙ありチタっ!」

 

 

 

見事にはじき飛ばした円堂だったが、野生中の猛攻は止まらない。脅威的なスピードを発揮した水前寺が一気にボールとの距離を詰めると、ボールをスピンさせるように踏みつけ浮かせる。

 

 

「【スパイラルショット改】ッ!!」

 

「しまった!!」

 

 

爆裂パンチは熱血パンチよりも若干隙が大きい。逆側を突かれた雷門ゴールはがら空き、止めるものはいない……と思われた時だった。

 

 

 

「_______【スピニングカット】ッ!!風丸!!」

 

「任せろっ!!おおおおおおっ!!」

 

 

マックスの振るった右足から形成された青い衝撃波の壁。水前寺のスパイラルショットを阻むように展開されたそれによって威力の大部分を削り取られると、ノーマルシュート並に落ちたボールを風丸が一気に蹴り飛ばす。

 

 

「チタァッ!?」

 

「す、すっげぇぞマックス、風丸!!」

 

「へへっ、シュートブロックないの不便だったからね。ちょっと身につけちゃった」

 

「ほんとに器用ですね、彼は……」

 

 

 

水前寺の速攻を危惧して下がってきていたマックスの機転と、咄嗟に追いついた風丸のスピードによって救われた雷門。不便だったから身につけた、と笑うマックスの天性の器用さに、ベンチに腰かける目金も驚きを隠せなかった。

 

 

 

そこからボールを一気に前線へと送る雷門。しかし、状況は一向に好転しなかった。

 

 

「ひいい……!!」

 

「コケケケッ!!何意味分からないことやってるコケーッ!!」

 

 

壁山は未だ吹っ切れることなく、イナズマ落としは不発続き。別の攻め方をしようにも鶏井の超ジャンプと獅子王の高速タックルの前にフリーでシュートすることは難しく、すぐに野生中にボールを奪われてしまう。

 

 

「【コンドルダイブ改】ッ!!」

 

「【熱血パンチ改】っ!!」

 

「【スネークショット改】!!」

「【スパイラルショット改】っ!!」

 

「ふんがーっ!!【熱血パンチ改】ィ!!」

 

「【ターザンキック改】ぃぃぃぃ!!」

 

「【スピニングカット】ッ!!」

 

 

息をつく暇もないほどの野生中の猛攻。キャッチ技であるゴッドハンドを使う暇もなく、零れたボールも足の速い水前寺が拾ってしまう。風丸も対抗しようとするが香芽や猿田にマークされて思うように動けず、円堂のガッツとマックスのシュートブロックのお陰でギリギリ保っているような状態だった。

 

 

 

「コケェーッ!!埒が明かないコケっ!!」

 

「アァ〜〜、アァア〜〜〜〜〜!!!!」

 

「っ!監督から指示が来たコケっ、みんな行くコケーっ!!」

 

 

簡単にボールを奪えるもののしぶとい雷門ディフェンスにやきもきしていると、ベンチの他山が雄叫びをあげる。雷門からしたらなんの意味も無い雄叫びだが、野生中の面々からしたら細かな指示が含まれた声だ。監督からの指示を受けた野生中が、一気に駆け上がってくる。

 

 

「大鷲先輩、行くコケェーッ!!」

 

「任せとけワシぃぃぃぃ!!」

 

 

鶏井が隣の大鷲の腕を掴むと、その場で回転。勢いをつけた鶏井は、そのまま大鷲を空中へと投げた。

 

大鷲本人のジャンプ力に加えて鶏井のサポート。コンドルダイブの時よりもさらに高く飛んだ大鷲は、空中で身体を反転させるとヘディングでは無く右足を振り抜いてシュートした。

 

 

 

「「【ホークショット】ッ!!」」

 

 

(イーグル)なのに(ホーク)とはこれ如何に。そう突っ込まれそうな必殺技だが、威力はコンドルダイブの比では無い。それ単独でFW3人のチェインに相当するほどの威力を内包したシュートが、急降下して雷門ゴールに迫る。

 

 

「【スネークショット改】ッ!!」

 

「【スパイラルショット改】ィ!!」

 

 

さらにそこへ蛇丸と水前寺の連続チェイン。間違いなくこの試合で野生中最高火力のシュートだ。

 

 

「そのまま円堂に通すわけないじゃんっ!スピニング______」

 

「【ターザンキック改】ぃぃぃぃ!!」

 

「っ!?やばっ……!!」

 

 

当然、マックスが反応。エネルギーを溜めて右足を振るおうとしたが、それより早く五利のチェインが入る。加速したボールはマックスがスピニングカットを使用するよりも早く、円堂の元へと飛んでいった。

 

 

「ゴッドハンドじゃ間に合わない……!【爆裂パンチ改】ッ!!」

 

 

野生中の間髪入れない素早い攻撃に、ゴッドハンドを使う暇がない。円堂は帝国学園との練習試合の前までメインで使っていた連撃のパンチング技を使用し、なんとか止めようとする。

 

 

「どわぁぁぁっ!?」

 

 

しかし、野生中の攻撃はそう簡単に止められるほど甘くなかった。4つのシュートを重ねがけしたそのボールは、円堂の連撃に耐えて彼ごとゴールへと叩き込む。

 

