私の夢は文豪さんに護られて   作:黒猫( 'ω')

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依頼についてお話しますね

あれから数日後、楓香さんは再び探偵社を訪れた。今日もあの日と変わらず、大きい男物のパーカーを羽織ってフードを深く被っている。前回と変わった事があるとすれば、それは扉をノックしてから開ける迄の時間が短くなった事、前よりも笑顔を見せるようになった事だと思う。今、僕は太宰さんと国木田さんと一緒に応接室で楓香さんの話を聞いている。

「改めて、橘楓香です。宜しくお願いします。」

「では、此方も。私は太宰治。貴女から見て右に座っている銀髪の青年が中島敦君で、左に居る気難しそうな眼鏡が・・・」

「国木田独歩です。宜しくお願いします。」

おぉ、太宰さんにあんなこと言われても平然と・・・してないな。国木田さーん。お怒りのマークが丸見えですよー。

「えと、それが始まったのは三週間程前でした。家の郵便受けに可笑しな手紙が入っていたんです。それには、『明後日、お前の頭から黒き獣の耳が生え、その次の日には尻尾も生える。』って書いてあったんです。それで、その指定された日に本当に生えてきたんです。」

そう云って、彼女は躊躇しながらフードを脱いだ。そこには、確かに生えていた。黒くて少し小さめの三角形の耳が。あの時は、見間違えとか贋作(レプリカ)だと思っていたけど、どうやら本物の様だ。時々動いたりしている。そう云えば、

「太宰さんが触った時、頭の其れ無かったですよね? って事はそれは異能力とかなんじゃないですか? 若しもそうなら、納得が行くんですが・・・・・・ねぇ、太宰さん。国木田さん。」

「そうだろうねぇ。楓香さんの其れは手紙を送り付けた人間の異能か、又は楓香さん本人の異能かもしれないが・・・・・・。国木田君はどう捉える?」

「後者を取る。元々あった彼女の異能がその手紙によって開花したと考えている。」

「異能・・・・・・力? あの・・・・・・其れって何ですか?」

楓香さんが首を傾げ乍ら聞く。あぁ、そうか。彼女は異能とは無縁なのか。しかも、眠っていたと考えるなら尚更か。

「異能力と云うのは、貴女のその耳や尻尾、太宰の異能無効化、敦の虎化等が在ります。戦闘遊戯(バトルゲエム)等で云う所の特殊能力(スキル)と云った感じですかね。」

国木田さんの説明の聞いてなんか楓香さんがそわそわしてる。小動物みたいだな・・・・・・。

「大体ですが分かりました。ふむ・・・あの時のは異能力だったってことか・・・・・・。」

「あの時? 何かあったんですか?」

「えと、俗に云うストーカーって人ですね。手紙が来だした頃から、ずっと視線を感じるんです。それで、見つからないように、人目につかなそうな処で姿を変えて移動したりしています。今日も是の建物に入る迄は姿を変えていましたよ。」

ストーカー・・・・・・絶対其奴が楓香さん宛の手紙の原因だな、うん。・・・・・・ん? 何故だろう。凄い嫌な予感がするのは・・・・・・。チラッと太宰さん達の方を見る。うわぁ・・・・・・絶対何か企んでるよ・・・・・・。なんかそんな感じの目してるよ・・・・・・。

「あ〜つ〜しくんっ、一寸此方に来たまえ。」

早速来たぁ・・・。逃げたい・・・・・・。もう全力疾走したい。だけど、そんな事を是の二人が許す筈も無く・・・・・・。僕は太宰さんに衣装室に連れて行かれた。何故かそこにはナオミさんがいる。あ、確定したな。二人が話している間にそぅっと部屋から抜け出そうとすると、太宰さんに肩を掴まれる。そのまま僕は腕を引っ張られ、近くの手摺りに手錠で繋げられる。・・・・・・もう駄目だ・・・・・・諦めよう。

「少々お待ちを。直ぐに終わりますので。」

「は、はぁ・・・・・・。」

部屋の外から国木田さんと楓香さんの声が聞こえる。

気が付くと、太宰さんとナオミさんが目の前で凄いにやけ顔を見せている。太宰さんは僕の手錠を外しながら

「敦君、此方の準備は完了だ。後は君が、試着室で其れ等を身に付けるだけで終わる。彼女の為にも一肌脱ぎ給えっ!」

そう云って僕の背中を押して試着室に入れる。試着室には絶対これ女性が着る服だよねって感じが凄い服が置いてある。

「はぁ・・・・・・やっぱりこうなったか・・・・・・。」

仕方が無く、僕は着替えを始めた。用意された服は、グレーのパーカーに白いシャツ、黒い膝下までのスキニーパンツ。そして、何故かあった黒髪の鬘。楓香さんの格好に似ている。要は僕が彼女の身代わりになれと云う事か。取り敢えず、外では太宰さんが急かしてくるし、覚悟を決めて着よう。後の事はどうにでもなれだ。

 

「太宰さん・・・・・・着替え・・・終わりましたよ・・・。」

「ほほう・・・なかなか良いではないか。これなら大丈夫だね。ナオミちゃん、有難う。態々手伝ってくれて。」

「いえいえっ。大丈夫ですよ。お役に立てたなら良かったですっ。それでは、私はこれで。頑張ってくださいね〜。」

ナオミさんのあの顔・・・・・・行先は当然乍ら谷崎さんの処だな。

「さぁ、敦君。それじゃあ行くよ。向こうでは国木田君と楓香さんがお待ちだ。」

そう云い乍ら太宰さんは僕の手を引っ張って部屋から出る。部屋から出て先ず目に入ったのが、楓香さんの驚きの表情だった。




敦君目線で書きましたっ。区切り悪いかな・・・? 取り敢えず、こんな感じでまた書いていきますよ、えぇ。
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