世にも不思議な転生者   作:末吉

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しまったぁぁぁぁぁ!! 124と125の順番逆だったぁぁぁぁぁ!!

待たせて本当に申し訳ございません。ええ。もうひと作品の方で言い訳はしましたのでいうことはありませんが。

こんなやつですが、どうぞご覧ください。


126:新デバイス

 ドゴン、と爆発音が聞こえる。

 

『派手にやってますねー』

「そうか?」

 

 ナイトメアの言葉に首を傾げながらも爆発音が聞こえた訓練場に一瞬目を向け、すぐさま作業画面に視線を移す。

 今やっているのはプログラムの調整。とはいってもデバイスではなく(俺には少しばかり専門外だ)、博士から送られてきた新武装を制御するためのプログラム。

 元々俺の前世にあった武装でプログラム自体も俺は知っていたので問題なく調整可能。

 

 ただし外で。

 

 自分の部屋でやるにしては色々と面倒だし、どこか場所を借りようにも人の目につく。ぶっちゃけ外でも同じようなものだろうが、誰も近寄らない場所ならすでに知っているのでそこで作業をしている。

 

『にしても最近マスター空気ですね』

「まぁ良いんじゃないか? 一応全体練習の時は顔出してるし、俺居なくても基本すべて回ってるから」

『だからって度々地球に戻ったり、本部の方へ戻って仕事を見るのは些か不注意のような気がしますけど』

「暇なのだから仕方ない」

 

 そう言っていたら終わったので、俺はこの装備を転移装置をつけて博士の下へ飛ばした。

 取り付けた転移装置は腕時計型ではなく、どちらかというと魔力を溜めて特定の場所へのみ転移できるタイプ。まぁ配達用だな。

 

 意外と便利だよな…等と博士が作ったそれについて考えながら、俺は今度こそ訓練場のモニターを見ることにした。他の奴らも見ているだろう。

 今回は実戦へ移る前の試験だという事で、なのはと雄樹にそれぞれ一撃届かせるという事らしい。

 

 四対二ではあるが、俺が提示したトレーニングを毎日やっているからか最近成長著しい。神様がどこか仕組んだのかもしれないが。

 ともかく。現状四人が精いっぱい追い詰めているが、それを嘲笑うかのように二人は逃げている。

 

『それにしても』

「ん?」

 

 不意に呟いたナイトメアに反応すると、『マスターって効率的ですね』と返ってきた。

 

「まぁ」

『否定しないんですか』

「そりゃな。今回効率的にいかないと来たるべき時に間に合う可能性が低いからな」

『そりゃそうなんでしょうけど』

 

 一体何が不満なのだろうかと思いながらも画面から目を離さないでいると、「成長したわね、少しは」と隣から雷神の声が聞こえた。

 

「暇なのか?」

「まさか。こっちはこっちで誰が敵なのか調べてるところよ。あたしは第一次コーチといったところかしら」

「ふ~ん」

 

 あちらはあちらで大変なんだなと思いながら、思いの外エリオがなのはたちに追いついているとこを目撃する。

 

「すごいな。今のなのはたちに追いついてるとは」

「子供じゃない。成長率なら誰にも負けてないわよ」

「一応俺が前世で欠かさずやっていた日課の少し優しい版を教えたが……それだけじゃなさそうだ」

「あの子とフェイト。私としては教え甲斐あるわね」

 

 何かがピンときたのかそんなことを呟く雷神。

 その言葉に俺は今後のメニューの担当が自然に決まるんだなと思っていると、急に俺の首を斬るように手刀が振り下ろされる気配がしたのでしゃがんでから全力でその場を退く。

 

「鈍ってないようね」

「当たり前だ」

 

 ある程度距離を取った俺はいきなりこんなことをした理由を訊ねずに警戒する。

 

「なら、このまま稽古するわよ。あんたが最初」

「了、解!」

 

 全力で雷神へ向かった俺は、場所を移すために迎撃しようとしてきた雷神と一緒に転移装置で跳んだ。

 

 

 

 

 

 数十分後。

 俺達が飛んだ空間内の現状は崩壊の一途をたどっていると言っても過言ではないものになり、互いに満身創痍に近かった。

 

「本気を出しているのにここまで縋るなんて……あんたひょっとして成長した?」

「いや。俺だって本気だ。回復する魔力を根こそぎ使いまくったからな。もうしばらくは魔力の回復が遅い。収束のお蔭で魔力残滓の再利用はでき、圧縮で威力を高め、回復でさらに威力を増大させる。その繰り返しで今回は戦った」

「なるほどね……自分の能力を最大限に使った戦いしかできない、と」

「当たり前だ。俺には成長するという言葉はない。発展と確立。それだけだ」

「……そうね」

 

 言っている意味を理解したらしい雷神。そんな彼女を見た俺は、「どうする? 続けるか?」と質問する。

 

「……いいわよ、もう。あんた昔より強くなってるんだから。神壁一撃で破ってからもう一回張らせる暇を与えないって位に攻めて」

「そりゃそうだろ。あれが本当に厄介なんだよ」

 

 そう言ってやると「……ま、いいわ。戻りましょ?」と言って回廊を出したので、俺は黙って先に入った。

 

 

『そう言えばマスター』

「ん?」

 

 雷神の隣を歩きながら今頃どうなっているのか考えていると、不意にナイトメアが呟いたので反応する。

 