 

雷門 0-1 野生

 

 

 

そしてゴールネットが揺れた瞬間、審判のホイッスルの音が響く。前半終了の合図だ。終了間際に決められた事実が重くのしかかるなか、メンバーはベンチへとさがっていった……。

 

 

 

 

☆☆★

 

 

 

「っつつ……」

 

「円堂君、大丈夫?」

 

「あぁ、平気さ!」

 

 

ベンチに腰かけてキーパーグローブを外す円堂。野生中の猛攻からゴールを守り続けたその手は真っ赤に腫れており、ダメージの蓄積がみてとれる。木野が心配そうに声をかけるものの、円堂は手に氷嚢を当てながら笑顔を覗かせていた。

 

 

「悪いみんな、最後に決められちまった!!だけど試合はまだまだこれからだ、頑張っていこうぜ!!」

 

「で、でも……」

 

「ボールは相手に取られっぱなしでやんす……」

 

 

円堂がみんなに笑みを見せつつそう鼓舞する。が、宍戸と栗松の呟きが物語っている通り前半は野生中の攻撃に翻弄されるばかりで攻撃は出来なかった。染岡というストライカーが抜けた事により、野生中ディフェンスへの対抗手段はイナズマ落としくらいなものだ。そのイナズマ落としも、一度も成功していない。

 

 

「………キャプテン、俺をディフェンスに戻して下さいっす……」

 

「……壁山?」

 

 

 

原因はわかっている。未だに恐怖を克服出来ずに土台の役をこなせていない壁山が、俯きながら弱気にそう零した。

 

 

「それがダメなら、交代させてください。もう、俺にはイナズマ落としは無理なんス………」

 

「何言ってるんだ壁山!高いところが怖いって言ってたのに、あんなに頑張って練習してたじゃないか!」

 

 

弱気な壁山に向けて円堂が激を飛ばす。高いところが怖いと言っていた壁山だったが、それでもみんなの期待に応えようと何度も何度もジャンプして、転んだり地面に激突したりしながらも最後までずっと練習を続けていたのだ。そんな壁山の事を、円堂は信じていた。

 

 

「無理なんス!練習したけど、前半は何回やってもダメだったっス!!もうこれ以上ボールを上げてもらっても、相手に渡すだけっス!!」

 

 

しかし壁山は、前半の己の不甲斐なさからすっかり自信を無くしていた。何度ボールをセンタリングして貰っても失敗ばかり。そのため攻めに掛ける時間が極端に減り、野生中は怒涛の猛攻を仕掛けることが出来た。円堂の手の腫れだって、自分がイナズマ落としを決めていたらこんなことにはなっていないだろう。

 

 

「俺に、頑張れって言ってくれるのは嬉しいっスけど、キャプテン達に迷惑掛けられないっス………イナズマ落としは、土門さんみたいな凄い人に代わってもらったほうが______」

 

「______壁山ッ!!」

 

「ひぃっ!?」

 

 

自分にイナズマ落としは不可能だ。それよりも、先程見事なディフェンスでボールを奪い豪炎寺まで繋げてみせた土門のような選手がやった方が成功するだろう。そう言おうとした壁山だったが、円堂の大きな声にビクリと肩を揺らす。

 

弱気なことを言って叱られると身構えた壁山だったが、円堂は壁山の肩にポン、と手を置いた。

 

 

「壁山!俺は、お前がどんなに頑張ったかを知ってる!!一緒にボロボロになるまでタイヤの重しを付けてジャンプ力の特訓をしたり、怖いって言いながらも何度も飛んでみせたお前を知ってる!!あの時の頑張ってるお前を、俺はずっと見てた!!努力に無駄なものなんて無い!!精一杯の努力は、きっと実を結ぶ!!」

 

 

真っ直ぐに壁山の目を見て、壁山のやってきた努力を無駄では無いと断言する円堂。アレだけ情けない姿を見せながらもこんな優しさを向けてくれるキャプテンに感謝の念が湧いてくるが、同時に申し訳なさも沸き上がる。

 

 

「で、でも、迷惑は………」

 

「迷惑なんかじゃないさ!!頑張ってる奴がいるなら、周りみんなでサポートする!困ってる時は、みんなで助け合う!!それが仲間だろ!!なぁ、みんな!!」

 

 

これ以上の迷惑は掛けられないと壁山が俯くが、円堂はそれを笑い飛ばす。出来ないことがあるのならみんなでやる。立ち止まりそうなら周りが引っ張る。それこそが雷門サッカー部だ。円堂が周りに声をかければ、サッカー部の面々は笑いながら壁山へと声を掛ける。

 

 

「壁山!ベンチの俺の分まで、ぶちかましてこいよ!イナズマ落としをよ!!」

 

「そうだよ壁山。絶対ボール繋いであげるから、頑張ってよね」

 

「俺たち全員、お前のこと応援してるからさ!」

 

「そうだぜ壁山!」

 

「僕達も近くにいるんだよ!」

 

「ディフェンスは、任せるでやんす!!」

 

「壁山の分まで、しっかり守るからさ……」

 

 

メンバーが口々に励ましの言葉を述べながら、壁山の肩をバシバシ叩く。「痛いっすー!」と声を上げるが、決して嫌そうな雰囲気は無い。打ち解けたチーム特有の和やかな空気が、チーム全体に漂っていた。

 

 

「よーしみんな!後半も張り切っていくぞーっ!」

 

『おおーっ!!』

 

 

円堂の声に合わせて全員が闘志を滾らせる。相手は強豪、こちらは追いかける展開だが、決して帝国学園ほどの強さを持っている訳では無い。勝機は未だ充分残されている。

 

 

「…………でも、俺じゃあやっぱり………」

 

「壁山………」

 

 

みんなが勝つ為に一致団結しているのを見て、やっぱり自分が前線に出ないで別の方法を試した方がいいのではないかと思う壁山。そんな後輩の姿を見た風丸が、ひとつ頷いて近くにいた仲間に声を掛ける。

 

 

 

「豪炎寺、マックス!ちょっといいか?」

 

「風丸?」

「どうかしたの?」

 

「あぁ、後半なんだが______」

 

 

チームで最もサッカー歴が長く試合経験も豊富な豪炎寺と、総合力に優れた今の雷門の司令塔を務めるマックス。その2人に風丸は自分の考えを告げると、マックスは「へぇ」と感心したような声を上げる。

 

 

「いいんじゃない?円堂に負荷かけっぱなしはまずいしね」

 

「あぁ、試してみる価値はあるかもしれないな。問題は、風丸の負担が大きいことだが……いけるのか?」

 

「あぁ、大丈夫。自分で言ったんだ、やってみせるさ!」

 

 

 

豪炎寺も風丸の考えを肯定するが、如何せん風丸自身への負担が大きい。それを大丈夫なのかと問えば、風丸はしっかりと頷いてみせる。

 

そして風丸は「それに」、と呟きながら、未だに俯く壁山の方を向いて笑って胸を叩いた。

 

 

 

「……弱気な後輩に、先輩としてかっこいい所見せないとな!!」

 

 

 

 

☆☆★

 

 

 

『さぁ、野生中ボールから後半戦が始まりました!一点を追い掛ける我らが雷門中だが、微妙にポジションが変わっているぞー!?』

 

 

雷門フォーメーション

 

ーーーー豪炎寺ーーーー

ー宍戸ー壁山ー少林寺ー

ーー風丸ーー半田ーーー

ー土門ーーーー栗松ーー

ーー影野ーー松野ーーー

ーーーー円堂ーーーーー

 

 

 

『どうやら先程見事なシュートブロックを見せてくれた松野がDFに回るようだ!代わりにMFとして入っているのは、俊足を誇る風丸!!これが吉と出るのか凶と出るのか!』

 

 

 

角馬の実況が聞こえる中で野生中は水前寺がボールを持って切り込んでくる。途中半田が仕掛けるが、ダッシュアクセルで強引に突破。そのまま空中にボールを放ると、既に飛んでいた大鷲がシュートを仕掛ける。

 

 

「【コンドルダイブ改】ッ!!」

 

「【スネークショット改】!!」

 

「そう何度も通さないっての!【スピニングカット】ッ!!」

 

 

蛇丸のチェインが入り、蛇行しながら飛んでくる緑色のエネルギーを纏ったシュート。しかし、ディフェンスのポジションについたマックスが易々と通すはずも無い。シュートブロックを仕掛け、ボールを弾いてみせる。

 

 

「けけけっ!!貰ったチタっ!!」

 

 

しかしボールを弾くということは、水前寺が拾うということと同義だ。特に今は彼に対抗出来るスピードを持つ風丸が中盤にいるので、水前寺は悠々とボールを拾った……と、思いきや。

 

 

 

「【コイルターン改】ィィィィィィ……!!!」

 

「チタァーッ!?」

 

 

水前寺がこぼれ球を拾いに来ることは予測済み。マックスがスピニングカットを使用した際に持ち前の気配遮断を有効活用した影野が、死角から水前寺に必殺技。高速回転する影野に翻弄された水前寺がボールを手放し、影野が確保する。

 

 

「ふふふ……存在感のなさには自信があってね………」

 

「それって、いい事………なのかぁ?まぁいいや、影野!!」

 

「よろしく、土門…!」

 

 

以前は悩みの種だったが、サッカーをやる上ではこの上ない特技に昇華された存在感の無さ。自慢げにそれを語る影野に苦笑しながらも、土門がボールを受け取る。

 

 

「ウッキィー!!」

 

「止められるかっての!!」

 

「ウキィ!?」

 

 

猿田が叫び声を上げながら土門に迫るが、土門は必殺技も使わずにボールをヒールリフト。虚をつかれた猿田が右往左往しているうちに簡単に突破してみせた。

 

 

「すっげぇぞ、土門!!」

 

「ファンタジスタ、舐めんなよってね!!宍戸!!」

 

「はいっ!!いっけぇ、壁山!!」

 

 

 

ゴール前の円堂からの賞賛を受けながら、土門が宍戸へとボールをパス。受けた宍戸は、そのまま中央の壁山と豪炎寺に向けてセンタリング。再びチャンスが巡ってきた。

 

 

「壁山!!落ち着いていけ!!」

 

「は、はいぃ……!!」

 

 