『シャーリーさんに私の全てを見られたんですけど』

「若干いかがわしく感じるのはなぜだろうな」

『さぁ? まぁともかく見られて色々呟かれたんですけど、さっぱりでした!』

「じゃぁ言うなよ」

『でもこれだけは覚えています!』

「なんだよ」

『『私は現存するデバイスの中で一番古く、また一番解析ができないデバイス』だって!!』

「現存する中で一番古く、解析できないデバイス、か……。それはそれでどういう事か分かったな」

『え?』

 

 ナイトメアの声に俺は反応せず脳内で確認する。

 一番古いということは、恐らく神様が関係している。忘却神具の類だろう。

 解析できないというところから見ても人間の技術ではないことは明らか。

 ただのデバイスではないとは思っていたが、まさか昔から存在してたとはな……。

 

「まぁそれに関しては心当たりあるといえばあるわよ」

「何?」

 

 さらっと心を読まれていることには触れないで反応すると、雷神は立ち止まって答えてくれた。

 

「そのデバイス……スサノオがあなたに託した忘却神具よ。さすがに出所は分からないけど、昔スサノオが託されて封印してたものだと言っていたわ」

「……そうか」

 

 転生した時に渡されたこのデバイスにそんな事情があったとは…なんて思いながらも立ち止っていると、「とりあえず今は戻るわよ。心配してるでしょきっと」と言われたため、そうだろうなぁと思い歩き出した。

 

 

 

 

 先程と同じ場所に戻ってきた俺はもう終わっていたことを知り、ならこれから何をしようかと思いながら基地内を適当に歩いていると、俺を探していたのかアリシアと遭遇した。

 

「どこ行っていたの大智! 連絡もしないで!!」

「訓練」

「ちゃんと連絡が通じるところにいてよ! 心配するんだから!!」

「……すまなかったな」

 

 アリシアはとても心配した表情で怒ると、すぐさま俺の手を引っ張り来た道を戻る。

 

「心配させた罰なんだからね」

「……悪かった」

 

 俺にはそう返事する以外の言葉はなかった。

 

 さて。デバイス室に入った俺達は手を握られているというところに視線が集中していたのですぐさま離す。そして雄樹に「どこ行ってたの?」と訊かれたので「呼び出し食らってちょっと」と言葉を濁す。

 外傷も魔力の異常もないので誰も気付かないだろうそれになのはは気付いたらしく俺の方を見たが、すぐさま視線を戻してナカジマたちの方を見る。

 

「みんなには新しいデバイスを支給するよ。作ったのはアインスさんにシャーリーさん達だから、ちゃんとお礼を言ってね」

 

 なのはがまずそんなことを言う。その間俺はどうしてここにいなければいけないのかという疑問を浮かべた。

 喜ぶナカジマ達に、シャーリーがいくつか注意事項などを言っているが、関係ない俺にはどこまで行っても必要ない事なので聞き流す。

 

 ……そういえばフェイトとはやてがいないな。あいつらまた呼び出し食らったのか? まったく大変だな。

 

 暇過ぎて思わず欠伸をしてしまう。どこかへ行こうかと考えてしまう。

 

 ま、少し寝るか。そう思った俺は、立ったまますぐさま寝た。

 

 

 

 

*八神はやて視点

 

 今うちは教会に来てカリムと一緒にお茶をしている。

 ま、表向きは挨拶やな。機動六課設立の。

 

「久し振りね、はやて。どう? そっちは」

「そやね……大智が来てからうちらの制限やらなくなったけど、トレーニングが厳しいんや」

「大智……はやて達が関わってきた事件の全てを実質的に解決した張本人で、管理局や教会が敵に回したくないほどの影響力と強さを持つ人よね。会ったことはないけど」

「生真面目なだけ。あいつはホンマに妥協するいう事をしないだけや。……ところで、呼び出したってことは何かありました?」

「ええ」

 

 そう言うとカリムはカーテンを閉めていくつものモニターを宙に映し出す。

 その中で似てるけど形が違う――けれど名称は同じものだと思われる――モノと、直方体の箱を見たうちは「これはひょっとして……」と呟く。

 

 それを聞いたカリムは頷いて答えてくれた。

 

「そう。これは新型のガジェットと――レリックが入っていると思われる箱よ」

 

 

 

 

 

 

「起きて大智君!」

「ん」

 

 耳元で叫ばれて起こされた俺は周囲の気配を感じてから目を開ける。

 

 ……何やら慌てて移動してる奴らもいるが、一体どうしたというのだろうか。

 

 思わず首を傾げたくなったが、状況の把握は眼前の画面いっぱいに表示されている文字を見て、した。

 

 

 赤――つまり非常事態による出動命令。

 

 

 少しは眠ったから体の疲れはない、か。

 腕を伸ばしながら体の調子を確認した俺は周囲の目を気にせずに入口の方へ向かいかけ……ここでは俺が一番立場的に下だという事を思い出した。

 

 と、いうわけで。

 

「高町隊長、斉藤副隊長指示を出してください」

「……今更な変わり身のような気がするんだけど」

「そうですか。では今後このまま続けさせて」

「そう言うのはいいから今は出動するよみんな!」

「「「「は、はいっ!!」」」」

 

 切羽詰まったのかそれとも俺の言葉を遮りたかったのか。どちらとも取れるなのはの行動だがエリオ達四人はすぐさま行動に移した。

 面倒だった俺はどうしようか悩み……とりあえず行こうかと思ったところ「大智君も行くよ!」となのはに腕をとられて現場へ向かうことにした。




ご愛読ありがとうございます。
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