豪炎寺が落ち着けと壁山に言葉を送るが、壁山は返事をしながらもその言葉は耳に入っていない。失敗しては行けないという感情が渦巻き、ボールにしか目がいっていない。

 

 

「コケェーッ!!何度やっても無駄コケェーッ!!」

 

 

自分の高さを越えられないとばかりに、鶏井が叫び声を上げて跳躍。豪炎寺ですら単独では越えられない高さ、超えるには壁山の力が不可欠だ。しかし………

 

 

 

「う、あぁ……!!」

 

「くっ………!!」

 

 

やはり、下を見てしまう。自分の身体が地面から離れ、空中にあると感じるだけで反射的に体が固まってしまう。縮こまらせた体では、土台にこなせるはずも無く。豪炎寺は飛べず、鶏井にボールを奪われてしまった。

 

 

「や、やっぱり、俺じゃあ………」

 

「コケーッコッコッコッコッ!!無駄だコケ!!俺のジャンプを越えられるのは誰一人いないコケェーッ!!」

 

 

地面に降り立った壁山が自信なさげに膝をついてしまう。それを見た鶏井が、自分を越えられるわけはないと大声で笑い叫ぶ。先に飛んだ鶏井の方が、未だに空中にいる。その事実に、自分の情けなさに、壁山の心が折れかけていた、そのとき______。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『いいですか、風丸君。この技は、帝国でも伝統的に受け継がれている技だ………センスが無ければ時間が掛かるが、コツさえ掴めば短い期間で会得できる。技のイメージ的にも、君なら使いこなせるでしょう』

 

「(______まだだ)」

 

 

 

 

 

『一番意識しなければならないのは、『力任せに集めようとしない』という事です。無理やり引っ張って来たものではパワーは出ても暴発し、どこに飛ぶか分からない。自然な風の通り道を模索し、そこから『風から集まってもらう』……そんな感覚です』

 

「(____________まだだ______)」

 

 

 

 

 

 

『もしいけると思ったのなら、迷わずに振り抜きなさい。遠慮はなし、持てる全力を込めて、利き足を振るう。コツを掴み、それさえ出来たのなら______』

 

「(…………今だっ!!!)」

 

 

 

 

 

 

『______風は、君の味方になる』

 

 

「【サイクロン】ッ!!!」

 

「コッ!?コケエェェェェッ!?」

 

 

 

風が集う。疾風とも呼ばれた彼の思いに応えるように、共に戦う彼の背中を押したいという勇気を賛美する様に。振るわれた右足から放たれるその豪風は、未だに空に座していた飛べない鳥を巻き込んで舞い上がり、白と黒で構成された大切な魂を取り返した。

 

 

 

「っ!!か、風丸さんっ!?」

 

「前向け、壁山!!俺のカッコいいところ、見逃さないでくれよっ!!」

 

 

 

背後から現れ窮地を救ってくれたのは、試合前に自分を鼓舞してくれた優しい先輩。何故、いつの間にそんな技をと言葉が脳裏に浮かび上がるが、それよりも彼の姿を目に焼きつけることに意識が向かった。

 

 

 

 

「ガォォォォォォッ!!」

 

「調子に乗るなチタっ!!」

 

 

『ああっと風丸の前方から獅子王!!後方からは水前寺!!野生中のスピード自慢二人に挟まれた風丸、万事休すかーっ!?』

 

 

キャプテンである鶏井からボールを奪ったことは驚愕に値する。しかし、彼はDF。いかに足が速かろうと、この2人を躱せるわけは無い。獅子王と水前寺が逃げ場を塞ぎ、確実に獲物を狩り取ろうとした時。

 

 

 

「………悪いな。負けないよ」

 

 

 

二人の視界から、風丸が()()()

 

 

「ガオウっ!?」

 

「チタっ!?ど、どこに……っ!?」

 

 

 

消えると思っていなかった獅子王と水前寺。チームメイトの香芽が使った透明フェイントのように、姿を消す必殺技だろうか。ならば隠れているだけで近くにいる、見回せば完璧に消えるなんて不可能だ………そう思った時。

 

 

「水前寺!!獅子王!!後ろカメっ!!」

 

 

チームメイトからの声を受けて、まさかと自陣ゴール側を振り返る。そんな馬鹿な、あの一瞬で抜かれるわけはない。

 

 

 

______しかしそこに、彼はいた。巧みなドリブルで、一気に野生中ゴールへと近づいてく後ろ姿がはっきりと捉えられた。

 

 

 

「ギョギョ!!抜かせねぇギョッ!!」

 

「観念するゲコッ!!」

 

 

すぐさま獅子王の背後に控えていた魚住と蛙田が風丸にプレス。獅子王と水前寺が抜かれたのだ、気を抜かずに本気で止めにかかった。

 

しかし。しかし。風丸にとってそれは遅い。遅過ぎる。あの日、特訓の時に感じたスピードに比べれば対処は容易。ニヤリと笑った風丸は、今一度地面を蹴る。

 

その瞬間、離れた場所にいたはずの風丸が、魚住と蛙田の眼前に迫っていた。

 

 

「ギョォッ!?」

「ゲゴォッ!?」

 

「これが俺の………【疾風ダッシュ】だっ!!」

 

 

あの日、特訓の末に会得したドリブル技。陸上出身、スピード自慢の風丸に見事に合った、文字通り疾風の如きドリブル。驚く二人を置き去りにし、風丸は一気に野生中ゴール前までたどり着いた。

 

 

 

『なんとなんと風丸!!あの屈強な野生中ディフェンス陣をたった一人で切り裂いていく!!もうゴール前にはキーパーの猪口ただ1人だァァァァ!!』

 

「す……凄い!!凄いっす!!凄いっす、風丸さん!!」

 

「DFが点を決めようなんて、甘すぎだ!!」

 

 

 

見事というほかない風丸の猛進。吹き荒れる風の如きドリブルに、野生中は勿論、雷門中の者たちも目を大きく見開いて風丸を見ていた。落ち込んでいた壁山も、先輩の勇姿に自然と顔が前を向いていた。

 

しかし、強豪野生中のゴールを任された猪口の実力は本物。真正面から勝負しても、きっと風丸に勝ち目は無いだろう。

 

 

 

「…………勝負だっ!!」

 

「こいっ!!」

 

 

しかし風丸は、あえて勝負を挑んだ。止められてもいいから?ここまで突破しただけで充分な活躍を見せられたから?

 

否、断じて否。風丸は自信があるのだ。猪口を相手にしても、決められる自信が。

 

 

風丸は勢いに乗ったまま足元のボールを回転させると、そのボールの周りにサイクロンの時のように風が纏まりつきはじめる。

 

 

 

 

『これは……まぁ本来この時代の技じゃないけど……まぁ良いでしょう。他にも候補はあるが、サイクロンと並行してやるならこれがいい。手順は単純ですよ』

 

「______ボールに風を集めて、コーティング……!!」

 

 

集まった風は、ボールを包み込むように青いエネルギーとなってその姿を露わにする。

 

 

 

『特に、疾風ダッシュで加速した後直接狙うのが一番威力が出るでしょう。野生中の猪口は高い身体能力を持つ良いキーパーだ、下手に小細工はしなくていい。体勢を整えたのなら、迷わないで______』

 

 

「______自分を信じて、全力でっ!!!」

 

 

 

彼からの教えを反芻する。信じろ。自分はもう、チームの足を引っ張るなんてことは考えない。この足で、このスピードで、この姿で。チームを後押しする、風となるのだ。

 

 

 

 

 

「______【ソニックショット】ッ!!!!」

 

「っ!!必殺技だと!?だがその程度……!!」

 

 

 

 

音速(ソニック)の意味を冠する、風のシュート。本来ならば十年後、雷門のエースを務める少年の会得する必殺技。加速しながら打ち出されたそれに、猪口が反応しようと飛び上がる。問題なく、間に合うはずだった。

 

 

しかし。途中で風が解かれたそのシュートは、弾けるように急加速。猪口の意表を突き、彼が追いつくよりも早くゴールネットを揺らしてみせた。

 

 

 

「な……に……!?」

 

 

 

猪口が、魚住が、蛙田が、獅子王が、水前寺が……野生中全員が、信じられないものを見るかのように止まる。しかし、現に揺れるゴールネットと線内に収まっているサッカーボール。それが意味するところ、ただ一つ。

 

 

 

 

 

「______っしゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

 

雷門の………蒼き疾風の、得点だ。

 

 

 

『ご、ゴォォォォォォルっ!!なんとなんと雷門同点っ!!しかも屈強な野生中ディフェンスをかいくぐり、得点を決めて見せたのはっ!!エースストライカー豪炎寺でもなく、切り込み隊長染岡でもなくっ!!DFの風丸一郎太だァァァァァァァァァァ!!!』

 

 

雷門 1-1 野生

 

 

 

 

「まじかっ!!おまっ、まじかよ風丸ぅ!!!」

 

「凄いっ!!凄すぎます!!」

 

「めちゃくちゃカッコイイでやんすーっ!!」

 

「わっちょっ!?押すな、押すなってお前ら!!」

 

 

シュートを決め、雄叫びをあげる風丸。チームの誰にもそんなことが出来るなんて言っていなかった風丸に、半田や宍戸、栗松達が駆け寄ってきてもみくちゃに撫で回す。

 

急にそんなことをしてくる仲間達に笑いながらやめるように言う風丸だったが、誰もやめることはない。窮地の雷門を救ってみせる、値千金の一点だ。

 

 

「風丸……お前、黙ってたな?」

 

「へへっ……ちょっとな!驚いただろ、豪炎寺!」

 

 

ブロック技、ドリブル技に加えてシュート技。しかも初見殺しに近いシュートを使えるようになっているとは思っていなかった豪炎寺が笑いかける。ドッキリ成功、と言わんばかりに豪炎寺の肩を叩いた風丸は、目的の後輩に目を向ける。

 

 

 

「壁山!」

 

「は、はいっす!!」

 

「どうだった?俺の必殺技のオンパレード!!」

 

「か、カッコイイっす!!凄かったっす!!」

 

「だろっ!手伝ってもらったけど、死ぬ気でやったんだぜ!」

 

 

俯きていた壁山も、今の風丸のプレーで目をきらきらと輝かせて賞賛を口にする。そんな後輩に笑い掛けながら、風丸は壁山の胸の辺りをとんっ、と叩いた。

 

 

「次は壁山。お前の番だぜ」

 

「うっ……で、でも、俺じゃあ……」

 

「大丈夫だよ。俺も全然出来なかったし、なんなら練習でさっきの技一個も成功してないんだ!」

 

「えぇー!?」

 

 

実際のところ、風丸は五条との特訓の時にも疾風ダッシュは完成一歩手前までいったものの、サイクロンとソニックショットはコツを掴む程度しか出来なかった。今のこの場で、即興でものにしてみせたのだ。

 

 

 

「俺は頑張って特訓した。練習では出来なかったけど、試合で本気で勝とうと思ったら、出来たんだ。壁山、お前だって出来るよ」

 

「俺でも………出来るっすか……?」

 

「あぁ。それに、失敗したって大丈夫だ。ここにいる全員が、力を貸してくれるからな」

 

 

 

失敗したっていい。風丸の活躍で同点まで持ってきたのだ。もう、円堂を中心にして一点も渡さない。壁山の為に、雷門中一丸となってサポートする気満々だ。

 

 

 

「だから堂々と胸張れよっ!!どっしり構えりゃ、お前は誰にだって負けないさ!!」

 

「どっしりと……構える……!」

 

 

風丸の言葉を、壁山が口にする。どっしりと、腰を据えて構える。至極単純なことだが、腰が引けていた壁山はそれが出来ないでいた。でも今なら、不思議と前を向くのが苦痛に感じない。

 

 

 

「お、俺………」

 

 

風丸はやってみせた。試合前、お互い頑張ろうと言ってくれた先輩は、チームを救う為。自分を励ます為に、あんなプレーを見せてくれた。その事実に、勇気が湧き上がってくる。

 

 

 

「兄ちゃーんっ!!」

 

「っ!サクっ!?」

 

 

そんな時に、大きな声が飛び込んで来た。何度も聞き慣れた、弟の声。応援団の方を振り向けば、壁山の弟がメガホンを持って身を乗り出さん勢いでこちらに叫んでいた。

 

 

 

「兄ちゃんは、雷門イレブンなんだろ!?帝国に勝った、凄いチームのレギュラーなんだろ!?俺の知ってる兄ちゃんは、優しくて強くてカッコいいんだ!!だから頑張って!!負けるな、兄ちゃーん!!」

 

「………サク………」

 

 

 

弟の必死な声援。今まで見栄を張って、自分はチームの柱だ、キャプテン達に頼りにされている、と何度も言っていた。そんな自分に尊敬を向けてくれる弟が好きだったし、気分も良かった。だからこの試合の情けないところを見られたら、失望されると思っていた。

 

 

それがどうだ。弟は必死に応援してくれている。情けない兄の姿を見ても、あんなにも応援してくれているじゃないか。

 

 

「サクの兄ちゃん頑張れーっ!!」

 

「かっこいいところ見せてよーっ!!」

 

「そうだぞ壁山!!雷門魂見せてやれ!!」

 

「私たちも応援してるからねっ!!」

 

 

サクの友達も、先輩達も、同級生も、応援してくれている。自分のことを思って、情けないプレーを見せてもなお、頑張れと声をかけてくれる。

 

そしてサッカー部のみんなは、成功するまで全力で手助けすると言ってくれた。キャプテンなんて、手が腫れるほどボールを受け続けても文句のひとつも言わずに自分を励ましてくれた。豪炎寺さんだって、何回失敗しても見捨てないでいてくれる。

 

 

「俺………俺………!」

 

 

相手とぶつかり合うのは怖い。痛いのだって嫌だ。だけど、それよりももっと。

 

 

 

「俺………!!やってやるっす!!」

 

 

……この人達の期待を裏切るのは、もっと嫌だ。

 

 

 

 

 

「キャプテン!!俺を、ディフェンスに戻して欲しいっす!!」

 

「えぇ!?」

「イナズマ落としは!?」

「どうするでやんすか!?」

 

 

ゴール前にいる、お世話になったキャプテンの円堂にそう叫ぶ壁山。ほかの一年生達がイナズマ落としはどうするのかと心配するが、円堂には見えた。俯いた自信の無い顔ではなく、顔を上げて、前をまっすぐ見ている壁山の顔が。

 

 

 

「……良し!!ポジション変更しよう!!」

 

 

 

今の壁山なら、きっと大丈夫。そう判断した円堂は、壁山の提案を受けいれて彼をディフェンスに戻すことを決定した。

 

 

 

「クマさーん!頑張ってー!」

 

「く、クマさん!?俺クマさんっすか!?」

 

 

そんな決意に溢れた壁山の耳に飛び込んできたのは、小さな女の子の声でクマと呼ばれる自分。当然声の主は、豪炎寺の妹の夕香ちゃんだ。

 

 

「ははっ、いいじゃんクマさん!」

「がんばってよー、クマさん!」

「俺たち、クマさんのこと全力でサポートするでやんす!!」

 

「や、やめてくれよぉ!!」

 

「ふっ……期待してるぞ、クマさん?」

 

「豪炎寺さんまでぇ!!酷いっすー!!」

 

 

憧れの先輩にまでクマ呼ばわりされたことにショックを受ける壁山だったが、既に彼に緊張は無い。和やかな雰囲気のまま、全員が気持ちを新たに各々のポジションへと戻っていった。

 

 

 

雷門フォーメーション

 

ーーーー豪炎寺ーーーー

ー宍戸ー松野ーー少林寺

ーー風丸ーー半田ーーー

ー土門ーーーーー栗松ー

ーーー壁山ー影野ーーー

ーーーー円堂ーーーーー

 

 

 

『おっと雷門中!ディフェンスにいた松野を中盤に戻し、壁山を元のポジションへと戻した!これはいったい!?』

 

 

「どっちにしろ点とりゃ勝ちコケっ!!大鷲先輩っ!!」

 

「おうっ!!【ホークショット】っ!!」

 

 

野生中ボールから始まった試合は、鶏井と大鷲がいきなり連携技を繰り出してゴールへと迫る。一気に点を奪って、流れを取り戻すつもりだろう。

 

 

「【スパイラルショット改】!!」

 

「【スネークショット改】っ!!」

 

「【ターザンキック改】ぃぃぃぃ!!」

 

 

『おおっと野生中の連続チェイン!!先程点を決めたシュートが、雷門ゴールへと迫るーっ!!』

 

 

一気にFWの3人がチェインを加え、先程円堂からゴールを奪って見せた連携が今一度雷門を襲う。即座に円堂が構えるが、そんな彼の前に立つ男がいた。

 

 

 

「壁山っ!?」

 

「キャプテンがキツい思いしたのは、俺のせいっす!!もう、キャプテンにはボールは行かせないっすー!!」

 

 

自分の失敗を拭ってくれた、頼りになる熱血キャプテン。そんな彼を自分が助けるのだ。それは、今しかない。この試合で、達成するのだ。

 

 

 

「どっしり……!!どっしり!!!どっしり、構えるっ!!!」

 

 

 

ドンッ!と地面を踏み締めて、全身に力を込める。もう誰も傷つけさせはしない。ここで、このシュートを、自分が止めてみせる。その決意が形となって、彼を突き動かした。

 

 

 

 

「おおおおおおおおおおっ!!」

 

 

 

壁の様に。山のように。体を張って、チームを守るのだ。自分ならば、それが出来るっ!

 

 

 

 

 

 

 

「____________【ザ・ウォール】!!!」

 

 

 

顕現したのは、巨大な岩壁。ゴール全てを覆い隠すほどの広さと高さを持った、文字通りの壁。守りに特化した、心優しい彼だからこそ編み出した、彼だけのブロック技。

 

 

4つのシュートを内包したボールと、真正面からぶつかり合う。野生中のシュートは一つ一つは重くは無いが、重なれば想像以上に強い。しかし壁山は押し負けない。もうキャプテンの円堂の手に負担は掛けたくないから。そして、弟や先輩、応援してくれている人達に、カッコイイところを見せたいから。

 

 

「だァァァァァァァァーっ!!!」

 

 

必殺技は使用者の精神に大きく左右される。決意に満ち溢れた今の壁山なら、限界以上の威力を引き出せる。雄叫びを上げた壁山は、全身の力を解放するように躍動。見事、野生中のシュートを弾き飛ばしてみせた。

 

 

「冗談だろコケェーッ!?」

 

『なんとなんとぉ!!壁山、新必殺技を繰り出して野生中の猛攻を防いだ!!恐るべき、恐るべき壁だァーっ!!』

 

「風丸さんっ!!」

 

 

ゴッドハンドを使わなかったとはいえ円堂ですら止められなかったシュートを止めてみせた壁山に、鶏井が信じられないとばかりに叫ぶ。見事に止めてみせた壁山は、勇気をくれた先輩にボールを託した。

 

 

「任せろっ!!【疾風ダッシュ】っ!!」

 

「止めるコケっ!!そいつがもう一点決めるつもりコケっ!!」

 

 

ボールを受け取った風丸は快足を飛ばして一気に駆け上がり、野生中ディフェンスを躱していく。そんな風丸を見た鶏井は、先ほど点をとった風丸がもう一点奪う算段なのだろうと予想し、香芽や猿田、蛙田、魚住にディフェンスをかけさせる。

 

 

「……コケ?」

 

 

しかしそんな鶏井の予想は、すぐに裏切られることとなる。

 

 

 

 

「うおおおおおおおおおおっす!!!!」

 

「こ、コケェーッ!?」

 

『なんとなんとゴール前の壁山!!その巨体を揺らしながら、全速力でコートを駆け上がっていくー!!』

 

 

 

ドドドドドドドっ!!と大きな足音を起てながらも、壁山は必死に駆けていく。決して風丸の様に瞬足とは呼べないし、チーム内でも鈍足だ。それでも、必死になって走れば、壁山でも充分前線へと行くことはできる。本来ならスタミナを大きく消費するがもう試合は終盤、関係無い。

 

 

 

「よしっ!壁山ぁッ!!」

 

 

そしてディフェンス陣を上手く引き付けた風丸は、一気にロングパスで壁山へとボールを送る。彼の一連のプレーは、壁山を動きやすくするための囮だったのだ。

 

 

見事に引っかかった野生中ディフェンス陣だったが、一人だけ。陸の守備の要である獅子王だけは、それを読み切っていた。

 

 

「【スーパーアルマジロ改】ぃぃぃっ!!」

 

「っ!まずい!壁山!!」

 

 

高速回転した獅子王のタックルが、壁山へと迫る。チームでも頑丈で力のある染岡すらはじき飛ばしたディフェンスだ、真正面から受ければ危険。そう思った半田が壁山に声を掛けるが、壁山はなんとそのまま獅子王へと突貫した。

 

 

「うおおおおおっ!!」

 

「百獣の王の力を舐めるなガウッ!!」

 

 

真正面、高速タックルの獅子王と逃げずにぶつかり合う壁山。ボールを挟んでギリギリと拮抗する両者だったが、やはり勢いの強い獅子王の方が優勢だった。

 

 

 

「無理するな壁山!!」

 

「こっち、パスっ!!」

 

「だ、ダメっす……!!俺が、やるっす……!!」

 

 

宍戸や少林が壁山にパスするように近くに来てくれるが、壁山は真っ直ぐ前を見て獅子王とぶつかり合う。

 

 

 

「みんな、応援してくれてたっす……!!俺、情けないことしてたのに、みんな頑張れって……!!俺はサクの兄ちゃんだから、かっこいいとこ見せたいし………それに、それに……!!」

 

 

 

 

ギッ、と壁山は前を見る。もう絶対に、この目は逸らしたりはしない。

 

 

楽しければいい。勝てなくても程よくワイワイやれれば程度の気持ちで入部した。昔からサッカーはやっていたが、キツい練習は嫌だったし、疲れるのだって嫌いだった。クーラーの効いた部屋で美味しいご飯を食べる方が幸せだ。

 

 

だがそれでも。心に決めた。もう逃げないって。だって自分は………

 

 

 

 

 

 

「大好きなものから、もう絶対逃げたくないっすーーっ!!!」

 

 

 

 

サッカーが、好きだから。

 

 

 

「うりゃぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

「ガウゥッ!?」

 

 

『壁山と獅子王のぶつかり合い!!制したのは雷門!!壁山だァ!!』

 

 

 

全身に力を込めて、強引にでも突破する。そうだ、君のその大きな体躯は、間違いなく天性の武器なのだ。君が本気で勝とうと思ったら、どんな障害だって弾き飛ばせる。

 

 

 

「豪炎寺さぁぁぁぁぁんっ!!!」

 

「………あぁっ!!来い、壁山!!」

 

 

 

壁山はボールを大きく蹴りあげると、豪炎寺に向かって叫ぶ。今までと全く違う、練習中ですら見た事のない壁山。そんな彼の成長に笑みを浮かべながら豪炎寺は飛び上がった。

 

 

 

「下を見たら、ダメっす……だから!!」

 

 

下を見たら、また身体が竦んでしまう。その為に壁山が考えた方法……それは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()だった。

 

 

大きく身体を仰け反らせて、自分の腹を上にする。こうすれば、どうやったって下を見ることは無い。

 

 

 

「これが俺のっ!!【イナズマ落とし】ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」

 

「だァァァァァァっ!!」

 

 

 

壁山の叫びと共に、彼の腹をジャンピング台にして豪炎寺が飛ぶ。鶏井や大鷲ですら届かない、超ハイジャンプからのオーバーヘッドキック。まさしく駆けるイナズマの如く、青白い雷を纏ったシュートは猪口に反応すら許さずにゴールを決めた。

 

 

そして、そこで試合終了を告げるホイッスルが鳴る。結果は2-1。最後の最後でイナズマ落としを成功させた、雷門の勝利だ。

 

 

 

 

「や、やった………やったっすーーっ!!」

 

「やったな、壁山!!」

 

「はいっ!!う、嬉しいっす~〜!!」

 

 

 

イナズマ落としを成功させ、見事チームを勝利に導いた。それを実感した壁山が喜びの声を上げると、同じくチームを救った風丸が彼に肩を組む。こんなに上手くいくとは思わなかった壁山が、勝ったという事実に思わず涙をうかべる。

 

 

 

 

「お兄ちゃん凄い!クマさん凄い!!みんなみんな凄ーいっ!!」

 

「すげぇよ兄ちゃん!!カッコイイよ兄ちゃん!!やっぱり俺の兄ちゃんは凄いんだーっ!!」

 

 

 

応援団の面々も、雷門の勝利に沸き立つ。特に幼い夕香ちゃんと兄の勇姿を見たサクは、テンションが最高潮に達していた。

 

 

 

「にしたって壁山!!イナズマ落としもだけど、凄い技作ったな!!」

 

「あぁ!後ろから見てても、すっげぇ迫力だったぜ、壁山!」

 

「へへへ………な、何か無我夢中でやったら出来ちゃったっす!」

 

 

 

恥ずかしそうに頭を掻く壁山。大きく成長したが、その優しく引っ込み思案なところは変わっていないようで。チームみんなで、大いに笑い合った………。

 

 

 

 

 

 

 

この後、雷門夏未がマネージャーとしてチームに加わることになったり、夕香ちゃんからの呼び名がすっかりクマさんで定着した事を悲しむ壁山の姿があったりした様だ。

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